【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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7/12 くらいに投稿されてオナシャス。

大体、梅雨が明けてから降り出すことが多い。


054 宇宙の法則が乱れてるかもしれない

私はきぐるみを着込んで麻帆良学園祭を練り歩きます。

 

結局最終日前の半日しか、自由時間がありませんでしたね。

屋台手伝いの宿命とも言いますが。

 

実は昼間、夕食時間は『超包子(チャオパオズ)』の手伝いはいいから、学園祭を見て回ってくるように、四葉五月(ぽっちゃり)さんから言われていました。

そういえば前世も、友人から予定を詰め過ぎると言われた覚えがあります。

あれは父が政治家にするためにそういう教育を施したからなのですが、今もその傾向は残っているのかもしれません。

 

まあ、せっかく自由時間なのですから、今は適当に楽しみましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

麻帆良学園祭にはイベントが目白押しなのですが。

こういうお祭りには欠かせないのが、タコヤキです。

 

「というわけで、1つお願いします」

「はい」

 

クラスメイト、長身黒髪の大人しい美人、大河内アキラさんの可愛いものを見る微笑みが癒されます。

彼女が所属する水泳部の出し物は、タコヤキ屋なのです。

 

「む、タコが大きいですね。

このプリプリ感が素晴らしいのです」

「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいよ」

 

大河内さんは本当に嬉しそうですね。

体格と筋力を除けば、普通の女子中学生です。

 

「ところでどうしてきぐるみなの?」

「なぜか私は行く先々で大人気なのです。

それで、人目を避けるためにこんな格好をしているのですよ……」

 

本当に、この人気っぷりだけは謎なのです。

 

「ネギちゃんは綺麗で可愛いもんね」

「だからって、それであんなに人は集まりませんよ。

どこかでアイドル活動していたりしなければ、『超包子(チャオパオズ)』がパンクしかけたりしないと思うのです」

「そんなに?」

 

大河内さんは、目を丸くして驚いていました。

 

「超さんと葉加瀬さんのロボットが手伝ってくれていなければ、とっくに手が回らなくなっていたでしょうね」

「へ、へー……あの『超包子(チャオパオズ)』が……」

 

あ、なんだか不穏なことを考えているような……。

 

「四葉さんの動きをトレースしたロボットを作ってても、おかしくなさそうなのに」

「そんなことはしていません」

 

私はしていますが。

お手伝いに四葉五月(ぽっちゃり)さんの動きをトレースさせた、(コア)憑き精霊をサポートに付けて作りますからね。

そうでなければ、1日何千もの妖精さんにあげるお菓子を作るのは無理なのです。

 

「今年はお客さんが多いって話も聞くし、それもあるんじゃないかな?」

「まあ、いずれにせよ、今のところ嬉しい悲鳴で済んでいますからね……」

 

深く考えても仕方がありません。

 

私は大河内アキラさんに挨拶して、お祭りを巡ることにしました。

 

 

 

次はコスプレ例大祭です。

コスプレコンテストは初日にゲリライベントとして行われましたが、私は行きませんでした。

長谷川千雨(レイヤーオタク)さんが参加するとか言っていましたが、私はタイムマシンがあるわけでもなかったので、そちらへは行けなかったのです。

 

昨日のクラスパーティでは、ちゃっかりアンディが雪広(いいんちょ)さんや佐々木(バカピンク)さんと参加し、長谷川さんも強引に出場させられたのだそうで。

 

代わりに、2日目のコスプレ例大祭です。

こちらもゲリライベントで、知っている人しか来ないイベントですね。

コスプレ姿でちやほやされたい人が参加するイベントです。

 

元々こちらで長谷川さんと合流する予定だったのですが……。

 

「お、来たな、ネギ」

「どちら様でしょうか?」

「私だよ。って、あ、今は『ちびちう』か」

「え、まさか千雨(チサメ)さん?」

 

私が間違えたのも無理からぬ話で、今の長谷川さんは私と同い年くらいの幼女でした。

ワンピースのセーラー服に赤いランドセル。

さらに猫耳に尻尾。

明らかに狙っています。

 

