彼らを待ち受けていたのは新たな課題「ライディングデュエル」だった!
そしてその教師の名はブルーノ!
俺たちは見事、南禅寺るこをこの世界のチーム5D'sから取り戻すことができた。
アカデミアに戻ると俺たちを待っていたかのように明日香先生が校門前に立っていた。
「やっと帰ってきたわね。その様子だとるこちゃんを取り戻せたようね。ま、あなた達ならできると信じていたけど......。さて、みんな休んでる暇なんてないわよ! 今からライディングの授業なんだから」
ライディングデュエル......。Dホイールを利用したレーシングとデュエルを組み合わせた新たなデュエルスタイルだ。バイクに乗ってカードゲームするなんて、始まった当初は意味が分からなかったけど、最後の方になるとバイクに乗ることがかっこいいんだって思えた。その中でも不動遊星というキャラは俺の一番のお気に入りだ。
どんなカードでも使えない場所なんてない。どんなにクズカードと言われてもカードの力を信じて戦う姿はレベルの低いモンスターをも救うことになってゲームに汎用性が生まれた気がする。
「ライディングなんて、僕たち免許もってないんじゃないか?」
「そこはデュエルアカデミアを創始した海馬コーポレーションの技術力よ。免許不要のDホイールくらい用意できているわ。みんなついてきて。クラスのみんなも待ってるわ」
そういうと明日香は俺たちをデュエル闘技場(スタジアム)のひとつへと連れてきた。そこは、どのスタジアムよりも広く、バイクのようなものがガレージに並んでいた。Dホイールが走りやすいようにトラックが舗装されていて競輪のスタジアムみたいだった。
「すげえ! 俺の知ってるアカデミアとやっぱ全然違うなぁ......」
キラキラした眼差しで榊遊矢が闘技場を駆け巡る。確かにそうだよな。彼らにとってはアカデミアは敵でしかなかったんだ。純粋な学び舎としてこんなに優秀なところはない。
「俺もセキュリティに入る前にこんな場所で勉強しておきたかったよ」
「え!? 不動遊星?」
そこにいたのはセキュリティの服を脱ぎすてて、いつもの青いライダースジャケットを着こんだ遊星がいた。セキュリティの彼が一体なぜここに......。
「なんでここにいるんです?」
「ああ、セキュリティのライディングデュエルのタクティクス底上げのため授業を受けることになったんだ。それに俺のことは遊星で構わない。遊介」
「は、はい。遊星......」
隣にいる遊星を焼き付けていると、奥の方からバイクの音が聞こえてきた。そしてトラックから俺たちの前にまでDホイールを走らせてブレーキを止めた。この人が今日の先生か?
「私はライディングのことは教えてあげられないから、代わりとして外部講師に来てもらったわ。紹介するわね......。えーっと」
「ブルーノ......。私の名前はブルーノだ。君たち、よろしく! 君たちにライディングデュエルの新たな可能性と希望を教えに来た!」
ブルーノ......。5D'sの中で絶望の未来から来たものの、遊星にアクセルシンクロを教え希望を見出した人。この人からライディングデュエルを教えてもらえるなんて嬉しい限りだ。
拍手と共に明日香が進行を始める。
「ここでは皆さんにまずDホイールを選んでもらいます。いろいろあるけど、初めは勘に頼ってくれて構わないわ。その後にエンジンだったりデュエルディスクの細かい設定を覚えて決めたらいいから」
俺たちは何の情報もなくDホイールを選ぶことになった。もちろん、遊星も。俺はもちろんリスペクトを込めて赤いDホイールを選ぼうとしたが、それはもう赤馬零児によって選ばれていた。
相変わらずの仏頂面だなぁ......。次々と選ばれて行き、最後に白いバイクと黒いバイクが並んだ。そしてバイク争奪戦に負けたのも二人、俺と友崎だった。
「遊介、どっちがいいんだ?」
「こうなったらどっちでもいいな」
「じゃあ、俺黒もらうけど恨みっこなしだよな」
「ああ」
意外だな。友崎が黒を選ぶだなんて......。ジャック・アトラスが好きって言ってたからてっきり白を選ぶと思っていたけど。まぁ、人の趣味って変わるし......。俺は白いバイクにまたがった。
「それではまず、体感としてこのフィールドを走ってもらう。そうだな、遊星ともう一人......。そうだな、君。最後に白いバイクを選んだ君だ!」
え、俺? 俺が遊星とライディング?
