【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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7/17 くらいに投稿されてる予定です。

シトシトピッチャンシトピッチャン


夏修行編
059 政治的な情勢の説明


「皆さん、お待ちしておりました」

 

学園祭最終日から2日後。

学園祭は土日に食い込んでいましたから、今日は2日目の振り替え休日なのです。

 

私達は、アルさんから送られたお茶会への招待状を持って、アルさんが住む図書館島の深部にある隠れ家へと足を踏み入れました。

ただし原作同様、まずいところへは行かせません。

破棄されているゲートとか、『祭殿』の入口もあるアルさんの寝室とか。

 

なぜか地下に滝があって、その前にある建物に入り、テラスへ向かいます。

マイナスイオンが出ていて、人間の体にはいい感じですね。

どうして地下にこんな広大な空間があるのかとか、聞いてはいけません。

 

「さすがに良いものを揃えていますねー」

 

私達はアルさんが用意した高級紅茶やスイーツに舌鼓を打ちます。

 

 

 

「現在の『本国』、『魔法の国』における政治情勢は、悪化の一途を辿っています」

 

私は説明しました。

タカミチや学園長(ぬらりひょん)から聞いた内容ですが、私は政治家の経験者です。

そこから実際の状況を読み解くことはできます。

 

「『悠久の風』の支援者は、1人目はゲーデル新オスティア総督。

彼は自分の政治基盤と『悠久の風』を維持するので精一杯のようです」

「タカミチの話では、それなりに頑張っているようだがな。

敵中に飛び込んでいるようなものだ。

他国議員やリカードからの支援があるとはいえ、よく持っている」

 

エヴァさんにとっては、彼の評価はそこまで悪くないようですね。

あくまで、この平行世界でのお話ですが。

 

「2人目は、ヘラス帝国テオドラ第3王女。

ヘラス帝国は国土だけで見れば魔法世界随一で、『悠久の風』にも好意的です」

「あのじゃじゃ馬娘か」

 

エヴァさんからはひと言だけでした。

昔、何かあったのでしょうか?

原作で彼女達が絡んでいるシーンはなかったはずですが……。

 

「3人目は、『本国』メガロメセンブリア元老院議員リカードさん。

メガロメセンブリア国内では、ゲーデルさんとたった2人で『悠久の風』を持たせています」

「国民からの人気のおかげで持っている印象は強い。

生かされているというところだろうな。

この間の、対立勢力の有力議員が大スキャンダルを起こしたおかげで、なんとか底辺から持ち直したようだ」

 

言いながら、エヴァさんは私をちらりと見ます。

こっち見んなし。

 

「4人目は学術都市アリアドネーの騎士団総長セラスさんです。

国の勢力としましては中立ですが、『悠久の風』に対しては好意的です」

「20年前はしがない1人の騎士だったが……。偉くなったものだ」

 

その割に感慨深げですね。

 

「我々も歳を実感しますねえ……」

「私の倍以上、年を食っているものな、貴様は」

「600歳児はまだまだ若いですよ」

「600歳児言うなー!」

 

エヴァさんも、なぜ口で勝てないと分かっていてからかうのでしょうね?

 

 

 

「それで、政治情勢が悪化してるってのは?」

 

朝倉さんが質問します。

 

「『本国』、メガロメセンブリア元老院の上層部が、『悠久の風』を敵視しているのです」

 

私は簡単に話しました。

 

「おいおい、『悠久の風』って、『赤き翼(アラ・ルブラ)』があったとこだぜ?

つまり、大英雄(サウザンドマスター)が所属してた組織じゃねえか!」

「その通りです、カモさん」

 

頷きます。

 

「『悠久の風』から離れた人へはそう執拗な追及は行われていませんが、今まさに所属しているタカミチなどには、かなりきつい依頼が連続して入ることも珍しくないとか。

リカードさんやゲーデルさんが、他へ分散するために走り回っているというのが現状です」

「そんなに酷いのか?」

 

これは刹那さん。

 

「はい。何が酷いかって、英雄(ナギ)に対しては特に執拗なのです。

英雄(サウザンドマスター)に子供が2人もいるのに、その奥さんの話は一切出て来ないのですよ。

私達兄妹にしましても、本来は教育環境が整っている魔法世界で育てられているべきなのです」

「ちょっと待って」

 

ここで明日菜さんが手を上げます。

 

「兄妹って?」

「あれ?アンディ、言っていないのですか?」

「え、う、うん。あの後はかなりドタバタしてたし……」

 

言っていなかったそうです。

エヴァさんには、学園祭の前にこういう方向で説明しておくことを話していたのですが……。

 

「私とアンディは、実の兄妹なのですよ」

「えぇーっ!?」「なんとっ!」「ホントアルか!?」「あんまり似てないわねえ……」

 

最後の朝倉さんが案外冷静です。

 

顔は似てないのですよね。

肉体は本当に兄妹なのですが。

私が母親似なのでしょうか?

