【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
体温管理が私の場合は人よりシビアらしい。
風邪は多分治った。
教室。
先に入ろうとしたアンディの頭上に黒板消しが落ちてきます。
アンディは風の障壁を張ったままですから、このままでは一瞬とはいえ黒板消しが空中に静止するという超常現象が衆目に晒されてしまうでしょう。
なので、私は障壁を強制解除してから、その背中を蹴り飛ばしました。
「うわっ!?」
蹴られた勢いで足に張ってあった紐に引っ掛かって転倒、上から水の入ったバケツが頭に直撃、玩具の矢が左右のオシリに当たって、そのままの勢いで教卓に激突。
まさに原作通りです。
全部当たるように魔法で調整なんてしていませんとも。
「あらあら」
おっぱいお化け――源しずな先生も、これには苦笑です。
決して私のせいではありませんからね?
先にも言った通り、障壁を張ったまま黒板消しトラップに突っ込むアンディが悪いのです。
その後、罠の外れた中を悠々と歩いて教卓の隣まで歩き、私は皆さんに向かってぺこりと一礼。
「イギリスはウェールズからやってまいりました。
ネギ・スプリングフィールドです。よろしくお願いしますね」
そして自己紹介。
皆ポカーンとしています。
しかしそれも数秒のこと。
「キャー!」「かわいー!」「こっちの男の子も可愛いわ!」「素晴らしいですわ!」
アンディ共々、2-Aの皆様方にもみくちゃにされます。
私はさらりと抜け出して一番最後尾の席に座りましたが、やはり気軽に触れられる年下の男の子というのが物珍しいのでしょう。
アンディは結構長いことそのままでした。
「なぜ私の隣に座る?」
――“あなたに用があるからです”
エヴァさんの問いに、私は念話で返しました。
長い金髪の、私と同年代くらいの西洋人形のような美少女です。
「私からお前に用はない」
彼女は構わず生声で返します。
――“私の計画にあなたを巻き込みたいのです”
――“計画だと?”
――“ええ、
「むぐっ――!」
やはり、面白いように動揺しますね。
――“今でもそれなりですが、それは普通の魔法使いクラスです。それでは物足りないでしょう?”
「……!」
――“ほらほら、表情表情”
――“うるさいっ!……お前はそれでいいのか?”
――“恋愛感情を抱いているのはアンディだけですよ。
私は彼が死ななければどうでもいいと思っています。
いえ、これからの計画を考えますと、死ぬ気で強くなってもらう必要がありますけれども”
――“計画だと?”
――“
できれば今年の夏休み中に”
――“……そうか、それは勝手にするがいい”
――“あら、興味ありませんか?
従者の姿を父に似せている癖に、隠し通せるとでも?”
――“あ、あれは仕方がないんだ!
タカミチやジジイにも散々からかわれたが、ハカセと
あらまあ、そういう事情でしたか。
――“では、とりあえず、
場所はあなたのお宅で構いませんか?”
――“だから違うと――!”
――“では、その辺も私の勝手にしますね。
差し当たっては、現在持っている情報について、明日の放課後に伺います”
――“好きにしろ”
――“はい”
交渉終了です。
これで、私がエヴァさんのお宅に行っても、敵とはみなされなくなりました。
いきなり攻撃されることがなくなっただけですけどね。
では、本日のイベントを消化しましょう。
放課後。
色々な部活が始まります。
私も休み時間に色々と誘われましたが、決めるのは後です。
――“……では、階段下辺りで待っていて下さいね”
――“うん、待ってるよ”
アンディの配置は完了。
私はコインロッカーに放り込んであった旅行鞄を取りに、駅へ向かいます。
私の着替えが入っている、結構大きなものなので、持ってくるには肉体強化の魔法を使わないと大変です。
私、そこまで運動神経良くありませんからね。
ある程度鍛えてはいるのですが、アンディに比べてしまいますと、どうしても見劣りしてしまうのです。
帰りは認識阻害の魔法をかけてからの空輸。
――“どうしようネギ!”
