【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
滝汗ってこういうことを言うんですね。
『魔道書の祭殿』。
すっかりこの場所の主と住人となっている、
『タイムバナナ』の調整が終わり、いよいよ超さんが
私との仮契約にて手に入れた、『
この『
本来は魔力を凝縮して物質に変換する魔法具ですが、この世界の魔法は錬金術の四大精霊も物質として認識されていますから、『火』を選択すれば込められた魔力の量に応じた『火』という物質が出現するのです。
同様に『風』、『土』、『水』も、攻撃魔法そのものの形で出すことができます。
超さんに足りなかった、魔力関連の火力を補強するものでもあったわけですね。
学園祭の最終決戦では、呪紋刻印の力でかなり無茶をして誤魔化していただけですし。
というか何ですかこの、『ぼくのかんがえたさいきょうのアーティファクト』。
『無限の剣製』も再現出来てしまいますよ。
しかも注入する魔力に上限がありませんから、原作ネギ少年の子孫である超さんが扱えば、最大でとんでもない火力が出たりします。
いえ、私も似たようなことはできるのですけれどもね。
上位精霊の自爆、『精霊解放』を使えば。
ただし、こちらは妖精さんの魔改造による『
要するに、込められる魔力に限界があり、なおかつ上位精霊の維持に魔力を消費するわけですね。
つまり、『
このオリジナルアーティファクトが活躍するかどうかは別として。
「それでは準備も万端、バナナも食べたし、行てくるヨ」
「はい、行ってらっしゃい」
私達も『タイムバナナ』を食べ、超さんのループに合わせて待機します。
期間は7日間。
これだけあれば、大抵の情報は集まるはずなのです。
1ループ目。
超さんが出発したと思ったら出現し、何もなかったはずの場所でバナナの皮に足を取られ、ひっくり返りました。
今出発したところなのに、これで長い時間の記憶が入っているわけですから、
「どうでした?」
「『墓守人の宮殿』で、『墓所の主』と話してきたネ」
私が聞きますと、超さんは起き上がりながら答えました。
「それで、話せたのか?」
エヴァさんの問いには頷きます。
「テロ計画の準備に、他のメンバーが走り回てるという話を聞けたヨ」
『墓所の主』とは、『始まりの魔法使い』の娘とされる、オスティア王国初代女王アマテルのことです。
原作では、
不意打ちとはいえ『アーウェルンクス』を苦もなく抑えるなど、相当に高い実力の持ち主のようでもありました。
その他、詳しいことは原作にも出てきていません。
さて。
超さんの話では、魔法世界の崩壊が避けられない現実となっているため、仕方なく
もしも
これも原作通りですね。
原作では、ネギ少年の提示した案にあっさりと鞍替えするのです。
これは、元から
『墓所の主』のお話は、ほぼ愚痴だったそうですが。
「なんにせよ、『墓所の主』の本音を聞けたのは大きな収穫ですね」
アルさんが言います。
「彼女は『
実際の管理は精霊任せのようですが、魔法具の作成においては『造物主』に匹敵する技術力の持ち主であることは確かです。
もしかすると、ネギちゃんの『調整』も可能かもしれません」
「この体は、色々と爆弾を抱えていますからね……」
私は苦笑しました。
決して良いお話ではないのですが、私は厳密な意味での人間ではないのです。
赤ん坊の死体に別の魂を詰め込むという外法によって、この世界に誕生しました。
ゆえに、実体はあれども、『造物主』の
「それだけ危険な場所にも潜り込めるのなら、儀式場を破壊することもできるんじゃないか?」
「今からでは、再設置されるだけですねー。
しかも、今度は情報のない場所に潜伏されますよー」
なんて、最初の頃は笑っていられましたが……。
その後3ループで、超さんは色々な情報を持って帰ってきました。
ジャック・ラカンさん、ヘラス帝国のテオドラ皇女、アリアドネーのセラス総長、クルト・ゲーデル新オスティア総督、ジャン・リュック・リカード元老議員。
『悠久の風』の後援者の面々ですね。
この辺は、タカミチが私に話してくれたお話、あるいは雑誌から読み取れる以上の情報はありませんでした。
次は4ループ目。
いよいよ敵方の黒幕、旧オスティア宮殿近辺と、
そこから得られた情報を元に、障害となるものを叩き潰すための策を練る――。
それが今回の情報収集の目的です。
4ループ目。
「……」
転倒した状態で戻ってきた超さんは、しばらく起き上がらずに、何事かを考えていました。
「どうしました?」
「……元老院議長と『アーウェルンクス』が、密談してるところに遭遇したヨ」
「――!」「……」「……!」
私達は3人して絶句します。
まさか、元老院議長という、深いところで繋がっているとは思いませんでした。
精々密偵が存在する程度だと思っていたのです。
なにしろ、
そんな連中と手を組むなど、正気の沙汰ではありません。
特に権力者ならなおさら。
「フェイトでしたか?」
「いや、違ったネ。『風』の属性だたヨ。
『
超さんは後ろ頭を掻きます。
私達は顔を見合わせました。
私は政治的なことしかわかりません。
というわけで、アルさんとエヴァさんの会話です。
「先代の『風のアーウェルンクス』は、ナギが消滅を確認しました。
何者かが倒したようです。
それがダミーでなければ、ですが……」
「ナギがそんなダミーに引っ掛かると思うか?」
「考えにくいですね……。
とはいえ、次の代は『鍵』がなければ稼働できないはずです。
何らかの方法で『鍵』か、それに準ずる何かを手に入れたと考えるべきでしょう」
「墓所の主か?」
「わかりません」
アルさんとエヴァさんの話し合いでは、結局結論は出ません。
情報は少なすぎるようです。
「明日菜さんの
最後に確認したのは
時間的に明日菜さん経由ではあり得ません」
これは私です。
「……厄介なことになってきたな」
エヴァさんは額に手を当てて天を仰ぎました。
私達も同じ気持ちです。
10年前に倒され、『黄昏の姫御子』である神楽坂明日菜さん抜きでは再稼働できないという条件が、覆っているのです。
何か、とんでもないことが起きているのは確かです。
ですが、これは皮切りに過ぎませんでした。
事態は、およそ最悪の方へ向かっていたのです。
この後3ループほどして、残り20日間、悠長に修行などやっている場合ではないということを、私達は知りました。
あるいは私達は。
この世界が平行世界でも、大筋で原作の通りに進むものだと――。
そんな勘違いをしていたのかもしれません。
本日の成果
魔法世界の情報を取得!
重大事実が発覚。
以上。
つづく
ここから原作を完全に外れてオリジナル展開となります。
今までも結構原作崩壊していましたが、原作ルートに戻してきましたからね。
というわけで、原作崩壊ご了承願います。