 

 

 

「気を取り直しまして」

 

私は話を戻します。

 

「私は現在、『本国』では、書類上は死んだことになっています」

「え、死んだことになってるって、どういうことだ?」

「私やアンディの存在が明るみに出れば、立場を危うくする人々がいまして、そういう人々が現在の『本国』――メガロメセンブリア元老院の最大勢力を握っているのです」

 

長谷川(メガネオタク)さんの問いに答えました。

 

「前に言ってたドロドロしてるって、政治的な話かよ!」

「すみません。多くの人目のあるあそこでは、こういうお話はできなかったのです」

「え、それって、スパイがいたかもしれないってこと?」

 

これは朝倉さん。

私は頷きました。

 

「はい。私が最終日に表を出歩けなかったのも、それが原因です。

相手は魔法使いのスパイである可能性が高く、発見も撃退も困難と予想していました」

 

いませんでしたけどね。

マキナにもそれとなく確認するように言っておきましたし、結界を張って引っ掛けようとしてもかかりませんでしたし、エヴァさんもアルさんも怪しい魔法力は感じなかったそうですし。

これでいたとすれば大したものです。

 

むしろ、魔法先生達の目に留まる方が問題でした。

私が危険な立場にいることを知らない魔法先生もいるそうですからね。

そういう魔法先生が、善意で『本国』への報告書に私の名前を書く危険があったのです。

原作では超さんの事件はなかったことになっていますが、この平行世界でもそうなるかはわかりませんでした。

なので、超さんの計画が大詰めを迎え、多数のロボットと学生達の戦いが始まった時、外を出歩くのは非常にリスクが高かったのです。

 

「出自を隠すために名前から変えちゃうなんて、証人保護プログラムみたいねー」

 

早乙女ハルナ(へんたい)さんが呟きます。

 

「実際にそれを参考にしましたからね」

 

アルさんが言いました。

 

「ネギちゃんの時は、我々の仲間で隠れて動ける人がおらず、ナギの故郷に隠すので精一杯でした。

そういう意味では、6年前の襲撃事件は私達の不備がもたらしたとも言えます」

 

なかなかの嘘をスラスラと並べますね。

原作でも深いところの真実は隠し通していましたし、さすがは千年以上生きているだけのことはあると感じさせます。

 

実際には、私は囮としてスプリングフィールド姓を与えられ、襲撃で死んだことにしていたのです。

元老院の方々は私が生きていることは知っていたようですが、『(セント)エルモの火』がかかった状態で、いつでも殺せるからと放置されていました。

そのおかげで、肝心のアンディへは一度も目が向いていません。

精々、私に対する人質として役に立つかどうかという程度の認識でしょう。

 

「アレ?じゃあ、アンディは派手に暴れてて良かったの?」

 

神楽坂さんが疑問を述べました。

 

「『本国』でアンディの正体を知っているのは、リカード議員とゲーデル総督だけです。

元老院は、アンディのことを私の幼馴染としか認識していないのですよ。

麻帆良の魔法先生が教え子の起こした事件に対応しなければ、逆に怪しまれます」

学園長(ジジイ)はあの事件を表向き、なかったことにしたようだがな」

 

エヴァさんが補足を入れます。

 

首謀者は未来に帰ってしまい、逮捕不可能。

協力者は相当数に上り、内大半は魔法を知らないままに利用されていた。

本格的に選別して逮捕するという形にすると、麻帆良学園都市の大混乱は必至です。

そういうわけで、麻帆良学園祭最終日には、ちょっと派手なイベントがあっただけ、ということで『本国』に報告されています。

 

この辺は原作通りですね。

『本国』が実際のところを知っている可能性もありますが。

それにつきましては、超さんがどれほどのものを作って帰ってくるかにかかっているわけです。

 

そういう意味で、学園祭の前、ゴールデンウィーク中に送られてきた小包爆弾(ブービートラップ)に対して報復したのは、良いタイミングでした。

あれのおかげで、『本国』は麻帆良に対して迂闊にちょっかいをかけることができなくなったのです。

 

 

 

「ただ、いつまでも守られているというわけにはいきません」

 

私は皆に宣言します。

 

「私は予定通り夏休みまでに準備を万端に整えて、『本国』へ乗り込みます」

「当然、ボクもついていくよ!

たった1人の妹を、敵地に1人にしておくわけにはいかない!」

「まあ、兄貴ならそう言うだろうなぁ……」

 

予想通りです。

割と私1人でも、どうとでもなるのですけれどね。

 

ちなみに私1人なら、ラストダンジョンへいきなり乗り込むという真似が可能です。

 

「私も行くわ!私はアンディのパートナーなんだから!」

 

明日菜さんもやる気のようです。

対マキナ戦で結構活躍したようですし、割と戦えるようにはなっているのでしょう。

 

「ウチも行くえ~」「俺も、2人の護衛ですから」

 

お姫様(このかさん)その護衛(せつなさん)もついてくるようです。

 

「わ、私もー」「私も行くです。魔法世界には興味があるです」

「魔法世界とか!これは行かなきゃっしょー!!」

 

本屋(のどか)さん、哲学おでこ(ゆえ)さん、変態漫画家(ハルナ)さんの、図書館島探検部の3人も来るそうです。

 

まあ、大体みんな来るということでオッケーですね。

 

「付いて来たいという人は、放課後に部活が終わった後、エヴァさんの家に集合でーす!」

「大体の話は聞いているからな。

それぞれに地獄の特訓メニューを用意しておいてやる。

魔法世界(むこう)で何があっても生きて帰れるようにはしてやるから安心しろ」

「それ、どう安心してええんかわからへんなー」

 

最後にツッコミを入れたのは、私達の話についてこれなかった小太郎君でした。

 

 

 

 




説明話なので、計画の進捗状況についての報告はありません。

つづく



何度も言いますが、これはこの平行世界における政治情勢です。
まあ、なんと言いますか、政治的な立場はできれば悪い方が、物語としては良かったんで。
原作よりも幾らか元老院を黒く設定しています。

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