【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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8/13 くらいに投稿されてるとおもいまふ。

寝苦しい。


086 最上位精霊を召喚します

私は日課となっている瞑想を行います。

この瞑想というもの、神秘的な響きを持っていますが、実は視覚以外の感覚を研ぎ澄まし、肉体や気、魔力の状態を確かめることが重要なのです。

 

どういうことかと言いますと。

戦闘には相手の状態を知るのと同時に、自分の状態を知ることも大切になってきます。

『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず』という孫子の言葉は、軍団同士の戦いだけでなく、個人戦でも有効なのです。

 

自分の肉体の状態が分かる、つまりどの程度のダメージで動けなくなるかが分かれば、どれだけ前に出られるかが分かり、その分迷いなくダメージを受けることができるのです。

戦闘では、迷いは本来の動きを半減させてしまいますからね。

それがなくなるだけで、かなり違ってきます。

 

一般人でも、自分の肉体の状態が分かれば、その分迷わずに無理ができますから、戦闘以外においても有効なのです。

また、それに慣れておけば、集中力を自分の意思でコントロールすることもできるようになりますしね。

 

その技能は、魔法を使う際には特に重要なものとなってきます。

では、幼少期から6年間、瞑想を続けてきた私はどうなのでしょうか?

 

まあ、実はタカミチに教わるまで、上記のような正しい瞑想のやり方は知らなかったのですけれどもね。

 

 

 

さて、魂と肉体の乖離についてです。

自分本来の肉体でない以上、解消するのにある程度時間がかかるのは当然でした。

しかし、莫大な魔力を持った肉体でもあり、制御をおろそかにすることもできません。

肉体が自分の思い通りに動かないというのも、気持ち悪いですしね。

 

「……」

 

何度か魔力を増減させ、無詠唱で光を灯してみたり、風を起こしてみたりして、4日ほど調整を繰り返した結果、なんとか魔力に関しては乖離状態を解消することができました。

 

「うん、問題なさそうですね……。

これでようやく、最上位精霊の召喚に挑戦できるというものです」

「まだ許可はできないよ」

「――!?」

 

私は座っていたベッドの上から飛び上がって驚きます。

 

「余程集中していたようだね。

ノックはしたし、特に気配を消したつもりもないんだけど……」

「そ、それで、許可できないというのは?」

 

私は少し心臓が高鳴っていました。

こんなのは久し振りなのです。

 

学園祭初日に、世界樹の魔力に操られたアンディに迫られた時とか。

あるいは修学旅行の際、刹那・F・セイエイさんの○○○(いわせんなはずかしい)を目の前で見てしまった時とか。

ああ、思い出したくなかったことを思い出してしまいました。

 

良く見れば、フェイト少年も美男子には違いありませんし。

割と無垢で可愛いところもあったりしますし。

 

「魔力の精密性(コントロール)が戻ったところで、完全ではないということさ。

最上位精霊というのは、ただでさえ魔力(リソース)の消費が激しい。

特に初めての召喚の場合は、加減が利かずに昏倒、そのまま障害を抱えたり、死んでしまったりするケースもある。

万全な状態に戻らなければ、挑戦させるわけにはいかない」

「はぁ、なかなか思い通りになりませんね……」

 

私は溜息をつきます。

 

「逆に言えば、君の場合は状態を万全に戻すだけで、最上位精霊の召喚には9割方成功するよ。

最上位精霊は、それだけで1つの軍団に匹敵する。

実際、一か八かで召喚された最上位精霊が、劣勢を覆すどころか1つの戦場を破壊したことさえあるくらいだ。

『アーウェルンクス』とはいえ、容易に倒せる相手ではないよ」

「時間稼ぎでは少々足りないのですけれどもね……」

「それも問題無い。君の魔力効率は、僕から見ても飛び抜けているからね。

その上にナギに匹敵する強大な魔力……。

最上位精霊の術式を自分専用に調整するだけで、あるいはマリスが相手でも時間稼ぎくらいはできるようになるよ。

それだけの才能は、確かにある」

「えらく高く買っていますね」

 

確かに、私専用に術式を調整するのでしたら、『巻物(スクロール)』を利用できます。

肉体的な成長が望めない代わりに、術式そのものを調整するのには十分有効ですからね。

 

「君の才能は、ナギを超えるかもしれないとは思っているよ。

時間があれば、十分にマリスさえ倒せるだけ強くなれるだろう。

それだけに、君自身の資質が政治家寄りということだけが惜しい」

「それは神様に言ってもらうしかありませんね」

 

本当に、色んな意味で。

 

「フ、とりあえず、朝食にしよう」

「はい」

 

朝は金、昼は銀、夜は銅だとか、ばっちゃが言ってました。

前世でもこの世界でも、祖母は顔も知りませんけれども。

 

 

 

午前、私は肉体と魂の乖離を解消するべく、組み手をします。

高音さん、佐倉さん、美空さん、そしてマキナ。

体術オンリーでは私は元からそれほど強くありませんし、マキナと美空さんには普通に負けていました。

刹那・F・セイエイさんとも互角に戦えるマキナは言うまでもなく、美空さんは魔法戦士タイプで速度が段違いですからね。

 

