俺、円谷、榊遊矢の3人で捕らわれたままの南禅寺るこを救出するため、アカデミアを後にした。
「で、当てはあんの?」
俺が二人に問いただしてみると円谷は拳を自分の手の平に合わせて
「Dホイーラー全員潰して聞き出す」
「いや、脳筋か! そんなことやってたら日が暮れちまうだろ!」
「なんだと? 情報がない今、これしか方法ないだろ! 他に方法あんのか!」
あるはずだ。何か一つの道筋が
「不動遊星! セキュリティの彼ならなにか知っているはずだ」
「あ? あんな負け犬に聞く必要ねえだろ」
「遊星さんを負け犬呼ばわりすんのか?」
言い合いをしていると遊矢が間に入る。
「まあまあ、二人とも落ち着いて! 情報がない今、遊介の言う通りチーム5D'sと戦っていたセキュリティと話をするべきだと思う」
円谷は小さく舌打ちをしてから
「はぁ、わかったよ。さっさと行こう、るこが心配だ」
とりあえず、円谷の怒りを抑えられたところで、俺たちはスケートボード型Dホイールで遊星のいるセキュリティ本部へと向かうことにした。セキュリティの使うDホイール駐輪スペースに着くと一人バイクのメンテナンスをしている人影がいた。そのひたむきにバイクに向き合う背中を俺は知っている。
「遊星さん!」
バイクのメンテナンスをしていた遊星がこちらを向くと、開口早々俺たちに謝罪した。
「みんな、すまない。期待に応えられなかった」
「知ってる、見てたしな。で、相手の居所くらいわかってんだろうな?」
円谷が喧嘩腰に聞くと
「それは心配ない。鬼柳のDホイールに発信機を付けておいた」
「お、おう。デュエルの腕はないくせにやるじゃん」
「俺にはこれしかない。デュエリストの腕がない以上こういう地味なことしかできない」
そんなこと、あなたの口から聞きたくないと思いつつ唇をかみしめた。今は、この情報を頼りに5D'sのもとに行かなくちゃ......。
「あの、その地図もらえませんか? 俺たち、彼女を助けたいんです!」
「君たちが出る必要はない......。俺一人で十分だ」
どうして、そこまでして一人で行きたいんだ? 負けたのに......。
「ふざけんな。お前が一人で行ってもまたやられるだけだろ! 仲間とか応援呼べばいいだろ」
円谷の言葉はちょっとイラっとするけどこの状況では正しいと思ってしまう。
「俺にそんな頼れる仲間はいない。それにこれは俺自身のミスだ。俺一人の問題だ」
「お前、状況わかってんのか!? てめえのせいでるこが!」
遊星の胸倉を掴む円谷に、俺は円谷の腕に手を置いた。
「お前の怒りは分かる。でも、もっとやり方ってもんがあるだろ! 遊星さんも遊星さんだ。あなたはいつもそうやって重要なときは誰にも頼らず、一人で背負おうする。もっとみんなを、今は俺たちを信じてもらえませんか?」
少しの間、静寂がこの場を包んだ。 その後、遊星は苦笑いを浮かべて
「......わかった。だが、君たちだけでは危険だ。俺も同伴させてくれ、デュエリストでもセキュリティでもなく、この街を守る一人の人間として」
「もちろんです! みんな、行こう!」
憧れていた人物とは違う次元の遊星だけど、彼と同じ時間と場所にいられるだけでうれしい。
4人で発信機を追っていくと港にある倉庫にたどり着いた。
「ここなのか?」
「発信機が正しいなら、ここでいいはずだ」
円谷が遊星の持つ発信機をたどるための機械を覗いていると、フードを被った男が目の前に現れた。
「誰だ? チーム5D'sか?」
円谷が疑問を投げかけるもフードの男はなにも答えようとしなかった。
するとフードの男はデュエルディスクを取り出してこちらを阻もうとしていた。
「なるほど、ここを通るなら勝負しろってことね。じゃあ、俺がこいつ引き付けておくから3人は南禅寺さんの元に行ってきて」
俺はデュエルディスクを装着しながら言うと遊矢が
