【完結】劇場版 ヴァールハイト・プリキュア もう一つの未来!?王〈レクス〉と青翼の花嫁〈コルーリ〉!   作:32期

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今回は、黒コートの男”レクス”との戦闘とその正体、2026年と言う未来がどんな場所なのかを知るお話になっております。今回の話で登場する人物は本編〈ヴァールハイト・プリキュア〉のプロローグに登場した人物なので、そちらを読んでからお読みになった方がより楽しめると思います!では、お楽しみください!

本日11/20と11/21、11/23はキュアイーグレットとキュアウインディの”美翔 舞”ちゃん、キュアパパイヤの”一ノ瀬みのり”ちゃん、キュアセレーネの”香久矢まどか”さんのお誕生日です!三人共、お誕生日おめでとう!


えりか「駆~!種~!!あんな奴さっさとヤっちゃいな~!!!!!」

何よ、うっさいわね~!ちょっと静かにしなさいよ~~~!!!

えりか「ああっ!?なんだと~!!!」

つぼみ「えりか、映画館は静かにですよ~!」

シプレ「あっちの子も騒いでるですぅ」

コフレ「でも、えりかの方がうるさいですっ!」

ポプリ「どっちもどっちでしゅ」

いつき「まあまあ……ほら、始まるみたいだよ」

ゆり「レクス……一体、誰なのかしらね」


チャプター2:VSレクス 明かされた素顔!

2026年 多田織墓地 墓所

 

side:駆

 

駆「どう言う事だ?レクスって……ネツゾーンの王の事じゃないのか?Aqライト完全覚醒者ってどう言う意味だ!」

 

レクス「あれ、知らないのか?……ああ、そうか!お前はカイザーンから聞いてないもんね……聞けるタイミングが”無くなった”んだから」

 

 黒コートの男”レクス”の口から告げられた奴の実体。カイザーンが僕に”成れ”と言っていた……【RX《レクス》】と言う存在。カイザーンと同質の存在、ネツゾーンの王を示すものだと思っていたが……どうやらそれだけではないようだ。Aqライト完全覚醒者……なるほど、それならAqライトを100%コントロール出来るカイザーンと”同質の存在”だ。そして……アカシック王国で出会った時に、こいつからAqライトを感じたのも頷ける。何か引っかかる言い回しがあるが……今は気にしていられない!

 

種「カイザーン公認って言ってたけど……それじゃあ、あなたはネツゾーンの……カイザーンの仲間なの?」

 

レクス「いや、違う。あいつの唯一無二の光であるプリキュアさん達の存在を捏造するなんて冒涜には……反吐が出る。あんな屑以下の塵芥と一緒にされるのは心外だ。それに……"お前達が戦ったカイザーン"は俺の存在を知らないからね」

 

コルーリ「私達が戦った?」

 

駆「なら、どうして僕らを未来に引き込んだ!わざわざ、カイザーンの力に割り込んで……何が目的だ!」

 

レクス「へえ……やはり分かるんだな。ふむ、目的はまた後で話すよ。その代わりと言ってはなんだが、この2026年がどういう所かを……教えてあげよう」

 

 レクスは目の前の墓標から少し下がると、そこを指さす。僕にそこを見ろと言うのか?僕はその場所に引き込まれるように……"よく知る墓標"へと近付いていく。

 

レクス「この時代に来てから人を見たか?」

 

 どうして……”その”墓標を指さす?

 

レクス「この時代に来てから……自分の家には帰ってみただろ。どうなってた?」

 

 何で……!

 

レクス「お父さんとお母さんには会えたか?」

 

 どうして……!

 

レクス「会いたいのなら……”そこ”にいるよ」

 

 ”種の墓標”を……指さすんだ!

 

レクス「この墓標さ……もう”種だけ”のじゃないんだ。ほら、そっちにある墓誌を確認してみろ」

 

駆「時生……種……時生……歩夢!?時生 果実!?平成三十一年五月五日寂って……そ、そんな!」

 

 横にある墓誌に刻まれた名前……そこには種の名前の他に”お父さん”と”お母さん”の名前が刻まれていた。種の名前が刻まれているのは……僕のいた2019年でもそうだった。しかし、なんで……お父さんたちの名前がここに刻まれているんだ!?