肉体の制御が甘くなっている今は、佐倉さんにも高音さんにも負けます。

とはいえ、佐倉さんはやはり性格的な部分で戦闘には向いていないためか、結構良い勝負になります。

 

「かなり弱くなっている感じですね」

 

佐倉さんに言われました。

 

「魔力による強化は万全でも、肉体の動きに精彩を欠いていますわね」

 

高音さんにも言われました。

 

「瞬動術まで使えなくなっているとは、これはなかなか厳しそうなのです……」

 

私は呟きます。

 

「とにかく、体を動かすんだ。

精神の方を肉体に沿わせていくには、それしかない」

「は、はい」

 

フェイトさんの指示通り、私は体術を重点的に鍛錬します。

 

しばらく、筋肉痛に苦しめられるのですが、キャンプを出て10日後には、なんとか肉体の方の乖離症状も治っていました。

元々魂的にも運動神経が良い方ではありませんので、今までで一番きつかったのです。

エヴァさんの時は、一日中体術をやっているなどということはありませんでしたからね。

 

 

 

 

 

 

 

「うん、問題無いようだね。

ようやくだけど、最上位精霊の召喚をやってみようか」

 

ここに来るまで、実に22日間、精神的には2年と1ヶ月。

リハビリに10日ほどかけた計算です。

瞬動術が問題無く使えるようになり、乖離症状はほぼ快復しました。

 

「色々と足踏みしてしまいましたね……」

 

こんなことでしたら、(モノノケ)さんについてきてもらうのでした。

どうせ、アリアドネーは危険などありませんし。

 

とにかく、最強クラスへの入口、最上位精霊の召喚使役への挑戦です。

 

最上位精霊とは。

原作的には、ラカンさんのセリフにチラッと出てくる程度です。

それらしき精霊や召喚体は2体ほど出てきましたが、最上位精霊と明言された精霊は存在しませんでした。

 

ただ、エヴァさんが言うには、ザジさんのお姉さん、ポヨ・レイニーデイさんが原作で召喚したのが、典型的な影系の最上位精霊だそうです。

高音さんの影系上位精霊と比べますと、その差は歴然ですね。

何せ、原作では龍宮さんが強制時空跳躍弾を弾数ギリギリまで使用して、ようやく引き分けに持ち込めたような相手です。

 

強制時空跳躍弾を一撃必殺と位置付けた場合、エヴァさんでも龍宮さんを仕留めるには弾切れを誘うしかないとか。

強制時空跳躍弾の異常な強さと、龍宮さんの実力が窺えるエピソードです。

同時に、最上位精霊召喚状態のポヨさんは、エヴァさんと同格ということでもあります。

 

なお、最上位精霊に関するほとんどに原作情報が存在しないため、原作設定と注釈が付いていないもの、つまりほぼすべてが捏造設定ですので、悪しからず。

 

 

 

さて。

召喚ですが。

最上位精霊召喚使役の適性は、単純に魔力量と運用効率を問われます。

 

こう考えてください。

私やアンディ、木乃香さんは巨大な魔力タンクを持っていますが、そこから魔力を汲み出すのにコップしか使用できません。

これは、一般的な魔法の大半が、安全性を考慮された初心者向けだからです。

 

その安全への配慮が薄いのが、大魔法『千の雷』クラスの魔法です。

こちらは、バケツで魔力を汲み出しているようなものだと考えてください。

 

そして問題は、それでは足りない場合です。

私の場合はもろにそうでした。

だからこそ、属性自弾吸収などという小細工が必要だったのです。

 

それ以上、となりますと、タンクからの汲み出しで例えるならば、ポンプで汲み出す感じですかね。

そう、加減を覚えられなければ、魔力をすべて食い尽くされて、その源である精神力すら搾り採られてしまうのです。

そうやって訪れるのは、精神の死。

ただしこれは逆に、一度でも召喚に成功すればある程度は感覚が掴めますから、最初の一度さえ乗り切れば後はそれほど危険なことにはならないということでもあります。

 

結局は捏造設定ですから、『闇の魔法(マギア・エレベア)』との比較に関しては割愛させていただきますね。

魔素中毒の有無くらいしか、違いがありませんし。

 

 

 

次は詠唱に関してです。

 

古来、最上位精霊の召喚に成功した人物は、聖人や大賢者、大魔術師などと言われ、崇められてきました。

魔法技術の発達した現代でも、鬼神兵などの魔法兵器を上回る力として君臨しているのですから、当然かもしれません。

そういう超越者という意味を込めて、彼らはこう詠唱して最上位精霊を召喚しました。

 

「“神よ悪魔よ(エロイム・エッサイム)我は求め(フルガティウィ・)訴えたり(エト・アッペラウィ)……”」

 

はい、皆さんご存知のアレです。

 

オペラや小説になっているファウスト博士が、最上位精霊の召喚に挑戦し、失敗して死亡した際に、詠唱の一部が一般社会に漏れたと言われています。

もちろん捏造設定ですけどね。

 

ズシン、とお腹に響く感じがするほど、魔力が絞り取られていきます。

 

