【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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7/24 くらいに投稿されてるとうれしい。

そろそろエアコンを冷房で回す季節。


066 感想戦

「あ、目ぇ覚ましたえ~」

「ネギ、大丈夫?」

 

目を覚ますと、木乃香さんに膝枕されていました。

脇から明日菜さんが覗き込んでいます。

 

「エヴァさんは……?」

「あそこ」

 

身を起こして指差された方を見ますと、金髪幼女が黒板を前に、ノリノリで授業を行っていました。

皆、神妙にそれを聞いています。

 

「うーん……アレを至近距離で食らって、ピンピンしてますか……」

 

私は立ち上がって伸びをして、凝り固まった体をほぐしました。

 

「ネギ、ホントに大丈夫なの?」

「私は術者ですから、至近距離の魔力爆発でも威力を半減できるのです。

そこまで減らせれば、後は逃げる方向を間違えなければ障壁で止まりますよ」

 

至近距離の『光よ』で術者は目が眩まないのと、理屈は同じです。

ただ、あれが一瞬過ぎて、そこまで考えてはいなかったのですけどね。

『雷の暴風』4発分、それが至近距離で炸裂したのですから、それで無傷なエヴァさんの方がおかしいのです。

大魔法に匹敵する魔力だったと思うのですが……。

さすがに極大魔法クラスではありませんよ?

 

 

 

「この私にあそこまで食らいついてくるとは、期待以上だったぞ!」

 

エヴァさんが超ご機嫌です。

にっこにこしています。

 

「最後は天井にぶつかって気絶という、どこぞのコントばりの終わり方でしたが……」

「それはそれで面白かった」

「さいですか」

 

私は溜息を吐きました。

 

「坊や達にとって、あれは最高の教材となるだろう。

ギャグ的な意味でもな!」

「やめてください、死んでしまいます。黒歴史的な意味で」

 

エヴァさんがニヤニヤ顔で弄ってくるのには参りました。

アルさんのことを性格最悪だとか言う癖に、自身も大概ではないですか。

こんな、いたいけでか弱い美少女を弄り倒すだなんて、性格がひねくれているに決まっています。

 

「か弱い……?」

「心を読むななのです」

 

この『ネギま!』世界の魔法使いは、エヴァさんクラスになりますと、普通に心を読むことができるのです。

小五ロリですね。

まさしくエヴァさんです。

私も来年はそうなります。

実年齢的な意味で。

 

「で、例の技法だがな……」

「ああ、やっぱりそうでしたか。

あの状況で囮に引っ掛かるなんて、エヴァさんらしくないと思っていたところです」

「まあな」

 

どういうことかと言いますと。

精霊囮(デコイ)と『気配断ち』で本体を誤認させ、エヴァさんからの攻撃をかわした時ですが。

実はあれ、エヴァさんがわざと精霊囮(デコイ)を攻撃していたのです。

本来、模擬戦はあそこで終わっていました。

 

かなり以前、エヴァさんと最初に模擬戦をした際、彼女は『気配断ち』を見破っていたのです。

その状態で攻撃に転じる際の殺気が漏れているかを見るために、あえて接触まで待っていました。

修学旅行で私が『気配断ち』を使用しなかったのも、エヴァさんのアドバイスがあればこそです。

要するに、私のレベルの『気配断ち』は、彼女には通用しないのですよ。

 

つまり。

さっきの模擬戦は、私の技法の完成度を見るために、わざと長引かせていたということです。

 

「それで、『精霊解放』ですが……」

「ああ、やはり準備に手間がかかるのがネックだな。

『烏天狗』で追尾して、頃合いを見計らって自爆というのをされると、避けるのが難しくなるが」

「『烏天狗少女』はちょっと、弄るのが難しいですね。

元々、超反応AIに容量(リソース)の大半を注ぎ込んでいますから」

 

私は渋い顔をします。

 

