【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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7/23 くらいに投稿されてると思います。


065 ネギの本気

私とエヴァさん、1対1の模擬戦です。

現在、彼女の封印は解かれており、月齢は満月、麻帆良大結界の影響が及ばないように処置されている『別荘』内では、最強状態です。

 

それに私がどう対処するのか、それを見せようというのが、エヴァさんの意図でしょう。

 

 

 

「“ラ・テル・マ・キル・マギス”」

「“リク・ラク・ラ・ラック・ライラック”」

 

距離を取りながら、私達は同時に呪文詠唱を始めました。

 

「“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)”」

 

私は『連射モード』でエヴァさんに牽制をかけます。

最速詠唱なら、私は吸血鬼少女(エヴァ)さんに対して先手が打てるのです。

 

「チッ、“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、

連弾(セリエス)闇の37矢(オブスクーリー)”」

 

エヴァさんから反撃が来ますが、私は『連射モード』の魔法の矢で的確に自分に当たりそうなもののみを狙い打ちます。

 

エヴァさんが瞬動術を使ってきたその時が狙い目です。

彼女は虚空瞬動が使えるため、ほぼノーリスクで高速移動ができますが、攻撃を撃った瞬間はどうしても硬直が出ます。

その瞬間を狙い打てるかどうか。

そこにかかっているわけです。

 

もちろん、前提として回避が必要ですから、避け切れなければそのままやられてしまいかねません。

なので、私はエヴァさんが瞬動術を使う瞬間を、全神経を尖らせて警戒します。

 

「“術者の周囲を旋回せよ”」

 

私は連射で外れた魔法の矢に命じ、自分の周囲を守らせます。

今までの上位精霊は、数を相手にするか味方を支援する時にしか使用しません。

使用属性が固定されるなんて、冗談じゃないのです。

そして、言うまでもなくエヴァさんには通用しません。

 

「“光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)光の3矢(ルクス)”」

「“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、

連弾(セリエス)闇の37矢(オブスクーリー)”」

 

数も属性も同じ、魔法の矢の斉射。

 

私はエヴァさんが横に伸ばしたその白く細い手の指が、細かく動いたのを目に捉えました。

糸――!

エヴァさんは魔力の糸を自由自在に操作することができるのです。

 

「“『風楯(デフレク)』、『風障壁(バリエス)』、『風塵乱舞(プルウェレア)』”!」

 

少々慌てた感がありますが、魔法は発動しました。

いずれも無詠唱で使用可能ですので、『連射モード』を継続できます。

糸が突風に煽られ、私の周囲を周回していた『光の矢』に当たって千切られました。

 

そしてその瞬間、エヴァさんの姿が掻き消えます。

 

「――!」

 

とっさにステップを踏んで横に逃げます。

 

「“『氷爆(ニウィス・カースス)』”」

 

その回避を先読みして狙われ、冷気を伴った爆風が1人の少女を包みました。

が。

 

「ついに意を消したまま魔法が使えるようになったか!」

「攻撃魔法はまだ無理ですよ――!」

 

エヴァさんの魔法の直撃を食らったのは、私の姿をした精霊囮(デコイ)です。

 

……今のは危なかったのです。

まさか魔力の糸を使って捕らえてまで、全力で当てに来るとは思いませんでした。

『気配断ち』を見破られていれば、そこでアウトでした。

表面的に余裕をかましていますが、心臓はバクバクです。

 

「“『風塵乱舞(プル)』、『風塵乱舞(プル)』、『風塵乱舞(プル)』、『風塵乱舞(プル)』、『風塵乱舞(プル)』、『風塵乱舞(プル)』、『風塵乱舞(プル)』”」

「ぬっ!」

 

私は距離を取りつつ、突風魔法の連打でエヴァさんの動きを一瞬封じました。

ちょっとした時間稼ぎには有効なのですが、連打中は当然、他の魔法を使用できません。

 

「“『氷神(マレウス・ア)の戦鎚(クイローニス)』”」

 

金髪吸血鬼幼女(エヴァ)さんは当然の如く追撃。

巨大な氷の塊をぶつけてきました。

私の幼い姿を塗り潰さんという、範囲攻撃。

 

「“杖よ(メア・ウィルガ)”」

 

私はアンディが持っていたナギの杖を手元に引き寄せ、それに乗って回避します。

 

 

 