最上位精霊の召喚というのは、結局のところ超高圧縮された魔力の塊です。

それを作り上げるためには、魔力を集め、放出する術式と、それを一点に集中し、圧縮して任意の形にする術式の2つが必要です。

しかしそれには、強大な魔力の持ち主の魔力を大半、注ぎ込む必要があり、普通の方法では一度にそんな魔力は出て来ないのです。

 

そのために、最上位精霊の召喚術式にはもう1つ、術者から魔力を強制的に搾り取る術式が存在するわけです。

ただ、これには途中で術式を停止、破棄できる安全装置があります。

自分の魔力の限界を見極め、どこで止めるかを決定するわけですね。

当然ながら、いつまでも術式を止めなければ、そのまま魔力を限界以上に搾り尽くされて死んでしまいます。

逆にそれを恐れるあまり、早めに術式を止めてしまうと、当然ながら召喚は失敗、搾り取られた魔力は空気中に霧散します。

 

つまり、精神力と魔力を試される、自分との戦いなわけです。

 

 

 

「んっ……!」

 

魔力消費で呻き声を上げたのなんて、いつ以来でしょうか。

修学旅行の時も、結局魔力消費ではなく肉体への負担ゆえに気絶したようなものでしたし。

ああ、そういえば雪山耐久の修行の時は、結構無茶なやり方もしましたね。

さすがに1週間も魔力を全開にしておくのは無理ですし。

 

というかコレ、肉体の方にも結構負担が来ますね。

さすがは最上位精霊です。

この状態で気絶してしまったらさすがにヤバいですので、私の場合はそこの見極めが重要になりそうです。

確かに、乖離症状が続いていた場合、術式の破棄が遅れれば、危険なことになったかもしれません。

 

自分の命がかかっている状況ですが、まだまだ精神的には余裕がありました。

前世に殺される直前、私の背中にかかっていた重圧に比べれば、最悪でも私1人の命で済むこの状況は、むしろ気が楽でした。

死にたくはありませんけどね。

魔力の消費と肉体への負担を正確に見定められる程度には、冷静だったのです。

とはいえ、この体は結構すぐに気絶してくれることがありますので、油断はできませんけれども。

 

しばらく耐えていると、ふっ、と負担が軽くなりました。

気が抜けて私は数歩よろめきます。

 

「とっとっと……」

 

そして、見上げると1人の女性の姿が。

 

紫と金色のグラデーションになっている長い髪の毛、白いインナーに黒いドレス。

柔和に微笑みを浮かべた、おっぱいの大きな女性。

 

同人ゲーム『東方Project』のキャラクターで、1つの物語のラスボスを務めた人物。

『封印された大魔法使い』、『霊長類を越えた阿闍梨』などと呼ばれる、妖怪達に慕われる仏教徒『(ひじり)白蓮(びゃくれん)』です。

法界というところに封印されていましたが、彼女を慕う妖怪達の手によって救い出され、後に人里に近い場所にある命蓮寺の住職となりました。

いわゆる、和尚さんですね。

 

『東方Project』の登場人物の中では、貴重な『いい人』でもあります。

というか、他の人達がぶっ飛び過ぎていると思うのですが、そこはどうなのでしょうかね。

 

 

 

「まさか、1発で成功させるとはね……」

 

フェイト少年は呟きました。

 

「これで成功……なのですか?」

「多少思ったのと違うことになるのは、最初なら良くあることさ」

 

と、2人して見上げます。

 

ええ、確かに姿は『(ひじり)白蓮(びゃくれん)』なのです。

大きさが10(・・・・・・)メートル近い(・・・・・・)、というだけで……。

 

「近くの森の中でやっていなければ、大騒ぎでしたね……」

 

私は苦笑しました。

ともかく、ひとまずはこれでいいようです。

 

最上位精霊の召喚、成功ですね。

 

 

 

 




本日の成果

魔法世界にて修行中!
最上位精霊召喚に挑戦、一発成功。

以上。

つづく



感想で色々と予想されてる人もいましたが、やっぱりこういうのって大体テンプレが出来上がってるんでしょうかね?
さて、今までかなり無視してきましたが、このひじりん、実は乳白色1色です。
色をつけるのって、それなりに難しい技術だったりするんですよ。
魔力量と効率は馬鹿みたいに高いとはいえ、ネギ少女は魔法使いとしてはまだまだ中級者レベルです。
これは原作ネギ少年が瞬間移動を使えなかったということにも起因しています。
原作を超えてあんまりに何でもできるようにしてしまうのは、物語としてどうかと思ったので。
実は、精霊囮と精霊解放の組み合わせが凶悪すぎるのが原因で、せめて色をつけるだけでも条件を入れようと思い、こういう設定にしてあります。
隣に来た見知らぬ幼女が核爆弾で自爆するようなもんです。
ちょっと悩んだ結果でもあるんですけどね。
あと、詠唱は中二っぽく作ってもよかったんですが、ここぞという重要なときに最上位精霊の詠唱だということを読者が忘れる可能性がありましたので、有名な詠唱から引用させていただきました。

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