遊戯王 ARC-if(アーカイブ)   作:小鳥 戯遊

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廉次郎と遊介でジャックを追い込むという変則デュエル。
彼らはジャック・アトラスという決闘者に風穴を開けることができるのか?


if=14:廉次郎散る

次は俺のターンなのか、ジャックのターンなのか。変則デュエルはまじでわからん。

 

「臆しているならオレからのターンになるぞ!」

 

 

「うっせえな! 俺はこういう意味不明な変則デュエルやったことねえんだよ! 俺のターンでいいんだな?」

 

そういうと、ジャックは黙り始めた。そのあと、不敵な笑みを浮かべてこちらを向いた。

 

「ならば、次のターンあのトンネルを先に抜けたものが先に制するというのはどうだ? 地縛神は無敵のカード。こちらのターンだろうが貴様のターンだろうが、どうでもいい。レースでも圧倒的力の差というものを見せつけてやろう!」

 

そういうと、なんの同意を得ずにジャックはDホイールと共に走り出した。

 

「まじかよ! 逃がすか!」

 

 

「遊介! スリップストリームで僕も追いかけていく! さっさと行け!」

 

 

俺が先頭かよ。俺はハンドルを握り、スピードを上げるためにハンドルを内側に回した。

スピードがどんどんと上がっていく。トンネルに先に入ったのはジャックだった。そこはどうでもいい。問題は、どう追い抜くか。後方部が見えた。すると、ジャックはバイクを少し外にやった後、俺のDホイールの前輪にアタックしてきた。

俺は少しよろけながらも食らいつく。

 

「まだまだぁあああ!」

 

 

「レースにおいてもこのオレを置いて他に並ぶものなし! 見ろ! もうすぐ出口だ! もっと食らいついてみろ! 少年!」

 

 

「うおおおおお!」

 

 

じりじりと自分のバイクを前へと進める。ギリギリまで粘り続けるも最終的に鼻の先の差でジャックがこのターンを取った。

 

 

「くそっ! 取られた!」

 

 

「まあ、いい。切り替えて相手の挙動を見切ればいいだろ」

 

 

廉次郎はそこまで落ち込んではおらず、いつになく冷静に相手を見極めようとしていた。俺も今は俺が変に動くよりも、相手の動きを見たい。

 

 

「まあ、そうだな」

 

 

「ならば、オレのターン! ドロー! オレはチューナーモンスター『レッド・リゾネーター』を召喚! このモンスターの召喚に成功したとき、手札のレベル4モンスターを特殊召喚する。俺はレッド・スプリンターを特殊召喚する! オレは、レッド・スプリンターにレッド・リゾネーターをチューニング! 紅き竜よ! 炎魔を呼び起こす道を照らし出せ! シンクロ召喚! 地獄の業火と共に舞い降りろ! レッド・ライジング・ドラゴン! レッド・ライジング・ドラゴンのモンスター効果発動! 墓地より、「リゾネーター」チューナーモンスターを特殊召喚する! ライジング・ロード!」

 

 

このパターンはこのままレッドデーモンズドラゴンにシンクロ召喚で繋げていくのか?

 

 

「そして、レッド・ライジング・ドラゴンにレッド・リゾネーターをチューニング! 漆黒の闇を裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対なる王者よ!!万物を睥睨へいげいしその猛威を振るえ!!シンクロ召喚!! 現れろ、琰魔竜 レッドデーモン!」

 

「この瞬間! 僕は、罠カード『ミニチュアル・パニック』を発動! 自分フィールドに『ミニチュアル』モンスターが存在し、相手がモンスターを特殊召喚したときに発動できる! すべての魔法・罠を手札に戻す!」

 

おいおい、それって俺の魔法・罠もかよ!