「ということは、やはり『白黒』か」

「もしくは、雷属性辺りの上位精霊を別に作ってしまうか――です」

「『白黒』は、威力も加速度も申し分ないんだがな……」

「ただ、動きが直線的ですからねえ……」

「後は、『烏天狗』を移動に使うアイデアは割と良かった。

私でも本気で追わねば追い付けなかったからな」

「『ソロモンの小さな鍵(レメゲトン・カスタム)』の賜物です」

 

妖精さん万歳なのです。

 

「ただ、やはり瞬動じゃないから、加速されるまでの間を狙われると弱い」

「エヴァさんレベルですと、普通に捉えてきますよね。

移動専用の上位精霊でも考えましょうか」

「ベルト装備でな」

「……はい」

 

お後がよろしいようで。

 

しかし、問題点を洗い出したおかげで、次に向かうべきところは見えてきています。

やはりエヴァさんは頼りになりますね。

 

「そろそろ『虚空瞬動』を覚えねば、これ以上は厳しいかもしれんな」

「そうですねえ……イマイチコツが掴めないのですが……」

「ま、そうそう簡単にできることではないのは確かだ。

それが使用できるかどうかでランクが決まるほど、上の方では重要な技術だがな」

 

虚空瞬動ができる人はA級以上、でしたっけ。

 

エヴァさんが相手の場合、普通の瞬動では移動中を狩られる可能性があります。

瞬動は極大加速の高速移動手段で、それを見切っても肘を置いたり足を引っかけたりというくらいしか、普通はできません。

ですが、裏世界最強クラス、エヴァさん並になりますと、そんな常識は通じないのです。

逃げた先に先回りしてくることなんて、朝飯前なのです。

見切っているとかそういうレベルではなく、未来が見えているとでも言いましょうか。

 

ナギも、よくこんなのに勝てましたねー。

……あ、アレもアレで大概なバケモノでした。

と言いますか、彼が血筋的に旧世界の普通の人間だというのが、一番信じられません。

何か変なモノの血を継いでいるとか、そんなことを言われても違和感がありませんよ。

 

「お前も、その肉体にはその血が入っているんだぞ?」

「また心を読みやがりましたか」

「血筋などはそう大した影響は出んものさ。

あの馬鹿(ナギ)も、幼少期にゼクトという師匠に巡り合ったからこそ、あそこまで強くなったんだ」

「まあ、王族は初代が最も偉大と言いますからね。

遺伝子というより、豪族的な社会権力が9割なのでしょう」

 

奴隷から皇帝にのし上がった人物もいるのです。

 

「いずれにせよ、あまり言うことを聞いてくれない、困った肉体(カラダ)なのです」

 

私はぼやきました。

近くに人がいないと悪夢を見るのを筆頭に、痛覚や感情などが一定以上になるとすぐ気絶するなど、割と厄介な性質を抱えた肉体なのです。

6年間毎日続けた瞑想のおかげで、思考に雑音(ノイズ)が入ることは少なくなってきたのですけれども。

これがまた、第二次成長期を迎えると、色々と厄介なことになってくるわけで。

女の子の思春期は大変なのです。

 

 

 

『別荘』内では、思惑通り私とエヴァさんの模擬戦に触発された皆が、気合いを入れて修業を始めていました。

 

「行くよー!」「来いやー!」

 

アンディと小太郎君は大体いつも通り。

実力が伯仲していますので、大体良い勝負になります。

この平行世界での小太郎君は、『別荘』での修行を始めるのが早かったですからね。

高速詠唱による『連射モード』、『輝身拳』を会得したアンディとは、大体互角なのです。

 

小太郎君は我流で忍術や『狗神』、影を使ったり、色々なことをする、変則的な戦い方が特徴です。

獣化するとその力は数倍となり、『輝身拳』を使用していなければ到底対応できないパワーとスピードを誇ります。

獣化した姿では低い姿勢が基本(デフォルト)となりますから、この状態でこそ、狗族の得意技である『四つん這い瞬動』が生きてくるのです。

まあ、そういうことですね。

 

