遊戯王 ARC-if(アーカイブ)   作:小鳥 戯遊

35 / 36
遊矢を誘拐して消えていったドゥンケルハイトを追って、リンクヴレインズの深層部「デュエルターミナル」にたどり着いた遊介たち。どこかもわからないまま、彷徨う彼らにドゥンケルハイトは再び3人の前に立ちはだかる。そして、彼の崇高なる目的のために歯車は動き出すのだった。


if=33:光と闇の結社

 闇の中を彷徨い続けて、数分くらいが経っただろうか。俺達は真っ黒な空間にたどり着いた。ここはまだ電脳世界なのか? それとも、また別の世界なのか??

 

 

「ここまで来るとは想定外です。ようこそ、端末世界(ターミナルワールド)へ」

 

 

「ドゥンケルハイト! 遊矢を返せ!」

 

 

目の前には左右で白と黒で別れたコートを着たドゥンケルハイトが立っていた。

彼は遊矢を抱えて、今にもどこかへ消え去ろうとしていた。

 

「遊矢君はあなたのモノではないでしょう? 返す義理はどこに?」

 

 

「それなら、先生だって同じはずでしょ! 彼の意思に関係なく連れて行くのはダメでしょ!!」

 

 

「るこ、あいつはもう先生じゃねえ。僕たちの敵だ」

 

 

廉次郎の言葉に困惑する南禅寺さんだが、人一倍驚いていたのはドゥンケルハイトだった。

 

 

「敵? 私がですか? 私はただの教師ですよ?」

 

 

「なら、遊矢をどこへ連れて行く気だったんだ? あなたは......」

 

 

ドゥンケルハイトはメガネをかけ直し、俺達に背中を向けた。

 

 

「デュエルモンスターズを修正するため、彼の力が必要なのですよ......。この世界は歪んでいる。その歪みを正すため、私達光と闇の結社(カオス・ソサエティ)がいるのですよ?」

 

 

すると、ドゥンケルハイトが指を鳴らすとブラックホールのようなものが出現し、そこから4人のデュエリストが現れた。鬼柳京介、ジャック・アトラス、十六夜アキ、そして十代と名乗る少年だった。ここの世界でのチーム5D'sって名乗ってた連中だ。あと、シャークがいないみたいだが、なんでいないんだ?

 

 

「チーム5D's......。だが、なぜ神代凌牙がいない?」

 

 

「君はいつもそればかりですね。円谷廉次郎くん。そんなに南禅寺くんのことが気になるのかね?」

 

 

「ぼ、僕はそういうわけではっ......!! そんなことより、答えろ! 神代凌牙はどこにいる!?」

 

 

「私にもわかりませんね。彼は私の配下にあるというのに、なぜか言うことを聞きやしない。お陰で皇の鍵も奪われてしまいましたし......」 

 

 

ということは、皇の鍵は今シャークの元に戻ったってことか! 

それなら、なんとなく安心な気がする。いや、それよりここから早く出ないと!!

 

「ドゥンケルハイト、それで遊矢を解放してくれるのか?」

 

 

「できる相談ではありませんね。なら、賭けをしますか? 榊遊矢君を賭けて、君たちの好きなデュエルで決着を着けましょうか? どうせ、無駄でしょうが......」

 

 

「人を賭けの道具にすんのは気が引けるが、売られたデュエルは買うのがデュエリストだ!」

 

「そうね。でも、この勝負私にやらせて!」

 

「南禅寺さんが?」

 

 

「無茶だ!!」

 

 

「これでも私、ラーイエローよ? 忘れた?」

 

 

そう言うと、彼女の意志は固くそのままデュエルディスクを取り出した。

 

 

「どなたでも、勝負はお受けしますよ。たとえ、ラーイエローの南禅寺さんでもね」

 

 

「「デュエル!」」

 

ドゥンケルハイトは手札5枚を南禅寺さんより先に抜きとり、勝ち誇った顔をした。もしかして、先に準備をしたから先行だって言うんじゃないだろうな?

