【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
『……9、10!
短い時間の大激戦、制したのは未だにフードを脱がない謎の人物、
クウネル・サンダース選手でしたー!!』
司会の朝倉さんのアナウンスで、私は目を覚ましました。
どうやら負けたようなのです。
「この、痛みなどの感覚が一定を超えるとすぐに気絶してしまうの、何とかなりませんかね?」
「そうは言われましても、私もあんなことをしたのは初めてでしてね。
おそらく、元々その体が持つ特性の1つだと思いますよ」
「軽く絶望なのです」
軽口を叩きながら、私は痛む体を起こします。
骨は折れていないようですが、重力に圧し潰されて倒れた際に地面にぶつけたと思しき部分、特におでこが痛いのです。
皮膚は切れていません。
ただ、赤黒く変色しているかもしれませんね。
「だ、大丈夫?ネギちゃん」
『はわわ、とっても痛そうですー』
「大丈夫です。そこまで深いダメージはありませんよ。
私は結構、気絶しやすいようですね」
駆け寄ってきた朝倉さんと
アルさんの姿は既にありません。
「あっ、おでこにコブができてる!」
「えっ?」
私は慌てて痛む額を抑えます。
確かに、プックリ膨らんでいる感触。
「ま、このくらいなら大丈夫でしょう」
「タフねえ……」
とにかく、この麻帆良武道会での私の役目は終わりです。
残りの時間は麻帆良祭を楽しんで、最終日を迎えましょう。
控室に戻りますと、アンディが飛び付いてきました。
「ネギー、ネギィィィィッ!うわああああんっ!!」
「ちょっ、どさくさに紛れて変なところ触らないでください!
くぬ、くぬ……!」
私の胸に顔を擦りつけようとするので、私は必死に
刹那さんと長瀬さん、それに龍宮さんも、微笑ましそうに眺めていました。
「うーむ、しかし、クウネル殿のあれはヒキョー臭いでござるな」
長瀬さんが唸ります。
アルさんは最後、魔法による分身体ということを生かして、私の攻撃をスカしたのです。
実体を消して回避した、というのが正解ですね。
多分、原作を見てないと分からないでしょうけど。
「彼女がやったことも、審判の朝倉が分からないというだけで、十分反則だがな」
これは
愉快そうにニヤニヤしています。
「バレなきゃおっけーなのです」
私は言い張りました。
事前にバケツに256本の『魔法の矢』を、カエルの形にして溜めておきましたからね。
そんな数の変化と維持は、呪文詠唱と『
つまり、私が持ち込んだバケツの底に、256枚の呪符が貼ってあったのです。
それはキーワード『スーパーエゴ』で発動、集束する『魔法の矢』。
試合開始前にとはいえ試合に影響する呪文詠唱をしていたわけですから、本来は私の反則負けなのです。
「しかし、あれを相手にするのは相当に骨だな……」
「刹那は神鳴流の技があるからまだいいさ。
俺はあれを銃なしでは倒せん」
龍宮さんが肩を竦めました。
こんな仕草も絵になる人ですね。
「いや、俺もコレだからな……」
刹那さんも、スポンジ棒に布を被せたチャンバラ刀を示して苦笑します。
スポーツチャンバラで使用されているやつですね。
オモチャのビームサーベルは、明日菜さんの『ハマノツルギ』に斬られてしまったのですが、予備がなかったそうで。
用意したのはエヴァさんですが、これで自分と戦って勝てということでしょうか?
ナマクラ剣でドラゴンを相手にするようなものですよ?
