【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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湿気のせいか、寝辛い…。


048 独自技法 役に立つとは 限らない

麻帆良武闘大会、本戦トーナメント1回戦第2試合、アンディVSタカミチ。

 

現時点においてのアンディは、原作のネギ少年に毛が生えた程度の強さでしかありません。

多少戦闘慣れしている、無詠唱で撃てる魔法の矢が1、2本増えた、『連射モード』で1発ずつなら魔法の矢を連打できる。

さらに、『無音拳』が(かす)かにでも見える。

 

タカミチからすれば、それは些細な差です。

何より、原作で見せたタカミチのあのタフネス。

打撃に魔法の矢を9本載せたものを2発受けて、なお立ち上がれた、冗談みたいな耐久度が原作通りなら――。

――アンディの勝ち目は皆無です。

 

戦闘経験が一桁も二桁も違って、なおかつ馬鹿みたいなタフネスを持つ敵というのは、現状の修行では倒せない種類の相手なのです。

 

小太郎君やらカモさんやらが相手の戦力を分析していたようですが、はっきり言って地力がアリと象ほどもある相手に、どんな作戦を立てようとも大した意味がありません。

 

しかし。

 

同時に、タカミチは各所で活躍しているアンディがどれほどの力を持つのか、非常に楽しみにしています。

その力を最大限まで引き出すように立ち回るでしょう。

私が佐倉さんに対してそうようとしたように。

ええ、失敗しましたけどね。

 

そんな、特大の隙を意図して晒してくれているわけですから、そこを突かない手はありません。

結果。

ダメモトでぶつかっていくのが最上の策、というわけです。

 

 

 

試合開始直後。

アンディは身を低くしての瞬動で接近します。

 

瞬動には移動中の方向転換ができないという弱点があり、それを克服するための小細工です。

小太郎君がアンディに教えた、狗族流『四つん這い瞬動術』ですね。

修学旅行の時、小太郎君はこれでアンディを翻弄したというお話です。

 

四つん這い瞬動術の利点は、まず1つは瞬動そのものがやりやすい。

両手両足で体を支えていますと、転倒しにくいのです。

 

もう1つは、地面が近いので、一度だけ地面に手足をついての方向転換ができる。

立った状態での瞬動では、僅かでも向きを逸らしたりということはできませんからね。

地面に足がつかないので。

 

さらに、武術において低く構えることはバネをためること。

つまり基本的に低い姿勢は有利に働くのです。

無音拳の連続衝撃波も、一度限りの方向転換で避け切りました。

 

それで、相手に接近してから、アンディはタカミチの脚を重点的に狙います。

卑怯と言うなかれ。

防御しにくい部分を攻めてダメージを蓄積させる、ローキック連打などと言う戦術も、格闘技の界隈には普通にあるのです。

ならば、魔法もあるこの状況で、それを想定しない方が悪い。

これは、小太郎君の作戦です。

 

ただし、手で狙いに行くのは悪手です。

あくまで、相手の隙を突いた下半身攻めでなければ、手痛い反撃をもらうことになります。

だって、その動きは相手から丸見えですから。

 

というわけで、拳で足を攻めたアンディはタカミチのパンチに背中を打たれ、距離を離されました。

無音拳ではなく、普通のパンチですね。

身を低く屈めていたので、アンディにはその動きが見えなかったのです。

下手な作戦のおかげで、まさかの回避で虚を突かれた、その有利(アドバンテージ)が相殺されてしまった形です。

 

しかし、アンディはこのくらいでへこたれるようには鍛えていません。

『白黒魔法使い』に延々と追いかけられたり、カエルを仕込んだ落とし穴に落とされたり、色んなことをやってきましたから、不測の事態への対応力はそれなりにあるのです。

遊び同然とはいえそれだけイジメられて、それでなお私に寄ってくるというのですから、筋金入りと言えなくもないのですけれどもね。

 

 

 

