【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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なんでもはしません。




049 1回戦後半dieジェスト

控室前。

私とメガネダンディ(タカミチ)は話し合います。

 

「結構手加減しましたね?」

「そりゃぁね。奥儀なんて出したら、会場が持たないよ」

「そうではないでしょう?

この大会に、何か気になることがあるのですか?」

 

私は白々しくも知らない振りをしました。

一応私も、無音拳の奥儀の威力は大停電の際に見ましたけれども。

あれを使用していれば、四つん這い瞬動術とか、そんな小手先の技術は関係なく一撃で終わっていたでしょうね。

 

「相変わらず君は聡いね。

この大会のオーナーの(チャオ)鈴音(・リンシェン)君は、過去に色々とやらかしているんだ。

そのための偵察だよ」

 

彼は素直に白状します。

つまり最初から、1回戦でさっさと負けるつもりだったのです。

そうした方が、元選手として会場の敷地内を自由に動き回れるということですね。

 

それが時間ぎりぎりまで使った大勝負になったのは、相手がアンディだからでしょう。

本当の、英雄の息子。

 

「私も『超包子(チャオパオズ)』の関係で懇意にさせていただいているのですが……」

「念のためさ」

「そうですか」

 

私に事情聴取をする気はないようです。

判っていたことですけれども。

 

「タカミチ、あなたはお人好し過ぎます」

「なんだい?藪から棒に」

「そんなだから、私もアンディのことに気付いてしまったのですよ」

「――っ!」

 

タカミチの穏やかな笑顔が驚愕に染まりました。

 

「アンディも、これまでの事件から違和感を持ち始めています」

「まさか――!」

「やはり、気付いていませんでしたか……。

隠している感情の機微がわからないようでは、教師としてやっていけませんよ?」

「むっ……」

 

もう何度も、タカミチのお話をアンディから聞いているのです。

出張で忙しいから、アンディが3-Aの担任になったということ。

それからも、何度も教員としてサポートしてくれていること。

最近の、ヘルマン事件について何度か相談しようとして止めたこと。

 

「ネギちゃんは――!」

 

私は人差し指を1本立てて唇に当て、『静かに』というジェスチャーをします。

 

「ここでするお話ではありません。

武闘大会終了後、地底図書室の非常口の奥にアンディを呼んでいますから、その時に」

「あ、ああ、そうだね……わかったよ」

 

さすがに大人です。

一瞬取り乱しましたが、もう落ち着きを取り戻しました。

 

「それではまた後ほど」

 

私は即席の遮音結界を解除し、その場を離れます。

 

 

 

 

 

 

 

次の試合は、クウネル・サンダースさんVS小太郎君。

原作を知っている人はご存知の通り、フードで顔を隠した謎の人物クウネルさんは、図書館島最深部の主、アルビレオ・イマさんです。

 

先にも説明しましたが、この人は魔道書の精で、もう千年以上も生きているとされています。

そして本人にも確認したのですが、伝説のチーム『赤き翼(アラ・ルブラ)』の参謀役でもあります。

魔法使いとしましても相当な腕前を誇っており、その実力はタカミチ以上とも。

 

そして。

タカミチと違って、この人は適当に遊びながら、決勝でアンディと戦うことを目的にしています。

 

つまり。

小太郎君は確実に負けます。

その次に当たる私も。

さらに、やることがアレなので、決勝で当たるアンディも負けます。

 

私も頑張りますが、条件が厳し過ぎる上に地力に開きがあるため、遊ばれて終わりでしょう。

というか、普通に修行している見せ技では、詠唱ありでもまだ勝てませんね。

『烏天狗少女』も、普通に捕まるでしょうし。

まあ無理です。

 

 

 

小太郎君VSクウネル(アル)さんの試合は、大体原作通りになりました。

力に差があり過ぎますから、長瀬さんに習って瞬動術の精度を高めていようが、『狗神』で使役できる精霊の数が増えていようが、些細なことなのです。

実力差はアンディVSタカミチよりも、もっと酷いでしょうね。

 

一応、流れを説明しますと。

 

とりあえず接近しようとして使用した瞬動術が初見で見切られ、背中と顎にいいのをもらいます。

もちろん、小太郎君お得意の四つん這い瞬動でした。

 

やはり一定以上の実力者が相手では、方向転換後を狙われますね。

さすがは作者が独自設定として考えただけの、小手先の小細工なのです。

役に立たない技術を考えるのだけは一流ですよね。

 

さて、試合の方ですが。

 