 

「私の方が少し早かったですね。では、私の先攻! 手札より、原始奇星体Xの効果発動! 手札より爬虫類族1体を墓地に送り、このカードを特殊召喚! 私はワームキングを墓地に送る。 原始奇星体Xが特殊能力! デッキから「ワーム」魔法・罠を魔法・罠ゾーンにセットする! 私は「ワーム・ディフュージョン」をセット。そして、その伏せた速攻魔法カードワーム・ディフュージョンを発動! 手札・フィールドより爬虫類族を含むモンスターを素材とする融合モンスターを融合召喚する! 手札のワーム・ウォーロードとフィールドの原始奇星体Xで融合! 端末世界を終焉に導くため、宇宙の波動より侵攻せよ! ワーム・ゼロ‐オリジン‐!! このカードはフィールドに存在する限り「ワーム・ゼロ」として扱う! そしてさらなる特殊能力! デッキより、「ワーム」モンスター1体を裏側または表側守備表示で特殊召喚する! ワーム・カルタロスを裏側守備表示でセット! カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

 

相手はワーム? 実際のターミナルワールドっぽいが、知らないカードもあったぞ?

ニビルの親戚か? 隕石みたいなモンスターからワーム・ゼロ派生モンスターが融合召喚された?? しかも、攻撃力0? 気を付けた方がよさそうだな......。ただ知らないカードを持っている以上、あいつの言う『闇の錬金術』とやらで生成したのだろう......。どう戦うんだ、南禅寺さんは......。

 

 

「私のターン! 赤しゃりの軍貫の効果発動! 手札のしゃりの軍貫を見せて、このカードを特殊召喚! その後、うにの軍艦をデッキから特殊召喚してそのカード名が記されたモンスターエクシーズを特殊召喚する! へい、お待ち! 超弩級軍貫‐うに型二番艦! うにとしゃりをオーバーレイユニットとしたうに型二番艦の効果発動!!」

 

え? うに? しゃり? え、お寿司?

なんだかよくわからないけど、なんかおいしそうで面白いデッキだな!

だが、その効果さえも読んでいたかのようにドゥンケルハイトがニヤリと笑う。

 

 

「ワーム・ゼロ‐オリジン‐の特殊能力!! 相手がフィールド上でモンスターの効果を発動したとき、自分の場の裏側表示モンスターを表側にしてその発動を無効にして裏側表示にする!」

 

「さらに、うに型二番艦の効果! 軍貫モンスターエクシーズの数だけ相手の表側表示カードを無効にする! 無効にしたので、私は1ドロー!」

 

 

「じゃあ今度は、しゃりの軍貫を召喚! そして、手札のいくらの軍貫の効果! フィールド上にしゃりがあるため、特殊召喚! 私はレベル4のしゃりといくらの軍貫でオーバーレイ! オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚! へい、お待ち! ランク4 弩級軍艦いくら一番艦!!」

 

うにの次はいくら? 攻撃力はうに二番艦が2900と2200。案外行けるんじゃないか?

彼女の猛攻は続く。

 

 

「いくら一番艦はしゃりといくらを素材にしているため、デッキから1枚ドロー! そして、このカードは2回攻撃できる。ちなみに、うに二番艦は直接攻撃できちゃう。バトルよ! 超弩級軍貫‐うに型二番艦でダイレクトアタック! さらに! いくら一番艦の効果により、「軍貫」モンスターエクシーズが戦闘ダメージを与えたため、相手のカード1枚を破壊できる! ワーム・ゼロ‐オリジンを破壊!!」

 

 

 

