【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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8/20 くらいの投稿になると思います。




093 魔法の槍解禁

「私が負ける可能性がある?」

 

ラカンさんへのお仕置きの後、フェイト少年の話をエヴァさんに伝えました。

 

「それはむしろ楽しみだな」

 

彼女は不敵に笑います。

 

「この100年で私に『闇の魔法(マギア・エレベア)』を使わせたのは、あの馬鹿(サウザンドマスター)ただ1人だ。

それでも、ナギ(サウザンドマスター)を倒せなかったかというと、決してそんなことはない」

「えー、俺はー?」

 

ラカンさんが不満の声を上げました。

お仕置きを経ても、割とピンピンしているのですよ。

負けイベントだと思って全滅すると、本当にゲームオーバーになるボスクラスでしたら、片手で倒せそうな人なのです。

 

「そもそも貴様とはやる機会がなかっただろう?」

「『赤き翼(アラ・ルブラ)』の面々が、吸血鬼がどうのというのを気にするとは思えませんしね」

「違えねえ」

 

どうせ、ナギも強そうだから戦ってみたというところなのでしょう。

 

「大体、そもそも私とマリスとやらの勝敗が関係するような作戦の立て方はしてないはずだ」

「そうなのですよねえ……」

 

しかし、私はフェイトさんの物言いが気になっていました。

勘、というものでしょうか。

とても嫌な予感がするのです。

それが何なのか、よく分からないのですよね。

本人も、勘としか言いようがないと言っていましたし。

 

「逆に、負ける条件みたいなものは何かありますか?」

「戦闘とは、何が起こるかわからんからやるものだ。

理屈の上では勝敗が決定的だったとしても、やってみなければわからん。

そうやって決定的な有利不利が覆るのを、人は奇跡と呼んだものさ。

奇跡を引き寄せる星の下に生まれたような奴もいる。

ナギや、アリカのようにな」

 

そういう経験を、何度も積んできているのでしょう。

達観が感じられます。

 

「もし心配なら、手札をさらに増やしておくか?」

「……そうですね、そうしましょう」

 

私は、2週間後に向けて、さらに修練を重ねることにしました。

願わくば、これが役立つなどということがないようになってほしいものです。

 

「とはいえ、お前の場合はうってつけの魔法がある。

最上位精霊の召喚にも成功してるし、良い機会だ」

「そ、それはまさか――!」

「そうだ。『魔法の槍(・・・・)』を解禁する」

 

エヴァさんは悪戯を仕掛けようとする少女のような、悪い笑みを浮かべました。

まんまですが。

 

 

 

『魔法の槍』。

弾幕系攻撃魔法の中では高い威力と貫通力を誇る、中級魔法(・・・・)です。

 

実は私は、エヴァさんからこの魔法の実戦や模擬戦での使用を禁止されていました。

理由は単純で、私が使用すると周辺への被害が大きくなり過ぎるからです。

 

なぜ被害が大きくなり過ぎるのかと言いますと。

それは私の基本戦術に係わってきます。

私の基本戦術は、圧倒的な能力(スペック)差で敵を圧倒するというものです。

 

個人で戦うよりも、多数を指揮する集団戦の方が得意。

それゆえに、精霊使役をメインの戦術として選んだわけです。

 

その最たる例が1日1万回の呪文詠唱。

魔力効率と魔力量では絶対に負けないという、集団戦における最大の武器を手に入れました。

私1人で1つの部隊として機能するように、戦術を練ってきたわけです。

以前はよく使っていた『オクラ式八卦陣』もそうですね。

 

さて。

『魔法の槍』の解説に戻りましょう。

 

この呪文の特徴は、高い貫通力と展開力です。

展開力と言いますのは、要するに『魔法の矢』と同じく、複数の『槍』を同時展開できるということなのですよ。

ただし、『魔法の矢』のような任意誘導性能はありません。

ゆえに、人によっては『魔法の矢』をより多く並べる方が強い、と考える可能性があります。

 

私は、槍を最大で同時に1500本並べることができます。

それだけあれば、直径10メートルを隙間なく埋めることができますからね。

エヴァさん相手でしたら、半分の直径5メートルまで圧縮しますが。

 

ええ、一度コレで『別荘』の建物に大穴を開けてしまったことがありまして。

それが、壁が崩れた程度でしたら良かったのですが、壁面の障壁を突破して反対側まで貫通してしまったのです。

もちろん、内部は大惨事。

実戦及び模擬戦での使用を禁止されたのは、それが原因なのですよ。

 

もちろん、術式の効率強化や最適化は続けてきました。

その結果、一度の詠唱で1500本まで並べられるようになったということです。

攻撃力や魔力充填(チャージ)の単位時間辺りの効率としましては、『魔法の矢』の5倍以上です。

当然、相応の魔力を消費しますから、私以外の人ではさほど効率的とは言えませんが。

 

後は……わかりますね?

