なんとはや。もう一回学生やることになるとはねえ。
とりあえず教師陣に底辺以下の問題ありが居ないことを望む。
キンコンカンコンとチャイムの音。90分授業が終わった合図ですなあ。
現状、授業の内容は復習に近い。大人なんだから当たり前だけど。
『それじゃあ今日はここまで、課題は来週提出なー』
『きりーつ、礼、ありがとうございましたー』
日直の号令に合わせて、教科担任に挨拶をする
なんとも懐かしい気分になるけど、これが今後日常になるんだよなあ。
因みに私がトレーナーだとは、現状知られていません。
確かルール上だと、トレーナー試験の年齢制限無かったんで、
私がトレーナーでも違反じゃありませんが。
つまりは、トレーナーが競バに出ても合法だってこと。
「とりあえず、それを引けらかして敵だけ量産することはありませんか」
こんな変人に友達なんか出来るかよと思っていたんだけど、
やっぱり変人って居るもんだね。
サトノダイヤモンドとかいうヤツ、名家の出にしてはムッチャいいヤツ。
メジロのクソッタレとは天と地の差であると言おう。
他のメジロは知らんが、マックイーンは絶対死なす。主に弟子の走りで。
「ねえ、あの子…」「うん、噂の転入生」
「サトノと仲良いんだ…」「やっぱり、強いのかな…」
まー女性ってのは噂好きでありまして。裏での情報戦を繰り広げてます。
私は口数が極めて少ない印象です。
感情のままに喋るのと、コミュニケーション能力が高いのは別でっせ。
『ふむ・・・・』
同級生のヒソヒソ話が耳に入る、それに合わせて向けられる目は様々です。
サトノダイヤモンドは中等部一年の1番最初で、
メイクデビューを果たした、言わば期待の新星なのだ。
ナルホド、道理で他と雰囲気が全然違う訳だ。
『それで、なにゆえ私も目をつけられてんでしょうかねえ?』
「選抜の模擬レースであんだけやらかしたら、無理ないと思うよ?」
サトノ、あれ見てたのか。
いやはや、リミッター解除使わせられたとかお恥ずかしい限りで。
とにかく、あれだけは禁止。制御ミスったらリアルで死ぬから。
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それでお昼になりました。昼食のお時間です。
大勢の学生で賑わうカフェテリアは、まるで戦場みたくなってます。
ただでさえ食べ盛りな中高等部ばかりなのに、
一部の学生からのおかわり地獄への対応。
オグリとか、オグリとか、オグリとか。本当に頭が下がります。
そして・・・。
『選抜レースとな?』
「うん、午後の体育の時間にやるんだって、BB2世も出るんだよね?」
『あーね。いちおー私、事実上トレーナー決まってるんですよ』
嘘ではありません。名義貸しだけど沖野Tのチームスピカ所属です。
「BB2世の走り、見てみたいんだけどダメ?」
『走るだけなら構わんでしょう。見たいひと他にもいるっぽいし』
こっちをガン見してるターボにスズカ。性格悪くないですか?
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さてさて、そんなこんなで迎えた午後の体育。
サトノの言ってた通り、選抜レースが行われる様子。
体育着に着替えた後、出走希望者が中央ターフに集められる。
芝、中距離2200、バ場は良と見る。絶好のレース日和でございます。
私は重馬場のほうが得意なんだけど。
深呼吸をする者や、ダメダメ三邪神に祈る者。
トレーナーと契約してメイクデビューを勝ち取るそうない機会だと考えれば、
皆今日の為に仕上げてきたのにも納得がいく。
言うなれば遅咲きの桜を狙う蕾達ってところかねえ。うーん場違い!!
ならば、私はトレーナーとして弟子達を咲かせるべきだろうか?
いいや、私ももう競走バなのだから、
本気でやらなければ、彼女達にも失礼になるだろう。
頼むから怨むなよ。戦いとなれば情けは無用なのだ。
『出走者は、ゲートに入ってください』
CD音源の簡易的なファンファーレと、
教員によるアナウンスと共にゲートへと入る。
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『さぁゲートが開きました、各バ一斉にスタート!』
作戦は大逃げ。ハナを取られたら色々めんどくさいことになる。
ロケットスタート成功、あとはリードを稼ぐだけだ。
うーん芝ってのは半端に柔らかくて、走りにくいんだけどなあ。
逃げの作戦のひとは・・・居た。
けどこの走り方まずくないですか?
体制悪いとスタミナ削られます。
とはいえ加速しすぎた。カーブ手前から減速しつつ後ろを警戒。
誰か迫ってくると思ったんだけど杞憂だったか。
若干ラインが膨らんだ。こりゃあターボに笑われかねんか。
カーブを抜けたら再加速。これが逃げウマの戦い方だ。
先頭まで5バ身・・・4、3、2、1、ゴール!!
『ゴール!!1着はBB2世
見事な末脚で見事に1着をもぎ取ったぁぁ!!』
いやはや。スパートかけたつもりもないんですがねえ。
先代BBから拷問レベルのシゴキを受けてましたから、年季の差ですわ。
『BB2世、大逃げ作戦で勝って見せるなんて!!』
「この程度で大逃げ?
ツインターボは私より速いです」
いやね。サトノ嬢もかなりやるんですよ?
追い込みと差し。敵に回す相手に同情するレベルで鋭いです。
こりゃあ私もウカウカしてられない。というか怖い!!
でさあ、案の定スカウトの群れが来ます。
クールダウンを終えてコースから出ると、一斉に・・・ね。
見知った同期、先輩後輩のトレーナー。
みんな、BB2世の中身が岸波立香だって知らんのでしょう。
「実は私、もうお誘い受けてまして。チームスピカの沖野Tんとこです」
『沖野Tごときじゃあ、BB2世のポテンシャルは活かせない!!』
あーもう、他人を下げる発言は減点材料ですよ?
とりあえずは全員脱落ってことで。
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さーて。学生になったら寮に入らなきゃなりません。
ということで今まで拠点としてたマンションとはおさらばです。
私物や家具は少なかったんで、まー運び入れても問題ありませんでした。
けどさあ、みんな寄ってたかって注目するのは勘弁してくれ。
寮長やってるヒシアマゾンの姐さんは中々いいヤツそう。
そして、生涯の宿敵こと、グラスワンダー!!
何も悪いことしてないのに、睨むの勘弁してください!!
あー寮って相部屋なんですけど。
相手はイクノディクタスさんって言うらしいです。