【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
台風の後片付け。
キャンプを畳んで痕跡を消すのに3時間ほど使いました。
ここからは皆と別れて班行動です。
私達A班は、『デュナミス』さんの目を逃れて逃げ回らなければならない、最も危険な人が集中しています。
ちなみにフェイトハーレムズは、フェイトさんと
どうやらフェイト少年に助けられて以降、彼女らは『デュナミス』さんを警戒したフェイトさんによって、別の場所で修業をしていたとか。
だからこそ、班を分ける際に組み込むことができたわけですが。
原作ではおそらく、『デュナミス』さんとフェイトさんが稽古を付けていたと思われますから、ここも改変点ですね。
「さて、これから逃亡生活をしなければならないA班だけど……どこかアテはあるのかい?」
皆と別れた後、フェイト少年が尋ねてきます。
「そうですねえ」
私は黒い笑みを浮かべました。
「幾つかアテはあります。
ですが、『デュナミス』さんが何かを始めても分からなくなるという、怖さがありますから、しばらくは修行をしつつ逃げ回りましょうか」
「まあ今回は君達には情報がなかった。
勝手の良いアテがないというのも仕方がないか」
フェイトさんが何か勘違いしているようです。
「まあ、勝手の良くないというのは、その通りではありますか」
一度『デュナミス』さんとは真正面からぶつかる必要があります。
そのためには、ここで彼の計画を台無しにしてはいけません。
物事を解決するには、手順というものがあるのですよ。
「じゃあ、フェイトはどこかアテがあるの?」
明日菜さんが尋ねます。
「危険な場所ならわかるよ。
でも、逆に言えばそれだけだね」
「
そこには精霊か何かの監視があると考えるのが妥当です。
またフェイトさんが助けた少年少女達の、滅んだ故郷というのもアウト」
「さすがだね。
後は元老院の監視が多いであろう、人の多い場所、有名な遺跡なども危険だ」
「皆、考えることは同じですものね」
高音さんが苦笑していました。
「はい。そういう場所を避け、『デュナミス』さん達主力とバッティングさえしなければ、見つかることはありません。
年齢詐称薬もありますし」
「過信はできないが、確かに奴らに直接見られなければ問題無いだろう」
「さらに言えば、美空さんもいますし」
「えー、何で私!?」
私が水を向けると、イタズラシスターさんはうろたえます。
「逃走に関してはプロフェッショナルじゃないですか。
学園祭最終日、
「えーっ、マジでーっ!?」
「まあ、そうだったんですの?」
「彼女が本気で逃げて捕捉出来る人は、全世界でもまずいません」
なんと言いましても、妖精さんグッズを持っていますからね。
しかも相当に熟練しています。
ですので、割と冗談ではなかったりするのです。
「ほう、それは興味深い」
「いーやーーーーっ!!」
フェイト少年に興味を持たれて、美空さんは頭を抱えて悶絶しました。
「ま、半分は冗談ですよ」
「じょ、冗談なの……?」
「さっき私が言った、勝手の良くないアテへの鍵を、美空さんが持っているのです」
「へ?」
勘の良い読者様でしたら、わかるかもしれませんね。
ああ、ちょっと推理を組み合わせる必要があるかもしれません。
「いざとなれば、そこへ行くことで追っ手を振り切れます。
異界への扉のようなものですよ」
「フム……それで、
納得していただけたようです。
「はい。それでは危ない場所は避けて、適当に移動しましょうか」
私はナギの杖に腰掛けました。
他の皆さんも、それぞれ空を飛びます。
今、アンディはエヴァさんと一緒に行動していまして、私と共用している
アンディは基本的に近接戦ですし、指輪の発動体があれば魔法も普通に使用できます。
というわけで、性能の良い杖であるナギの杖は、今は私が持っているのです。
『
この杖は、戦闘では大した要素にはならないのですけれどもね……。
最初の移動先は、キャンプ地のケルベラス大森林から南の内海を渡った先にある、メルキウスという小さな港町です。
「エリジウム大陸は、元々20年前の『大分裂戦争』の際に、辺境だったせいで、それほど大きな戦禍に呑み込まれなかった地域だ。
その分治安は悪くはあるけれど、平和と言えば平和なところだよ」
「テロの有無はかなり大きいですものね」
高音さんはフェイトさんの説明に頷きました。
今、私達は年齢詐称薬で見た目を誤魔化しています。
フェイト少年だけは怪しい仮面姿ですが、ある程度は仕方がありません。
彼の白い容姿は、年齢の変化程度では誤魔化せないくらいに目立ってしまうのです。
私も全身を覆うマントに覆面です。
怪しさ全開です。
大人になった私の容姿はとてつもない美人さんでして、こちらもまた目立ってしまいます。
