【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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8/2 くらいに投稿されててくらはい。

ギャー!蚊の対処でストレスがー!


075 ジャングルサバイバル

「雪山耐久の時に比べれば、楽勝よね」

「こういうジャングルも、ジャングルなりの危険っちゅうもんがあるもんなんやで」

 

小太郎(オオカミ)君と明日菜(おてんば)さんが、協力して大きな岩を持ってきました。

 

「よっしゃ、ここらでええやろ」

「置くわよ……よいっしょっと」

 

岩場に立てかけるように、置きます。

 

「岩でテントを保護するのですか?」

 

見ていた私は、その意図に気付きました。

 

「おう、この上のとこ、ええ感じで窪みがあるやろ?

岩を引っ掛けて、この下にテント張り直したらええんちゃうか思うてな」

 

小太郎君が輝く笑顔で返してきます。

 

「考えましたね」

 

2人が持ってきた岩も、ちょうど良い感じに長方形です。

これでしたら、上から岩が降ってきても、十分耐えられるでしょう。

さすがにドラゴンのブレスを食らってしまいますと、少々危なそうですが。

 

ともかくこれで、とりあえず地震以外の災害からは身を守れそうです。

 

「そういえば、さっきのカミナリ、ネギちゃんでしょ?

大丈夫だったの?」

「さっき飛竜(ワイバーン)を撃退したやつですね。

あれ以上が来ますと、一撃で撃退は無理かもしれませんが、マキナもいますし何とかしますよ」

「ほらな、余裕やって言うたやん。

影使いの姉ちゃんもおるんやし」

 

急いで帰ってこなかったのは、後衛組への信頼ですか。

まあ、いいですけれども。

 

「ところで、山菜はどうでした?」

夕映(ゆえ)ちゃんが頑張ってどっさり集めてたわ」

「どっさり、ですか……」

「なんか、まずかったん?」

「いえね、あまり採り過ぎると保存の問題が出てくるのですよ」

「言うても10人で2食くらいやで?」

「ああ、でしたら問題ありませんね」

 

さすがに綾瀬(おでこ)さんは、その辺も考えているようです。

 

 

 

しばらくして、古菲(カンフー)さん、刹那・F・セイエイさん、長谷川(レイヤーオタク)さんのチームが帰ってきました。

 

こちらは果物を中心に採取してきたようです。

電子精霊の偵察能力を見込んで、この組み合わせにしました。

刹那さんが、意外とうっかりさんですからね。

 

「あー、せっくーん!」

「わわっ」

 

早速木乃香さんが飛び付きます。

それを見た長谷川さんが嫉妬(パルパル)していますが、今は無視しましょう。

 

「ふむふむ、やはり野生の果物は栄養価が高い分、癖も強そうですね」

「調理に手間がかかるものも結構あるです」

 

私は綾瀬(おでこ)さんに『(オルビス・)界図(センスアリウム・)(ピクトウス)』を見せてもらいながら、山菜や果物の調理法をチェックしていました。

 

長期間の野宿における最大の敵は、栄養の偏りです。

原作ではその辺は無視されていましたね。

なにしろ日本の江戸時代、首都江戸における病死の原因として上位に食い込んだのが、脚気――ビタミンBの不足――なのですから。

栄養学を考慮しなければ、これから3ヶ月ほどの野宿で、そういうことも十分に起こり得ます。

実は、ビタミン不足というのは、魔法では治せないのです。

原因を突き止めることはできますけれども。

 

栄養のバランスを損なえば、脳の働きを阻害しますしね。

元アラサーの大人だからこそ、私はそういう、健康管理には気を使っています。

頭が動かないと致命的なのですよ、政治家秘書というのは。

私が前世、料理でプロ級の腕前を持つようになったのは、自分のために作っていたからです。

悲しい三十路前の1人身生活でしたね。

 

「仕込み手伝いますよ」

「ウチも手伝うえー」

 

そう言って、料理の手伝いを買って出てくれるのは、佐倉愛衣(メイ)さんと、近衛木乃香(やまとなでしこ)さん。

佐倉さんは、戦闘はどちらかというと苦手ですが、スキルが掃除や料理など、家庭的なものに偏っています。

木乃香さんは、私が麻帆良に来る前は、毎日明日菜さんの朝ごはんを作っていましたし。

お2人とも、超家庭的な人ですね。

 

特に佐倉さんは、どうして魔法の世界の、特に危険なところに入ったのでしょうか?

その辺が疑問です。

 

 

 

集まった食材で夕食の仕込みをしていますと、長瀬楓(ニンジャ)さん、アンディ、宮崎のどか(ほんや)さんのチームが帰ってきました。

残りはキャンプ回りですから、これで全員ですね。

 

「脱がされてはいないようですね」

「は、はいー」

「ネギ酷い……」

「6年間で千回近くも脱がされた身にもなって下さい」

「はう」

 

年齢的にはあちらが年上ですけれども、普通に弟分ですね、これ。

 

長瀬さんは、色々と野宿に役立ちそうなものを私物として所持していましたので、それを持ち込ませていただいています。

その1つ『背負い籠』は、今も彼女の背中にあって威力を発揮していました。

 

「魔法世界では、毒の有無も地球での常識が通じぬのでござるなー」

 

彼女の背負い籠の中には、保存の利く果物や、大量の樹液が入っていました。

樹液とは言っても、サラサラで水と同様に飲めそうです。

それが持ち込んだ缶に詰められていました。

 

「なるほど、確かに水の安全性は得難いものですね」

「日本ではそれほど意識はせぬでござるが……。

いやはや、エヴァ殿のジャングルでの修行体験が役に立ったでござる」

「そういえば、本を持ち込んだりもしていましたっけ」

 

長瀬さんは、単純な忍術や体術の腕前を磨くのと並行して、サバイバルの勉強もしていました。

特に中東の不毛の大地、アフリカの危険なジャングルなども視野に入れていたようです。

卒業後はそちらへ行くつもりなのでしょうか?

