【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
段々暑くなってきました。
このくらいの気温が続いてくれると嬉しいんですが。
「ですから、ここはこういう意味で……」
「え、どうしてそうなるの?」
「えー……」
現在、絶賛勉強中です。
唐突ですが、なぜ私が先生ではなく生徒に選ばれたのか、理解できました。
私はアンディと一緒に魔法の修行をしていますが、魔法理論について私が教えることも多々あります。
アンディはそれをすぐに理解してくれるため、楽なのですが、レベルが離れてしまいますと、どうも色々と面倒臭くなってしまうようです。
アンディはその辺は根気よく説明しますが、私はあまり気が長い方ではありません。
つまり、私は教員には向いていないのです。
木乃香さんならなんとか教えられるのですけどね。
明日菜さんは散々です。
図書館島イベントのためにも、ある程度は地力をつけておきたいのですが、私では難しそうですね。
地道に頭の体操から始めましょうか。
「オセロ?」
「はい。いわゆる、頭の体操です。成績を上げる近道ですよ?」
頭が良い人はパズルゲームが得意です。
これは作者が実感したことなので、多分間違っていると思いますが。
理論を深く読み解くのに必要な技能を鍛える上で、パズルは有効です。
記憶力は興味、つまり人生の目的がしっかりしているか否かで大きく変わります。
士気とも言いますね。
要するに、勉強しろとだけ言って部屋にカンヅメするよりは、外に出して遊ばせ、色んなことに興味を持たせる方が勉強の効率は上がるのです。
「オセロやるん?」
「ええ、木乃香さんもやりますか?」
「うん、やる」
こうして始めたオセロは、私が定石や戦術を教えながらやっていたので、最初はボロボロだった明日菜さんも、生来の勘の良さを発揮し、メキメキと実力を上げていきました。
ついでに、2-Aでも流行りました。
それが実際に成績向上に繋がったのかどうかは、また別の話ということで。
お料理研究会に顔を出します。
メインでやるわけにはいきませんが、四葉五月さんの動きを中位精霊にトレースさせるのと、料理の際に出た生ゴミを回収するのに足繁く通います。
「イギリス人と聞きましたが、フランス系のお菓子が得意なんですね」
言われてドキリとします。
前世、実はフランス系日本人でしたので。
が、言い訳は考えてあります。
「イギリスの料理は、色々と大雑把なのです。
なので、レシピは他国のものが多いのですよ」
「ああ、なるほど」
そう言われて怒れないのがイギリスという国です。
最近はまだ他国の料理店が増えてきましたので、ある程度はグルメな人も出てきたようですが、田舎の方はまだまだといった感じなのです。
9歳の私が作った料理がプロ並みとまで言われましたからね。
前世、フランス系の料理が得意だったとはいえ、体力的な問題もあって、9歳ではそこまで手間をかけた料理ができませんし。
「うっ――!」
私は四葉さんのスープを見て、香りを嗅いで、驚きます。
「こ、これは――!
原点にして頂点といわれる、日本を代表する伝説の料理、
――
煮干しや鰹節で出汁を取り、具を入れて煮込んで、最後に味噌を溶かすだけ。
出汁や味噌の種類、量などで家庭ごとに味が千変万化するという、究極の家庭料理です。
ひと口スープを飲みます。
啜る、というのは、アジア特有の食べ方なのです。
一説によると、ウドンが外国人に不評だった理由はそれだとか。
「ふむぅ……!」
私は唸りました。
――味噌が市販品ではありません。
木乃香さんは市販品の味噌を使っていますし、私も味見したことがありますが、こちらの方が口当たりが柔らかい。
原作では四葉さんは中華料理ばかり作っていた印象が強いですが、日本料理も相当に高いレベルで出来るようです。
「あ、新開発の味噌良かったカ?」
「むぐむぐ……なかなかやりますね」
「ネギ娘の洋菓子もなかなかのものヨ」
「お店で出せますね」
「ほ、褒めても何も出ませんよ?」
お料理研究会でのひと時でした。
で、ロボ研です。
私と
「実は私、両親のことや、これから魔法世界で起きる事件については知っているのですよ」
「えっ!?」
「ホウ?」
さすがに
修羅場慣れしているといいますか。
原作で未来から来た火星人、さらにはネギの血を引くと標榜した彼女ですが、それらはすべて真実で、最後には未来に帰ってしまいます。
