【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
7/15 アワーグラスについて、勘違いを訂正。あれって元は砂時計のことらしい。
妖精さんの大量召喚用の幻想空間は、
休憩を挟みつつ、『ブラックボックス』を30回ほど使用して、儀式場全体の細かいところまでを修整していた結果です。
『ブラックボックス』の凄いところは、私が厳密な知識を持ち合わせていなくても、魔力の流れをイメージすることで必要な知識が頭に流れ込んでくるところです。
そのおかげで、脳への負荷もマッハでしたが。
「うにゅぅ~……」
さすがに終了と同時にバタンキューでしたね。
4時間後に目が覚めても、しばらく何も考えられない状態でした。
アルさんが回復魔法を使ってくれなければ、最初の一度は負けてくるはずのアンディ達を迎えられないところだったのです。
「しかし、普段は開いているか本棚に隠れている扉に入口を設置するとは、考えましたね」
私はアルさんに言いました。
実は、入口や魔力の取り込み口の設置は、
さすがは千年以上生きるだけはあり、いずれも見事に隠されています。
人の意識の盲点を突いた、見事な隠し場所でしたね。
「フフフ、武道会では、見事な戦いぶりを見せていただきましたからね」
アルさんは愉快そうに返しました。
「さて、そろそろ夜ですし、私は外でアンディ達を待ちます」
「お1人で大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなければ、『童話の地2』経由で『祭殿』の方へ行っていますよ」
「わかりました。それではまた、2日ほど後にお会いしましょう」
私は彼に見送られ、ワイバーンが守る入口の方へ向かいます。
地底図書室。
適当にその辺の本を読みながら、待つこと3時間ほど。
既に朝からは15時間が経過しており、地上では夜になっていることでしょう。
時計を見ると21時、午後9時でした。
魔法の明かりを灯していなければ、薄暗くて本も読めません。
「来ましたね」
私はアンディの魔力を感じて、本を閉じて顔を上げます。
皆、ボロボロでした。
悔しそうに、目に涙を浮かべるアンディをはじめ、一様に暗い雰囲気です。
「話を聞きましょう」
私は皆に紅茶を淹れます。
紅茶を飲んでひと心地付いたのか、ぽつりぽつりと語り始めました。
まず、やはり『別荘』から出る瞬間、罠に引っ掛かったそうです。
学園祭から1週間後。
そこは
そこで、超鈴音が計画を成功させるとどうなるのか、皆が理解したのでしょう。
ほとんど寝ていない魔法先生や魔法生徒達の妨害を受けつつ、図書館島最深部のゲートポートまで潜り、なんとか残っていた世界樹の魔力で1週間前に戻ります。
しかし、ここでアンディは一気に1週間飛んでしまったために、魔力切れを起こして倒れてしまいました。
その間に作戦を練り、準備に走ります。
超さんの目的を魔法先生達に伝え、超さんを止めるために、
イベントの内容は、迫り来る数千体のロボ兵器から、6箇所の魔力溜まり、告白危険地帯の広場を守り通すこと。
そして、一般生徒達では捌き切れなくなれば、魔法先生や魔法生徒達がヒーローユニットとして駆け付け、一般生徒達を支援するというものです。
中々いい感じに成長しているようで何よりです。
その内に麻帆良大結界が茶々丸さんにハッキングされてダウン。
同時に鬼神にメカを取り付けて制御した巨大な敵が出現しました。
これこそ魔法先生達ヒーローユニットの出番です。
というわけで鬼神を封印処理している最中、
その狙撃によって、一定以下の実力しか持たない魔法先生や魔法生徒は軒並みやられてしまいます。
そんな中、アンディが復帰して戦線に参加。
『
しかし。
そこへ立ちはだかったのが、銀髪のメイド。
茶々丸さんの姉を名乗る、つまりマキナでした。
マキナの強さは常軌を逸しており、手投げによる強制時空跳躍弾の弾幕によって、アンディ以外の仲間達が次々とやられていきます。
『
私はお茶受けにバナナチップスを配って、反省点を話します。
「銀髪のメイドロボで『
「しかし、あれは茶々丸さんの同型のロボット兵器と言うには、異常な強さでした。
あの状況では、『
「それで負けてしまっては元も子もありませんよ」
刹那・F・セイエイさんの助け船も、私はバッサリと切って捨てました。
いえ、マキナは強いですよ。
特に今は、世界樹の魔力が満ちていますからね。
『能力発動』がなくとも、異常な強さというのは十分に理解できるのです。
「そこは他の皆さんが注意を惹き付けるなりして、アンディに『
「……」「……」
これに堪えているのは刹那さんと明日菜さんですね。
他の人達も精一杯頑張ったようですし。
「あの……」
「このような反省会に、何の意味があるです?」
「いえね」
私は自分のチョコバナナを食べながら、返します。
