【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
暑い…。
「あんでぅぃすぇんすぇええええええいっ!!」
「わあっ!?」「ホッ」
「アンディ!?」「先生!?」「へうっ!?」
穴から出てきた
その直線状にいた私は、さらりと避けますが。
「アンディせんせいぃぃぃっ!うわああああん!クンカクンカ!スーハースーハー!カリカリモフモフペロペロペロペロ!はぴょ!?」
「いきなり飛び出て来て、何やってんのよ、あんたはぁぁぁっ!!」
明日菜さんの飛び蹴りが、雪広さんを引っぺがします。
そこから先は犬も食わないキャットファイトですので、描写はカットさせていただきます。
色々と加減している明日菜さんと、割と本気な雪広さんで、結構いい勝負だったとだけ言っておきましょう。
「まさか、本当に
「あっ、マナト!」
後で出てきたのは龍宮真人(♂)さん。
高い身長に黒い肌、薄茶色のコートが渋くてカッコいい青年です。
とても中学生とは思えません。
「よっ」
「おー、高級感漂うお部屋ですね。
本当に異世界に通じているとは……」
「……」
さらにその後にさりげなく姿を現したのは、黒い肌の銀髪少女、ザジ・レイニーデイさん。
そして最後は。
「やあ、お待たせ、みん――!」
渋いヒゲのメガネダンディ、高畑・T・タカミチ。
やっぱり、フェイトの顔を見てびっくりしていました。
というわけで、説明を求められるのも当然なら、答えるのも当然です。
ここで、前話の説明に飛ぶわけですよ。
説明後。
「まさか、魔法世界がそんなことになっていたとはね……」
「元老院の乗っ取りまでは話していたのですけれどもね。
さすがに『デュナミス』さんの暴走までは予想外でした」
溜息を吐くタカミチに、私は言います。
「ともかく、こちらも報告しようか」
タカミチは言いました。
明日菜さんが色々とブツブツ呟いていましたが、今は無視しておきます。
タカミチ登場時には、気が散ったからか、雪広さんからいいのをもらっていましたし。
それで結局、いつも通りの喧嘩は有耶無耶になったようです。
「火星緑地化はほぼ完了です。
自然魔力の生産量も、10日の時点で消費量を上回りました」
最初に言ったのは葉加瀬さん。
火星の魔力量を計測していたようです。
「結界装置の稼働も順調ネ。あと10日はフル稼働できるヨ」
次は超鈴音さん。
『
順調に
「現在、火星への移住希望者を募集しておりますわ。
なにぶん、魔法社会限定でのお話ですので、大々的な広告は出来ておりませんし、魔法先生方にも、まだ半信半疑の方が大勢おられるようですから、希望者はそれほど集まっておりませんわね」
「それはある程度仕方がありませんね」
雪広あやかさんの報告に、私は苦笑します。
言ってしまえば、火星が突然居住可能な星になったということですからね。
そんなことをいきなり言われましても、頭がおかしいと言われるのが大半でしょう。
幾ら
彼女は肝心
「戦力の麻帆良への集結も大分進んでいるよ」
次はタカミチです。
「とはいえ、『
それでも5人は既に麻帆良に滞在しているし、さらに6人が後3日ほどで麻帆良に到着する予定だ」
「最悪のシナリオは避けられそうですね」
私は微笑みを返しました。
最悪のシナリオというのは、麻帆良を含めて『祭殿』も壊滅し、『
それはつまり、私達全員が敗北するということですからね。
「ということはつまり……」
「はい、麻帆良への襲撃計画を逆手に取っての、魔法世界からと麻帆良からの奇襲、挟み撃ちです。
敵に勝機など与えません」
私は宣言しました。
『人形』5体、それと同等かそれ以上の戦力が1人。
さらに『人形』が出てくるとしましても、それ以上の戦力によって圧し潰します。
私は戦術家でも戦士でもありません。
政治家です。
政治家がすべてを懸けて命のやりとりを始める、人はそれを
「戦力集結して、なんか最終決戦っぽくなってきたじゃないの!」
皆さんも、ざわめいています。
「まさか、ここまで準備を整えていたとはね……」
フェイト少年がやや呆れ顔です。
「学園祭の時からずっと思ってたんだが、結構色んな事がネギの暗躍に動かされてきてたんだな……」
「学園祭の時のアレは、強化計画の一環でしたからね。
もちろん、今回もあの時と同じように、『無限ループ』を使用します」
「デュナなんたら逃げてー!超逃げてー!」
「幾ら『無限ループ』でも、実力に開きがあっては勝てん。
それまでにみっちりと修行を付けるぞ!」
「うひぃぃぃぃっ!?」「エヴァちゃんがやる気になってるー!?」
大体いつもの騒がしい3-Aですね。
それはこの魔法世界でも変化はないようです。
「ところで、『無限ループ』というのは?」
フェイトさんが尋ねてきます。
「占い儀式の失敗魔法の1つです。
過去の自分に記憶を飛ばすことで、未来の情報を知るというものですよ」
