昔々、とある場所に多くの魔女が住む魔女の村がありました。
魔女の村には多くの魔女が住んでおり、毎日魔法の研究をしていました。
そんな魔女の村に住む一人の女の子がいました。
女の子の家には昔から食べてはいけないと言う林檎の木がありました。
女の子はお母さんの言う通りに約束を守っていました。
しかしある日、どうしてもお腹の空いてしまった女の子はお母さんの言いつけを破ってしまいました。
その林檎は呪われた林檎で、それを食べてしまった女の子は村から追い出されてしまいました。
行く当ても無い女の子は村を出て旅に出ました。
「ーーーーそれで、仕方なく女の子は世界を見に行きました……」
プリンセスは開いていた本を閉じるとそこにベアトリスがやって来る。
「あれ?その本は……」
「ベアトも知っているの?」
プリンセスが聞くとベアトリスは頷いた。
「はい、昔家に同じ本がありましたから」
そう言うとプリンセスは懐かしむように言う。
「私も、昔マリアによく聞かせてもらったわ。『約束を守れない子はこうなってしまう』ってね」
「そうなのですか……」
そんなベアトリスの手にはドレスがあった。今日はケイバーライト採掘場の式典に参加するためにプリンセスやアンジェ達は準備を進めていた。
目的は王国製Cボールの奪取。
すでにケイバーライトの小型化に成功した共和国としてはこれ以上脅威はない。
現在、空中艦隊を多数保有する王国は世界屈指のケイバーライト産出国でもあった。
ケイバーライトはヨーロッパの各地域でも採掘が行われているが、アルビオンほどの量は産出していない。
飛行戦艦はヨーロッパ各国でも建造は行われているが、アルビオンの比では無い。
革命の時に共和国も王国の多くの工廠や飛行戦艦を奪取していたが、王国は出血した戦力のそれ以上の輸血で補ってしまった。むしろ今では革命前よりも戦艦の保有数は増えていた。
「今日はマリアさんとは式典で合流する予定です」
「ええ、分かったわ」
マリアは昨日の夜から付きっきりで女王陛下の容態を見に行っている。だから今ここには居なかった。ベアトリスはこの後の予定を確認するとプリンセスは頷き、ドレスを見に纏い始めていた。
同時刻 バッキンガム宮殿
そこではマリアが女王陛下の寝室で聴診器をしまっていた。
「調子はどうかしら?」
「比較的良好です。陛下」
そう言うとマリアはいつも通り陛下に服用させる錠剤を渡そうとした。宮廷医務局の副局長も務めているマリアは片手では収まらないほどの役職を持っていた。それもこれも女王陛下が勧めた医療改革の時、共に同じ思想を持った同士だったからだ。
その為、革命前から女王陛下の主治医を務めることとなった。そして、信頼できる者だからこそ女王陛下のお気に入りであるシャーロット殿下の幼少期からの世話係としてマリアを任命した。
そんな女王陛下は真剣な眼差しでマリアに聞く。
「マリア。私の命は後どのくらいなのかしら……?」
そう問われ、少し間を置いたマリアは答える。
「……私が見た所……あと一年か二年ほどでしょうね」
「そう……」
そう言うとベットで横になった陛下は窓を見ながら言う。
「私も長く生きた……そうは思わないかしら?」
「はい、陛下は女王としての役割を十分果たされているものかと……」
「あなたにそう言われると……誇らしく思えるわ……」
そう言うと女王陛下はマリアに言う。
「
「……聞きましょう。女王陛下」
そう言うとマリアは昔からの旧友の願い事を聞いた。
陛下の診察を終え、寝室を出るマリア。これから式典に参加される陛下の為に外では多くの侍女が彼女が出て来るのを待っていた。すると彼女に声をかける一人がいた。
「マリア主治医」
「あら。ノルマンディー公、ご機嫌麗しゅう」
そこには内務省保安隊公安部を率い、諜報・公安・警察関係に強い影響力を持つノルマンディー公爵がマリアを呼び止めていた。するとノルマンディー公が言う。
「マリア主治医。今から私の執務室に来てほしい」
「……畏まりました」
マリアはそう言うとそのまま内務省の執務室に入った。執務室に入るや否やノルマンディー公は単刀直入に聞いた。
「マリア主治医。陛下の容態はどうなのだ?」
「…正直に申し上げますと陛下のお身体は徐々に衰弱し、残された時間は多くありません……」
「そうか……」
結果を言うとノルマンディー公は神妙な面構えで宮殿を見た。女王陛下の実弟であるノルマンディー公、姉の心配をするのも当たり前だ。
特にマリアと陛下の関係はよく知っている。だからこそ、ノルマンディー公も最低限の信頼を私に置いていた。
「マリア主治医。あなたの腕で治すことは……」
「陛下の体は衰弱しております。手術をしたところで治る問題ではありません」
つまり老衰と言うことになる。ノルマンディー公はマリアから告げられた結果を受け取るとマリアはそのまま執務室を後にした。その目はショックを受けているようでもあった。
「ふぅ…終わったわね……」
内務省からの帰り道。車に乗り込んだ私はそのまま式典の行われるケイバーライト採掘場に向かう。厳重警戒地区となっている採掘場だが、赤十字に加え、女王陛下の主治医であるマリアはすんなりと通してもらった。
「さて、子供達も到着しているかな?」
救護車から白衣と医療カバンを取り出したマリアはそのまま式典会場へと足を運んでいた。