【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
暑い…。雨でムシムシする…。
7/13 ルビ修整
夕食後、学園祭をぶらついていますと、携帯電話にメールが入りました。
超さんのお別れ会、だそうです。
大体原作通りになったようですね。
私は一度、『
それに、五月さんはいいと言ってくれましたが、あの屋台が今どうなっているのか、気にならないと言えば嘘になります。
大量に出たであろうゴミ類を回収する、学園祭期間中の最後のチャンスでもありますしね。
そんなこんなでお別れ会会場です。
――“ネギ、
――“アンディには手に負えない用件ですか?”
――“うん。ボク1人の手には余るよ”
――“後でエヴァさんの『別荘』に集まり、作戦会議を開きましょう”
――“うん、わかったよ”
私とアンディは皆が騒いでいる中、念話でやりとりしました。
超さんは、自分が作った『全身くすぐりマシーン』で、クラスの皆からくすぐられています。
和気藹々ですね。
超さんはくすぐられ過ぎてビクンビクンしていますが。
最終日が始まる前に、クラスの皆にKOされてもアレですので、一応助け出しましょうか。
「ほらほら、お別れ会でトラウマを作ってどうするのですか」
「そ、そうですわ!
あなた達、お別れ会だと言うのにハッチャケすぎですわよ!」
ただ、これはちょっと面白いですね。
後で突いてみましょうか。
で。
例の如く、私は
夜更かしはダメなのです。
徹夜ができない子供の体が恨めしい。
「う~、不覚なのです……」
目が覚めると『別荘』でした。
ついでに、早乙女ハルナさんが抱きついていました。
早乙女さんはばっちり目を覚ましていたりして。
「お、目ぇ覚めた?」
「ニヤニヤ顔がウザいのです」
「いやー、誰かと一緒じゃないと悪い夢を見るって、可愛いとこあるわねえ。
っていうか、寝顔超可愛いんだけど」
「誰かと一緒の部屋でなければならないというだけで、何も一緒のベッドでなければならないわけではありませんよ?」
「いいじゃんいいじゃん、私も眠かったから、ひと眠りして起きたとこだし」
「そうですか、じゃあ起きましょう」
「えー、私、今度百合に挑戦したいからさー、そのためにいろいろ経験したいわけよー」
「お断りします」
思いきり抱き付かれてますが、身体強化で強引に抜けました。
とにかく、外へ向かいます。
修学旅行の『ラブラブキッス大作戦』で私を狙うような変質者から、一刻も早く離れたいので。
もう遅い気もするのですが、あまり深く考えないことにしましょう。
そこでは、皆が日課となっている修行を始めていました。
「あ、ネギ、起きたんだね」
アンディが走り寄ってきます。
水着にパーカー姿です。
「やはりどうも、夜更かしができない体質のようです」
厳密な人間ではない癖に人間だった頃の体質を引き摺っている、と言ったところでしょうか?
前世はこんな体質ではなかったので、戸惑ってしまいますね。
「そりゃしょうがないわよ。
こんだけ頭脳明晰で運動神経も良くて、なおかつ美人。
これで欠点がなかったら、完璧超人じゃん。
「その例えはどうなのよ」
早乙女さんにツッコミを入れたのは、
今は水着姿ですね。
スクール水着というやつです。
見かけによらず苦学生ですので、安い水着を選んだのでしょうか?
以前にも説明しましたが、麻帆良は水泳の授業で使う水着は私物でもオッケーなのです。
明日菜さん以外にも、スクール水着の人はちらほらいますけどね。
そこのプールで泳いでいる
2人ともスタイルいいですね。
「タカミチにフラれたと聞きましたが、大丈夫ですか?」
「3日もこのリゾートで食っちゃ寝して怠惰に暮らしていたのだ。
これでまだ足りぬというのなら、私が永久に寝かしつけてやる」
私の質問に、答えたのはエヴァさんでした。
彼女はシンプルな白のワンピースです。
原作では4日、食っちゃ寝していたそうで。
1日減っているのは、エヴァさんが原作を知っているから余計にウザかったとか、そういった理由なのでしょう。
どうでもいいですけれども。
「う、悪かったわよ。もう立ち直りました!」
「それならいいのですが。
他の人達はどうしました?」
「木乃香姐さんとユエっちと本屋の嬢ちゃんは、浜の方で一万回の呪文詠唱やってますぜ。
後は森林エリアで修業ッス」
刹那さんと
教えてくれたのはカモさんでした。
「私も先に朝の鍛練を済ませましょうか」
とりあえず、日課ですからね。
「ていうか、パルに魔法がバレてるのはツッコまないのね……」
パル、というのは、早乙女ハルナさんのニックネームです。
「遅かれ早かれ、と言ったところです。
作家の妄想力は嘗めてはいけないので」
「えっへん!」
主に前世、予知能力でも持ってるのかと思うほどに、色々と当ててくれる漫画家がいました。
本人曰く、ただの妄想だそうですが、あそこまで当たれば立派に特技です。
「さすがにまだ、『
鍛錬が終わって、私は呟きました。
「何アレ、狂ったように魔法を撃ち続けてたんだけど……」
「ボクもやってる朝の鍛練ですよ。
一万回の呪文詠唱。最近、やっと1時間切れるようになったんです」