「年齢詐称薬って知ってるか?」

「ああ、あれですか」

 

見た目の年齢を変化させる幻術の魔力が込められた丸薬です。

あまり違い過ぎる年齢の姿になることはできませんが、変装法としてはかなり優れています。

大抵、人は髪型や体格、服などで人を判別しますからね。

顔は割と二の次なのです。

 

「てか、なんできぐるみなんだ?」

「やむにやまれぬ事情があるのですよ……」

 

私は相変わらずの電気鼠です。

 

ちなみに、中には弱い認識阻害の魔法陣が描いてありまして、私の知り合いでなければ私と認識できないようになっています。

この仕掛けを施したのは瀬流彦先生で、一応二重の防護策ということでした。

 

「武道会の時も人気凄かったもんな……」

「ええ……」

 

私はうなだれます。

 

実は文章には書いていませんが、観客席は『ネギちゃーん、俺だー、結婚してくれー!』の大合唱でした。

私が負けると『アルさん逃げてぇえええ!』な状況でしたし。

 

「そうです、年齢詐称約があれば、私もコスプレを満喫できるかもしれません」

「やめとけ。余計酷くなるぞ。素材が良い上に謎の大人気状態。

この上に歳が上がってプロポーションがよくなったら、宇宙の法則が乱れかねん」

「あぅ……」

 

ダメなようです。

というか、宇宙の法則ですか。

そこまで言いますか?

 

まあ、謎の大人気状態がどうしてなのかというのを突き止めなければ、難しいかもしれませんね。

 

「せめて、そのきぐるみは何とかならんのか?」

「内側に魔法的な処理が施されてましてね。

これを着ている限り、バレて大騒ぎということにはならないようになっているのですよ。

ネギという名前を聞いても、皆さん無反応でしょう?」

「ああ、そういえば……」

 

特に反応しそうなオタク達がいるにもかかわらず、皆無反応なのです。

皆、私のことを知らない子供としか認識していないのですね。

ずん胴な某電気鼠そのままな格好というのもあるかもしれません。

 

「魔法ねえ……やっぱネギって魔法使いなんだな」

「ええ」

 

年齢詐称薬のことを知っていたことから、彼女は既に魔法のことを自力で突き止めたと考えています。

なので、ここで隠すのは意味がありません。

 

「あれ、でもよ。あのイケメンって、ネギの父親なんじゃねえのか?」

「そうですよ。私とアンディは、実の兄妹なのです。

アンディはそれを知らなかったのですよ」

「そっか、それで魔法があろうが無かろうがって言ってたのか……」

 

千雨さんは、私が言いたいことをなんとなく察してくれたようです。

ちなみに、アンディに言ったのと同じ内容の嘘です。

暗くて黒くてドロドロしているのは彼女の想像通りなのですけれども。

 

その後、千雨さんにきぐるみの上から着ける装飾品(アクセサリ)を選んでいただきまして、それなりにイベントを楽しめました。

コスプレ自慢が集まるイベントなだけあって、クオリティの高さが光りますね。

 

最後は皆さんで『紅蓮の弓矢』を歌って終わりました。

『イェーガー』の揃いっぷりは、どこの宗教団体かと思ったほどです。

『紅蓮の弓矢』というのは、アニメ『進撃の巨人』の主題歌で、前期OPテーマです。

シリアスタッチのままにギャグ展開を混ぜるという、今まであまり見られなかった種類の漫画からアニメ化しています。

大ヒット作ですし、ネットでも話題になっていますね。

もちろん、コスプレ兵団の方々も例大祭には参加していました。

 

 

 

コスプレ例大祭が終わり、そろそろ夕食時。

私達は近くの屋台で食事を摂りました。

ヤキソバとお好み焼きを半分ずつ分け合いました。

 

「魔法ってさ、どういうものなんだ?」

「どうも何も、ただの技術ですよ」

 

長谷川千雨(ちびちう)さんの質問に、私は答えます。

 