――“どうしました?”
お互いにパスを作ってありますから、私とアンディはある程度離れていても念話が繋がります。
一緒に日本へ行くについて、お互いでフォローできるようにと学院長先生が提案したものです。
まあ、主に魔法秘匿に慣れていないのがアンディですから、フォローに回るのは私ですが。
ちなみに、5メートル程度の短距離なら、私は念話が使えます。
――“神楽坂さんに、魔法バレて、記憶を消そうとしたらパンツで、高畑先生が――!”
――“落ち着きなさい”
――“どうしよう、明日菜さんに酷いことしちゃったし、ボク、オコジョにされちゃうのかな?”
――“その明日菜さんは今どうしているのですか?”
――“……今、更衣室で着替えてる”
神楽坂明日菜
茶髪ツインテールのお転婆少女です。
容姿は抜群ですが、乱暴で直情的で大雑把な性格のためか、彼氏はナシ。
ただし、リーダー性は抜群で、2-Aの癖の強いクラスメイトの中でも中心的な存在感を持っています。
言わずと知れた『ネギま!』の戦うメインヒロインで、『
アンディの記憶消去が効かなかったのは、その『
計画通り(ニヤリ)。
彼女は、『
そして戦闘力も高く、『
夏休みまでに『
彼女が魔法を知り、どれだけの自衛能力を持つかで、これからの展望がかなり変わってきます。
魔法世界行きが消えても、最悪彼女を守り通せば私達の勝ちと言っても過言ではないくらいの重要人物なのです。
で、アンディにはどう対処するかですが。
――“昔から人を脱がすのだけは妙に器用になって、まだ慣れないのですか?”
――“好きでやってるわけじゃないよー!”
――“これも先生になるための試練です。
いつまでも私を頼りにしているようでは良い先生になれませんよ?”
――“う、うん、わかった、1人で何とかやってみる!”
根は素直なのですよ。
本当、どういう星の下に生まれたのでしょうか。
ま、明日菜さんは割と大雑把なので、適当なことを言っておけば何とかなります。
多分、アンディには無理でしょうけどね(黒笑)。
とにかく、明日菜さんならば、それ以上の騒ぎになることはないでしょう。
ずっと私にべったりだった分、私も突き放してきたのですが、私への被害も馬鹿にならないのですよ。
なので、最低限のフォローはすることにしています。
ちなみに。
私が自分で荷物を取りに行った理由ですが、アンディの魔法の暴発に巻き込まれるのが嫌だからです。
アンディの『武装解除』の暴発は、なぜか決まって私に命中しますから。
私が雷避け扱いされた一番の理由ですね。
なので、こういうイベントでアンディが誰かを脱がす時は、私は避難しているかフラグを折るかのいずれかにしようと決めています。
それでも朝のパンツのように、脱がされる時は脱がされますが。
それは犬に噛まれたとでも思って諦めましょう。
根は素直で良い子ですからねー(遠い目)。
その後、着替えた明日菜さんとアンディに合流しました。
「あんたも、その、魔法使いってやつなの?」
明日菜さんが私に聞きます。
「あまり詮索しないことをお勧めしますよ。
訊いて回って魔法使いに気付くたびに、下着を消されるのは嫌でしょう?」
「うっ」「えぅっ」
明日菜さんだけではなく、アンディも呻きました。
気にはしているようでなによりです。
「さすが飛び級なだけあって落ち着いてるわね……」
飛び級は関係ありませんし、それを言うならアンディの方が飛び方が凄いのですけれども。
さて、次は歓迎パーティですね。
私の計画には欠かせない、重要人物の2人目とコンタクトを取る、最初の機会です。
気合いを入れていきましょうか。
「「「アンディ先生とネギちゃん、麻帆良へようこそ!!」」」
本話の成果
エヴァンジェリンと渡りを付けた!
神楽坂明日菜と宮崎のどかとアンディにフラグを成立させた!
以上。
つづく
フラグ管理に専門ソフトがほしいと思う今日この頃。