 

種「タネの他に……お父さん達の名前がある!」

 

レクス「それだけじゃないよ。この列の一番奥にある墓標も見てごらん……コルーリ」

 

コルーリ「は、はい……チチュンッ!?こ、これって……!」

 

駆「種っ!」

 

種「おっけー!」

 

 レクスが動かないように見張る僕の代わりに種をコルーリの元へ向かわせる。コルーリの背後まで飛んでいって墓標を確認するが、種も驚きの表情を浮かべ……そこに刻まれた名前を告げる。

 

種「お兄ちゃん、このお墓……”麻琴家”って書いてある!」

 

駆「”麻琴”って……旭さん!?」

 

レクス「そうだ……そっちに並んだ墓標にはなんて書いてある?見てくると良い……大丈夫だ、俺は動かない」

 

駆「くっ!……ッ!?”水部家”と”猿分家”って!」

 

 レクスが指さす並んだ墓標に近付き、そこに刻まれた文字を目にした僕の頭に……この旅が始まる前の学校生活の記憶が蘇る。

 

和美『駆く~ん!』

 

詩文『駆~!』

 

 その中でも僕に避けられながらも関わって来た数少ない二人の友人と言える存在……”水部 和美”と”猿分 詩文”。同姓の墓標かもと言う可能性を信じて墓誌を確認するが、そこには二人の名が刻まれていた。

 

駆「こ、こんな……!レクス、何なんだ!何なんだ、これは!?」

 

レクス「動揺しすぎて視野が狭くなってるぞ。もっと周りを見てみるんだ……”墓標の数”、異様に多くないか?」

 

駆「ッ!!……そう言えば、この墓地って……こんなに墓標……なかったはず」

 

 頭の中で覚えている墓地の全体と今の墓地を比べてみる。確かに……墓標の数が多すぎる。僕が最後にお参りした2019年の1月1日の時点と比べると……墓標の数が全体の3倍程に増えているのだ。それを言葉に漏らす僕を見ながら……レクスは言葉を続ける。

 

レクス「ここに眠る人々はまだ救われている方さ……まだ”埋葬してくれる”人々がいたんだからさ」

 

コルーリ「待って下さい!埋葬してくれる人々が……”まだいた”ってどう言う事ですか?」

 

レクス「見せてあげるよ、お前たちに……この時代の姿を……はあっ!!!」

 

 レクスが空中にAqライトを放つと、無数の穴が出現する。穴を覗けば……向こう側の景色が見える。向こう側の景色に見えるものは……”砂漠だけの大陸”、”風化して壊れていく建造物”。恐らく穴の向こうはこの時代にある世界各国の姿だ……しかし、その中でも何より目を引くのは……”墓”だ。墓地を埋め尽くす無数の墓標、どことも分からない地面に建てられた”十字架”、”木の棒”、”スコップ”や”詰まれた石”など……ありとあらゆるもので墓が作られている。そして、それに比例する様に……”人間がいない”。頭の中で嫌な想像が膨らんでいき、体熱が急激に下がっていく感覚が襲ってくる。

 

レクス「トキオ カケル……お前の考えている通りだよ。この時代に……”人類は殆ど存在しない”。生きてる人間は、もう”俺”しかいないんだ。犬や猫、魚類、鳥類……繁殖力の高いネズミやゴキブリとかの生き物も見ないし……植物も種子を残せずに殆どが絶滅した。この俺がいる”多田織市”がまだかろうじて自然と町の外観を残せてるんだ。一歩町を出れば、そこは砂漠の中……無数の名前も分からぬ人の墓標と、朽ち果てるだけの世界が広がってる。この時代はな……無数の”死”が満ち溢れている場所なんだよ」

 

種「無数の……”死”?」

 

レクス「気付かなかっただろう?お前たちが通って来た道にも……ほら、詰まれた石。お前が見つけた一軒家の荒れた庭にも……ほら、三人分の名もない墓がある。お前は……無数の死の中を歩いてたんだよ、トキオ カケル」

 

 レクスの穴の向こうに僕らの通ってきた道が映される。確かに……そこにはレクスの言う”死”がある。僕らが歩いていた道に?一軒家の庭に?世界中に?それだけじゃない……お父さんとお母さんも、旭さんも、水部さんも、詩文も……?

