【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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069 超鈴音と、仮契約騒動

『魔道書の祭殿』内。

私はいつものように妖精さん召喚を行っていました。

 

「“妖精さん妖精さん、

甘い甘いお菓子はいかがですか?”」

「はーい!」

 

召喚円からポーンと丸っこい身体をした、陽気な小人さんが飛び出ます。

 

「ふぅ……」

 

私は腰に手を当てて溜息を吐きます。

1日に100体ほど召喚しても余裕が出来るようになってきたとはいえ、やはり疲れるものは疲れるのです。

 

『魔道書の祭殿』に溜まった魔力を使っているおかげで、消耗率はかなり減りました。

以前は1日に20体ほどが限度でしたから、5倍の効率です。

ここではさらに部屋ごとに時間の流れを操作できますし、さらに倍率ドンなわけですが。

 

「“妖精さん妖精さん、

甘い甘いお菓子はいかがですか?”」

 

アルさんもチョコボールを片手に真似してみます。

しかし、召喚円は反応もしません。

 

「だめですか……。

この召喚魔法にも、謎が多いですねぇ」

 

彼は呟きました。

妖精さんの召喚は、現状は私しか使用できないようです。

 

「私の時もそうだった」

 

エヴァさんも頷きました。

 

「やはり、転生した魂ということで、何か手を加えられていると考えるのが妥当なんだろうな」

「それしか考えられませんね」

 

今は妖精さん召喚の儀式の検証中なのです。

もしも協力者であるエヴァさんやアルさんが使用出来れば、これほど大きなアドバンテージもないのですが。

妖精さんの数を増やせれば、それだけで世界を救うには有利なのです。

 

ですので、何度か精神や記憶を繋いだ状態で使用したりしてみたのですが……。

結果は全滅でした。

何の手がかりも得られていません。

 

「考えてみれば、完全な異世界から召喚しているわけだからな。

一筋縄ではいかんのも道理かもしれん」

「なるほど……興味はありますが、残念ながら今の我々では、まだ手を出せる領域ではないようです」

 

お2人の魔法の大ベテランが手を出せない領域となりますと、他の誰にも不可能とか、そういうことになりそうです。

 

「文字通り神の領域、ということか」

「ありえますね。次元渡り(プレインズウォーカー)的な意味で」

 

平行世界への渡航を可能にした超さんでしたら、いずれ何とかしてしまいそうな気もしますけど。

 

「ま、あまり便利過ぎるのも考えものかな」

「では、とりあえず(チャオ)さんの方を手伝ってきます」

 

私は言って、その場を離れました。

 

 

 

超さんは今現在、『魔道書の祭殿』に住んでいます。

たまにアンディがアルさんの話を聞きに、彼の住処に降りてきますので、迂闊に出られないというのもありますが。

別にバレても問題ないのですが、本人が渋りまして。

 

『タイムバナナ』の調整が終わるまでは暇ということもありまして、妖精さん向けのお菓子作りを手伝っていただいています。

本人も、料理は好きなようですし。

 

「ふー……」

「まさかの『航時機Ⅲ(カシオペヤ・スリー)』の活用ですか……」

 

私は妖精さん達に平らげられつつある、山盛りのお菓子を見て呟きました。

超さん自身も幾つかぱくついています。

 

「アイヤ、『航時機Ⅲ(カシオペヤ・スリー)』の自動起動用AIの実験ヨ」

「あらそうでしたか」

 

魔力効率や性能面で万能な『航時機Ⅲ(カシオペヤ・スリー)』ですが、あくまで『タイムマシン』として優れているのであって、それを状況に応じて高度に判断し、起動するのは高度AIなのです。

どうやら、そこまで妖精さん任せにすることはできないようで。

 

一応説明しますと、方式は脳波読み取りによる間接起動で、どの時間、場所に飛ぶのか、連続起動による疑似時間停止をどれだけ続けるのか、その辺に関する判断を超さんの脳が行い、それを脳波を通じて受け取ったコンピュータが、『タイムマシン』を脳波に沿って起動するということになっています。

