【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
蚊が駄目なので戸も窓も開けられない。
クーラーを入れるしかない…。
074 行方不明者の行方
「あまり、こういったパワープレイは、好きではないのですけれどもね……」
森の中に湖畔が見える小高い岩山。
私は呟きました。
眼下には地平線まで続く広大な森。
遠く北側に巨大な山。
「何を言うか」
エヴァさんが、愉快そうな顔で私の隣に並びました。
「今まで散々、妖精の力に頼っておいて」
「計画に組み入れていたのは学園祭だけですよ。
『祭殿』の作成と、それを誤魔化すのにバナナを少々です」
「フン、まあいい。
仕方がなかったとはいえ、強引に拉致してきたんだ。
私があの馬鹿を呼んでくるまでの間、説明はしておけよ?」
「はい。それは私のお仕事ですね」
私は苦笑します。
1時間後。
「あれ?ここ、エヴァちゃんの……?」
「あ、アスナ起きたでー」
木乃香さんが皆を呼びました。
せっかくだからということで、皆は修行をしていたのです。
なんという修行脳。
これは私も予想外でした。
「まずは、眠っているところを強引に拉致したことをお詫びします」
私は頭を下げます。
「いいっていいって!
ネギちゃんのことだから、何か考えがあったんでしょ?」
これは朝倉さん。
全幅の信頼を寄せていただいているようで心苦しいですね。
というか、私ってかなり嘘を並べてきたと思うのですが、それでも信頼されているのでしょうか?
ちょっと信頼が重いですね。
「とりあえず、ここってどこなん?」
「そこから説明しましょう」
小太郎君の疑問に答えます。
「ここはエリジウム大陸、ケルベラス大樹林……」
「なんですって!?」
明日、親善大使として出発予定だった高音さんが声を上げて驚きました。
「え、知ってるの?」
「エリジウム大陸ということは、
「ああ、そういえば高音さんはこっちの出身でしたね」
原作での正義かぶれも、『
この平行世界では知りませんけれども。
「親善大使はどうするのです?
サボったとなれば、国際問題ですよ?」
高音さんは、やはり親善大使の件を気にしているようです。
「国際問題にします」
「ネギさん!?」
「学園長先生から、元老院が『敵』、
「――っ!!」「そんなっ!?」
高音さんだけでなく、皆が皆絶句していました。
「あー、うん、そんな気はしてた」
テントの陰からこちらを窺っている
今は無視します。
一応、彼女にも元老院が危ないという情報は伝えてありましたからね。
「
高音さんもそこそこできますが、相手が悪いのです」
「それでも、1体でしたら、なんとか――」
「敵の戦力は、そのクラスが5体揃っています」
「――」
「5体……!」「嘘でしょ、あんなのが5人もいるの……?」
直接戦った
「その戦力で、彼らは最終的に麻帆良への襲撃を計画しています。
狙いは私かアンディ。
もちろん、嘘です。
「そのまま襲撃が決行されれば、麻帆良には甚大な被害が出るでしょう。
その前に私とアンディ、そして何人かが丸ごと行方不明になってしまえば、あちらも襲撃を中止せざるを得なくなります。
所詮は時間稼ぎですが、その間に私達は『アーウェルンクス』と渡り合えるだけの実力を付ける必要があります。
もしも私達が敗れれば、そのまま
これ以降のなぜ、や、どうやって、の部分はぼかしました。
が、皆さんの顔を見ますに、納得してくれたようです。
これ以上は訊かれても言うつもりはありませんが。
「キャンプなんて、去年の林間学校以来ねー」
早乙女ハルナさんが言いました。
彼女は『
「チッチッチ、こっちのは『
「(無視)充分に乾いていますので、しばらくはこれを燃料にできますね」
ゴーレムは1%程度のダメージが使役者に返ってくるのですが、この環境では力持ちがいずれも遠くに出掛けていますしね。
戦闘以外の環境でしたら、ゴーレムは結構役に立つのです。
私は中位精霊と感覚共有して、広範囲を哨戒しています。
同じ精霊使いの高音さんも一緒で、警戒網を展開しています。
