メイフェア校の空き部屋ではアンジェ、ドロシー、プリンセス、ベアトリスの四人が集まっていた。このメンバーの集まりは部活動ということになって居た。
「それで?こんな部屋に姫様を連れ込んであなた達は何を考えているのですか?」
そう言ってベアトリスは警戒心を隠そうとしない声で、ベアトリスがアンジェとドロシーに言った。
「コントロールから指令が届いた」
「司令は、空中戦艦グロスターから共和国紙幣の原盤を回収する事」
「どうして、王国の空中戦艦に共和国紙幣の原盤が?」
「盗まれたんだよ。王国の植民地で大量に印刷して、共和国ポンドの信用を落とすつもりだ」
そう言うと、アンジェが口を開く。
「そこでプリンセスの出番。空中戦艦に乗り込んで、私達が潜入する隙を作ってもらう」
「初任務、と言う事ですね」
やる気を見せているプリンセスにベアトリスが言語道断とでも言う様な剣幕で、
「ダメです!!そんな事!!」
「ベアト、良いのよ」
そう言ってプリンセスはベアトリスの肩に手を置いた。
「それと、お二人にもう一人紹介しても良いかしら?」
「もう一人?」
「誰をだ?私たちは部活動じゃないんだ。そんな簡単に仲間を増やすのは……」
「ドロシーさん。あのパーティーの時、手伝ってくれた人がいたでしょう?」
そう言うと二人はハッとした顔をした。
「良いわよ、入って頂戴」
そう言うと部屋からある女性が入ったそう言ってドロシーは警戒をした。その女性は白衣を着ており、薔薇の刺繍の入った医療鞄を持っていた。
「皆様お久しぶりです」
「お前は……」
「私の執事よ。そもそも彼女が私に知らせてくれたのよ。二人をスパイと見破った眼力。メンバーとして、戦力としては問題ないと思うのだけれど」
そう言うと、ドロシーはその女性を見てこいつが見つけたのかと警戒し、アンジェは罪を被ったのかとやや驚きながらも内心感謝していた。
そうしてアンジェにメアリーを加えた五人は空中戦艦が停泊している基地へと移動した。
結論から言うと、作戦は首尾良く運んだ。
まずプリンセスが表敬訪問という形で戦艦を訪れ、乗員の注意を引き。その隙に潜入したドロシーは工作を行い、アンジェがサポートを行なった。唯一の誤算はアンジェにベアトリスがついてしまった事であった。
「まぁ、想定外であるが上手くやるだろ」
そう言ってドロシーはどこか腑抜けた表情であった。
「ではプリンセス。私はこれから女王陛下の診察に向かいます」
「ええ、お婆さまによろしくとお伝え下さい」
「はい、では行ってまいります」
そう言うとマリアは自分の車に乗って基地を去って行った。
基地を去ったマリアはヘッドホンを頭につけながら車を走らせていた。
『私はここで死んでもただのスパイ。でも貴方が捕まったらプリンセスが疑われる。そんな事絶対ににゆるされない!!だから貴方だけでも逃げて。逃げなさい!!』
そう言ったがベアトリスの首の機械を使ってこの危機を逃れていた。
「ふふっ、これは面白いことになりそうね」
そう言って車に取り付けられた機械のつまみを回しながら笑みを浮かべていた。
「さて、私はこれから仕事だわ。
そう言うとマリアは腕を伸ばすとさらに車を走らせた。
バッキンガム宮殿に到着したマリアは兵士に顔パスを受けると中に入って行った。。
コンコン
「失礼します女王陛下」
「ええ、どうぞ。入って頂戴」
そう言ってマリアは女王陛下の私室に入ると早速、健康診断を始めた。すると女王陛下は懐かしむように呟いた。
「そういえばこう言った光景が懐かしいわね」
「?それはどう言った事でしょうか?」
「ほら、前にもあったでしょう。私が
「そういえばそんな事もありましたわね。女王陛下」
そう言うと女王は少し口角を上げて言う。
「女王陛下なんて堅苦しいわ。昔みたいにアドリナと言ってくれないかしら」
「ふふっ、ではアドリナ。今の容体はだいぶ安定しているわ。これを一日に一回飲んでね」
「ありがとうマリア。……またあのお話。話して貰っていいかしら?」
そう言うとマリアは小さく笑みを浮かべると女王陛下の部屋にあった椅子に座るとまるで子供に聞かせる様な口調で語り始めた。