「なぁっ!? 私のゼロ・オリジンがあ!! だがしかぁし! 一見正解と見えるその攻撃が逆に、間違いなのだ! ワーム・ゼローオリジンの効果発動! このカードが効果により破壊された場合、全フィールドのモンスターを破壊! そして、互いのフィールド上で破壊されたモンスターの攻撃力分ダメージを互いに食らう! 私は1200だが、お前は5100! 自分のモンスターを恨むがいい!!」

 

「でも、ライフ4000で始まっているならあなたもダイレクトアタック時で減ったライフでは耐えられないわ! 勝負はドローよ!」

 

 

「それでいっ......うわーーー!!」

 

 

「キャー!!!」

 

 

互いにライフを削り、引き分けとなったデュエルの中、ドゥンケルハイトだけは煙の中姿を消していた。

 

 

 

「どこに行った!? ドゥンケルハイト!!」

 

 

 

廉次郎が叫ぶと、地面に倒れていたドゥンケルハイトがむくりと起き上がった。

 

 

「そんなに叫ばなくても、私は逃げも隠れもしませんよ。それに、私は負けていない!!」

 

 

「それは!?」

 

 

そう言うと、ドゥンケルハイトはカードをこちらに見せてきた。そのカードの中には遊矢らしき姿が映されていた。さらに言うと、ドゥンケルハイトのライフはなぜか10ポイントだけ残っていた。

 

 

「私は罠カード。光と闇の逆転を発動していた。これは、手札をすべて捨てて、敗北の未来を書き換え、ライフを10にする! そして、新たな進化へと促す!! 光と闇の逆転のさらなる効果! フィールド墓地のカードで融合召喚する!  対象は、墓地に送られたパラサイト・フュージョナーとこのカードに宿ることになる榊遊矢の魂だ! さあ、目覚めよ! ズァークの分身よ!!」

 

 

こいつはずっと何をしてるんだ! こんなのデュエルじゃねえ!

だが、彼の言葉はすぐに実現された。ドゥンケルハイトが墓地から絵のないブランクカードを取り出し、そのカードに遊矢を吸収しはじめる。 さらに、カードが光りだした。 今度はなんだ? すると、声が聞こえてきた。

 

 

「......ふぅ、やっと出られた。こんなに楽しそうなことが起きてるのに、ずっとご主人様に押さえつけられててさ、困ってたんだよね。ほんと、せんせーには感謝だよね。ああ、あと君たちもね。名前とか興味ないけど」

 

 

「もしかして、ユーリか......」

 

 

俺はあの飄々とした口ぶりを聞いたことがあった。嫌味たらしくも憎めない、あいつは間違いなくユーリだ。

 

 

「そうだよ? だって、僕が来ないと始まらないじゃないか!! さあ、これからがお楽しみのショータイムだ! レディースアンドジェントルマン! さあ、お立合い! 最後は大役者、享楽のユーリのご登場!」

 

「そうだ、いいぞ! ようやく役者は揃った! 榊遊矢の人格『ユート』『ユーゴ』そして『ユーリ』これらの覚醒が、我らが目指す先、すなわちズァークの復活に近づく!!」

 

高笑いするドゥンケルハイトは、ターミナルワールドから消えた。

ユーリは俺達に舌を出しながら、手を振りドゥンケルハイトと共に姿を消していく。

俺達は、ただ茫然と見送るしかなかった。瞬間、意識が遠くなっていくような感覚に陥った。

 

 

 




遊矢はユーリへと変わり、ドゥンケルハイト共に姿を消した。
ヴレインズのシステムエラーにより、現実世界に戻ってきた遊介たち。
遊介たちは、ドゥンケルハイトを追いかけるために再び遊園地を捜索しようとする。
だが、それを阻むものがいた。それは、赤馬零児と神代凌牙だった。

次回 遊戯王ARC-if「集まる槍」

登場するオリカの召喚口上で良いと思ったものを教えてください。

  • 幼獣ベーゼ
  • グレート・フォース
  • アルカトラズ・デストピア・デーモン
  • グレートVX
  • アーク・トライブ・マジシャン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。