ウマ娘 CCCダービー   作:トリムマウ

15 / 56
第13走目 なんとはや。また学生とはね。

なんとはや。もう一回学生やることになるとはねえ。

とりあえず教師陣に底辺以下の問題ありが居ないことを望む。

キンコンカンコンとチャイムの音。90分授業が終わった合図ですなあ。

現状、授業の内容は復習に近い。大人なんだから当たり前だけど。

 

『それじゃあ今日はここまで、課題は来週提出なー』

 

『きりーつ、礼、ありがとうございましたー』

 

日直の号令に合わせて、教科担任に挨拶をする

なんとも懐かしい気分になるけど、これが今後日常になるんだよなあ。

因みに私がトレーナーだとは、現状知られていません。

確かルール上だと、トレーナー試験の年齢制限無かったんで、

私がトレーナーでも違反じゃありませんが。

 

つまりは、トレーナーが競バに出ても合法だってこと。

 

「とりあえず、それを引けらかして敵だけ量産することはありませんか」

 

こんな変人に友達なんか出来るかよと思っていたんだけど、

やっぱり変人って居るもんだね。

サトノダイヤモンドとかいうヤツ、名家の出にしてはムッチャいいヤツ。

メジロのクソッタレとは天と地の差であると言おう。

他のメジロは知らんが、マックイーンは絶対死なす。主に弟子の走りで。

 

「ねえ、あの子…」「うん、噂の転入生」

「サトノと仲良いんだ…」「やっぱり、強いのかな…」

 

まー女性ってのは噂好きでありまして。裏での情報戦を繰り広げてます。

私は口数が極めて少ない印象です。

感情のままに喋るのと、コミュニケーション能力が高いのは別でっせ。

 

『ふむ・・・・』

 

同級生のヒソヒソ話が耳に入る、それに合わせて向けられる目は様々です。

サトノダイヤモンドは中等部一年の1番最初で、

メイクデビューを果たした、言わば期待の新星なのだ。

ナルホド、道理で他と雰囲気が全然違う訳だ。

 

『それで、なにゆえ私も目をつけられてんでしょうかねえ?』

 

「選抜の模擬レースであんだけやらかしたら、無理ないと思うよ?」

 

サトノ、あれ見てたのか。

いやはや、リミッター解除使わせられたとかお恥ずかしい限りで。

とにかく、あれだけは禁止。制御ミスったらリアルで死ぬから。

 

******

 

それでお昼になりました。昼食のお時間です。

大勢の学生で賑わうカフェテリアは、まるで戦場みたくなってます。

ただでさえ食べ盛りな中高等部ばかりなのに、

一部の学生からのおかわり地獄への対応。

オグリとか、オグリとか、オグリとか。本当に頭が下がります。

 

そして・・・。

 

『選抜レースとな?』

 

「うん、午後の体育の時間にやるんだって、BB2世も出るんだよね?」

 

『あーね。いちおー私、事実上トレーナー決まってるんですよ』

 

嘘ではありません。名義貸しだけど沖野Tのチームスピカ所属です。

 

「BB2世の走り、見てみたいんだけどダメ?」

 

『走るだけなら構わんでしょう。見たいひと他にもいるっぽいし』

 

こっちをガン見してるターボにスズカ。性格悪くないですか?

 

******

 

さてさて、そんなこんなで迎えた午後の体育。

サトノの言ってた通り、選抜レースが行われる様子。

 

体育着に着替えた後、出走希望者が中央ターフに集められる。

芝、中距離2200、バ場は良と見る。絶好のレース日和でございます。

私は重馬場のほうが得意なんだけど。

 

深呼吸をする者や、ダメダメ三邪神に祈る者。

トレーナーと契約してメイクデビューを勝ち取るそうない機会だと考えれば、

皆今日の為に仕上げてきたのにも納得がいく。

言うなれば遅咲きの桜を狙う蕾達ってところかねえ。うーん場違い!!

 

ならば、私はトレーナーとして弟子達を咲かせるべきだろうか?

いいや、私ももう競走バなのだから、

本気でやらなければ、彼女達にも失礼になるだろう。

頼むから怨むなよ。戦いとなれば情けは無用なのだ。

 

『出走者は、ゲートに入ってください』

 

CD音源の簡易的なファンファーレと、

教員によるアナウンスと共にゲートへと入る。

 

******

 

『さぁゲートが開きました、各バ一斉にスタート!』

 

作戦は大逃げ。ハナを取られたら色々めんどくさいことになる。

ロケットスタート成功、あとはリードを稼ぐだけだ。

うーん芝ってのは半端に柔らかくて、走りにくいんだけどなあ。

 

逃げの作戦のひとは・・・居た。

けどこの走り方まずくないですか?

体制悪いとスタミナ削られます。

 

とはいえ加速しすぎた。カーブ手前から減速しつつ後ろを警戒。

誰か迫ってくると思ったんだけど杞憂だったか。

若干ラインが膨らんだ。こりゃあターボに笑われかねんか。

カーブを抜けたら再加速。これが逃げウマの戦い方だ。

 

先頭まで5バ身・・・4、3、2、1、ゴール!!

 

『ゴール!!1着はBB2世

 見事な末脚で見事に1着をもぎ取ったぁぁ!!』

 

いやはや。スパートかけたつもりもないんですがねえ。

先代BBから拷問レベルのシゴキを受けてましたから、年季の差ですわ。

 

『BB2世、大逃げ作戦で勝って見せるなんて!!』

 

「この程度で大逃げ?

 ツインターボは私より速いです」

 

いやね。サトノ嬢もかなりやるんですよ?

追い込みと差し。敵に回す相手に同情するレベルで鋭いです。

こりゃあ私もウカウカしてられない。というか怖い!!

 

でさあ、案の定スカウトの群れが来ます。

クールダウンを終えてコースから出ると、一斉に・・・ね。

見知った同期、先輩後輩のトレーナー。

みんな、BB2世の中身が岸波立香だって知らんのでしょう。

 

「実は私、もうお誘い受けてまして。チームスピカの沖野Tんとこです」

 

『沖野Tごときじゃあ、BB2世のポテンシャルは活かせない!!』

 

あーもう、他人を下げる発言は減点材料ですよ?

とりあえずは全員脱落ってことで。

 

******

 

さーて。学生になったら寮に入らなきゃなりません。

ということで今まで拠点としてたマンションとはおさらばです。

私物や家具は少なかったんで、まー運び入れても問題ありませんでした。

 

けどさあ、みんな寄ってたかって注目するのは勘弁してくれ。

寮長やってるヒシアマゾンの姐さんは中々いいヤツそう。

そして、生涯の宿敵こと、グラスワンダー!!

何も悪いことしてないのに、睨むの勘弁してください!!

 

あー寮って相部屋なんですけど。

相手はイクノディクタスさんって言うらしいです。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。