遊戯王 ARC-if(アーカイブ)   作:小鳥 戯遊

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十六夜アキのサイコパワーを利用し、南禅寺を探そうとする遊介。
彼女の力で向かった先には、VR世界でデュエルができる「リンクブレインズ」の筐体が広がっていた。


if=29:into the rink VR-ains

 デュエルが終わり、小鳥ちゃんが無事解放された。

 

俺の方も廉次郎からデッキを返してもらえて少しほっとした。

 

 

「ほらよ、遊介。僕でなければこんなロマンデッキまともに扱えないぞ」

 

 

 

「いやいや、そこまでロマンじゃないでしょ」

 

 

俺は腰に巻いていたデッキホルダーに自分のデッキを戻した。

ふと、シャークとアキの二人に目をやるとシャークはすでに帰ろうとしていた。

 

 

「ま、待って! シャーク!」

 

 

「皇の鍵ならオレは持ってねえよ。あれは、ドゥンケルハイトって教師に盗まれた」

 

 

ドゥンケルハイト......。たしか、このチャレンジカップの主催だったっけ。

さらに十六夜アキがシャークの言葉に続けて話した。

 

 

「私たちをここに呼びつけたのも、そのドゥンケルハイトって人だった。私たち5D'sの力が知りたいと言って......。そしたらあなたたちがここに」

 

 

ダークシグナーと言っても俺の知っているような人たちとはまた違ったものを感じる。

死人というわけでもなさそうだし、地縛神も生贄を必要とせずにOCGルールで召喚されていた。

 

 

「そもそも君たちは黒き竜に選ばれたって言ってたけど、なんのために選ばれたの?」

 

 

「知らん。オレはこの痣に呼ばれたような気がした。『力を示せ』と。力に飢えていたオレはそれで多くの過ちを犯した」

 

 

 

「私も同じよ」

 

 

「なんだろう。『力を示せ』って」

 

 

俺は廉次郎に振るも、彼は当たり前だが首をかしげるばかりだ。

俺もそんなことわからんし、考えても仕方ないか......。ふと、周りを見ると、あることに気付く。

 

 

「そういえば、南禅寺さんは?」

 

 

「ほんとだ! いない」

 

 

小鳥ちゃんがキョロキョロと回りを探すも南禅寺さんの姿は見当たらない。

入り口までは一緒にいたような気がするんだけどな......。

 

 

「あいつ、どこかで迷子になってるんじゃ」

 

 

「バスに乗ってた女の人ですよね? おれたち、探してきます! 小鳥、観覧車の方行ってみよう! じゃあ、見つかったらデュエルディスクに連絡します!」

 

 

「え、デュエルディスクって連絡機能あるの?」

 

 

そういうと、廉次郎は俺にデュエルディスクのパネルを見せた。確かに通信履歴が載ってある。

 

 

「ああ。だが、さっきから応答がない。なにかあったのかもしれん。遊馬の言う通り、手分けした方がよさそうだな」

 

 

すると、ダークシグナーである十六夜アキが提案してきた。

 

 

「私も協力させて。私のサイコパワーならきっと、役に立てるはず」

 

 

 

意外なことに、彼女はダークシグナーでありながらも正気のようだ。一体だれが彼らを集めたんだ......。とにかく、今は人手がいる。廉次郎も了承してアキにも手伝ってもらうことにした。

 

 

「シャーク、お前も......。ってもういない」

 

 

遊馬が少し落ち込むも、踏ん張りをきかせて小鳥の手を握り走り出した。

 

 

「僕たちは、リンクブレインズ体験コーナーの方へ行ってみよう。お前のこと気にしてたし、先に向かってるのかもしれん」

 

 

「おっけー。十六夜さん、一緒に行きましょう!」

 

 

「ええ、よろしくおねがいするわ」

 

 

 