湖の上に直径5メートルがあろうかという氷塊が叩きつけられ、その衝撃で舞い上がった水煙のために、一瞬、お互いにその姿を見失いました。

これは、大型魔法の準備のための牽制です。

エヴァさんの大魔法に、対応して見せろという、彼女からのメッセージなのです。

 

私は懐から精霊召喚用の呪符を取り出しました。

 

「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル、

風精(エウオカティオー)召喚(・ゼピュレシエ)

『風神少女』”」

 

最新型の『烏天狗少女』を召喚します。

葉団扇に真空の刃を纏わせた、殺傷力も高い高速仕様。

 

「“ラ・テル・マ・キル・マギス、

逆巻け(ウェルタートゥル)春の(テンペスタース・)(ウェーリス)

(ノービス)らに風(プロテクティオーネム)の加護を(・アエリアーレム)

風花(フランス・)旋風(バリエース)(ウェンティ)障壁(・ウェルテンティス) ”」

 

約2分間、猛烈な竜巻によって完全に防御し切る魔法です。

ですが、実際に展開はしません。

最近の研究によって、『雷の暴風』すらも防御し切ってしまうこの魔法をフル詠唱した方が、『雷の暴風』よりも充電量(コストパフォーマンス)が高いことが分かったのです。

つまり、『烏天狗少女』の充電(チャージ)に使用したわけですね。

 

実は、攻撃魔法というのは錬金術のような四大の物質創造でありつつ、同時に自然現象の影響を大きく受けるのです。

つまり、竜巻を横向きに撃つよりも、自然現象と同じく縦に展開した方が、効果も効率も高くなるのだとか。

これは独自設定ですが。

なので、横向きに撃つ『雷の暴風』よりも、『旋風風障壁』の方が威力が上なのです。

 

実は継続時間の関係で、『雷の暴風』よりも魔力消費は2倍ほどあるのですが。

 

「“契約(ト・シュ)に従い(ンボライオン)我に(ディアーコネート)従え(ー・モイ・ヘー)

氷の(クリュスタリネ)女王(ー・バシレイア)

来れ(エピゲネーテートー)とこしえの(タイオーニオン)やみ(エレボス)

えいえん(ハイオーニエ)のひょうが(・クリュスタレ)

『こおるせかい』”」

「“回避ぃーっ”!!」

 

私は『烏天狗少女』の腰にしがみついて、エヴァさんの本気過ぎる極大魔法の効果範囲から離脱しました。

最新型『烏天狗少女』の移動速度は瞬動並ですので、一直線に飛ばせば100メートルを1秒で移動できます。

 

直系150フィートの範囲内が絶対零度に閉ざされ、巨大な氷塊が誕生しました。

氷柱封印魔法『こおるせかい』の方ですね。

あまり人死にを好しとしなかったエヴァさんが、好んで使用した派生魔法です。

 

 

 

「避けたか」

「死ぬかと思いましたよ!」

 

ひと言文句を言っておきます。

 

「“ラ・テル・マ・キル・マギス、

風花旋風(フランス・バリエース)(ウェンティ)障壁(・ウェルテンティス)』”」

 

もう一発、『烏天狗少女』に充電(チャージ)しました。

これで、大抵の攻撃は避けられるはずです。

 

「だが、お前自身はその速度についていけるのか?」

「くっ!」

 

私が詠唱していた隙に虚空瞬動で正面から接近し、蹴りで叩き落そうとしてきます。

『烏天狗少女』はAIの超反応で回避、私は慌てて精霊の足にしがみつきました。

 

「“解放(エーミッタム)”」

 

その置き土産に、あらかじめ遅延させておいた魔法の矢3本を叩き込みます。

 

「むっ――!

ええい、アルに使った障壁破壊か!」

 

エヴァさんは障壁で受けてみて、その性質に眉をしかめました。

壊れた障壁を修復しなければ、私が相手では危険と判断したのでしょう。

たった3本で障壁すべてが破壊されたわけではありませんが、それが重なればダメージを通せるだけの薄さになってきますからね。

 

「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル……”」

 

私はその間に次の準備を始めました。

 

「“光精(エウオカティオー・)召喚(モノクローメディア)

儀符『オーレリーズサン』”」

 

私は任意操作の上位精霊を召喚します。

一度アンディに不意打ちをかけたことがある、例の4つの球状中位精霊を持った『白黒魔法使い』です。

 

