【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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8/1 くらいに投稿されてれれ。

蚊が駄目なので戸も窓も開けられない。
クーラーを入れるしかない…。


魔法世界、キャンプ編
074 行方不明者の行方


「あまり、こういったパワープレイは、好きではないのですけれどもね……」

 

森の中に湖畔が見える小高い岩山。

私は呟きました。

 

眼下には地平線まで続く広大な森。

遠く北側に巨大な山。

 

「何を言うか」

 

エヴァさんが、愉快そうな顔で私の隣に並びました。

 

「今まで散々、妖精の力に頼っておいて」

「計画に組み入れていたのは学園祭だけですよ。

『祭殿』の作成と、それを誤魔化すのにバナナを少々です」

「フン、まあいい。

仕方がなかったとはいえ、強引に拉致してきたんだ。

私があの馬鹿を呼んでくるまでの間、説明はしておけよ?」

「はい。それは私のお仕事ですね」

 

私は苦笑します。

 

 

 

1時間後。

 

「あれ?ここ、エヴァちゃんの……?」

「あ、アスナ起きたでー」

 

木乃香さんが皆を呼びました。

せっかくだからということで、皆は修行をしていたのです。

なんという修行脳。

これは私も予想外でした。

 

 

 

「まずは、眠っているところを強引に拉致したことをお詫びします」

 

私は頭を下げます。

 

「いいっていいって!

ネギちゃんのことだから、何か考えがあったんでしょ?」

 

これは朝倉さん。

全幅の信頼を寄せていただいているようで心苦しいですね。

というか、私ってかなり嘘を並べてきたと思うのですが、それでも信頼されているのでしょうか?

ちょっと信頼が重いですね。

 

「とりあえず、ここってどこなん?」

「そこから説明しましょう」

 

小太郎君の疑問に答えます。

 

「ここはエリジウム大陸、ケルベラス大樹林……」

「なんですって!?」

 

明日、親善大使として出発予定だった高音さんが声を上げて驚きました。

 

「え、知ってるの?」

「エリジウム大陸ということは、魔法(ムンドゥス)世界(・マギクス)ではありませんか!」

「ああ、そういえば高音さんはこっちの出身でしたね」

 

原作での正義かぶれも、『立派な魔法使い(マギステル・マギ)』の認定機関があるメガロメセンブリア出身者の間では、当然のことなのでしょう。

この平行世界では知りませんけれども。

 

「親善大使はどうするのです?

サボったとなれば、国際問題ですよ?」

 

高音さんは、やはり親善大使の件を気にしているようです。

 

「国際問題にします」

「ネギさん!?」

「学園長先生から、元老院が『敵』、完全(コズモ・)なる世界(エンテレケイア)の手に落ちたという、極秘情報が寄せられました」

「――っ!!」「そんなっ!?」

 

高音さんだけでなく、皆が皆絶句していました。

 

「あー、うん、そんな気はしてた」

 

テントの陰からこちらを窺っている春日美空(イタズラシスター)さんが、他人事のように呟きますが。

今は無視します。

一応、彼女にも元老院が危ないという情報は伝えてありましたからね。

 

MM(メガロメセンブリア)元老院が敵の手に落ちている以上、そのまま親善大使として渡航すれば、『アーウェルンクス』クラスの相手に待ち伏せされる可能性が高い。

高音さんもそこそこできますが、相手が悪いのです」

「それでも、1体でしたら、なんとか――」

「敵の戦力は、そのクラスが5体揃っています」

「――」

「5体……!」「嘘でしょ、あんなのが5人もいるの……?」

 

直接戦った原作ネギ少年(アンディ)と明日菜さんは、それがどれほど絶望的なのか、理解したようです。

 

「その戦力で、彼らは最終的に麻帆良への襲撃を計画しています。

狙いは私かアンディ。

(ナギ)によって封印された、世界各地の魔物を戦力とするために、私達の魂と血肉を手に入れようとしているのです」

 

もちろん、嘘です。

 

「そのまま襲撃が決行されれば、麻帆良には甚大な被害が出るでしょう。

その前に私とアンディ、そして何人かが丸ごと行方不明になってしまえば、あちらも襲撃を中止せざるを得なくなります。

所詮は時間稼ぎですが、その間に私達は『アーウェルンクス』と渡り合えるだけの実力を付ける必要があります。

もしも私達が敗れれば、そのまま完全(コズモ・)なる世界(エンテレケイア)は、魔法世界を滅ぼしてしまう可能性が高いのです」

 

これ以降のなぜ、や、どうやって、の部分はぼかしました。

が、皆さんの顔を見ますに、納得してくれたようです。

これ以上は訊かれても言うつもりはありませんが。

 

 

 

「キャンプなんて、去年の林間学校以来ねー」

 

早乙女ハルナさんが言いました。

彼女は『炎の魔人(インフェルノ・アニキ)』を2体出して、近くにあった倒木を運ばせています。

 

「チッチッチ、こっちのは『炎の(インフェルノ)親父(・オッサン)』よ、ネギちゃん」

「(無視)充分に乾いていますので、しばらくはこれを燃料にできますね」

 

ゴーレムは1%程度のダメージが使役者に返ってくるのですが、この環境では力持ちがいずれも遠くに出掛けていますしね。

戦闘以外の環境でしたら、ゴーレムは結構役に立つのです。

 

私は中位精霊と感覚共有して、広範囲を哨戒しています。

同じ精霊使いの高音さんも一緒で、警戒網を展開しています。

 

付近に危険な生物は――いましたが、前衛組が軽く片付けてしまいました。

先程皆で食べた昼食はそれ(・・)です。

ちなみに、巨大なタコでした。

 