私は使いどころを上手く選んでいましたが、『四つん這い瞬動』は人間形態には向かない技なのですよ。

なので、麻帆良武道会の時、強い人が相手ではほぼ通用しませんでした。

 

 

 

「ですから、ここをこうして、こうですわ」

「うおっ!?」

 

エヴァさんが用意した柔道用の畳の上で、長谷川千雨(レイヤーオタク)さんが雪広あやか(ショタコン)さんに投げられます。

長谷川さんは、ハッキングと魔法の勉強をすると同時に、体術も習っているようです。

戦闘の素人がそんなに簡単に身につけられるものではないと、言っておいたのですけれど……。

なんでも、最後の手段として身に着けたかったとか。

今は私同様、相手の攻撃をいなす防御技を中心に習っているそうで。

 

一方の雪広さんはエヴァさんから、よりシビアで実戦的な技を習っており、元々護身術で合気柔術をやっていたこともあり、ある程度なら明日菜さんとやり合えるようです。

ここで修行を始めてそんなに経っていないのですけどね。

もちろん、政治的なことに関しましては私が教えています。

元々似たような勉強をしていただけあって、呑み込みがいいですね。

 

「い、いきますよー!」

「おっけー!ドンと来ーい!」

 

こちらでは、佐倉愛衣(メイ)さんと明石裕奈(ゆうな)さん。

 

魔法の矢を撃ち落とす鍛練をしているようです。

なぜ魔法使いの佐倉さんが相手をしているのかと言いますと。

まあ、要するに戦い向けの性格をしていないからなのですよ。

だからこそ、麻帆良武道会で私にボロ負けしたわけですし。

 

なので、修業の手伝いの傍らサポート系の魔法を習っていただいています。

ついでに、実戦レベルの瞬動術と、自己魔力供給『戦いの歌』を教わっていました。

単体で結構強い高音(ぬげおんな)さんのサポートに回るためですね。

高音さんが苦手なことを穴埋めするようにしていただいたわけです。

そして、『武装解除』の広域化を行うアーティファクトを有効活用するために、1日1万回の呪文詠唱に挑戦していただいています。

 

長瀬楓(ニンジャ)さんを筆頭に、刹那・F・セイエイ(さくらざき)さん、明日菜さん、高音(ぬげおんな)さん、古菲(カンフー)さんの5人は、森林エリアです。

強い人ばっかりですね。

 

ああ、一応ですが、高音さんは防御なら私達の中でもピカイチです。

私のように障壁破壊と高威力の攻撃を同時に使用できる人でなければ、相当に苦戦を強いられます。

上位5人の中で苦戦を強いられるのは古菲(クーフェイ)さんくらいですが。

これは私とやり合って以降、多少無理をすれば鉄壁の防御を維持したまま無茶な攻撃ができることを知ったためで、影使いとしましても精霊使いとしましても、格段に上達しています。

まだまだ詰めが甘いのは否めませんが、腕は上げている、と言ったところですね。

 

後の魔法使い志望グループ、綾瀬夕映(おでこ)さん、宮崎のどか(ほんや)さん、近衛木乃香(ヤマトナデシコ)さんは、いつも通りひたすら呪文詠唱です。

座学もやっていますが。

 

残るは早乙女ハルナさん。

まあ、アレです。

夏のコミケに向けて、自分を模したゴーレムで漫画を描いています。

これはこれでゴーレム操作の修行になるのですが、なんだか間違った方向に進化しているような気がしなくもないですね。

たまに部屋がムキムキマッチョの楽園になっていたりもしますし。

 

ま、そういうことで、皆さん順調にパワーアップ中なのです。

 

 

 

 




本日の経過

修行中、新技法『精霊解放』についてエヴァンジェリンの見解を聞く。

以上。

つづく



新技法『精霊解放』がチラッと出てきます。
詳しく解説されていないのは、まだ開発途上だからですね。
オリジナルの新技法ですが、固有技法ではありません。
ちょっとしたアイデア技と言った程度です。

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