謎の講師が主催するデュエルチャレンジカップへと参加することになった。
だが、いきなり南禅寺るこも遊介もすっかり遊園地に遊びに来た気分になってしまっていた。
ある日俺は突然、遊戯王デュエルモンスターズの世界観がごちゃまぜになったような世界に迷い込んだ。
なんとなく満喫しながらも、元の世界に戻る手伝いをしているのだが、いろんなことに巻き込まれて全く進みやしない。おまけになれないソリッドヴィジョンで酔って倒れる始末。
「はぁ、情けねえよ。俺」
「でも、きっと海馬コーポレーションが建てた海馬ランドに行けば大丈夫だって」
小さくガッツポーズをして俺を応援してくれる南禅寺さん。かわいいけど、学校にいる限りはそれなりにいい点数を取っておきたい。たとえこの世界が夢の世界だったとしても......。
「学校抜け出して、海馬ランドに行くのはなぁ」
「授業の一環で行けばいいじゃない! ほら、これ」
「なんだこれ。デュエルチャレンジカップ?」
その悩みについて考えていると、謎の教師、ドゥンケルハイトが海馬ランドでの実地デュエル試験を行うといううわさを聞く。しかもその優勝賞品は鍵のようなシルエットが見えている。
「誰だ? この引率講師のドゥンケルハイトってのは」
「うーん、私もあまりは......」
二人して首をかしげていると廉次郎が腕を組んで現れた。
「この先生、授業めちゃくちゃ暗くて有名だぞ? 知らないのか?」
「そうなの? でも、それにしては明るそうな授業だけど」
「授業まともに聞いてくれないからこうやってエサ撒いてんだろ。きっと。で、お前らは参加するのか?」
聞かれてもなぁ。まぁ、自分を慣らすためにも行くしかないのかなぁ。
「面白そうじゃない? やろうよ、遊介くん!」
「え? うーん。あれ、この優勝賞品の形どこかで」
よく見なくてもわかる。これは、皇の鍵だ! でも、なんでこんなところに? すると、保健室から戻ってきたのか小鳥と遊馬がこのポスターを見に来ていた。
「ちょっと、遊馬見てよ! これ、あなたが失くした皇の鍵じゃない?」
「え? ホントだ! いや、でもこんなデュエル、勝てっこないよ」
「そんなのわかんないじゃない! だったら私出るもん!」
「ええ? 小鳥がぁ? お前、デュエルできんのかよ」
「失礼ね! アタシだってデュエルできるんだから!」
二人の夫婦漫才は一生聞いていたいが、少し回りに気を遣わなすぎるところが冷や汗をかく。
「お二人さん、ちょっといい?」
「あ、さっきの保健室の人!」
「そういや、名前言ってなかったね。俺は阿久津遊介。なぁ、遊馬。皇の鍵って神代凌牙が持ってたんじゃなかったのか?」
「奪ったのはそうだけど、そこから行方知れずだよ。きっと、興味を無くして捨てたのかも」
「ありえない話でもないな。行くか、海馬ランド!」
遊馬の肩に手を回して鼓舞するも、まだ彼はいじけている。
ここまで彼が落ち込んでいるのは見たことがない。本当に大切なものなんだな。
「僕が足手まといになるかも......」
「役に立たないカードなんてないように、役に立たない人なんていないと思うよ。君のその優しさが強さになって役に立つときがあるよ」
「役に立たない人なんていない......。そう、だね。僕、いやオレやるよ! 一緒に来てくれるかい? 遊介」
「もちろん」
かくして、俺と遊馬、小鳥、南禅寺さん、廉次郎はドゥンケルハイト主催のデュエルチャレンジカップへ挑むことにした。送迎バスに揺られること小1時間......。
「みなさん、つきましたよ」
弱弱しい語り口調でドゥンケルハイトは私たちを案内してくれた。彼は先生というよりコザッキーのようなマッドサイエンティストみを感じる。服装も白衣だし......。
彼はみんなを海馬ランド入り口前まで案内すると、さらに続けて
「これから、みなさんにはこの会場すべてを使いゲームをしてもらいます。勝敗はデュエルでもそれ以外でも......。まぁみなさんデュエルしか興味ないでしょうが」
言い方は気に食わないが、ここでゲームしてれば単位がもらえるのは本当に楽しい授業だ。座学より全然いい。俺は入り口に向かって走り出す。
「とりあえずジェットコースター乗ろうぜ!」
「おい、遊びできてんじゃねえぞ!」
「廉次郎、固いこというなって」
「あ、遊介さん!」
可愛らしい声に反応すると、そこには小鳥と遊馬だった。彼らはもうすでに楽しんでいたようでポップコーンやらぬいぐるみやらを持っていた。
「どうしたの、それ」