 

「俺の魔法・罠もバウンスしてどうすんだよ!」

 

 

「知るか! とにかく今は相手を妨害して勝てばいいんだよ!」

 

「仲違いか、醜い争いだ。地縛神にとってそれは不毛! 速攻魔法『地縛特攻』を発動! フィールドの『地縛神』モンスターを破壊して発動する。その効果を無効にして破壊する! さらにオレは、レッドデーモンの効果発動! 相手フィールド上の表側攻撃表示のモンスターをすべて破壊する! 貴様らのモンスターを破壊する! パワー・クエイク!」

 

 

俺のフィールドには攻撃表示のジャンク・デストロイヤー。そして表側守備表示の「スターダスト・シンクロン」。廉次郎のフィールドは攻撃表示のミニリチュアル・グレートシャインのみ。廉次郎のフィールドはがら空きになってしまった。

 

 

「いくぞ! バトルだ! レッド・デーモンよ、地縛神を愚弄する者たちに業火の裁きを受けさせろ! 円谷廉次郎! まずは貴様に直接攻撃!! 地獄の剛力! クリムゾン・ヘル・フォース!」

 

 

「永続罠『強制終了』を発動! 自分フィールドのカード1枚を破壊し、バトルを終了する!」

 

 

「無駄なあがきよ! 我が地縛神の布陣に不足はなし! カウンター罠『タイム・ラプス』! 相手が永続罠の効果を発動したときに発動する。その効果を発動する前に戻す! 時間よ戻れ! そしてこの時、タイミングを逃した『強制終了』は魔法・罠カードに裏側表示になって戻るのではなくデッキに戻る! さらに時間は逆戻りだ! 貴様らには何もさせん! バトル続行! 円谷廉次郎に直接攻撃!!」

 

「ぐあああああああああああああ!!」

 

「スカーレッド・ノヴァの効果により、貴様らに1000のダメージを与え復活!」

 

 

円谷:LP1500

 

 

「そして、地縛神スカーレッド・ノヴァで阿久津遊介! 貴様に直接攻撃!! バーニング・フィスト!!」

 

 

「くっ!! 俺の強制終了が......」

 

 

 

遊介:1000

 

 

ここでなにか逆転のカードを引かない限り、俺たちに勝利はない。

 

 

「墓地のミニチュアル・パニックの効果発動! 墓地からこのカードを除外して発動する! 相手フィールド上の特殊召喚されたモンスターを破壊する! お前のモンスターの効果は破壊されたターンのバトルフェイズとかだったな。すでにエンドフェイズに入ったお前は地縛神 スカーレッド・ノヴァの効果を発動できない。 つまり、神はもう蘇らねえ」

 

 

「うまいぞ! 廉次郎!」

 

 

「読んでいた。永続罠、『地縛神の呪縛』を発動。墓地の『地縛神』を効果を無効にして特殊召喚する! 復活せよ、スカーレッド・ノヴァ!」

 

 

また、地縛神復活かよ......。どんだけしぶといんだ! だけど、効果は免れている。次のオレのターンか、廉次郎のターンであいつをどうにかしないと攻撃力3000のモンスター2体が俺たちを襲いに来る!

 

 

 

「オレはカードを2枚伏せてターンエンド! さぁ、貴様のターンだ! 阿久津遊介!」

 

 

強制終了の発動をタイムラプスの効果でデッキまで戻されてしまって今はデッキがシャッフルされてしまった状態。手札にはモンスターはいない。レベル4のモンスターならシンクロ召喚してスターダストをだせる。が、頼みの綱であるセイヴァースターは出てこない。ここは2回のドローにかかっている!

 

「俺のターン!!」

 

まず1枚目! 来た、レベル4 マックス・ウォリアー!

 

 

「マックス・ウォリアーを召喚! そして俺は、マックス・ウォリアーにスターダスト・シンクロンをチューニング! 集いし願いが、新たに輝く星となる! 光差す道となれ! シンクロ召喚! 飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!!」

 

 

「スターダスト・ドラゴン。なぜか懐かしい響きだ」

 

 

「そうだ! 知らないかもしれないけど、あなたとこのカードには因縁があるはずだ!」

 

 

「わけのわからないことを......。 そんな雑魚モンスターで我が布陣に勝てるわけがない!」

 

 

「勝ってみせるさ! どれだけ小さな希望でも掴んでみせる! それが不動遊星のデュエルだ! スターダスト・シャオロンを特殊召喚! このカードはスターダスト・ドラゴンが特殊召喚されたときに墓地から特殊召喚できる! さらに、俺は光来する奇跡の効果で1枚カードをドローする!」

 

 

これが運命のドロー......。二枚目!!

