【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
ひらがなをカタカナに変えるだけでネタっぽく見える不思議。
さて、ティーブレイクを挟んで、会談はまだ続きます。
「とりあえず、マリスと『デュナミス』をどうやって倒すか、よ」
「方法がないわけではありません。
『
あちらも、下手をすると説得では止まらないかもしれませんからね」
一応、話しておきます。
「マジで?」
「『ブラックボックス』ですよ」
「え、あ……」
この人、私の転生特典のこと忘れてませんでしたか?
『ブラックボックス』は何百人分の妖精さんの力を固めた、『ブラックボックス』としか言い様のない、『わけのわからない何か』。
『
「あー、確かに権限的には『天使』の一コ下だし、『リセット』って言うほど酷いことにはならないかな……」
「『天使』の権限はアレを超えてくれるのですか?」
「そりゃそうよ。
『天使』の権限って、上書きできないからね。
『天使』が権限を
そうなった世界はもうダメ。
一度『リセット』しないと、どんどん状況が悪化してっちゃうわ」
「なるほど……まだ効果を上書き出来る『ブラックボックス』は、権限が低い分、使い勝手もいいと……」
「そゆこと」
『天使』の権限というのは、思ったより使い勝手が悪いようですね。
「ただ、操作する相手の存在力が高いと、揺り戻しが恐くはありますね」
「物語性で判定してるから、あんまり酷いことすると、新しい敵が出てきちゃうってことね。
使い勝手がいいんだか悪いんだか……」
「それに、3分しか使えないという欠点も大きいですし……」
「新しい神様になっちゃうってのも、選択肢としちゃアリよ」
「神様サイドのあなた達はそれでいいでしょうけれど、私は嫌です」
「えー?」
下っ端天使さんはつまらなさそうな顔をします。
「それをしてしまいますと、新しい人生を送りたいという私の目的が台無しになってしまうではありませんか」
「あー、言ってたねー、そんなことも」
「ブン殴っていいですか?」
「ヤダ~、ら・ん・ぼ・う☆」
割と本気で殴ろうかと思いました。
「とりあえず、決戦場は旧オスティア近辺ですね。
あちらもそこに砦を構えるでしょうし、全世界
各地の
「それを妨害はできないのん?」
「今戦えばボロ負けします」
私はぴしゃりと言い切ります。
「『鍵』のレプリカのせいでラカンさんが役に立たない以上、エヴァさんがマリスさんと相対することになるでしょう。
それはつまり、私達で『デュナミス』と『アーウェルンクス』3体を相手にしなければならないということです。
フェイトさんが1体、下っ端天使さんが1体抑えるとしましても、私達が2体を同時に相手するとなりますと、時間稼ぎが精々です」
過酷な現実がそこにはありました。
「ああ、そういや言ってなかったわね。
敵の『アーウェルンクス』は4体よ」
「え、ですがフェイトさんは……」
「『リライト』食らって私が修復したせいか、『アーウェルンクス』とはちょっとだけ違った存在になっちゃったみたいなの。
そのせいで
今のあんたと似たようなもんだと思っといて」
「まあ、どちらにせよ今すぐ戦うのは無理ですよ。
『鍵』があちらの手にある以上、フェイトさんもハーレムの皆さんも、戦力としては不安定過ぎます」
結局はそういうことなのです。
「じゃあ、どうすんのよ?」
「だからこそ、今は逃げ隠れして、時間を稼ぐのですよ。
一時私達の情報は遮断しましたが、予想通り地球時間の8月10日には、
「なんで?」
「
『デュナミス』さんにとって、『
彼にとって、10年前にナギと『
そのおかげで、マリスさんを表立って使えるようになったのですからね。
魔法世界人や旧世界人の末裔から魔力を絞り出して他の世界を滅ぼすのに、『
だからこそ、麻帆良を襲撃して
要するに、勝利条件がひっくり返ってしまったのです」
下っ端天使さんは、腕を組んでムツカシイ顔をしました。
「でも、今麻帆良にはあんたいないでしょ?」
