【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
ベープが出てきてから、あまり蚊に刺されなくなった。
084 班割りと出発
翌朝。
「“ラ・テル・マ・キル・マギス、
『
久し振りの早朝鍛練なのです。
1万回魔法詠唱。
湖の空に向けて、派手に撃ちました。
『記録27分20秒、分間約367発です』
傍に控えていたマキナは無情に告げます。
「この遅れを取り戻すのは、かなり苦労しそうなのです……」
私はがっくりと肩を落としました。
ようやく、20分を切っていたのですが……。
『ああ、何日も眠っていたことで修業が遅れていることに肩を落とす御主人様……萌え、ですわ』
「マキナは相変わらずの変態淑女でよかったのです」
『お褒めに預かり光栄です』
「はぁ……」
私は深々と溜息をつきます。
「前は今の以上に早かったんだ?」
フェイト少年が見ていたようです。
ちなみにラカンさんは今、身支度しています。
といっても、知り合いに渡すお土産を用意しているだけだそうですが。
「目指せ、『ヒットラーの電気ノコギリ』なのです」
「妖怪に囲まれた時に見せたやつだよね。
さっきのでも、あの時よりは十分に速い。
あの異常な詠唱速度は、この修業の賜物だったんだ?」
やはり、あの戦闘は何かで撮影されていましたか。
「6年前からコツコツと積み重ねてきた成果ですよ。
それでもフェイトさんクラスに通じるとは思いませんけどね」
「いや……最大で『雷の暴風』程度だとしても、詠唱速度が早ければ、それだけで脅威だよ」
「そうかもしれませんね……。
あの連打を普通に避け切ってくれるエヴァさんが異常なのでしょう」
「弟子がとんでもないと思っていたら、師匠の方も大概なのか……」
酷い言われようなのです。
「今しばらくは
彼は言います。
「砲台型の魔法使いは、魔力の制御が不安定になるのが一番痛いからね」
「同感です」
『手続き』の速度が落ちているのは、それが原因ですからね。
本当は、『別荘』に篭りたいところなのですが。
しばらく時間が取れそうにないのですよ……。
朝食後。
「これからの話です」
私は皆に大まかに説明します。
昨日の夜、『巻物』内部で行った話です。
「……というわけで、『敵』の狙いは、唯一絶対の障害である『
この2本柱です」
「
朝倉さんにつられて、皆の視線が明日菜さんに向きました。
「私?」
「はい。その可能性は非常に高いでしょう」
要点はぼかしておきつつも、肯定します。
嘘は言わないですが、本当のことも言いません。
情報を扱う際の、よく使われる駆け引きの1つです。
「というわけで、私と明日菜さんは『デュナミス』さんに見つからないように行動する必要があります。
あと、高音さん、佐倉さん、春日さん、ココネさんの、親善大使として行く予定だった4人も同様です」
「
「その通りです」
高音さんは自分の立場を理解しているようです。
「そういうわけで、そこにマキナを加えたこの7人で、A班とします。
他の方々には、『敵』は注意を向けていません。
適当に班を組んでしまってください」
「て、適当に?」
ああ、そういえば基本
「大丈夫ですよ。誰かがあぶれるということはありません」
「いつもながら断言するわねー」
「だって、3-Aですよ?」
「……」「……」「……」
しばし沈黙。
そしてため息混じりに皆が頷きます。
「あー……」「確かにー……」「説得力あるー」
「というか、むしろ1人になりたい人ではありませんでしたっけ?」
「べ、べつにそんな、ボッチが嫌ってわけじゃ……。なんだよ?」
皆さんの
「いやー、いつも目立たないようにしてた千雨ちゃんがねー」
「みんなと一緒にいたいと……」
「なっ、違うっつってんだろうが!
適当に分けて戦力が偏るんじゃねえのかってことだよ!」
ガーッ、と千雨さんは怒鳴りました。
「偏っても問題ありません」
「えっ、そうなのか!?」
「というか、適当にというのは、もう大体分け方が決まっているということなのです。
戦力が最も少ないのは、アリアドネーで勉強してきていただく人達です」
「なるほど、中立都市国家アリアドネーとは考えたね」
フェイト少年も頷きます。
「アリアドネーは、向学心があれば死神でも受け入れると言われるほどの、素性不問の学術都市です。
中立国として最大の軍備を整えていることでも有名で、
戦力が必要となる危険が、そもそもないのです」
これは原作でも同じ設定ですが、御都合主義なのは否めませんね。
ファンタジーの世界ではありがちな中立の学術都市ですが、元々学問というのは、国家の発展のために力を入れられるものなのです。
つまり、中立の学術都市などというのは存在し得ません。
そういう存在そのものが敵と認識されることもありますしね。
「じゃあ、他はどうなんだ?」
長谷川千雨さんは聞いてきました。
「賞金稼ぎをやったり、魔獣退治をやったりする
ちなみに、最も危険なのは私達A班なのです。
私と明日菜さんと、それに繋がる手がかりとなる高音さん達には、網が張られているでしょうからね。
迂闊な行動は命取りとなります」
「逆にお前らは大丈夫なのか?
戦力としちゃ中途半端にも見えるんだが……」
まあ、確かに私は不調ですし、明日菜さんも急速に伸びているとはいえそれなり、後戦力になるのは高音さんだけです。
その高音さんも原作より鍛えられているとはいえ、『アーウェルンクス』などが相手では分が悪い。
後はマキナですが。
「もし何なら、僕が付いて行くよ。僕も色々な意味で面が割れている」
フェイトさんが言いだしました。
「そうですね……それもいいかもしれません」
主にリハビリ的な意味で。
彼も、肉体の性質的には私に近いですから。
何か参考になる意見が聞けるかもしれません。
「信用できんのか?」
「口車で裏切らせません」
「な――」
千雨さんは絶句しました。
が。
「お前が言うと説得力があるな」「確かに……」「ネギちゃんだもんねー」
「前世は豊臣秀吉でしたから」
クラスメイト達の酷い言葉に、私は無い胸を張ります。
「そ、そうか……」
「ハハハ、信頼されてるね」
「あまりいい意味ではないようですけれどもねー」
私は不敵な笑みを浮かべました。
色々と皆さんで話し合った結果、班割りが決まりました。
A班:逃亡チーム
B班:アリアドネーチーム
C班:拳闘チーム
D班:色々巡りチーム
一応ですが、『敵』の襲撃に対応できるように、戦力は散らしてあります。
「
「それでは、皆さん身体に気を付けてくださいね!」
「おーぅ!」「はーい!」「よっしゃー!」「行くでー!」
アンディに関しては説得力がありませんが、まあイチャモンはつけません。
皆さんも気にしていないようですし。
フェイトハーレムズは戸惑っていますが。
魔法世界編は、ここから新章です。
本日の経過
フェイトハーレムズ本格合流!
魔法世界を旅しつつ戦闘経験を積むことに。
以上。
つづく
新章と言いつつ章分けはしません。