一度距離が離れますと、タカミチの無音拳が唸ります。

アンディは3、4発なら避けますが、それ以上は無理です。

目で追えても体が付いていきません。

そして、そういう手合いに慣れているのもタカミチなのです。

無音拳によるフェイントで相手を誘導し、的確に当てていきます。

 

距離を取った状態では、本当にどうしようもありません。

当然、アンディは接近しようとします。

それができる手段は、瞬動のみ。

 

ここから、出し惜しみなしです。

魔力を高め、無詠唱での『連射モード』に入りました。

 

無詠唱での『連射モード』といえば、何だか凄そうですが、実際は私がよくやる短縮詠唱の方が、連射速度は上です。

なぜなら、曲がりなりにも詠唱している方が、『手続き』をしやすいからなのです。

短縮詠唱は、立派な既存技法の一つなのですよ。

しかし、無詠唱での『連射モード』には、アンディだけの特殊な技法があります。

 

それが、武術と組み合わせた『輝身拳』です。

要するに、『魔法の矢』を載せた一撃を、拳を振るごとに繰り出せるのです。

武術による攻撃すべてに、1本のみとはいえ『魔法の矢』が載りますので、相手の体力を削る力は倍増します。

これは当然、『魔法の矢』による相殺、つまり防御にも使用可能なので、これで無音拳を弾きながら接近するという真似も、できるというわけなのです。

 

まさか瞬動による移動中に無音拳を相殺されるとは思っていなかったタカミチは、一瞬面喰って接近を許しました。

まだ『咸卦法』は使っていませんから、『輝身拳』によるダメージも馬鹿にならないはずです。

タカミチの二度目の油断、ここで有効打を取れればいいのですが……。

 

ダメですね。

決定打にならないように上手く捌かれていて、より威力の高い『桜華崩拳』を叩き込むチャンスがありません。

 

ただ、押しているのは確かで、アンディの中国拳法に上乗せされた『魔法の矢』は、タカミチの体にダメージを蓄積しています。

しかし、徐々に圧し返されつつもあります。

普通に経験や身体能力(パラメータ)で負けていますから、このまま流れを持って行かれてしまいますと、もうアンディにはどうしようもありません。

 

と。

そこでタカミチはフッ、と微笑みました。

なぜか、私に向けて笑ったような気がするのですが、気のせいでしょうか?

 

それが隙になったのか、タカミチはいいのを受け損なってよろめき、その一瞬の隙を突いて、アンディが『雷華崩拳』を叩き込みます。

 

『雷華崩拳』というのは、私がさっき述べた『桜華崩拳』の類型で、拳に複数本の魔法の矢を載せて放つ崩拳、発勁(はっけい)です。

身体強化によるパンチ力の強化に、『魔法の矢』の威力が合わさることで、接近戦用の技としましては破格の威力を誇るものに仕上がっています。

また、複数本の『魔法の矢』を拳に載せるということで、本数を増やせばいくらでも威力を上げられるというのが利点ですね。

さらに、『魔法の矢』の種類によっては、様々な効果を付与することもできます。

 

『雷華崩拳』は『雷の矢』の効果である電撃による麻痺、『桜華崩拳』は『光の矢』による破壊力の増大、障壁破壊です。

アンディの目の良さは、少ないチャンスをほぼ必ずモノにする武器ですので、決定打とも言えるこの必殺技の存在は、大きな脅威なのです。

 

ただ、浮かんでいた『魔法の矢』の数は3つ。

即時放てる最大数の4つには届いていません。

これはアンディが4つ目は間に合わないと判断したのでしょう。

この辺の判断力(センス)も、あの子は優れていますからね。

 

『雷華崩拳』をもろに食らったタカミチは、10メートル近く吹き飛ばされました。

トラックで撥ねられたかのように、大の大人がポーンと宙を舞ったのです。

そして池に落下し、盛大な水柱を上げます。

 

 

 

