【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
アメフリアメフリアメフリ。
13回目の麻帆良学園祭最終日の夜。
――“ネギ、やったよ!”
アンディ達は図書館島へは来ませんでした。
辛くも
いえ。
この時にこそ、彼女は
「さて、行きますか」
私は読んでいた本を閉じ、近くに置いてあった箒を浮かべ、腰掛けました。
「さあ、未来に何があったの?
吐くのよ、吐きなさーい!」
なんだか、超さんが明日菜さんにエビ固めされています。
そのワキや首筋を、
あの白さは多分、刹那さんの烏族変化した時のやつですね。
そりゃあ、鳥なら羽ばたけば羽根が抜けることもありますし、それを拾ったのでしょう。
「あひゃはははははっ!ヤメッ、あはははっ!またコレかーっ!」
背中の『
あれでは超さんといえど、抜けるのは無理ですね。
「
私は耳元で囁きました。
「え、ちょっ!ネギ娘!?」
「漫画家というのは、様々な知識が豊富なのです。
当然拷問に近いくすぐり責めもあり得るでしょうねえ?」
「ナーっ!?」
悪ノリします。
いえ、私、知っているのですけれどね?
超さんがどんな未来から来たのか。
もうちらっと言いましたけれども。
彼女、原作と同じ未来から来た超さんなのです。
つまり、性転換が起きていない平行世界から来たのですよ。
原作『ネギま!』の超さんの未来は、魔法世界が崩壊し、実体のある人種が火星の荒野に投げ出された未来です。
原作終盤でそんなことを言っていました。
これは私の推測ですが、おそらく超さんのいない平行世界のネギ少年は、魔法世界の崩壊に対処しようとしてどうすることもできず、そのまま魔法世界崩壊後の火星で生涯を終えたのだと思います。
いずれにせよ、ネギ少年が魔法世界に行っていたのは確かでしょう。
その理由はおそらく、
「回想に浸ってないで早く止めるヨー!」
「チッ」
私は舌打ちしました。
せっかく超さんをトラウマで
「では、ネタバレです」
超さんを解放させ、他の皆も揃ったところで、私は皆に今回のことについて話しました。
「今回の超さんと私の目的は、一致していました」
「えっ!?」「なんですって!?」
「じゃあ、ネギも魔法を全世界にバラそうとしてたってのか?」
「それは単なる方便ですよ」
私を問い詰める長谷川さんに、私は返します。
「本当にその気なら、私なら差し入れを装って毒を盛っています」
「なっ!?」「マジで!?」
「何を驚いているのです?
生き死にがかかっているお話で、そういう外道な方法を考慮しないなんて、どうかしていますよ?」
前世でもそういうのは常識的に行われていました。
なんてったって悪徳政治家ですから。
毒を盛ったことも盛られたこともありますよ。
さすがに死ぬような毒ではありませんけれどもね。
「一時はワタシも、本当に
「あー、わかるわー、それ」
超さんってば、そんなことで悩んでいたのですか。
そして明日菜さんも、神妙に頷かないでください。
目の前に本人がいるのですから、失礼ですよ?
陰口は本人のいない所でお願いします。
「私が知てる未来には、超ド級の大事件が発生するヨ。
その事件で、アンディ先生は政治家に取り込まれて、肝心なところで動けなくなるネ。
そしてそれがきっかけで、後の世に火星と地球で大戦争が勃発するヨ。
だから、アンディ先生が向こうの政治家に取り込まれないだけの、強い心を持たせるのが狙いだたネ」
超さんは、肝心なところをぼかして言いました。
「以前から言っていますが、私は夏休みに魔法世界へ行き、ナギの情報を探しに行きたいと考えています。
アンディは来るなと言っても来るでしょうし、その他の皆さんもついてくるでしょう?
