とある中庭
「私たち友達になろうよ!」
「でも私はつまらない子よ、お友達になっても面白くないと思うわ」
と、とある少女が言ったが、
「ううん、絶対楽しいよ!だって私たち正反対だから」
と言って似た顔を持つ少女にそう言われていた。
「そうでしょ、マリア?」
「ええ、そうですね」
と言ってそんな様子を微笑ましく見ている女性がいた。
ーー十九世紀末アルビオン王国王立航空軍
ーー通称、空中艦隊の登場は世界の勢力図を一変させた。
ーーケイバーライトを独占する王国はローマ帝国以来の覇権国家となった。
ーーしかし革命によりアルビオン王国は東西に分裂、以後十年。ロンドンは各国のスパイが暗躍する影の戦場最前線となった。
「チェンジリング作戦……本当に可能なのか?敵国のプリンセスとこちらのスパイを入れ替わらせるなど……」
と言ってとある部屋では四人の男女が座っていた。
「防衛委員会の承認は下りています、本作戦の合理性が認められた証左かと」
「ふん、くだらんな。それより、申請した新型艦の建造計画書の行方はどうなっている!」
「現在追跡中です」
軍服を着た男に隣に座っていた女性が答えた。
「王室内にモグラがいれば情報収集は容易になります、そのためのチェンジリング作戦です」
と言って机の奥に座っている初老の男性がそう言った。
ロンドン郊外の丘に佇んでいる大きな水晶宮の屋根のようなものがついた建物。通称クイーンズ・メイフェア校の一室でとある生徒の紹介がされていた。
「編入生を紹介します、インコグニアから来たアンジェ・レ・カレです。彼女は平民の出ながら抜群の成績を認められて、このクイーンズ・メイフェア校に編入を許された特待生です、皆も見習うように」
と言っている間もアンジェと呼ばれた生徒はおどおどとした様子で周りを見ていた。
「ア、アンジェです、よろしくお願いします!」
と言って勢いよくお辞儀をした影響でつけていたメガネが飛んで行った、そんな様子を1人の生徒が椅子に座って見ていた。
紹介が終わり椅子に座っていた生徒が屋上に着くと、
「ここよドロシー」
と言って
「相変わらず便利な道具ねCボール」
「それにしても、あんなカバーで来るとは思わなかったよ、ドジっ子なんて」
と言うとアンジェは先ほどとは打って変わりキリッとした顔で
「侮られていた方が色々とやりやすい、けど驚いたわ」
と言って壁を降りながら、
「先に潜入していたとは聞いたけどまさか……」
と言って壁を降り終えると。
「
「なっ!仕方ないだろ!命令なんだよ!」
と言ってドロシーは顔を真っ赤に染めて言った
「それにちゃんと高校生にちゃんと見えるだろ?」
と言ってスカートのはじを持った。
「優しいクラスみたいね」
「同情されてるみたいに言うな!!」
と少しドロシーが怒った様子を浮かべているとアンジェが何かに気づいた。
「どうしたアンジェ?」
「誰か来るわ」
と言っていると三人の生徒が屋上に次のお茶会について話しながら上がってきた、そしてドアを開けるとそこにはタバコを咥えて座っているドロシーがいた。
「ん?使用中」
と言って睨む。
「し、失礼しましたー!」
と言って勢いよくドアを閉めた。
「……ゲホッゲホッ!」
「無理するから」
「うるさい!」
と言って無理やりタバコを吸っていたドロシーにアンジェは凛とした顔で言った。
「あれがプリンセスだ、校内とは言え彼女には常に衛兵がついている」
「政治的バックを持たない空気姫と聞いたけど……」
「それでもプリンセスはプリンセスだ、学業・容姿・性格全てにおいて優秀女王陛下のお気に入りでもある」
と言ってプリンセスの詳しい報告を聞いた。
「プリンセスと一緒にいる二人は?」
「まずは同じ制服を着ているのはベアトリス、もう一人はマリア・シルバー」
と聞いてプリンセスの近くにいる二人の名前を聞いた。
「まずベアトリスは下級貴族の娘でメアリー・シルバーはプリンセスの執事兼医者だ、プリンセスも彼女達とは必要以上に親しくなろうとはしない」
「完全な拒否より厄介ね」
と言ってアンジェはプリンセスの周りの感想を述べた。
「どう攻略する?」
とドロシーが聞く。
「そうね、奇襲作戦で」
と言って書いていた紙を見せたそこには『外務卿は今夜舞踏会へ』と書かれていた。
夜になって外務卿主催のパーティーの会場に二人はいた
「外務卿主催だけあって西側からの客も来ているな……んで?このパーティーに乗り込んでどんな奇襲を?」
と聞くと……。
「これからハプニングが起こる」
「起こす気か?」
というとアンジェは離れて行く。
「おい!」
とドロシーが言う。
「私たちは何?」
「スパイ……嘘をつく生き物だ」
と言ってプリンセスに近づこうとした時、近くを通った給士の男性がドロシーに紙を渡した
「……っ!待って、アンジェ!緊急指令だ」
と言ってドロシーが紙を見せた。