まあ、今は助かっていますし、追及はしないでおきましょう。

 

その後、下位竜種やマンティコアを撃退しつつ、1日目は終了です。

 

 

 

翌日。

 

「んー……ムニャムニャ……」

 

顔に柔らかい感触。

あ、これはまたあのパターンですね……。

まったく、大勢と寝てるからって、『お姉ちゃんと一緒』は……。

 

私は目を開きます。

周囲も明るいですし、そろそろ朝の鍛練の時間です。

 

「うう~ん……」

 

早乙女ハルナ(ヘンタイしゅくじょ)さんでした。

というか、私の体ががっちり抱えられていて、頭に頬ずりされて。

早乙女さんは幸せそうな顔で、私に唇を――。

 

『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』『しばらくお待ちください』

 

 

 

「あ、危ないところでした……」

 

私はなんとか身体強化で早乙女(レズ)さんの腕を強引に抜けました。

夜更かしがダメな体質なのは、この野宿ではマイナスですね。

 

テントの中にはたくさん人がいますから、例の悪夢を見ずに済むのはありがたいのですが。

私は、周囲に人がいない環境で眠ると、前世の悪夢を見るのです。

ほとんどの読者さん達は、もう覚えていないでしょうけれども。

 

「さて……不本意ですが、目が覚めてしまいましたね」

 

私はモソモソと起き出して、雑魚寝状態のテントの中でパジャマから修行用の体操着に着替えます。

短パンです。

実年齢が小学生低学年だからこそ、気兼ねなくこの恰好ができます。

 

雪山耐久と砂漠耐久の修行を経たおかげで、日差しや暑さに対処するための術式を習得済みです。

特にイギリス人である私は、あまり熱帯の直射日光には強くありません。

ですので、その辺の術式を習得していなければ、この熱帯ジャングルではまともに活動できなかったでしょう。

 

意識せずにこの術式が維持できるレベルの人は、やはり幼少期から魔法使いとしての訓練を受けていた人達です。

かなりブランクのある明石裕奈(バスケ)さんがもう少しでいけそうなのは、びっくりしましたけれども。

『別荘』での修行で瞬動術も練習していますし、サボりがちな春日美空(イタズラシスター)さんくらいには、ガチで戦えば勝てるかもしれません。

 

「フー……」

 

深呼吸して、呼吸を整えます。

いつもの感謝の呪文詠唱1万回です。

 

朝の鍛練は、色々なやり方に挑戦する場でもありますからね。

最近は、『ヒットラーの電気ノコギリ』を目指して、分間1200発を目標に改造を重ねています。

 

それには、1回1回発動するごとに『手続き』を組んでいては間に合いません。

ですので、並列思考に優先順位を付けて、同時に2つ以上の魔法について『手続き』を進めることが肝要となります。

ですが……。

並列思考には、全体を考える上ではむしろ効率が落ちるという不利益(デメリット)が存在しており、これにつきましても限界があります。

『魔法少女リリカルなのは』で有名な並列思考も、それを習得していれば有利という、単純なものではないのですよ。

 

ただし、窮めているに越したことはありません。

 

「“ラ・テル・マ・キル・マギス、

魔法の射手(サギタ・マギカ)』、光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()光の1矢()……”」

 

朝焼けの空に、連発花火のような乾いた破裂音が鳴り響きました。

結界を貼っていますから、音が外に漏れることはありませんけれども。

 

『……計測結果、記録19分58秒。分間約500発ですわ』

 

いつの間にか近くに来ていたマキナが言います。

 

「夜の見張りご苦労様です。何か連絡はありましたか?」

 

私は尋ねます。

異常がなかったのは、汚れ1つない綺麗な服装を見れば分かりますから。

 

『茶々丸より、

『グラニクスにて目的の人物を発見した、間もなく合流予定』

と』

「そうで――」

 

グラニクスはエリジウム大陸の中でも大きな都市。

とはいえ、魔法世界全体で見れば辺境です。

交通の便も悪く、中央と言えるヘラス帝国やメセンブリーナ連合にも属さない、戦略上にも見捨てられたと言っていいド田舎です。

だからこそ、『彼』はそこを隠居の地に選んだのでしょうね。

 

ところで私が言葉を詰まらせた理由ですが。

 

筋肉ムキムキマッチョマンの変態が、目の前でまじまじと私を見ていました。

私が一瞬、マキナに視線を向けた隙に、近付いてきていたのです。

 

「フーム、ナギのヤローにこんなデカイガキがいたなんてなぁ……。

しかもこりゃあ将来有望じゃねえか。

今の内に手ぇ付けとくか?」

「“『桜華崩拳』”」

 

私はとりあえずその顔面をブン殴りました。

しかし平然としているのはさすがと言えます。

 

「噂に違わぬ変態性と耐久性。

間違いなく『千の刃の男』ジャック・ラカンさん本人ですね」

「なんて説明しやがった、ロリババア」

「なんだ貴様、自覚がなかったのか?」

 

ともかく。

今日も計画は順調のようです。

 

 

 

 




本日の経過

魔法世界にて修行中!
ジャック・ラカンと合流。

以上。

つづく



今回は修行よりもサバイバルが中心です。
都合、ほとんどが独自設定ですのでご了承ください。

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