小太郎君は頑張って、分身を駆使したり、『狗神』を叩き込んだり、集中した気の塊を叩き込んだり、色々とやりますが、結局まったく歯が立たず。

最後の手段として獣化しようとしたところ、あからさまな魔法バレを避けるために、クウネル(へんたい古本)さんは重力魔法でトドメをさしました。

失神KOです。

 

 

 

お次は高音(ぬげおんな)さんVS田中(ぬげビーム)さん。

ルビで分かる通り、相手がロボットということに虚を突かれ、流れを持って行かれたまま、田中さんの脱げビームをもらい、裸にされて、その反撃で高音さんは田中さんを池に叩き落して終了。

 

水没したせいで壊れているでしょうし、後で譲っていただきましょうかね。

今度は魂が入っていることはないと思われますので、妖精さんの素材(オモチャ)です。

 

高音さん、次はアンディとの対戦なので、また脱げるのでしょう。

まったく、アンディに係わりますと、女の子の脱げ率が高くて困るのです。

 

 

 

次は、長瀬楓(ニンジャ)さんVS中村達也(レップウケン)さん。

特筆するべきは、長瀬さんが究極の瞬動術とも言える『縮地法』を、ほぼ完全な形で習得していることでしょうね。

さらに、私のなんちゃって無音暗殺術の欠点(デメリット)を知っていたことからも、多分彼女自身もそれが使えるのだと思います。

しかも、おそらく私より高いレベルで。

 

それが合わさればどうなるのか。

まあ、一般人では何が起こったのかすらわからずに、失神KOですね。

それなりに高いレベルの人でなければ、魔法使いや従者とかでも危ないのです。

 

『縮地』とは、『地脈を縮める』という仙術の秘儀に名前をもらったもので、その意味は『千里を一歩で進む』ということだそうです。

この千里は凄く長い距離という意味で、つまり一歩を歩くだけの短時間で、物凄く長い距離を移動するということなのですよ。

その完成形とは、つまり普通に歩くように、姿勢の崩れもなしに瞬間移動する、と言った感じですね。

それを、刹那さんなどの専門家は、「『入り』と『抜き』に気配がない」という言い方をするそうです。

 

試合?

中村達也さんは強敵でしたね!

さすがは気による遠当てを習得した人です。

10秒も持ちましたよ!

 

 

 

次は桜咲刹那さんVS神楽坂明日菜(おてんばひめ)さんです。

刹那・F・セイエイさんに明日菜さんは剣術を習っているそうですので、夢の師弟対決と言ったところでしょうか。

 

明日菜さんがアルさんに教わった『咸卦法』を使い出して、最初から手加減していた刹那さんは危うく張り倒されかけますが……。

そこはそれ、男の子になって原作より強くなっているだけはあるのです。

なんとかダウンせずに受け身を取り、『咸卦法』を使って身体強化した明日菜さんに合わせた戦いを披露します。

 

格好ですが、明日菜さんは明治風メイド服、刹那さんはフェンシングでもやりそうな貴族の衣装です。

武器は、明日菜さんの『ハマノツルギ(ハリセン)』に対して、刹那さんはビームサーベル(オモチャ)です。

なんでも、エヴァさんが用意したハンデだそうで。

本当に何の変哲もない、アクリルカバーのオモチャでした。

屋台か何かで売っていたのでしょうか?

 

まあ、神鳴流剣士なら、こんなものでも気で強化して十分に戦えるそうですが。

木刀で石が切れるようになって、やっと一人前だとかなんとか。

神鳴流が怪物集団ということだけはよく分かりました。

 

試合は、アルさんが色々と念話で明日菜さんに助言(アドバイス)するのを、エヴァさんがあの手この手で妨害するという、闘技場の外での戦いがメインでした。

ええ、原作通り、猫耳やスク水でおちょくっていたのです。

明日菜さんを勝たせて、割と本気でコスプレをさせようという意図が感じられました。

変態ですね、この人も。

開き直っている分、他より厄介かもしれません。

 

ただ、そんな助言(アドバイス)攻撃にもなんとか対応している刹那さんは、さすがと言うべきでしょう。

最後は『ハマノツルギ』を大剣に変化させた、暴走しちゃった明日菜さんにビームサーベルが斬られましたが、なんと無刀取りで明日菜さんをブン投げ、刃物使用によって明日菜さんの反則負けとなりました。

 

というか、無刀取りって柳生神影流では?

いえ、そういえば日本武術は大体戦国時代発祥で、柔術もその当時の無刀取りの類型から発達したのでしたっけ。

本来、無手の技は最後の手段だったはずなのですけどね。

 

柳生新陰(・・)流じゃないかって?