「ああ、あれか。
だが、あれは発表されているものだけでも、準備に1週間はかかるのに、6時間しか飛ばせない。
その使い勝手の悪さから、専門の研究機関でしか使用されていないはずだ。
そんなものを実用しようというのかい?」
「だが、決戦の日時が分かっていれば、それに合わせて準備を行うことができる。
決戦で負けた後に、その記憶を過去へ飛ばす。そしてまた戦う。
そうやって何度も戦って、その記憶を積み重ねていけば、いずれ必ず勝てるというわけさ」
エヴァさんが説明します。
「体験してみてはじめてわかる恐ろしさヨ。
事前に取ておいた戦闘データが全ク使えなくなるのはおろか、こちらの動きが全部読まれるネ。
対策の立てようがないヨ」
さすがに重みがありますね。
「もちろん、あの論文のままの術式では、記憶を飛ばすのに1週間拘束されてしまう。
その辺は私とアルビレオ・イマで手を加えて、数分の拘束と準備で記憶を飛ばせるようにしてある。
ただ、やはり半日しか飛ばせんし、儀式の準備そのものには1週間前後かかってしまうがな」
これは嘘です。
ですが訂正はしません。
妖精さんグッズ『タイムバナナ』1つで事足りますからね。
いわゆる、一般向けの説明というやつです。
妖精さんのことを、クラスメイトにも公表するつもりはありません。
妖精さんグッズの中には、兵器として使用可能な、とんでもなくヤバい品物もありますし。
「ところでネギちゃん、君は私に何か言いたいことがあるのではないんですか?」
おもむろにゲーデルさんが言いました。
「どうしてそう思うのです」
「それだけ周到に準備をしているのに、私の権限が必要になるとは思えないからです。
万が一、極端に言えば私が殺されていたとしても、回るようになっていると見て構わないんでしょう?」
それは、言外に私の計画に自分が必要ではないと気付いたということです。
この辺はさすがに政治家ですね。
「
「モチロンネ。我が『
と、言いながら妖精さんの技術なわけですが。
しかも身代わり人形の担当は
ですが訂正はしません。
例によって一般向けの説明ですから。
「『敵』にバレてもいませんね?」
「モチロンネ。確認したヨ」
『タイムバナナ』で、とは言いませんが、お互いに分かっています。
「よろしい。それではゲーデルさんには、現在超さんが拘束している、元老院上層部の事情聴取をお願いします」
「なるほど。政治的にも、始末は付けなければならないということか」
モノスゴク嬉しそうなのは、見なかったことにしましょう。
「それともう1つ、兵を動かし、2週間後までに元老院議事堂を占拠してください」
「なっ!?」「ちょっ!?」「ネギちゃん!?」
クラスメイト達から、ざわめきの声が上がりました。
ゲーデルさんは特に慌てずに確認してきます。
「今現在、メガロメセンブリア本国は、政府中枢がごっそり抜け落ちた状態。
すり替えが『敵』にバレていないということは、味方にもバレていないということ。
それが意味するところは、元老院や側近達の大混乱というわけだね。
確かに、今兵を向ければ、血を流すことなく占拠出来るだろう。
そして、ほぼ通信途絶している今の混乱状況を考えれば、少々乱暴に武力を行使してでも混乱を収めた方が、後々のためには良い、というわけか」
「はい」
私は頷きます。
さすがに政治家の方はこの辺分かっていますね。
とても冷静です。
だんだん地が出てきていますが。
「戒厳令を敷いたり、暫定政権を立ち上げて総選挙を実施するなり、その辺のことはお任せします。
どのようなことになっても、今までより悪くなることはないでしょう」
「私が
「あなたは悪党にはなれますが、前任者ほどの外道にはなれません。
今まで表に出て来なかった死者数よりも、きっと死人は少なくなりますよ」
「……これは困った」
言いつつ、彼は困った笑顔を私に向けました。
政治家は、全幅の信頼には弱いものです。
「ワハハハ、おいおい、なんか10の子供に一枚上に行かれてんじゃねえか」
「うるさいですよ」
ラカンさんが指さして笑います。
「ハッハッハ、一枚だけなら大したものさ」
「ネギちゃんの本当に怖いところって、あの口車よね」
「異議なし」「せやなー」「せやねー」「同感」
クラスメイト達が口々に言いました。
そんな彼女らに、私は返します。
「前世はクレオパトラ7世でしたから」
カエサルに征服された古代エジプト王国の女王です。
世界三大美女とも、世界三大悪女とも言われる美貌で、カエサルを籠絡し、死に至らしめたお話はあまりにも有名です。
まあ、冗談ですが。
本日の成果
計画最終ネタバレ終了。
クルト・ゲーデルに諸々の後始末を依頼。
以上。
つづく
後始末って大事だと思うんですよ。
GHQも、後始末には相当苦労していたようですし。
なんでもかんでもブチ殺しておしまいでは、中東みたいなことになってしまいます。
世の中、そう簡単ではないんですね。