愛し愛されて・・ 作:もにゅもにゅ
「というわけで、紹介するわね!妹の弦巻アミよ!」
「はいっ!アミです!女の子になりました!」
そう言ってこころお姉ちゃんの後ろからひょこっと飛び出し、皆に女装した僕の姿を皆に見せた。今の僕の姿はピンクのブラウスと白のミニスカートを着ていて、顔も少しメイクが施されている感じだ。今の僕なら変にボロを出さない限り男だとバレることはないだろう。
「アーくんが女の子になっちゃった!あれ?アーくんが女の子になったからなんてアーくんを呼べばいいのかな?アーちゃん?アミちん?」
「なんて愛らしい姿に・・・今のアミはまるで妖精みたいだね・・・」
「す、すごく可愛い・・・!」
「これで大丈夫よね?」
「え、あ、うん・・・」
「それじゃあ、作戦会議を続けるわよ!」
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ライブ当日 舞台袖
あれから数週間が経ちとうとう初ライブの日になった。僕達は今演奏してるバンドの番が終わったらすぐ演奏できるように舞台袖で待っているところだ。皆は自分の楽器の確認や、衣装のチェックなど各々準備している。そんな中、僕は端っこの方で緊張のあまり震えていた。
「どうしたんだいアミ?緊張しているのかい?」
「薫さん・・・」
「そんな泣きそうな顔をしては出せる力も出せなくなってしまうよ。頑張って練習したのだからきっといい演奏ができるはずさ」
「で、でも・・・」
「アミに良い事を教えてあげよう。シェイクスピア曰く、『自然でない行いは、自然でない混乱を生む』・・・」
「?えーとっ・・・それはどういう意味ですか・・・?」
「つまり・・・そういうことさ・・・」
うーん?薫さんがなんて言ってるのかよくわからないが、どうやら励ましてくれているらしい。そう思ってると薫さんは片膝をつき、右手を僕の方に差し伸ばしてきた。
「さぁ、可愛い坊や・・・いや今のアミは女の子だから・・・可愛いプリンセス、手をお取り・・・」
「は・・・はい!」
そう言い薫さんの手を取り、駆け足で皆の方に向かった。皆は既に円陣を組んでおり、僕はこころお姉ちゃんとはぐみちゃんの間に入れてもらった。
「皆集まったわね!あたしたちの初ライブ!皆が笑顔になれる演奏をしましょう!世界を〜〜〜」
「「「「「「笑顔に〜!!!」」」」」」
舞台袖から出てステージに立つと照明の光、周りの歓声、空気の流れ・・・今まで感じたことのない雰囲気に思わず身震いしてし、手が震えはじめてしまった。せっかく薫さんが励ましてくれたのにそれでも緊張してしまう自分がとても情けなく思ってしまう。
そんなことを思っていると急に柔らかい何かに包まれた。上を見てみるとミッシェルが僕の後ろに優しくハグしてくれていた。
「えーとっ、あたしあんまり気の利いたことは特に言えないけど・・・ミスとかしても大丈夫なんじゃないかな。だってバンドって皆で演奏するから一人がミスしても他の人がカバーできるからさ。まぁつまり・・・そんなに緊張しなくていいんじゃない?」
「ミッシェル・・・ありがとうっ!!僕頑張るね!!」
「みんな元気ーっ?あたし達、ハロー、ハッピーワールドよっ!!みんな笑顔になる準備はいいかしら?それじゃあゴー!」
こころお姉ちゃんの合図とともに演奏を始めると、こころお姉ちゃんは客席の方にダイブし始めた。確か客席にダイブはルール違反だったはず・・・それに気づいたミッシェルはこころお姉ちゃんを止めようとこころお姉ちゃんの方に駆け寄っていた。
「ちょ、こころ、戻って!バンドはステージで演奏しないと駄目なの!」
「そうなの?ミッシェルがそう言うなら仕方ないわね!それっ!」
こころお姉ちゃんは客席の方からジャンプしてステージに飛び移り、演奏を再開した。観客の方を見るといつの間にかに皆笑顔になっていた。楽しいなぁ・・・願うことなら、この時間がずっと続けばいいのに・・・。