こうして、俺と廉次郎、そして十六夜アキが南禅寺捜索隊として加わり、リンクブレインズ体験コーナーへと足を進めた。途中、トロイホースのメリーゴーランドだったり、ゴーストリックお化け屋敷だったり面白そうなアトラクションがあったが全部廉次郎に禁止された。

 

「んでだよ、そこにいるかもしれんだろ?」

 

 

「るこは怖いものが苦手だ。特にお化け屋敷はな」

 

 

そうこうしているうちにリンクブレインズ体験コーナーに着いた。

 

 

「廉次郎、お前南禅寺さんの写真持ってないの?」

 

 

「あ? 持ってるが、何するんだ」

 

 

「いや、十六夜さんに見せないと始まらんでしょうが」

 

 

「こいつを信じていいのか?」

 

 

「いいから、貸す!」

 

 

そういうと、廉次郎はしぶしぶデッキホルダーから1枚の写真を取り出してきた。

 

 

「チェキか? ずいぶんアナログだな」

 

 

「別にいいだろ。好きなんだ、こういう写真が」

 

 

「ふーん、どうだか......。ま、いいや。十六夜さん、この人探してるんだけど」

 

 

俺は、十六夜に写真を渡すとその写真を手で触りながら目をつぶった。何かを感知しているのか?

 

 

「たぶん、この中にいると思うわ」

 

 

「僕の勘は当たっていたようだな。行くぞ」

 

 

 

中には、VRのゴーグルとともに自信をスキャンするための装置のようなものが置かれていた。

装置は青いサークルのようなもので、なんとなく見覚えがあった。

 

 

「これ、デュエルリンクスのデュエルゲートだな。これで、デジタル世界にいけるってことなのか?」

 

 

「おい! どうしてお前みたいな一般デュエリストが、デュエルリンクスシステムのことを知ってるんだ?」

 

 

俺の話を聞いていた青年が声をかけてきた。青年はどことなく海馬に似てる気がするが、根の明るさがそれを打ち消している。

 いや、知ってるも何もデュエルリンクスやってるもんなぁ......。でも、ここにはそういうアプリゲームとかなさそうだし、どうやって言ったもんか。まぁ、ありのまま言ってみるか。

 

 

 

「いやぁ。信じてもらえるかわかんないけど俺、別の世界から来てるんですよ。で、そこには遊戯王のカードが遊べるアプリがあって......。それがデュエルリンクスっていうのなんだけど」

 

 

 

「じゃあ、お前異世界からきたのか! 赤馬零児から聞いてはいたが、本当だったんだな! オレ、モクバ。海馬モクバ。ここの運営を任されてる。これでも、海馬コーポレーションの社長代理だぜ!」

 

 

あまりの急成長ぶりに気付かなかった。そうか、モクバだから海馬瀬人に似ててもおかしくはない。

にしても、社長代理っていうのはどういう意味なんだ? 海馬の方はどうしてるんだ?

 

 

「代理? そういえば、モクバってお兄さんいたよね? お兄さんは?」

 

 

「にいさまは今、宇宙で新しいゲームの開発中さ。それより、どうしたんだよお前ら浮かない顔して」

 

 

「そうだった! 実は人を探してて、この人なんだけど」

 

 

俺は十六夜から写真をもらい、モクバに渡すと首をかしげていたがすぐに思い出し顔が明るくなった。

 

 

「おお! そういえば、こんな感じの子がヴレインズにログインしていったの見たな」

 

 

「そうか! そういえばさ、デュエルディスクのDゲイザーの酔いもヴレインズで治るって聞いたけど」

 

 

 

「ああ。『はじめてのデュエルコース』だな! ログインすればいろんなコースがあるから見て見るといいぜ!」

 

 

 

「ありがとう! 行こう、廉次郎」

 

 

「わかった」

 

 

3人でヴレインズへログインできる機材の方へ向かうと、十六夜がハッと声を上げた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「さっきの子の影を感じる......。間違いなく、この空間にいるわ」

 

 

「本当だろうな?」

 

 