こまけえことはいいのです。

そもそも、私はイギリス人ですし、日本の歴史についてもそこまで詳しいわけではありませんし。

……と、言い訳しておきます。

 

とにかく、大体原作通りにガンダム(せつな)さん勝利です。

 

ああ、ガンダム(せつな)さんというのは、単に名前と容姿が似ているから、私が心の中でそう呼んでいるだけですよ。

本名は原作同様、桜咲(さくらざき)刹那(せつな)さんですので悪しからず。

――彼には72通りの愛称(ニックネーム)があるのです。

 

 

 

さて。

では、問題の対戦(カード)です。

龍宮(たつみや)真人(まなと)さんVS古菲(クーフェイ)さん。

 

原作通りと言えば原作通りなのですけれどね。

原作と異なるのは、龍宮さんがハードボイルドなイケメン男子で……古菲さんがそんな龍宮さんにベタ惚れだということです。

 

「さあマナト、ワタシが勝ったらワタシのムコになるアル!」

 

つまりはこういうことですね。

 

当然、そんなことを言われては龍宮さんが手を抜くわけもなく――。

布槍術、八極拳、活歩など、様々で高威力な技法も虚しく、金髪色黒カンフー娘(クーフェイ)さんは地面に這いつくばることになります。

ただまあ、この光景は割と私達には見慣れたものですので、それほどショッキングでもないわけですが。

 

布槍術は中国拳法特有のもので、水を含ませた手拭いや(おもり)を縫い込んだ専用の布を、まるで槍を使うかのように使用する武器術です。

それに気を融合させ、折るのも切るのも難しく、硬化させて攻撃するのも軟化させて絡め取るのも自由自在の、非常に見切りにくい武術に仕上げたものを披露していただきました。

 

おそらく、龍宮さんの遠距離攻撃対策ですね。

その作戦は当たっていまして、当初龍宮さんは5百円玉を高速で弾き飛ばす『羅漢銭』を使っていました。

しかし古菲さんが布槍術で苛烈に攻撃してくるものですから、ついに私が用意した最終兵器を取り出したのです。

 

それは――。

 

「話には聞いていたが、随分とやるようになったものだ。

だが、まだ俺には届かんよ」

 

そう言って、コートの中から取り出したのは、プラスチック製の透明な銃でした。

 

『本物じゃないよね、っていうか、水鉄砲……?』

 

司会の朝倉さんが確認します。

 

そう、水鉄砲です。

私が用意したと言いましたが、別に妖精さんが関わっているわけではありません。

水圧がありえないほど凄まじいというわけでも、中に本物の銃が仕込んであったりというわけでもありません。

 

内容量130ミリリットル、射程距離3メートル。

一度の補充で発射できるのは5回。

正真正銘、ただの水鉄砲です。

そのものはおもちゃ屋さんで買ってきました。

 

ただし。

中の液体はお酒です。

スポーツ飲料を入れて、栄養の吸収を促進させた仕様なので、中学生くらいでしたらひと口でベロンベロンになります。

現実にもそういう混合酒(カクテル)が存在しており、いかがわしい目的で注文されることがあるとか。

 

まあ、後は分かりますよね?

お酒は、地肌からも吸収されるのです。

口に直接入れずとも、十分に効果があるのですよ。

格闘大会ということで激しく動き回っていればなおさら。

 

「悪いな、古。

ここまで追い付いてきた鍛練は評価するが、俺はまだ負けてはやれないのさ」

「ウニュゥゥ……」

 

カタカナにすると、あまり色気がありませんね。

 

ともかく、ベロンベロンになった古菲さんは、なんとか酔拳を披露しますが。

あれは元々、酔っ払った人の動きを再現するものですので、実際に酔っ払った状態で使えるものではないのです。

この魔法のある不思議世界では、もしかすると酩酊状態で強くなるような酔拳が存在するのかもしれませんが。

古菲さんには無理だったようです。

 

動きが鈍ったところを、首筋に優しく当て身を食らい、失神KOです。

 

 

 

一回戦の最後にエヴァさんと大豪院ポチさんの試合があっただろうって?

何それおいしいのですか?

 

 

 

 




本日の経過

麻帆良学園祭開催中!
麻帆良武道会1回戦終了。

以上。

つづく



大体原作通りですが、性転換ゆえに勝敗が変化していることがあります。
たつみーは魔法関連で注目されてはいけない立ち位置なので、組み合わせ表でぶつける際に超鈴音がネギ少女に相談していました。
その結果がアレです。

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