「お、俺ですか?」
「ああ、彼とライディングデュエルしてみてくれ。みんなにライディングデュエルがどんなものか見てもらうためのものだから気負わなくていい」
そう言われても、遊星とデュエルって時点でだいぶ気負ってしまうんだが......。そう思っていると遊星が手を差し伸べてきた。
「セキュリティとして君には恩がある。だが、今は模擬戦とはいえ勝負事だ。全力でぶつかってきてくれ。俺もそれに答えられるようにする」
「わ、わかりました。俺も俺なりの全力でやります!」
ライディングデュエルでは、まずはじめにフィールド魔法「スピードワールド2」を発動させることが基礎だ。そのあとはレースでコーナーを先に取ったほうが先攻という流れになっている。
「さあ、二人とも準備はいい?」
ピ
ピ
ピ
「「ライディングデュエル! アクセラレーション!」」
ピーーーーーーーー!!!
Dホイールは走り出していくも俺は遊星の後をついて行くだけにした。デッキパワーが低いなら無理に先攻を取るより後攻で確実に1ドローした方が動きやすい。それはどんなデュエルでも同じだと思う。
「ライディングデュエルはスピードワールドの特性上、先攻もドローができる。攻撃できないのも変わりない! それでもなお、遊介! 君は後攻を取ると言うのか」
「俺には俺の戦略があるんですよ!」
「ならば、先攻はいただく!」
さっきまでのDホイール同士の接戦はどこへ行ったのやら。遊星は性能をフルに活用して俺を追い抜いて行った。さすが、チーム5D'sの要で、バイクのことを知りつくしている人物だ。
「俺のターン! ドロー!」
遊星:LP4000 spc1
「俺は魔法カード調律を発動! 俺はジャンク・シンクロンを手札に加える! 俺はジャンク・シンクロンを召喚! そして俺はジャンク・シンクロンの効果によりシールド・ウィングを特殊召喚! 俺はレベル2シールドウィングにレベル3ジャンク・シンクロンをチューニング! 集いし星が新たな力を呼び起こす! 光差す道となれ! シンクロ召喚! 出でよ、ジャンク・ウォリアー!」
遊星を最後まで支えたモンスター、ジャンク・ウォリアーが彼のフィールドに現れた。セキュリティのカードと違う。彼自身のデッキな気がする。
「遊星、セキュリティのカードはどうしたんすか?」
「あのカードはセキュリティからもらい受けたカード。これは俺が昔使っていたカードだ。俺はこれで、昔信じていたデッキの絆を、集いし星が大きな力になることを証明したい! カードを2枚伏せて ターンエンド!」
やっぱりどこまで切り取っても遊星さんは遊星さんだった。この世界で何が起きて自分のカードを信じられなったのかは知らない。だけど、彼はこの街を信じて、守ろうとしてセキュリティになったのだと思う。
「なら、俺もその気持ちに応えます! ドロー!」
遊介:LP4000 spc:2
「俺は、モノ・シンクロンを捨ててクイック・シンクロンを特殊召喚! ジャンク・コンバーターを通常召喚! 俺はレベル2ジャンクコンバーターにレベル5クイックシンクロンをチューニング! 集いし叫びが、木霊の矢となり空を裂く!光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ、ジャンク・アーチャー!」
「なに、ジャンク・アーチャーだと?」
「あなただけが、【ジャンク】を使えるだなんて思わないでくださいよ。俺はジャンク・アーチャーの効果発動! ディメンション・シュート! ジャンク・ウォリアーを除外する!」
まずは、ここで攻める!
「ジャンクウォリアーで攻撃! スクラップアロー!」
「罠カード、くず鉄のかかし!」
やはり伏せていたのはくず鉄のかかしだったか......。でもあのカードがあることが分かっただけでも対処はいくらでもできる。
「カードを3枚セットしてターンエンド」
これで俺の手札はゼロとなってしまった。だけどこれでいい。さあ、俺の憧れた不動遊星はどう切り抜けてくれるんだ?
ブルーノの指名により遊星とデュエルすることになった遊介。
彼らのデュエルで新たな次元へと旅立つ!
次回、遊戯王ARC-if「決めろ、アクセルシンクロ!」