ここからが勝負です。

アンディの『輝身拳』が厄介とはいえ、タカミチの気の防御を貫けていたわけではありませんからね。

当然、『雷華崩拳』、『魔法の矢』が1、2本増えたところで、そこまで大きなダメージではないでしょう。

 

果たして。

タカミチは池の水の上を悠然と歩きながら、水煙の中から姿を現しました。

楽しげに微笑みながら。

 

そしてアンディに向かって、今度は自分から戦いを挑んでいきます。

それに対して、赤髪少年(アンディ)は再び無詠唱で『連射モード』に入り、『輝身拳』で応戦します。

相手から近付いてきてくれるのは望むところですからね。

 

ただ、今度のタカミチは一味違いました。

試合の流れを持って行かれた状態でも捌いていたのなら、流れが対等になれば圧倒するのは容易いのです。

アンディも必死に食らいつこうとしますが、少しも隙を見せません。

 

蹴りで距離を離されたところから接近しようと四つん這い瞬動を使いますが、方向転換した後を見切られて、無音拳を撃ち込まれます。

結局、選択肢は無音拳を『輝身拳』で弾きながら突撃することのみ。

しかしそれは、同様に瞬動を見切られ、足を引っ掛けて転ばされるのです。

その性質上、『輝身拳』と四つん這い瞬動は同時に使えませんからね。

 

 

 

その後は、大体原作と同じ展開でした。

いや、説明しますけどね。

 

アンディを男と認めたタカミチが『咸卦法』を使って、今までの無音拳、身体強化パンチ程度だった居合い拳から、『豪殺居合い拳』、大砲並みの威力を持った居合い拳を使い出したのです。

 

元々、ズボンのポケットを鞘として拳を音速以上に加速させ、その衝撃波で相手を攻撃する技です。

『咸卦法』による身体強化によって、その最大威力が10倍くらいに上がったという認識で構いません。

原作でも察知が難しいと言っていたのは、攻撃の本体が超音速による衝撃波(ソニックブーム)だからですね。

気や魔力が篭っていれば、同じ音速でも察知ができるのです。

 

それを連打されて逃げ回っていたアンディですが、その内に逃げ切れなくなり、1発は障壁で軽減するも2発目は障壁が間に合わず、まともにもらいます。

一瞬、意識が飛んだようですが……。

 

「立ちあがったら、ナギの写真コピーしてあげますよー!」

 

アンディは、私が声援を送ると立ち上がるのです。

一応、言っておきますが、ちゃんとご褒美はあげますよ?

(しつけ)は信賞必罰が基本です。

良いことをすれば良いことがあるのだと認識させるのが大切なのです。

それをおろそかにしては、まともな子に育ちません。

 

最後は無謀に突っ込んだと見せて遅延詠唱(ディレイスペル)を仕込んでおき、打ち消されたと見せて隠します。

そして最大本数11本の『雷華崩拳』を、『風障壁』で守りつつ叩き込み、さらに遅延魔法で仕込んでおいた『魔法の矢』11本による『桜華崩拳』によってフィニッシュです。

 

タカミチが上手いことアンディの本気を引き出してくれたのが良かったのです。

タカミチも、一度は起き上がりますが、この戦いに満足したと言って、また倒れました。

 

単純なダメージ量で言えば、今の小太郎君を2回くらいKOできるレベルだったのですけれどもね。

 

 

 

 




本日の成果

麻帆良学園祭開催中!
麻帆良武道会本戦1回戦、進行中。

以上。

つづく



色々とオリジナル技法を駆使しています。
でも、実力に差がありすぎてあんまり通用してないという…。
元々、『四つん這い瞬動』は獣化状態で使うことを想定された技法なんで、生身で使いこなすのは難しいんですよ。
『輝身拳』は名前がちょっと思いつかなかったんですが、同時期に『東方輝針城』が動画で流行っていたのもあり、そこから付けました。
技法は、こういうシンプルなものの方が役に立つと思います。

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