「貴方がスパイなんて驚いたわ」
「他に壁を越える方法がなかった」
と言って懐かしんでいると……。
「とにかく、コントロールは欺けた。一緒に逃げよう!カサブランカに白い家を……」
と言って逃げようとした時シャーロットが止めた。
「駄目!言ったでしょ、貴方の力で女王にしてほしいの」
「まさかあの時の約束?」
「壁がなくなれば私たち一緒に暮らせるでしょ?」
「そ、そうだけど。でも」
「わかってる難しいことは……」
「わかってない!!」
と言って続きを言おうとした時、今度はアンジェが止めた。
「モーガン委員が搬送中に殺された」
「っ!?……どうして!?」
と言って理由を聞くと……。
「情報流出を恐れた上層部が口を封じた……私たちのいる世界はそう言うとこなの」
と言って残酷さを言うも……。
「それでも……私は女王になって隔てている壁を無くしたい」
と言って過去の思い出を思い出すとアンジェは…、
「いいよ……やろう」
「アンジェ!?」
と言ってプリンセスが顔を上げると、
「私が騙してあげる……貴方も世界も……そして、私自身も……」
と言ってシャーロットとの再会を喜んでいると、後ろから……。
「あの、なぜ私が呼ばれたのでしょうか」
と言って二人が後ろを向くと其処にはマリアがいた。
「あ、マリア。ごめんなさいね、いきなり呼び出して」
「いえいえ、大丈夫えありますアンジェ殿。そして……お帰りなさいませシャーロット殿下」
と言ってアンジェに頭を下げる。
「ええ、久しぶりねマリア……」
「貴方様の命令通り、今までずっとアンジェ殿をお守りしてまいりました」
と言って頭を下げながら言うと…。
「ええ、今までありがとう。マリア」
「……お戻りにはならないのですか?」
と聞くとアンジェは少し言葉に詰まったものの答えを出した。
「いえ。もうプリンセスは彼女よ、だから貴方は彼女の護衛をしなさい」
「……かしこまりました」
と言って三人は解散をした。
その頃コントロールでは。
「モーガン委員の遺体が消えた?」
「はい、報告によるとモーガン委員の遺体が突如遺体安置所から消えたのことです」
「……まさか願いの女神か?」
「その可能性が高いかと……」
「全く、いつも綺麗な盗み方だねぇ〜。痕跡も残らないなんて」
「全く、噂話も甚だしい。大体そんな誰かもわからない、正体もわからない、そんな奴に構ってられるわけがない」
と軍服の男が言うと女性が言う。
「ですが、アルビオン王国内で死亡したはずの人間が郊外で生活をしていると言う報告もあります。注意する必要があります」
「何!?」
すると指揮官と思わしき男が口を開いた。
「そうです、願いの女神と呼ばれる存在は死んだ人間を蘇生すると言う謎の医師だそうです。もし、願いの女神が死亡したスパイの情報を持っていたとしたら、今までに願いの女神は大量の情報を持っていると言うことになります。もし、願いの女神に接触できればアルビオン王国だけでなく他国の情報も知ることができます。なので我々は密かに願いの女神の調査チームを作ってきましたが、一向に目立った情報が掴めないのです」
と言ってタバコを吸うと一言、
「まるでこのタバコの煙のような存在です……」
と言って上を向いた。
「……はっ!」
と言ってモーガンは目が覚めるとどこかの部屋の中にいた。
「此処は……」
と言って周りを見回すと其処には見たこともないくらい綺麗な部屋だった。すると部屋にあった扉が開き、そこから一人の人物が入ってきた
「ああ、目を覚ましたのね。それじゃあもう大丈夫ね」
「あ、あの……貴方は?」
入ってきた人物は仮面をかぶっており顔は分からなかったが声からして女性だと推測すると、女性は名乗り上げず今までのことを話し始めた。
「モーガンさん、貴方はノルマンディー公に撃たれた後、共和国によって口封じをされました」
「口封じ!?じゃあ、私は死んでいるのか!?」
と言って驚くと、その人物は淡々と答える。
「ええ、貴方は一度死亡しています。ただ私が蘇生をしたんですよ……さてモーガンさん。貴方の望む事は何ですか?」
「望む事……」
そう言うとモーガンは話し始めた。なぜかこの目の前の人物を相手に隠し通せなかった。
「妻と…最期の時を過ごしたい……」
それを聞くとその女性は納得した表情で、
「……わかりました、貴方ならそう言うと思っていました。いいでしょう、モーガンさんの願いを叶えてあげます」
と言うとその女性は続きを話し始めた。
「取り敢えず貴方には一時的に変装をと目隠しをしてもらい、私の用意した家に住んでもらいます。その後に奥様をお連れいたしますのであとは自由に過ごしてください」
「そう、そうですか」
と言って俄には信じ難いがなぜか信用できてしまう言葉に私はただ頷くだけだった。
「ふふっ、それでは今から移動をします。着替えたら呼んでください」
と言って部屋を出ていくのを確認すると私は用意してあった服に着替え、呼ぶといきなり目隠しをされその女性に手を引っ張られて車らしきもの乗り込むとそのまま車はどこかに向かって進み出した
車が走り出してしばらく経った時、不安になった私は思わず聞いてしまう。
「いったい私はどこに連れて行かれるのだ?」
しかし、その人物は答える。
「大丈夫ですよ、もうすぐで着きますから」
と言って車が止まり私を下ろすと目隠しを外され、目の前の景色に驚いた
「此処は……ウェストカントリー!?如何して此処に」
と言って仮面の女性に聞くと……。
「それは簡単ですよ、貴方の好きな場所でしょうから。此処を選びました」
と言って仮面の女性が私を家に連れて行くと……
「ではこの家で奥様をお待ちください。明日、連れてまいります」
「そうですか……有難うございます」
と言ってお礼を言うと女性が。
「ああ、そうそう。これから貴方はクリスチャン・ローズという偽名で過ごしてくださいね。その家も貴方名義のものです。では……」
と言って女性は山を降りていくと次の日に本当に妻を連れてきてくれたのだ。どう言うことかと疑問に思うのも束の間。妻は私を見て目に涙を浮かべていたことから聞くことができなかった。
「本当にありがとうございました。これで私は満足です」
と言うと女性は。
「そうですか、それでは私は此処でお別れとなります。それではお幸せに……」
と言ってさろうとした時、私は思わず
「あの、すまんが君に名前は?」
と名前を聞くと女性は、
「私は…願いの女神と市井では呼ばれているものです。それでは……」
と言って彼女はそのまま去っていった。
「願いの女神……」
と言って私は驚いてしまった。まさか本当に実在するとは思ってもいなかったのだ。ただ私はそれよりも今、妻と一緒に過ごせることの幸せを感じながら余生を送ろうと考えていた。