AIというのは、脳波の変化によって自動起動する際の予測演算をする役割を持ちます。

 

『なかなか出来る方ですわね』

 

超さんのお菓子作りを手伝っていたマキナが言いました。

私が魔力を供給しておき、『時間停止』を使用できる状態でしたから、超さんの時間空間を好き放題に移動する動きにも、十分ついていけていたのでしょう。

いえ、超さんが追いつけた、と言うべきかもしれません。

 

「トンデモナイ隠し玉を見たヨ。

ネギ娘が学園祭で完全に敵に回てたら、私はどうやても勝てなかたネ」

「うふふ、その時は計画自体を立ち消えさせていましたよ。

私は政治方面の方が得意ですからね」

「想像したくないネ……」

 

超さんは腕を組んで渋い顔をしました。

 

実際、数年がかりで立てた計画は私に利用され、本来の目的は達成したものの、計画そのものは失敗に追い込まれています。

私が考えた『無限ループ』が原因で。

99%勝てたはずの勝負を、100%の負けに引っ繰り返されてしまったのです。

渋い顔もしますよ。

 

「まあ、ありませんよ。

私にとっても、超さんは得難い人材ですからね。

味方にできる機会をフイにはしません」

「ムム……誉められてるのに、ちとも嬉しくないヨ」

「あはははは」

 

超さんの頭脳、未来の技術は、この平行世界を救うのに大きなアドバンテージとなるのです。

何より、妖精さんの危険性を正しく認識できる方というのが、まずいません。

大抵の人はのび太君よろしく、秘密道具(てんせいとくてん)に頼り切ってしまうでしょう。

それがどんな結果をもたらすのか、どんなに説明されても届きません。

人とはそういう、負の可能性も持っているのです。

まさしく、『無限の可能性』ですよ。

それを甘く見た結果が、現実世界の核関連技術ではないでしょうか。

 

 

 

(チャオ)様と御主人(ネギ)様は、仮契約(パクティオー)されないのですか?』

 

お菓子作りのお片付けを終えたマキナが、とんでもない爆弾を投下していきました。

よりによって、エヴァさんとアルさんも一緒に、お茶を飲んでいた時のことです。

 

「できれば超さんとは対等でありたいですね」

「私も十分に便利な道具も魔力も揃てるネ。これ以上は要らないヨ」

 

2人してさりげなく答えます。

内心、お互いに動揺しまくっていましたが。

 

「これからの不確定要素(イレギュラー)を考えれば、そう悪くないんじゃないか?」

 

エヴァさんが紅茶を飲みつつニヤニヤしています。

嫌な予感しかしません。

アルさんの方は見たくもない。

 

「現段階でも、相手には(モノノケ)という異分子(イレギュラー)がいます。

こちらの戦力も大層なものですが、最終的にどうなるかはわかりません。

仮契約(パクティオー)しておいて損はないかと」

 

ほら、彼の顔は見ていませんが、ニヤニヤしているのは確定です。

 

「……」「……」

 

私と超さんは脂汗をダラダラ流しながら、言い訳を考えていました。

乙女の唇は、そう易々と与えていいものではないのです。

 

「そ、それでは、仮契約を結ぶのがエヴァさんかアルさんでもいいということになるのでは?」

「ん?私は別に構わんぞ。

お前達のことは2人とも気に入っている」

「私も構いませんよ。

むしろ良いアイデアかもしれません」

 

あれ、もしかして墓穴掘りました?

 

「そそ、そうヨ!あのオコジョがいなければ仮契約出来ぬはずネ!