「ちょっと
「下準備?」
「皆さん、バナナチップは食べましたね?」
「あんまり味はしなかったけど……どういうことなの?」
この質問は早乙女ハルナさん。
「キーワード『永夜返し』」
私は言いました。
次の瞬間、私の手には本がありました。
顔を上げると、アンディ達が降りてくるところ。
私は再び、小さく切ったバナナを揚げてチップにしたお菓子を、紅茶と共に配ります。
容量は減っていません。
「これって、どういうことなの?ネギ」
開口一番、アンディが私に尋ねます。
「未来予知、そして過去を変える方法の1つですよ」
私は説明しました。
「私は、皆さんの記憶を6時間前の時点へ飛ばしたのです。
私が今日1日潰して、ここで行っていたのは、そのための準備だったわけですね。
大がかりな準備が必要でしたから、
もちろん、嘘です。
準備は事前に、そのために調整したバナナを用意し、食べやすいようなお菓子に加工することだけでした。
バナナを食べるだけで疑似タイムスリップが可能なのですから、それが知れれば大変なことになるのは目に見えています。
「それって……何度でもやり直せるってこと?」
「はい。超さんの計画を阻止するまで何度でも続く、『無限ループ』。
それが、私が用意した、ゲームオーバーを引っ繰り返す秘策です」
皆、唖然としていました。
「未来の情報を取得するのではなく、過去に情報を送るか……。
確かに、それならできなくねえかもしれねえが……」
カモさんが呟きます。
「ええ、1日がかりの儀式でも、最大6時間前にしか情報を送ることができません。
それゆえに、欠陥魔法として見向きもされなくなった儀式なのです」
もちろん、それっぽい嘘です。
一応、そういう魔法は存在するのですけれども。
アルさん曰く、時空魔法のなれの果てだそうで。
未来予知がもっと簡単にできるからというのがその理由のようですね。
「そうか……これを繰り返せば、情報が集まっていき、いつか必ず
これは千雨さん。
「その通りです。
ちょっとした
「『
「シューティングゲームの、スコアアタック理論値を算出するための、
「その機能の1つに、任意の時点からのやり直しってのがある。
過去に私達の記憶の情報を飛ばせば、同じようにやり直せるってわけだ」
「え……じゃあ、私達が超さんの計画を阻止するまで、ずっと繰り返すですか?」
「阻止しなかった場合、どうなるかは経験済みでしょう?」
「う……」
綾瀬さんは口籠ります。
「そうです。私達は超さんの計画を止める方向で決断しましたが、ネギさんはどうお考えなのです?」
「話題を逸らしましたね」「逸らしたわね」
「うっ、やり直せるのでしたら、急がないといけないのです」
「まあ、いいでしょう」
私は超さんの計画についての私見を述べます。
「ひと言で言えば、これは正義対正義の戦いではありません。
以前にも言った通り、『遭難者のジレンマ』、二律背反です。
雪山か海で遭難し、救助までに誰か1人を犠牲にしなければ、他の人が助からないことが分かったという状況です。
そこには、自分が自殺する以外に、正義はありません。
超さんも私達も、自殺を選ぶことができない。
ゆえにぶつかるしかないわけですね。
両者が自分のために戦う、悪対悪の戦いなのです」
「……」「……」「……」
皆、黙り込みました。
「ま、私なら第三の選択肢を用意しますけれどね。
そのためにも、
「第三の選択肢?」
「遭難者のジレンマで言えば、今は殺し合いを始めてしまったようなものです。
しかし、先に自殺すると宣言し、1人だけ皆から離れるのです。
そして、自力で食料を得るか、食糧のある場所へ到達する。
非常に薄い勝算ですが、全員が助かる可能性は残ります」
「現実にはどうしようってんだ?」
これは長谷川さん。
「超さんを捕まえて、未来に何が起こるのか、尋問しましょう。
未来を知って、私達がその未来を阻止するのです」
「簡単に言ってくれるわねえ……」
明日菜さんが唸る通り、問題は山積みです。
「何回も見れるんやったら問題無いわ!
やったる!」
小太郎君も意気込んでいました。
「そうでござるな」
「私も頑張るアル!」
皆さん、気合いが入ったようです。
でも結局この後、合計13回ほどやり直しになったわけですけれどもね。
本日の10割
麻帆良学園祭開催中!
最終日全体イベント『侵略者撃退』――超鈴音、『無限ループ』にて計画完遂の芽が摘まれる。
以上。
つづく
以前、感想に『タイムバナナ』を使った無限ループについて言及がありました。
そのアイデアはここできっちり使われています。
今回は、色々と言い訳を用意する必要もあって、記憶だけを過去に飛ばしていますが。
東方系のTAS動画のタグでよく見かける『hourgrass』ですが、任意点からのやり直しもありますよね?
実は詳しく知らなかったりします。
なので間違えていたらゴメンナサイ。