現状、『本国』は私達にとって危険な政治情勢ですから、何があっても逃げ切れる程度には強くなっておいてほしいのですよ」
私も、肝心なところは言いません。
さすがに魔法世界の崩壊に関しては、まだ話せませんからね。
それが明るみに出てしまいますと、そもそも魔法世界への渡航ができなくなってしまう危険があるのです。
「じゃあ、あの『無限ループ』も
「『無限ループ』?」
朝倉さんの質問に超さんがキョトンとした顔で私を見ます。
こっち見んなし。
「ネギは、図書館島の地下に、記憶を過去へ飛ばす魔法の儀式を用意してたんだ。
それで、何度も最終日を体験してたから、こうやって勝てたんです。
今の話の流れだと、超さんも承知してたんじゃないかって思ってたんだけど……」
アンディが説明しました。
「あのマキナが桜咲君と神楽坂さんにあっさり抑え込まれてたのが不思議だったんですが……そういうカラクリだったんですか」
「フンべろりぃ」
「なんでそこで『テヘペロ』の男版なんだよ!」
なんか長谷川さんが物凄い勢いで私の両肩を掴んで揺さぶってきました。
「あばばばばっ、ちょっ、ゆらっ、落ち着いてください!
――ていうかツッコむところそこですか!?」
私は身体強化で抜けます。
皆の視線が痛いのです。
「いえね、あんまり長くループさせますと、ダレる危険がありましたから。
あえて超さんには話さず、素のままで対応していただいたのです」
「ああ、バランスを取ると言た割にマキナを貸し出したと思たら、そういうことだたカ」
「従者にもそういうことを話さないって、どうかと思いますよ?」
「え、従者?」
朝倉さんが聞き返します。
『私は超鈴音に協力するように申しつけられた、ネギ様のメス奴隷でございますわ』
いつの間にか近くへ来ていたマキナが、皆に言いました。
「メス奴隷って、そんな……うらやましい!」
「ふん」
「はろ゜もっ!」
身体強化なしで、私は飛びかかってきた早乙女ハルナさんに腹パンチをかまします。
「まったくもう。
こんな性格でなければ、一家に一台欲しいくらい優秀なのですけれどもね」
パルさんなどいなかったのです。
「なんかもう、全部ネギの手の平の上だったって感じなのね……」
明日菜さんが疲れた顔で言いました。
ええ、そうですとも。
まあ一応、こうせざるを得なかった理由はあるのですけれどもね。
要するに、強制送還から処刑への流れになる危険があったのです。
『本国』における安全性が確認されていない内は、そうそう簡単に報告書に名前を載せられません。
どんなこじつけが待っているか、想像もつきませんからね。
まったく、とんでもない平行世界なのですよ。
「そうそう、昨日のお別れ会で私はプレゼントを渡せていませんでしたよね?」
「お、何かあるのカ?」
「もちろんあります。この巻物です」
そう言って、私は『
「取扱いには注意が必要ですが、超さんならきっと使いこなせるでしょう」
「……危険物カナ?」
「ナイフと同じ、使う人次第と言ったところです」
「フム……まるで悪魔の囁きを聞いている気分ヨ」
「前世はメフィストフェレスでしたから」
メフィストフェレスとは、演劇『ファウスト』で有名な悪魔です。
小説にもあるのでしたっけ。
それぞれ結末が異なるそうですが。
その後、結局超さんが未来に帰るということになって、ひと悶着ありますが、そこは割愛しましょう。
『童話の地』には、もちろん妖精さんがいます。
5千体ほど。
さらに、例の『タイムバナナ』もありますから、近い将来、また超さんはこの時代に戻ってくることになるでしょうね。
ちなみに。
私が今まで使っていた、妖精さん達を収納しておくための『童話の地』を渡してしまったわけですが、新しい幻想空間巻物『童話の地2』を、アルさんからいただいています。
内部には『祭殿』へ通じる転移門も隠されています。
結構広いですし、これからは気軽に他人を招待できますね。
それではこれにて、麻帆良学園祭のイベントは終了です。
ちなみに、高音さんは13回の繰り返しの内、11回ほど脱げたそうです。
本日の成果
麻帆良学園祭終了!
『童話の地』を妖精5千体と共に、超鈴音に譲渡。
以上。
つづく
学園祭におけるネタバレ回でした。