学園祭の『
幸い、私達のように顔を隠している人々は少なくありませんので、それほど目立ってはいません。
おちび組、フェイト少年、私、ココネさんの3人が大人バージョン。
残りの、明日菜さん、高音さん、佐倉さん、美空さんの4人が子供バージョンです。
こちらの言葉が分からない明日菜さんや佐倉さんは、猫耳尻尾姿でもあります。
この猫耳は原作にも登場している、翻訳魔法具です。
エヴァさんも幾つか持っていますが、
翻訳魔法は読心魔法の延長でいけますから、それほど術式が難しくないのですよ。
まあ、魔法の使用にはちゃんと言葉を覚える必要がありますし、魔法使いでしたら、こちらの言葉は普通は話せるものですが。
というか、移動先を紹介する必要はあまりないですよね。
とりあえず適当に南へ移動しつつ、私は肉体と魂の乖離症状を解消、それから最上位精霊の習得までいきます。
「肉体と精神の乖離というのはあまり先例がない。
だが、僕は一度経験がある」
大人モードのフェイトさんは言いました。
「
その時は、
おそらく、3日で治ったのは
「その理屈ですと、私の場合は少し時間がかかりそうですね」
苦笑を返します。
今の私はスタイル抜群の美少女です。
3-Aのレベルの高いクラスメイト達の中でも、頭1つ抜けている美貌ですね。
ココネさんも似たようなものですが。
麻帆良学園の生徒達は、男女ともに割とレベルが高いのが特徴です。
メメタァ。
「ま、地道にやるしかありませんか……」
「乖離症状を解消した君がどれくらい強いのか、見てみたい気もするしね」
「高音さんと同じ、砲台型の精霊使いですよ。
彼女はとにかくまっすぐ対応するタイプですから、模擬戦で負けたことはありませんけれども」
「ああ、中々の使い手ではあるけど、応用力に少し問題があるね」
一応、エヴァさんから幻術空間内蔵型の
イメージトレーニングとなりますが、大体それで修業の方は何とかなるのです。
実際に攻撃魔法をぶっ放す修行は、街の外れでフェイト少年に結界を貼っていただきますし。
「あれでも、2ヶ月ほど前までは力押しの正攻法オンリーでしたから、かなりマシになった方なのですよ」
「そ、そうなんだ……?」
「なまじ基礎力や素の実力がある分、それに頼り切っていたのでしょうね。
主にアンディにコテンパンにやられて、なんとか融通を利かせるようになったのです」
「彼も、君の兄とは思えないくらい真っ直ぐだったけど……」
「魂的には違いますから」
「いや、君の方がナギの子供と言われてしっくりくるという意味さ」
「ああ、なるほど……」
原作でも、性格面では全く似てないと言われていましたからね。
話している間に、ココネさんと美空さん、それにマキナが帰ってきました。
買い出しに行っていたのです。
「いやー、小さな港町って言っても、活気があるねー」
「怪しい人は見かけませんでしたか?」
私は尋ねます。
「怪しいって言えば、大体怪しいよ。
空族もいるみたいだし、傭兵や賞金稼ぎがゴロゴロしてるし」
『巨大な組織に訓練されているような方は見かけませんでした』
「お疲れ様です」
私は頷きました。
原則、監視は極秘に行われます。
なぜなら、私や明日菜さんを捕まえたいというのは、ほとんどの人間は知らないからです。
そういう極秘の依頼をするのに、お金で裏切りうる傭兵を使うでしょうか?
答えは否です。
必ず専門の特殊部隊を出してきます。
その特殊部隊は通常、情報屋に写真なりを渡しますが……。
明日菜さんの写真はありません。
麻帆良学園が外に出していませんからね。
というわけで、あるとすれば親善大使になるはずだった4名の生徒達、あるいは私の写真です。
が。
万が一そんな写真が出回れば、さすがにタカミチ辺りに察知されます。
ゆえに特殊部隊の方々は、自分で直接探し回るしかないのです。
つまり、警戒するべきは訓練された兵士。
マキナの返答はそういうことです。
「しばらくは大丈夫そうですね。
定期巡回コースでもないのは確認しましたし」
「定期巡回って、そんなのあるの?」
「情報屋も、何でもかんでも知っているわけはない。
極秘で探し回る以上は、写真の使用も限定的にならざるを得ないしね。
すれ違いというのは、常に起こりうるのさ。
だからこそ、何度も探し回るんだよ」
「へ、へー……」
私自身はそこまで詳しく知っていたわけではありませんが。
いわゆる特殊任務を長年やってきたフェイトさんの知識は、とても頼りになりますね。
そういうわけで、逃避行の最中は基本的に危険はありませんでした。
本日の経過
魔法世界逃避行中。
逃避行中にすることや魔法世界についてのあれこれについて解説。
以上。
つづく
今回は明日菜が空気です。原作メインヒロイン(笑)
まあ、二次創作ではよくあることですね。