そうすると、あのオコジョを通じて私の帰還がバレるやもしれぬヨ?」

「仮契約の儀式くらいは私が覚えていますよ」

 

さらりとアルさん。

 

そういえば、千年を生きる魔道書の精であるアルさんが、どれほどの知識を蓄えているのか、改めて問うまでもないのですね。

とりあえず、致命的な知識を保有しているということは分かりました。

 

その後。

結局、私達がお2人に抵抗できるわけもなく。

世界を救うための戦力増強という大義名分がある今、弁論でも勝てず。

私と超さんは、お互いに仮契約を結ばされたのでした……。

 

さすがにエヴァさんとアルさんと仮契約というのは、冗談だったようですが。

 

「ちなみに、あまり知られていませんが、接吻(キス)以外でも仮契約(パクティオー)まででしたら可能ですよ」

「死ぬがよいのです」「死ぬがよいヨ」

 

結局『イノチノシヘン』のゼクトさんに負けましたけれども。

ナギさんは麻帆良武道会の決勝で人格完全再生(リプレイ)を行ったため、今は使えないそうです。

 

ゼクトさん、ナギさんの師匠というだけあって、シャレにならない強さでした。

超さんの『航時機Ⅲ(カシオペヤ・スリー)』に、生身の瞬動で対抗できるとか、明らかに強さがおかしいのです。

 

事の発端であるマキナには、きっちりお仕置きしておきましたが。

むしろ喜んでいたのは見なかったことにしましょう。

 

 

 

ちなみに。

超さんのアーティファクトは『小泥丹炉(ショウデイタンロ)』。

黒い石で出来た、手の平サイズの器です。

 

「これは魔力を圧縮して物質を作る、錬金装置のようなものですね」

「アーティファクト予備軍を作る装置と思えばいい」

 

アルさんとエヴァさんが交互に説明します。

私と超さんは、ボロボロの姿のまま聞いていました。

 

「アーティファクトを好きなように作れるのですか?」

 

私は尋ねます。

 

「そう簡単にはいかんさ。

実際にアーティファクトを作ろうとすると、莫大な魔力が必要になる。

四大の物質を作るのが精々だろう。

筋肉馬鹿(ジャック・ラカン)の『千の(ホ・ヘーロー)(ス・)(メタ・)持つ(キーリオン・)英雄(プロソポーン)』に近いな。

それに、魔力で編んでいるということは、魔法世界人と同じく再構築魔法(リライト)の影響を受けるということでもある」

「それでも、破格のアーティファクトと言えるでしょう。

言い換えれば、魔力を込めるだけで魔法が使用できるということ。

後は使用者の想像力次第と言ったところでしょうか」

 

これはアルさん。

要するに、私の魔法理論で言うところの、『手続き』をぶっ飛ばす魔法具ということのようです。

 

「そういえば聞いていませんでしたが、超さんって呪紋刻印なしで魔法は使えるのですか?」

「使えぬことはないヨ。初級しか使えぬがナ」

「ということは、杖などに魔力を込めるというのは……」

「無理ネ」

 

アルさんもエヴァさんも、ついでに私も天を仰ぎました。

 

原作の超鈴音(チャオ・リンシェン)が呪紋刻印なしで魔法を使えていたとすれば、色々と辻褄の合わないことも出てくるのです。

主にセリフ回しとか。

 

「というか、さすがに『航時機(カシオペヤ)』を発明する傍ら、魔法の修行も未来の戦争も同時並行で行うは不可能ヨ。

未来では強化服もあたしネ。

そこまで魔法の修行は必要ではなかったヨ」

 

(チャオ)さん本人も、難しい顔をしていました。

 

「修行、だな」「ですね」「はい」

 

超さんが魔法世界へ偵察に出るまでの間、どうするか。

その方針が決定した瞬間でした。

 

 

 

 




本日の成果

超鈴音と仮契約成立!
計画外。

以上。

つづく



この仮契約については、完全な蛇足です。
元々、超鈴音はネギ少女の同階級の副官みたいな立ち位置にするつもりでしたから。
なので、アーティファクトの活躍の場もほぼないと思ってください。
一応、設定はしてありますので、感想欄でご質問いただければ答えますが。

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