廉次郎は、十六夜アキに詰め寄りにらみつけるも彼女は目をそらさずに廉次郎に訴えかける。

 

 

「私のことを信用できないかもしれない。でも、私も誰かの役に立ちたいの!」

 

 

「......あんたの力を信頼してみるよ。現状、それしかヒントがねえもんな。行くか」

 

 

 

俺たちは、数少ない足取りを頼りにヴレインズへとログインしていく。青いリング状の筐体に入り込み、デッキをセットする。

 

 

「デッキ、セット! パスワードは、into the VRAINS!」

 

 

音声認識は作動し、目の前がブラックホールのようなものに包まれていく。奇妙な浮遊感とともにログイン待機画面にすぐアクセスできた。そこには初期アバターが見えていた。

 

 

『これは、もう一人のあなた。もっと、あなたを変更しますか?』

 

 

なるほど、顔や服装を変更できるのか。顔は面倒だがまぁ、服装だけでも変えておくか。

 

服装選択の画面を眺めていると、きぐるみのような全身コーデから初期アバターの来ているサイバテックなスーツの色違いまである。ていうか、プレイメーカーの衣装が初期アバターってなんだか気が引けるなぁ......。ちょっと色変えるか。元々かっこいいし

 

 

「よし、選択完了!」

 

 

『接続中......。アバターとあなたをリンクします。デッキをすべてサイバースアーカイブに接続します......。ようこそ、リンクヴレインズへ』

 

 

「ここが、リンクヴレインズ......」

 

 

あたりを見渡すと、デジタルで再現された空想の街が広がっていた。なんとなく童実野町に似ているようにも見えるが、ダイダロスブリッジやハートランドシティに立っていた塔も建っていた。

 

 

「南禅寺さん探すったって、アバターばっかりだから探しようがねえよ。しかも、廉次郎も十六夜もいないし......。みんなどこ行ったんだよ」

 

 

 

「おまえ、遊介か?」

 

 

突然、俺よりも背がでかく筋骨隆々の男が話しかけてきた。ビビッて身を引きつつも名前を聞く。

 

 

「だ、だれ?」

 

 

 

「俺だよ、友崎。友崎克広」

 

 

「かっつんか? いや、全然違うだろ」

 

 

「現実と違う人間にできるのがこのゲームのいいところだろ? 有効活用しなくちゃなあ。ところで、なにしてんだよ」

 

 

「いや、友達探してて......。廉次郎とか南禅寺さん見てない?」

 

 

かっつんに聞いても見てなさそうだが、聞かずして情報は得られない。今は藁をもすがる思いだからな......。

 

 

「......知らねえな。 この辺探せば、見つかるかもな。 それより、久しぶりに俺とデュエルしないか? この間の試合じゃ消化不良でよ。今度はリンク召喚縛りってことで」

 

 

「何言ってんだよ。俺は、リンクモンスターなんて持ってねえぜ?」

 

 

 

「エントリーデッキ使えばいいだろ。ほれ」

 

 

かっつんは、俺にデータを手渡してきた。それは、構築済みのデッキ3種類だった。どれもリンクモンスターを主体とするデザインになっていそうだ。たしかに、これならリンクあまり使ってない俺でも戦えるかもな。

 

 

 

「俺は自分のデッキで挑むけど、遊介はどうする」

 

 

 

「そうだな......。ここは、星杯デッキで行こうかな」

 

 

「よし、デュエルだ! 遊介!」

 

 

かっつんが腕にデュエルディスクを巻いたと同時に俺もディスクにデッキを装填した。自分が選んだ構築済みのエントリーデッキを......。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遊介の前に現れた友崎。
彼とのデュエルは偶然か、必然か......。

登場するオリカの召喚口上で良いと思ったものを教えてください。

  • 幼獣ベーゼ
  • グレート・フォース
  • アルカトラズ・デストピア・デーモン
  • グレートVX
  • アーク・トライブ・マジシャン
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