「フム、コンボが完成したか……」

「私だって頑張ってるんですよ!」

「知っているさ!」

「うひゃっ!」

 

エヴァさんが白く細い手で私の胸倉を掴もうとすると、それに反応した『烏天狗少女』が高速で回避しました。

私はまたあわててしがみつき、『白黒魔法使い』も退避させます。

 

「ベルトか何かで身体を固定したいところですね……」

「今度は酔うかもしれんがな」

 

とにかく『白黒魔法使い』を召喚したことで、私は魔法障壁の分厚いエヴァさんに対して、有効な攻撃手段を得ました。

 

「“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、連弾(セリエス)光の199矢(ルーキス)”」

 

追ってくるエヴァさんとドッグファイトを繰り広げつつ、私は牽制と『白黒魔法使い』への魔力充填(チャージ)を兼ねた攻撃を繰り出します。

 

「“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、連弾(セリエス)闇の101矢(オブスクーリー)”」

 

光の矢が百本ほど充填(チャージ)されれば十分なのですが、さすがにエヴァさんもそれは知っていますので、迎撃に出ます。

そろそろアンディとの模擬戦と併せて魔力(リソース)の消費がヤバいので、魔法の矢くらいしか撃てません。

このままではジリ貧ですが、なんとか百本分の光の矢を充填することに成功しました。

 

これが最後のチャンスです。

 

「“術式(ペル・エーミ)解放(ッシオーネム)”」

 

私は『白黒魔法使い』の周囲を回る球状中位精霊に命じ、魔力を本体である『白黒魔法使い』に還元させました。

あれは防御力も攻撃力もない、ただの魔力タンクだったのです。

 

「来るかっ!」

「“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、連弾(セリエス)光の199矢(ルーキス)”」

「くっ!?」

 

大きいのが来ると思わせて、障壁破壊の矢を叩き込みます。

そのままで通じるだなどということは、さすがにないでしょう。

もちろん、その前の詠唱と動きはフェイント。

こちらが正規の詠唱です。

 

「“鍵呪文(キーワード)、恋符『マスタースパーク』”」

 

膨大な光がエヴァさんの姿を塗り潰しました。

 

 

 

「残念――。

来ると分かっていれば、私も精霊囮(デコイ)くらいは用意しておくさ」

 

その声が聞こえたのは、私の背後、耳元です。

エヴァさんの接近に反応した『烏天狗少女』が動く前に、彼女は上位精霊を攻撃するべく、右手に白く輝く相転移剣が展開されていました。

『烏天狗少女』の反応速度以上の速度で接近してきているのです。

 

「“『断罪(エンシス・エ)の剣(クセクエンス)』”」

「“竜巻『天孫降臨の道しるべ』”」

「な、に――!?」

 

私に迷いはありませんでした。

上位精霊は魔力の貯蓄量が高く、特別な術式を付与せずとも、魔力タンクとしても利用できるのです。

『白黒魔法使い』のように。

 

『烏天狗少女』がやられるのは確実。

ならば、その直前に魔力を引っ張り出してすべて風に変換してしまうのも、当然の帰結と言えるでしょう。

 

『風花、旋風風障壁』2発分、つまり『雷の暴風』4発分、その威力が至近距離で一気に解放され、巨大な竜巻となって私とエヴァさんを巻き込みます。

 

「ぬうぅっ!」

「くぅっ!」

 

エヴァさんの行方を目で追う余裕はありませんでした。

私はあおられながらも竜巻に対して縦方向、つまり上に向けて杖で飛び――。

 

「ぺみゅっ!?」

 

幻想空間の天井に勢いよくぶつかって気絶しました。

 

いやだって、ねえ?

そうそう簡単に横から抜けられるものではありませんよ。

安全地帯などという生易しいものはありません。

猛烈な風で煽られ、自分の位置すら定かでなくなった状況で、なんとか上を目指したのです。

竜巻の吹き上げる風に逆らわなければ、そんなに大きなダメージにはならないと考えていました。

だからこそ、まさかこんなに近くに天井があるとは、欠片も思わなかったのです。

 

 

 

 




本日の10割

修行中、模擬戦――ネギ、不注意による天井激突KO。

以上。

つづく



この小説オリジナル技法の中では役に立つ、目玉となる技法が出てきました。
これがネギ少女のもう一つの切り札となります。
詳しい説明はまた後で、本編で行う予定です。

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