 

 

 

 

 

 

 

翌日、最後にB班、アリアドネーチームが合流しました。

 

木乃香さんが1ヶ月も刹那(こいびと)さんと離れていて、再会した時に喜びの余り刹那さんに抱き付いてキスまでしていました。

それを見た月詠(ヤンデレ)さんが嫉妬(パルパル)していましたが、まあ大したトラブルはなかったと見ていいでしょう。

 

他の皆さんも、色々と勉強して修行を重ね、着実に強くなっているようでした。

 

「近衛の治癒魔法は、やっぱアリアドネーの中でも飛び抜けてたな」

 

話すのは、私の仮契約上の従者の1人、長谷川千雨(メガネレイヤー)さん。

 

「放課後は医療現場に出向いて、練習がてらこっちの人達を治療して回ってたし、腕前はホント、教師達と同等かそれ以上になってる。

下手すると、ネギも抜かれてたりするんじゃねえか?」

「私はどちらかと言いますと応急処置としての治癒魔法ですからね。

私程度の腕前でしたら、治癒専門の教師には届かないでしょう」

 

私は苦笑しました。

目指すところが違い過ぎますからね。

 

(シオリ)さん達はどうでした?」

「フツーに魔法少女だったぜ。

『フェイトサマのためにー』って頑張って魔法を勉強して練習して……。

ああ、(モノノケ)って子だけは、何考えてんのかイマイチ分んなかったけど」

「フェイトさんも、あまり分かっていないそうですね」

 

私は大体分かっていますが。

 

「それはそうと、チサメさん自身はどうなのですか?」

「え、いや、私は、まあ……。

コレを手に入れてきたって程度なんだが……」

 

と言って、彼女は私に通信端末を見せます。

タブレット、ですね。

 

「こちらの品物は、麻帆良に持って帰ることはできませんよ?」

「ああ、それは分かってる。

ただ、これは魔力で動いて、こっちのノートPCに電気を供給できる機能があるんだ」

「ああ、もしかして『力の(スケプトルム・)王笏(ウィルトゥアーレ)』の?」

 

千雨さんのアーティファクトは、周囲で電子機器が動いていることが発動条件です。

 

「『敵』の儀式に干渉出来りゃ、内容を書き換えたりもできるからな」

 

原作の終盤でやってましたしね。

あれはおそらく、茶々丸さんからの供給が、電力事情を解決したのだと思いますけれども。

 

「これで世界初の『マジカルハッカー』ですね」

「マジ……まあ、いいけどよ」

 

ネーミングセンスがいけませんでしたかね?

シンプルにまとめてみたつもりなのですが……。

 

 

 

それでは、ネタバレです。

その前に、準備がありますが。

 

「――来ましたね」

 

皆に話をするために新オスティア市街地を移動している最中、私は念話を受け取りました。

幻術による変装を解いて、ゾロゾロと歩いている最中です。

 

しかし、なぜ最年少の私が引率している形になっているのでしょうかね?

まあ、前世分も含めますと、アラフォーですが。

 

「来たって、何が?」

 

これは、朝倉和美(パパラッチ)さん。

 

「E班、麻帆良(・・・)残留チーム(・・・・・)です」

「何?」

 

反応したのはフェイト少年。

 

「今のタイミングで麻帆良から?

転移門(ゲートポート)破壊事件の前には、既に来ていたとでも言うのかい?」

「いいえ」

 

私は答えます。

 

「私達が魔法世界に来た時も、転移門(ゲートポート)は使用していません。

『敵』にバレるリスクというのは、何をどうしても付き纏ってきますからね。

ですので、普通ではない方法を使わせていただきました」

「信じられないな……いや、しかし、京都の時も、転移で追っていたのに見失った。

あれと同じで、何か僕達の知らない方法があるのか……」

 

京都のアレは、『タイムバナナ』で1時間ほど未来に跳びましたからね。

魔法では時間移動を追跡(トレース)することはできません。

それはエヴァさんで確認済みですし、原作でも超鈴音(チャオ・リンシェン)さんが時間移動をした際、魔法先生達は追跡(トレース)出来ないと言っていました。

 

『ネギま!』という作品は、割と色々なところに結構重要な伏線が張られていたりしますからね。

それが分かりにくいとも言われ、賛否両論があるのですけれども。

 

「――、……。はい、行きましょう。

目的地は伝えておきましたから、先に向かっているとのことです」

「ほ、本当に麻帆良残留組が来てるの?」

「もちろん」

 

アンディの質問に、笑顔で答えます。

 

「あ、そうそう、アンディ」

「へ、何?」

「雪広さんが飛び付いてくると思いますから、くれぐれも全力で障壁を貼ったりしないで下さいね」

「う、うん、それはもちろんだよ。

生徒を全力で拒絶したりはしないって」

 

言質は取りました。

キョトンとしていますが、なんのことだか分かっていないのは、アンディとフェイトハーレムズだけのようです。

ラカンさんは何やら察し顔ですね。

さすがは推定年齢50歳超なだけはあります。

 

さて。

読者の皆様方の中にも、なぜ雪広あやか(いいんちょ)さんが魔法世界へ来ていないのか、気になった人はいるのではありませんか?

今までそれに触れていませんでしたしね。

 

理由の一つは、『闇の魔法(マギア・エレベア)』の習得に踏み切る際、彼女の存在がアンディにとって枷になる可能性があったからです。

これは私の側のちょっとした都合ですが。

ちゃんとした、大きな理由はあるのですよ。

 

それが、これから行うネタバレにとっては重要な内容となるのです。

続きは次話(ウェブ)で。

 

 

 

 




本日の成果

チーム合流!
作戦説明へ。

以上。

つづく



大きなネタバレは次々回となります。
そのせいで思わせぶりな台詞回しが多くなってしまっていますね。

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