いえ、神話の英雄ベオウルフはそれでも勝ったのでしたっけ。
……ラカンさんじゃないんですから。
「所詮、一般人に見せられる程度の試合でござるからなぁ……」
とりあえず、額のコブは治します。
次は、
とはいえ、まだ舞台の修理は終わっていませんけれども。
開幕と最後の大技の、合計2発だけでしたが、全壊状態になりましたからね。
さすがは全範囲攻撃です。
「おい、なんか不穏なこと考えてなかったか?笑顔が真っ黒だぞ」
「気のせいです」
私は観客席にいた
姿が見えましたので、ネットがどうなっているのか、確認したかったというのが本音ですね。
「さっき、アンディ先生にも話したんだが……」
と、彼女は『魔法』という単語が蔓延し始めているネット界隈について、語り始めました。
ここ1週間くらいで、急に『魔法』という単語が増え始めたとか。
「魔法少女ものの新作が出るのではないのですか?」
「いや、『ビブリオン』の時も話題にはなったが、こんなあからさまに『魔法』という単語が蔓延したりはしなかった」
さすがにネットに関しては専門家ですね。
「ネギのさっきのも、気っていうより魔法って言われた方がしっくりくる。
あれはCGでも難しいからな」
「あらまあ……」
私は長谷川さんのことを
というか、やり過ぎたでしょうか?(棒読み)
ちなみに、気については早々に負けた豪徳寺
「それより、私は『魔法』という単語が急に増え始めたってのが気にかかるんだ」
彼女は私に話します。
「この増え方は、誰かが工作してる。
それは間違いない。
問題は、今までは『CG派』がいて、こういう増え方を抑制してた。
でも、今回はその抑制の限度を超えて増えてる。
こんなの、私じゃなくても何か起こってるって思うんじゃねえか?」
「そこに加えて今回のこの大会、ですか……」
長谷川さんは頷きました。
「魔法が存在するかどうかより、一連の動きが反乱か何かの予兆を感じさせるってことの方が、私は恐い」
抑制している『CG派』というのは、おそらく麻帆良の魔法先生達が用意している電子精霊ですね。
その力を超えてきているということは、これは間違いなく茶々丸さんです。
確かに、体制をひっくり返そうとする反乱と言えなくもありません。
「――ということですが、茶々丸さん、どうです?」
私は長谷川さんの逆隣りにいた、実況担当の茶々丸さんに振りました。
『そのタイミングで私に話を振らないでください』
「なんでそのロボ子なんだ?」
「決まっているじゃないですか。ロボットだからですよ。
最新鋭の科学で出来たガイノイド、当然通信技術も最新式、ネットにも繋げられます。
隣で操作しているノートパソコンのことなど筒抜けですよ」
「そうなのか?」
『ハイ、まあ……』
「なんか、産業スパイやり放題だな……」
長谷川さんが開いていたノートパソコンを閉じます。
中を読まれることを恐れたのでしょうか。
まあ、無駄ですけどね。
本物のハッカーは、システム的に電源を切ったくらいでは諦めないのです。
『現在、千雨さんもご存知の通り、ネット上では大規模で精密な情報戦が行われています。
『魔法』という単語を流行らせようとしている側と、それを妨害しようとしている側ですね』
「ふぅん……。で、そんなことして何になるんだ?」
「簡単なことです」
私は言いました。
「世界に
世の中は常に暗くて黒くてドロドロしたものが中心にいるのです。
それを排除したいと願うのは、いつの世も正義の味方の悲願なのですよ」
そして、自分なりの正義、自分だけの正義を振りかざし、すべてを台無しにしてしまう。
歴史はそんな悲劇の繰り返しなのです。
そんな風にぼかしただけなのですけれどもね。
さて。
闘技場の修理が終わり、ほぼ確定した
ほぼ確定したとなぜ断言できるのかって?
決まっています。
ラッキースケベ体質のアンディと、今現在でも色々な場面で脱げる高音さんが合わさることで、宇宙の法則が乱れるからです。
因果律がねじ曲がって、原作とまったく違う展開になったとしても、何の脈絡もなく脱げるに違いありません。
ま、実際は
熱血ニンジャ漫画『ナルト』の『写輪眼』って、便利ですよね。
イマイチ能力を把握し切れていないのですけれど。
幻を見せるのって、『ツクヨミ』でしたっけ?
この世界の人は幻術という手段はあまり好まないようですし、必然的に対処法も一般的とは言えません。
『写輪眼』による強力な幻術なら、なおさらです。
魔法や陰陽術による幻術とは、仕組みが違いますからね。
というわけで、全裸に影で編んだ強力な鎧という、狙っているとしか考えられない格好で入場してきて、同じく操影術の奥儀『黒衣の夜想曲』を発動させました。
超さんの狙い通りです。
そして原作通り、打撃を捨てて『魔法の矢』だけを当てに行ったアンディに負けました。
もちろん、気絶して全裸です。
男子の観客大歓喜です。
ド派手な試合で、ネットも大盛り上がりですよ。
文章では1行で終わりましたけれど。
オチがついたところで、次の試合行ってみましょう。
本日の10割
麻帆良学園祭開催中!
麻帆良武道会第2回戦10回戦――高音・D・グッドマン、『雷の矢』の接触攻撃による感電KO。
以上。
つづく
さらっとマキナのチート機能が使用されています。
あんまり派手にもできないので、この機能はしばらく出てこない予定です。