「遊介、無茶するなよ! レンジ、遊星さん! 行こう、るこちゃんが待ってる」
「阿久津......‼」
遊矢に連れられそうになった円谷はふと、こちらに振り向いてサイドデッキからカードを投げ渡してきた。
「そのカード、お前に預ける。意味くらい、デュエリストならわかるだろう」
それを見るとヴァイロン・キューブだった。なるほど、紫眼で使えってことか......。
「使わせてもらうよ! 健闘を祈ってるよ、ナイト様」
円谷はこちらを見向きもせずに南禅寺るこのいる方へと向かった。
「先攻後攻はどうします? フードの人。ていうか、名前は?」
そういうも彼は一向に無視してカード五枚を取り出してゲームを始めだす。まじかよ、俺まだ用意してないぞ? デッキをディスクにセットして5枚を手札に......。
「俺の先攻、俺はヒーローアライブを発動。ライフを半分にしてレベル4以下の『
謎の男:LP2000
いきなりHEROデッキぶん回してきてるな......。ていうか突っ込み損ねたけど、しれっと知らない『HERO』カードあったぞ? アサルト・ヒーローなんて聞いたことないぞ?
「自分フィールド上に『HERO』モンスターが2体以上いるとき、手札のA‐HERO アイアン・メーデーは特殊召喚できる! さらに、このカードがフィールドにあり、このカード以外の『HERO』モンスターが存在するとき、融合魔法カードなしでEXデッキから『HERO』と名の付く融合モンスターを特殊召喚できる!」
「なんだって!?」
「俺は、シャドウ・ミストとアイアン・メーデーで融合! いでよ、E-HEROエクスダリオ! さらに、シャドー・ミストが墓地に送られたことにより効果発動! デッキから『HERO』モンスターを手札に加える。俺は
いきなり、モンスター2体でしかも伏せカードの1枚にはマスク・チェンジ......。先攻1ターン目でダーク・ロウ出せただろうに、完全になめられてるな。俺の手札は......。正直、良いとも悪いとも言えない。
遊介:LP4000
手札
ヴァイロン・キューブ
スター・ブライト・ドラゴン
二重召喚
シン・クリボー
シンクロ・ヒーロー
速攻のかかし
「俺は、魔法カード『
俺は3枚の装備魔法カードをリリースしてエクスダリオ、そして伏せカード2枚を手札に戻そうとした。だが、分かっていたことだけどそううまくはいかない。
「速攻魔法、マスクチェンジ。 対象にとられたエクスダリオを選択して『
現れたな闇野郎......。こいつの除外効果厄介すぎるんだよなぁ......。だけど、素の攻撃力ならこちらが上だ! 先にダーク・ロウを叩く!
「バトルだ! 紫眼の聖装竜でM‐HEROダーク・ロウに攻撃! セイント・ストリーム!!」
謎の男:LP1900
「罠カード、出幻を発動......。『HERO』が破壊されたときに発動する。デッキから『
クソ、罠か......! いや、ここはシン・クリボーの真価が発揮されるときだ!
「手札から【シン・クリボー】の効果発動! 手札のこのカードを墓地に捨てて、シンクロモンスターを対象とするモンスター効果、魔法、罠の効果を無効にする! よって、出幻の効果は無効だ!」
「やるな。だが、俺にはまだ秘策がある。とびきりの秘策がな......」
秘策ってなんなんだ? こいつ、なにを考えているんだ?
巧みに融合と「HERO」を使いこなす謎のデュエリスト......。
彼は一体何者なのか? そして、円谷たちの救出作戦はうまくいったのか?
次回遊戯王 ARC-if(エピソード7.5)「円谷と遊矢 奇跡のタッグデュエル!」
登場するオリカの召喚口上で良いと思ったものを教えてください。
-
紫眼の聖装竜
-
ミニリチュアル・グレートシャイン
-
A-HEROパニッシュメンター
-
紫眼の聖装刃竜