私の魔法鍛練を初めて見る早乙女さんが、アンディに聞いていました。
「何それ、百式観音でも使えるようになるの?」
「魔力の効率運用のための練習だそうなのです。
私達も始めてみたのですが、一万回はきついですね……」
「えーうー」「うう゛ー」
「あんまり無理をする必要はありませんよ。
他のことをする時間も余裕もなくなってしまいますし」
「魔法って、結構体力的にもハードなんだな……」
これは千雨さんです。
「戦闘を目的として鍛えるのなら、ハードにならざるをえませんね。
朝倉さんのように便利系の魔法に絞るのでしたら、もう少し楽に鍛練できるのですけれども」
「そういや、朝倉もここで習ってるのか……」
「いえ、彼女は魔力量的に不利ですので、基礎を教わった後は、
人によってはそういう、魔力量的な才能というのがありますし、自分の特技を伸ばす方向で鍛錬を積むことも考えていけばいいかと」
「特技、ねえ……?」
「
もし抵抗がないのでしたら、私とやってみますか?」
「やるー!」
「フンッ!」
「きゃんっ!?」
飛びかかってきた早乙女さんを、私はプールに投げ落としました。
「というか、仮契約は主従関係だから、原則として2人の
カモさんが呟きます。
早乙女さんは先にアンディと仮契約していたようですね。
「これはこれで便利だし、ま、いっか」
変質者は諦めてくれたようです。
しばらくして、休憩時間になったのか、皆が集まってきました。
「
「しかし、それらがすべて本当だったとして、2つ疑問点があるです。
1つは『魔法をバラす』ことが、なぜ歴史を改変する事に繋がるのか。
もう1つは、なぜ未来から来てまで、そんなことをしようとしているのか、です」
アンディと
私も先に聞いていた通り、原作通りですね。
この平行世界の
それが何の因果か、大きく変化した平行世界に飛んできてしまった。
ゆえに、主要人物の性別の変化や、それに伴う人間関係の変化など、様々なイレギュラーに戸惑っている様子でした。
「魔法といっても、所詮は技術に過ぎません。
しかし我々は、その技術がどのような悲劇をもたらすのか、前世紀、20世紀に経験しました。
恩恵を受けた部分も大きいですが、闇の部分も当然あるのです。
魔法も同じく、良い部分もあれば悪い部分もあります。
現在は秘匿されているその技術が表に出れば、歴史の1つや2つは簡単に変わるでしょうね」
私は
そして2つ目。
「超さんは、ボクに言いました。
『10年前や6年前の過去を変えたくはないか』と。
それはつまり、彼女にとって大切なものが失われたんだと思うんです。
ボクは大切な人を亡くす辛さはよく知っています。
だから、超さんがやろうとしていることが、最終的に悪いものだとも思えないんです」
アンディは心中を吐露しました。
この子は、6年前に育ての親を石にされているのです。
その過去がなかったことになり、両親が復活するのなら、そういう選択をするかもしれません。
「現行体制に反抗する、いわゆるテロリストには、2種類います。
1つは宗教系、自分が信じる宗教が絶対正しいのだと信じ込み、その他の宗教の信者、あるいは邪魔する者を徹底的に排除しようとする人々。
もう1つは、そうしなければ自分達が死んでしまうから、その現状を変えるために、体制を討ち倒そうという人々です。
超さんの人格や言葉から察するに、彼女は後者です。
その行動は理性的で、狂科学者と名乗りながらも人命には最大限配慮している。
後者の特徴です」
「……」「……」「……」
皆、黙って聞いていますね。
さすがに私も緊張するのです。
ここで言葉を間違えてしまえば、このイベントは台無しになってしまいますから。
「残念ながら、綺麗な解決策はありません。
遭難者のジレンマです。
ここで彼女を倒せば、彼女の大切な人は死にます。
ここで彼女に協力すれば、全世界に魔法技術が開示されることによる死者を防ぐことはできません。
自分の都合のために赤の他人を殺すか、自分に近しい他人を殺すか。
いずれの選択も悪人のものです」
私と超さんは、人種として同じです。
超さんは自分の祖先を含む人々を地獄に叩き落して、未来を得ようとします。
私は前世、父と婚約者を処刑台に送って、自由を得ようとしました。
「そう簡単に答えが出るものではありませんが。
決断はアンディ、あなたがやりなさい」
「う、うん……」
「私は最終日、図書館島の深部に篭りアルさんの協力を得て、万が一のゲームオーバーを引っ繰り返す手段を用意しておきます」
「わかったよ、ネギ」
なんとか、納得してくれたようです。
ゲームオーバーを引っ繰り返す手段というのは、嘘ではないのですけれども。
まったく、私は良くも悪くも、影響力が大き過ぎるのですよ。
嘘を吐き続けるのも、楽ではありませんねえ。
本日の経過
麻帆良学園祭開催中!
以上。
つづく
超鈴音とのイベント大戦には、ネギ少女は出ません。
その裏で、計画に必要なことをします。
ただし、勝敗の手綱はしっかり握ります。
『遭難者のジレンマ』というのは、二律背反を示すいい言葉が思いつかなかったためにデッチ上げた、作り話です。
その内容については、また後で本編に出てくる予定です。