付近に危険な生物は――いましたが、前衛組が軽く片付けてしまいました。
先程皆で食べた昼食は
ちなみに、巨大なタコでした。
現在、綾瀬夕映さんの『世界図絵』頼りで、前衛組は山菜を摘みに出かけています。
他は、テントを増設したり、
まあつまり、現在判明している食用の植物やキノコ、その調理法、毒の抜き方などが載っているわけですね。
そのデータは、
ただ、新種に関しては、茶々丸さんとマキナの成分分析機能に頼るしかありません。
それでも、やはりと言いますか、山野育ちの
嵐が来れば、麻帆良学園の備品として借りてきたテントでは持たず、早めに洞窟を見つけるなり家を建てるなりした方がいい、というアドバイスをいただきました。
「来ました!西南西、
高音さんが鋭く叫びます。
「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル、
私は即座に雷属性の上位精霊を召喚しました。
赤い羽衣を纏った雷の精霊。
似姿は『東方Project』の『永江衣久』です。
大災害の前兆を知らせて回る、龍神に仕える天女だとか。
『空気を読む程度の能力』を持っているそうですが、場の空気は読めないとか。
そんな話をwikiで見かけました。
「“ラ・テル・マ・キル・マギス、
都合9発、大体『雷の暴風』6発分を
『雷の斧』は、時間対効果が高いのが良いですね。
この精霊、実は
後は……わかりますね?
「皆さん!耳を塞いでくださーい!」
私は任意操作で接近する飛竜に上位精霊を接近させ、相手からの火のブレスを避けつつ、懐に潜り込ませます。
『
「“キーワード、珠符『五爪龍の珠』”」
青天の霹靂、とでも言えばいいのでしょうか。
雲1つない青空に、落雷の轟音が響き渡りました。
原作の『千の雷』はズグァッ、でしたっけ。
ま、擬音語にこだわることにそれほど意味があるとは思えませんが。
「ひゃあっ!?」
誰かが悲鳴を上げます。
やや遅れて。
ギャアアアアッ!!?
飛竜の悲鳴。
結構、近くまで来ていましたね。
あと50メートル程度と言ったところでしょうか。
「……」
極大魔法クラスの『精霊解放』を食らって、飛竜は森の中に落下。
もがき苦しんでいましたが、しばらくするとまた飛び上り、Uターンして帰っていきました。
飛行がフラ付いていましたので、結構なダメージになったのでしょう。
「仕留め切れなかったようですが、逃げていきました。
もう大丈夫です」
影法師で状況を見ていた高音さんが言います。
「数秒しか麻痺しなかったのは、雷属性への耐性でもあったのでしょうかね?」
「いえ、ドラゴン種はあんなものでしょう。
特に耐久度は他の種の比ではありませんから」
さすがに私も、ドラゴン種と戦うのはこれが初めてです。
なので、色々と勝手がわからなかったりもするのですよ。
「すっご……」「さすがネギちゃんやえー」「さすがの外道幼女ね」
とりあえず、最後の朝倉さんは後でしばいておきます。
「『
「『
「そうなのですか?」
私がメルディアナにいた頃、様々な文献で得た知識でしたので、『
「ああ、言い方が悪かったかもしれませんわね。
ドラゴンというのは、吼えるのは吼えます。
心の弱い者は、それで戦意喪失してしまう、
しかし、召喚した上位精霊を吹き消せるほどの魔力を載せられるのは、
最近の若者に分かりやすく説明しますと。
モンハンの『バインドボイス』にダメージ判定があるかないか、というイメージでいいと思います。
まあ、あれは『亜空間タックル』をはじめ、『ワールドツアー』や『ワンマンライブ』など、理不尽なモンスターの行動に悩まされるゲームでもありますが。
「やっぱり、『千の雷』くらいの大魔法は欲しいところですね……」
「そうですわね……」
ま、エヴァさんがいるとはいえ、そう簡単にはいかないでしょうけれども。
本日の経過
逃避先は魔法世界。
キャンプ生活開始。
以上。
つづく
敬語や丁寧語は使い分けが難しいですね。
ともかく、魔法世界編スタートです。
多分、学園祭直後くらいからこの展開を読めた人はいないと思いますが…。
…いませんよね?