「はい」
私は頷きます。
「ですが、『
そこを抑えて、マリスさんがさらに封印を施せば、封印の解除は困難になります」
「……そうしてから、『黄昏の姫御子』を探すってこと?」
「はい。最大の障害が消えれば、後は『人形』を量産し、旧世界や魔法世界を滅ぼし、その過程で発見された明日菜さんを捕まえて、例の平行世界までを滅ぼす術式を発動させるだけです。
麻帆良が壊滅した時点で、『デュナミス』さんに対抗できる戦力は消えてなくなってしまいます。
現実がどうあれ相手はそう考えている、ということですね」
いずれにせよ、麻帆良の襲撃が現実化してしまいますと、非常にまずいことになるのは間違いありません。
「8月10日ってのに根拠はあるの?」
「
作戦決行は8月10日。
『タイムバナナ』で調査を
「あ、ああ……なんていうか、エグいことするわね……」
「情報弱者は常に歴史の敗者ですから」
私はさらりと答えました。
ただ最新情報を得るだけでは、勝者にはなれません。
その情報をいかに活用し、行動し行動させるかが重要になります。
現実には乱数などありません、結果には必ず原因があり、そこには因果が結ばれているのです。
与えられた情報を額面通りに受け取るだけでは、勝者たりえません。
ゆえに、古人は言いました。
『人に差が生まれるのは、学業の差が原因である』
(福沢諭吉著、『学問のススメ』冒頭部より、意訳)
つまり、情報を制限して相手を強制的に情報弱者にしてしまえば、私達は勝ち組になれるのです。
軍事国家の情報統制とかの考え方ですね。
というわけで、
「『天使』としての記憶は制限されていないと言っていましたね?」
「うん、言ったわ」
下っ端天使さんは頷きました。
「その知識で、これから言うものを作ってください」
「どんなの?」
「『
「えー?」
不服そうな顔です。
「不可能ではないはずですよ。
明日菜さんもいますし」
「そりゃ、不可能じゃないけどさー……」
「ラカンさんとフェイト君を戦力化するには、これしかないのですよ」
「そうじゃなくてさ。
やっぱり真作は無理ってことよ。
フェイトボーイにお願いした方が、まだそれに近いのが出来上がると思うわ」
なにやら、難しいことを言い出しました。
「えーと、つまりどういうことなのですか?」
私は小首を傾げて尋ねます。
「要するに、『
原則として『
「では、正規でない方法ではどうなのです?」
「その場合、エヴァちゃんを10日ほど借りることになるわ」
「エヴァさん、ですか?」
「あの子、『
『
限りなく人間に近い『人形』ね」
「エヴァさん、ですか……」
私は唸りました。
エヴァさんは、皆の稽古を見る師匠キャラとして、きめの細かいケアができる、貴重な人です。
また、護衛としましてもかなり高いレベルの人です。
彼女がいたからこそ、私もこうやって魔法世界に飛び込むという、大胆なことが出来ていたと言っても過言ではありません。
一時的にとはいえ、そのエヴァさんが抜けるとなりますと、護衛には非常に大きな不安が出てきます。
それに、そろそろこのキャンプも安全ではありません。
作戦を進める傍ら、『敵』が私達の妨害を仕掛けてくる危険があるのです。
簡単なことで、やはり魔法世界や旧世界が乱れていた方が、『デュナミス』さん達は動きやすいのですよ。
そのために非常に簡単な方法がある今、こうやっていつまでも隠れているのは逆に危険。
そうして表に出るためには、エヴァさんの護衛という要素が必要不可欠なのです。
「なかなか思うようにはいきませんね……。
やはり麻帆良襲撃まで時間をかけて、正攻法でいくしかありませんか……」
「人生なんてそんなもんよ。私達『天使』だって、大体似たようなもんだし」
おそらく数万と生きている人生の先達は、しみじみと語るのでした。
本日の経過
天使との会談。
方針決定。
以上。
つづく
何度も書き直し書き直しした内容なので、少々話の整合性があやふやになっている部分もあるかもしれません。