「ゲームってなんでもいいわけでしょ? だから、射的とかそういうので景品ゲットしちゃいましたー!」
「おい、小鳥ー。半分持ってくれよ。重いんだけど」
「男の子でしょ、それくらい持ちなさいよ。それに、遊馬はここまでなにもしなかったじゃない」
「そうだけど」
「ははは、中々かわいそうなことなってんな」
呆れていると、ジェットコースターの方から二人くらいが歩いてきた。
「誰かと思えば、弱虫やろうじゃねえか。俺からあのペンダント奪おうってのか?」
「
一人は神代凌牙だ。遊馬のお守りであり、そして彼の相棒アストラルとの絆である皇の鍵を奪った張本人である。彼は、腕を組み遊馬に対峙する。そしてもう一人は十六夜アキだ。彼女の凍てつく眼光が俺たちを捉えていく。
「奇遇ね。また、あなたたちに出会うなんて......。 今度こそ、私の奴隷にしてあげるわ」
アキは、赤色のデュエルディスクを腕にセットし始めた。そうすると、神代凌牙も自分のディスクをセットして彼女に噛みつくような目つきで制止する。
「手ぇだすな。遊馬は俺の獲物だ。お前もそうだろ、この俺が憎いんだろ?」
「でも、君はもう持ってないだろ。君とは戦いたくないよ」
「そういう甘ったれた感情が昔っからイラっとくるんだよ! デュエリストならデュエルで決着つけやがれ! 遊馬!」
あれ、シャークと遊馬ってそんな昔からのライバルみたいだったっけ? これも、融合した世界での影響?
「二人は、知り合い?」
小鳥の方を向きながら聞いてみると、彼女はうつむきながらうなずいた。
「うん。というより私たち三人、幼馴染なんです。でも、いつの間にか凌牙くんがシャークって呼ばれるようになってから疎遠になっちゃって......。それからは遊馬を目の敵にするようになっちゃって......どうして、こうなっちゃったんだろう」
すると、今度は十六夜アキがサイキックを使って小鳥を宙を浮かしていく。
「小鳥ちゃん!」
「キャーーー!! 助けてえ! 遊馬!!」
「小鳥ぃ!!! お前! くぅ......。僕にも勇気があれば......」
彼はずっと下を向いていた。下を向いていたってしょうがねえじゃねえか! 俺が、あんたから学んだことを! 教えてやる!!
「かっとビングだぁ! 俺ぇええええええええ!!」
俺は走り出して何もないところからジャンプした。宙に浮く小鳥の手をかすかにとらえかけるが、それを察知したのか、アキが力を使ってもっと上にやってしまった。俺は、何もできずに尻もちをついてしまった。
「かっとビング......?」
「そうだ。何度だってくじけない、諦めない。挑戦し続ける心、勇気そのもの......それが、かっとビングだと俺は思ってる。お前のかっとビングはどうだ? そうやっていじけてなにもしないことか?」
「違う。そうじゃない! オレだって、小鳥を守れる男になる! おいサイコ女!」
そういうと、アキはとてつもなく鋭い眼光で遊馬をにらみつける。だが、遊馬は立ちすくまずに挑み続ける。
「こ、小鳥を放しやがれ! そんなにデュエルがしたいなら、やってやる!! デュエルディスクセット!」
「2対1? やれんのかぁ? お前がぁ! 遊馬ぁ!」
「2対2、これなら文句ねえだろ! 神代凌牙ぁ!! Dゲイザーセット!」
俺がデュエルディスクをセットしようとした途端、廉次郎がそれを奪って自分の腕にセットし始めた。
「おい! それオレのディスク!!」
「あ!? しまった! つい、やっちまった! お前のディスクが僕のと似ているから悪いんだろうが!」
「もう遅いわ。Dゲイザーはあなた達デュエリストとそのデッキを認識した瞬間、デュエルで勝敗が付くまではその腕から離れないし、デッキも変えることは許されない」
そりゃないぜ......。 シャークに因縁があるとはいえ、アクシデントで俺のデッキでタッグデュエルを挑むことになっちまったが、大丈夫か? 廉次郎。
突如として、いや遊介たちの動向を知っていたかのように現れたチーム5D'sの十六夜アキと神代凌牙(シャーク)。二人の目の前に立ちはだかるは、円谷廉次郎と九十九遊馬。二人はチーム5D'sの猛威を避け、勝利を勝ち取ることができるのか
次回、遊戯王ARC-if「謎のタッグ 遊馬&廉次郎VSアキ&シャーク!」
登場するオリカの召喚口上で良いと思ったものを教えてください。
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