それは原作のネギにとって大きな転機となり、力を付けて戦力を揃え、魔法世界へ向かうきっかけとなるのです。
どの時点で転機となったのかは、ここでは割愛しておきましょう。
大規模なイベントを起こすという意味で、私の計画には貴重な人材です。
逆に言えばそれ以外には、茶々丸さんの整備を最後まで担当できないという意味で、そこまで重要な人物ではありません。
「私は占いが得意でして、特別なイベントの結果は全部分かってしまうのです。
例えば、麻帆良学園祭とか」
「……!」
葉加瀬さんが良い反応をしてくれます。
こういう政治系交渉には慣れていないようですね。
「それで、ワタシを止めるカ?」
「いいえ」
私は首を横に振ります。
「さらにその先に、魔法世界の崩壊を見ました」
「えっ!?」
「――っ!」
葉加瀬さんもここまでは聞いていなかったようです。
まあそうでしょう。
そうでなければ、原作で詳しい話をネギに伝えているでしょうし。
超さんも少し動揺しているようですね。
「それは、ワタシではなく、魔法先生に言うべきではないカ?」
「無駄ですよ、魔法世界の崩壊が10年、先に延びるだけです。
そしてそれが、
「……」「……」
沈黙。
「その沈黙は肯定と受け取ります。
しかし、私が見た未来は、そうではありませんでした」
「ナニ?」
超さんの表情が険しくなりました。
「次の夏休み、魔法世界が滅び、連鎖して地球も滅びます」
「それは本当カ?」
「本当です。
理由は大きく分けて2つ。
1つは麻帆良で明日菜さんを守れなかったこと。
もう1つは、『敵』の用意した儀式に不備があったことです」
下っ端天使さんの話ですが。
「……」
「超さんが、2年かけて準備してきたことに不備があると言われて、それを信じることができますか?
同じように、警備に不備があると言われても、大人は、大人であればこそ、すぐには対応しません」
私はそれを、よく知っています。
「私は、超さんの計画を、魔法世界へ行くきっかけとします。
また、その過程で戦力となるクラスの皆を精神的に成長させる思惑もあります」
「まるで、私の計画が失敗する前提のようネ」
「麻帆良祭の期間中は、
「――!」
「そうでなければ、もっと悪辣な手段に訴えることもできるはずです」
「……」
『超家家系図』もその1つです。
おそらくあれは偽物でしょうが、他にもできることはたくさんあります。
『ネギま!』という作品自体がストレスフリーだから作者がそういうことをしなかったとも取れますが、超さんの事情を考えれば、差し入れに毒を盛ったり、毒ガスで制圧したりということを思いつかなかったわけがないのです。
ついでに、麻帆良武道大会の開催、各格闘技イベントを買収して統合したのも、目的の達成からすると整合性が取れません。
魔法を使った戦闘シーンが欲しければ、強制認識魔法を止める戦いを放映すればよかったのですよ。
あの武道会を開催し、原作ネギ少年の過去を大衆に知れ渡らせたせいで、クラスメイトは本腰を入れて超さんを止めにかかったのですから。
しかし。
もし成功して、原作ネギ少年が彼女のかけた保険に気付かなければ、それはそれでいいようにも出来ています。
彼女の計画が成功していれば、原作のネギ少年は魔法世界へ連れて行かれることになっていたのですから。
その時は、成功が確定してから、『本国』の不義を公表するだけなのです。
原作で超さんが言っていた、成功した時のための混乱対策というのはこれのことです。
人間という生き物は、共通の敵がいればまとまりますからね。
その先にあるのは戦争ですが、後に何億という人々が死に至る滅びよりはマシなはずなのです。
「この時点で真に迫る解答を用意されるとは思わなかたヨ」
彼女は苦笑しました。
「
「私には計画があります。
魔法世界の崩壊を食い止めるアイデアがあります。
しかし、占いでかなり正確に当てられるとはいえ、不確定な要素はつきものです。
なので、それに対応するだけの戦力を揃えなければなりません」
「……フム、わかったヨ。協力しよウ」
「ありがとうございます」
私は超さんと、握手を交わします。
占い?
当然、前世の記憶のことですよ。
今回の成果
お料理研究会で生ゴミを恒常的に入手!
和菓子のレシピを入手!
ロボット研究会で超鈴音の協力を取り付けた!
未来の情報を入手!
以上。
つづく
イギリスの皆さんごめんなさい。
ひろっさんはイギリスの現在の料理事情については知りません。