 

 

「ドローーーーー!!! 来た! 魔法カード、二重召喚! このターンもう一度召喚ができる! 俺は手札から救世竜セイヴァー・ドラゴンを召喚! 俺はスターダスト・ドラゴン、スターダスト・シャオロン、セイヴァー・ドラゴンでチューニング! 集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ!シンクロ召喚!光来せよ、セイヴァー・スター・ドラゴン!!」

 

 

「なに!? セイヴァー・スターだと?」

 

 

「地縛神の効果は効果破壊での蘇生のみ。効果で破壊しても戻ってくるのなら戦闘で破壊してやる! セイヴァースター! 地縛神 スカーレッド・ノヴァに攻撃!」

 

 

「永続罠 デモンズ・チェーン! このカードで貴様のセイヴァースターの効果は無効になり攻撃もできない!」

 

 

ここで全破壊したとしてもオレのフィールドはがら空きになってしまう! まだ待つんだ!

それにしても......ジャックはどんだけ相手に何もさせたくないんだよ! おれはこれでターンエンドするしかないのか......。

 

「ターンエンド!」

 

 

「僕のターン、ドロー! 僕は、魔法カード、死者蘇生を発動! 甦れ! ミニリチュアル・グレートシャイン!!」

 

 

「この期に及んでまた直接攻撃目当てか。フィールド魔法『地縛神殿』がある限り、貴様は直接攻撃できない!」

 

 

「学習してねえのはあんただぜ、キング。僕は、儀式魔法『ミニリチュアール』を発動! ミニリチュアル・グレートシャインを生贄にして、僕はミニリチュアル・グレートシュバルツを儀式召喚! 小さな大地を穢す、漆黒の巨人......。ミニリチュアル・グレートシュバルツ! グレートシュバルツのモンスター効果! 1000ポイントライフを払い、相手表側表示のカードをすべて破壊する! シュバルツ・デストラクション!!」

 

 

「カードがほとんど破壊された⁉︎ これならいける!」

 

 

 

「このとき、グレートシュバルツは破壊したカードにつき、800ポイント攻撃力をアップする! シュバルツが破壊したのは4枚! よって3200ポイントアップ!」

 

 

「攻撃力6000か......。一気に仕留めるというわけだな」

 

ジャックのライフは5000。これで終われる!

 

 

「ミニリチュアル・グレートシュバルツで直接攻撃!! ダーク・ギガンティウム光線!!」

 

 

「ふん、大したデュエリストだ。 だが、貴様にオレのライフを減らすことはできない! トラップカード『魔法の筒』! 貴様自身のモンスターの効果で敗北するがいい!!」

 

 

 

なに? マジック・シリンダーだって!? めっちゃ初期の方のカードじゃん! ていうか、廉次郎はまさか6000のダメージ!?

 

 

「ぐぁあああああああああああああああああああ! くっ......罠カード、『バトンタッチ』このカードはタッグデュエルでのみ使用できる。自分が敗北してパートナーがデュエル続行しているときに発動できる! ......自分のモンスターを そのパートナーのフィールドに召喚する......! 行け、グレートシュバルツ! 遊介をま も......」

 

 

ガシャン! という音とともに廉次郎が後ろへ吹き飛んでいく......。

 

 

「廉次郎ぉぉおおおおおー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




絶望の淵に立たされた遊介。だが、さらに希望が舞い降りる。
榊遊矢が到着し、彼とともにデュエルすることになる。

次回遊戯王ARC-if「笑顔」

お楽しみはこれからだ!

登場するオリカの召喚口上で良いと思ったものを教えてください。

  • 地縛神スカーレッドノヴァ
  • ミニリチュアル・グレートシュバルツ
  • レッドデーモンズドラゴンフレアデス

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