現在、綾瀬夕映さんの『世界図絵』頼りで、前衛組は山菜を摘みに出かけています。

他は、テントを増設したり、かまど(・・・)を作ったり、湖の魚を釣ったり。

 

綾瀬(おでこ)さんの『(オルビス・)界図(センスアリウム・)(ピクトウス)』は便利なもので、異世界にいようが『まほネット』に接続でき、ありとあらゆる疑問への回答を用意してくれます。

まあつまり、現在判明している食用の植物やキノコ、その調理法、毒の抜き方などが載っているわけですね。

 

そのデータは、長谷川千雨(オタメガレイヤー)さんの『力の(スケプトルム・ウ)王笏(ィルトゥアーレ)』を経由してノートパソコンや携帯電話に送ることができ、皆で共有しています。

ただ、新種に関しては、茶々丸さんとマキナの成分分析機能に頼るしかありません。

 

それでも、やはりと言いますか、山野育ちの長瀬(ニンジャ)さんの頼りになること頼りになること。

嵐が来れば、麻帆良学園の備品として借りてきたテントでは持たず、早めに洞窟を見つけるなり家を建てるなりした方がいい、というアドバイスをいただきました。

 

「来ました!西南西、飛竜(ワイバーン)です!距離500!」

 

高音さんが鋭く叫びます。

 

「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル、

雷精(エウオカティオー・)召喚(フルゴルヴァルガー)、『美しき緋の衣』”」

 

私は即座に雷属性の上位精霊を召喚しました。

赤い羽衣を纏った雷の精霊。

似姿は『東方Project』の『永江衣久』です。

大災害の前兆を知らせて回る、龍神に仕える天女だとか。

『空気を読む程度の能力』を持っているそうですが、場の空気は読めないとか。

そんな話をwikiで見かけました。

 

「“ラ・テル・マ・キル・マギス、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』、

術式解放(エーミッタム)、『雷の斧(ディオス・テュコス)』”」

 

都合9発、大体『雷の暴風』6発分を充電(チャージ)します。

『雷の斧』は、時間対効果が高いのが良いですね。

 

この精霊、実は任意(プレイヤー)操作です。

後は……わかりますね?

 

「皆さん!耳を塞いでくださーい!」

 

私は任意操作で接近する飛竜に上位精霊を接近させ、相手からの火のブレスを避けつつ、懐に潜り込ませます。

竜の咆哮(ドラゴンハウリング)』がなければ、ドラゴンといえど物の数ではありません。

 

「“キーワード、珠符『五爪龍の珠』”」

 

青天の霹靂、とでも言えばいいのでしょうか。

雲1つない青空に、落雷の轟音が響き渡りました。

原作の『千の雷』はズグァッ、でしたっけ。

ま、擬音語にこだわることにそれほど意味があるとは思えませんが。

 

「ひゃあっ!?」

 

誰かが悲鳴を上げます。

 

やや遅れて。

 

 

 

ギャアアアアッ!!?

 

 

 

飛竜の悲鳴。

結構、近くまで来ていましたね。

あと50メートル程度と言ったところでしょうか。

 

「……」

 

極大魔法クラスの『精霊解放』を食らって、飛竜は森の中に落下。

もがき苦しんでいましたが、しばらくするとまた飛び上り、Uターンして帰っていきました。

飛行がフラ付いていましたので、結構なダメージになったのでしょう。

 

「仕留め切れなかったようですが、逃げていきました。

もう大丈夫です」

 

影法師で状況を見ていた高音さんが言います。

 

「数秒しか麻痺しなかったのは、雷属性への耐性でもあったのでしょうかね?」

「いえ、ドラゴン種はあんなものでしょう。

特に耐久度は他の種の比ではありませんから」

 

さすがに私も、ドラゴン種と戦うのはこれが初めてです。

なので、色々と勝手がわからなかったりもするのですよ。

 

「すっご……」「さすがネギちゃんやえー」「さすがの外道幼女ね」

 

とりあえず、最後の朝倉さんは後でしばいておきます。

 

 

 

「『竜の咆哮(ドラゴンハウリング)』が使えない種だったのがラッキーでした」

「『竜の咆哮(ドラゴンハウリング)』が使えるのは、ドラゴンの中でも長きを生きた老竜(エルダー・ドラゴン)くらいのものですわよ」

「そうなのですか?」

 

私がメルディアナにいた頃、様々な文献で得た知識でしたので、『竜の咆哮(ドラゴンハウリング)』そのものの厄介さは理解していたのですが、種類によって使用の可否があるのだとばかり思っていました。

 

「ああ、言い方が悪かったかもしれませんわね。

ドラゴンというのは、吼えるのは吼えます。

心の弱い者は、それで戦意喪失してしまう、恐怖(フィアー)という魔法効果があるそうですわ。

しかし、召喚した上位精霊を吹き消せるほどの魔力を載せられるのは、老竜(エルダードラゴン)以上ということです」

 

最近の若者に分かりやすく説明しますと。

モンハンの『バインドボイス』にダメージ判定があるかないか、というイメージでいいと思います。

 

まあ、あれは『亜空間タックル』をはじめ、『ワールドツアー』や『ワンマンライブ』など、理不尽なモンスターの行動に悩まされるゲームでもありますが。

 

「やっぱり、『千の雷』くらいの大魔法は欲しいところですね……」

「そうですわね……」

 

ま、エヴァさんがいるとはいえ、そう簡単にはいかないでしょうけれども。

 

 

 

 




本日の経過

逃避先は魔法世界。
キャンプ生活開始。

以上。

つづく



敬語や丁寧語は使い分けが難しいですね。
ともかく、魔法世界編スタートです。
多分、学園祭直後くらいからこの展開を読めた人はいないと思いますが…。
…いませんよね?

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