「魔法には探知系と創造系という、2つの系統があります。

探知系というのは千里眼や未来予知、まあ占いなどですね。

創造系というのは武道会で多く見られたような、攻撃や防御に使用されている魔法です。

どこが『創造』なのかと言いますと、『影』や『風』、『雷』という自然現象を物質(・・)として作り出して操作するのです。

ですから、水の中で火が燃え盛ったり、雷が金属に誘導されないということも起こり得ます」

「別に自然そのものを操ってるわけじゃねえってことか……」

「ま、そういうことですね」

 

この解説は、この小説には珍しく原作準拠です。

原作『ネギま!』の単行本にある解説を参考にしました。

探知系や占いはESP、超能力の類と説明されていましたね。

創造系は錬金術の延長だそうです。

風火土水の属性分けは、中世に流行った錬金術にもあるとか。

 

「魔法、使ってみたいですか?」

 

私は尋ねます。

 

説明している間、長谷川さんはまんざらでもなさそうでした。

もしかすると、原作と違ってこういうことに興味が出てきたのかもしれません。

原作では、魔法などのファンタジーを敬遠する人だったのですがね。

 

「そんな簡単に使えんのか?」

「方法は2つあります。

1つは発動媒体(つえ)を片手にひたすら練習する。

もう1つは『パクティオー』、つまり仮契約を結び、自分専用の魔法の道具(アーティファクト)を入手することです」

「杖を片手にってのは、やっぱ呪文を唱えたりするのか?」

「はい。成功した光景を強くイメージして、正しく呪文を唱えれば、魔法は発動します」

 

『イメージ』と『手続き』で、魔法は発動するのです。

消費魔力を無視することになりますが。

 

仮契約(パクティオー)っつーのは、例のアレだよな。

キ、キスをするっていう……」

「はい」

 

その辺については聞いていたようですね。

 

「その、命が懸った状況だって聞いたんだが、そんな危ないことってあったのか?

確か、ネギとアンディ先生が麻帆良に来たのって、冬休み明けだろ?

そっから5ヶ月で2人とも仮契約してるってことは、最低でも2回はそういう、危ないことがあったんだよな?」

「そうですね、話しておくべきでしょう。

私とアンディとで、ガチで危なかったのは1回ずつありました。

アンディの時は、私と木乃香さんが仮契約して、出てきたアーティファクトでアンディを治したのですね。

石化ですが、瀕死の重傷とさほど変わりない状態でした」

「ふ、ふぅん……ツッコみたいところはあるけど、どうせ魔法だしな」

 

賢明です。

今詳しく説明しても分からないでしょうしね。

 

「で、ネギの時は?」

「『(セント)エルモの火』という、凶悪な呪いが発動した時ですね。

強力な魔法使いが為す術もなく倒れたという、曰くつきの呪いです。

近くにエヴァさんがいなければ、どうしようもありませんでした」

「そういや、ネギはエヴァと仲良かったな。

ってことは、エヴァも魔法使いってことか……」

「はい」

 

私は頷きます。

 

「そういう、命の危機が隣に来る確率の高い世界だということを、認識しておいてほしいのです。

そこまで踏み込むかどうかは、千雨さん次第ですけれど」

 

まあ、遠慮なく巻き込むつもりです。

というか、既に巻き込まれていますけれども。

呪うなら、私と同じクラスになったことを呪うがいいのです。

あ、『聖エルモの火』はNGな方向で。

 

「小市民の私としては、できるだけ巻き込まれずにいたいとも思うんだがな……。

数少ない友達が危ない目に遭ってんのに、のうのうと暮らしてるってわけにもいかねえよ」

「……そうですか」

 

なんだかんだ言っても、良い人ですね。

 

思い出したくない過去(ぜんせ)を思い出してしまいそうです。

 

 

 

 




本日の成果

麻帆良学園祭開催中!
長谷川千雨と会話、魔法や業界などについて説明する。

以上。

つづく



ネギ少女、食べ歩き話です。
ネギ少女が大人になって着飾ると、宇宙の法則が乱れるかもしれないという…。
冗談ですが。
あと、仮契約が2人というのは、ネギ少女とアンディが両方とも仮契約しているという意味です。
ネギ少女が直接仮契約しているのは、現時点で木乃香だけです。

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