 

レクス「もう……皆はいないんだよ」

 

・・・・・・”死”

 

駆「ッ!!!うぅっ!!!!!」

 

種「お兄ちゃんっ!!!!!お兄ちゃん、しっかりして!!!!!」

 

コルーリ「カケル、気を確かに!」

 

 入院している時に感じていた身体に纏わりついてくる死の恐怖を思い出し、急激な吐き気が襲ってくる。それを心配して種とコルーリが寄り添ってくれたため、なんとか堪える事が出来た。しかし、情けなく地面に膝を付く僕の事を、レクスはフードの向こう側から……まるで”軽蔑”するように見下していた。

 

レクス「立てよ……誰かに支えてもらうんじゃなくて、自分の力でな」

 

駆「ぐっ!はぁ……はぁ……」

 

種「お兄ちゃん、大丈夫?」

 

駆「大丈夫だよ。……レクス、話してもらうぞ!この時代で……何が起こったのか!お前の知ってる事を全て!!!」

 

レクス「はぁ……知りたいなら教えてあげるよ。そうだな……一つ条件を付けよう。条件は……俺を倒す事だ」

 

 立ち上がり、レクスに向かってこの時代の事を詳しく話す様に言うと、奴は僕らに話すための条件を付けてくる。その条件とは……レクスを倒す事だと言う。

 

レクス「俺を倒せたら、この時代で何が起きたのか、誰がこんな事をしたのか、俺の目的……等など、全部話してあげよう。どうする……トキオ カケル?まあ、やらないなら……」

 

シュンッ!!!!!

 

駆・種・コルーリ「「「ッ!?」」」

 

レクス「トキオ カケル、お前が……消えるだけだ」

 

 一瞬で僕らの後ろに回り込んだレクス。僕らはそれに驚いてすぐに距離を離す。感じる……奴の言葉の圧で分かる。こいつは……全力で僕を消そうとする!逃げることは出来ない!

 

駆「コルーリ、隠れて!種、逃げることは出来ない!……いくよっ!!」

 

種「了解!」

 

QaフォーンS……オープン!

 

カシャッ!

 

QaフォーンS……ディバイド”X/Seed”:〈Twins〉

 

種・駆『『プリキュアプリケーション!インストール!!!』』〈タップ〉

 

 コルーリに隠れる様に促した後、僕と種は二台に戻したQaフォーンで変身を開始する。僕達を包むQaライトの光が晴れ、戦士である”プリキュア”の姿に変わる。

 

エクス「重なる思いで、駆けろ未来!キュアエクス!」

 

シード「小さな種は、輝く未来!キュアシード!」

 

エクス「偽りの闇に消えた光を!」

 

シード「正しき歴史へ紡ぐ使者!」

 

エクス・シード「「ヴァールハイト・プリキュア!!!」」

 

レクス「……さあ、来い」

 

 静かに圧を込めた言葉を僕らに発するレクス。それを聞いた僕らは……レクスへと向かう。まだ分からぬこの未来の世界について……それを知るための戦いが幕を開けた。

 

 

side:キュアエクス

 

エクス(シード、正面から攻撃して!その隙をついて僕が奇襲を仕掛ける!)

 

シード(了解!)「だりゃーーーっ!!!プリキュア・ストライクシード!」

 

ドゴンッ!!!!!

 

レクス「・・・・・・懐かしいな、この技も」ボソッ

 

シード「えっ?きゃあっ!?」

 

 僕はリンクを使って作戦をシードに伝えると、それに従って正面から浄化技を仕掛ける。正面からぶつかった浄化技の威力を知らせる衝撃と音が伝わる……が、レクスは動じなかった。浄化技を受けたコートに傷はなく、レクスもダメージを受けていなかったのだ。すると、レクスは小さく何かを呟くと、シードの胸元を掴み宙吊りにする。

 

シード「離して!この!!この~~~!!!ん~~~~~っ!!!!!」

 

レクス「……ごめんな」ボソッ

 

ジジジジジッ!!!!!

 

シード「キャアアアアアッ!!!!!」

 

コルーリ「シードッ!!!!!」

 

 掴み上げる腕を叩くなどして抵抗するシードだが、それを無視する様にレクスがAqライトで出来た黒い電撃をシードに流す。それを見た僕の心に怒りがこみ上げ、現状できる最善手を高速で考える。エクシードに変身する時間はない!ライジング・エクスに変身する時間もない!プリキュアさんもいない!……なら!

 

エクス「Aqライト全開!プリキュア・ドットライトエクスッ!!!」

 

 これが僕の出来る最善手……光速に近い速さでレクスに突撃し、Aqライトを纏った一撃を叩き込む。奴との距離は3メートル程、この距離で光速に近い僕の攻撃を避けることは出来ないはずだ。決定打にならなくてもいい、シードを解放させて……エクシードでも、ライジング・エクスとアストラル・シードで攻めると言った次の手に繋げるための一打で良い!

 

レクス「……なんて考えてるんだろ?」

 

シュンッ!

 

エクス「……えっ?」

 

ドンッ!

 

・・・・・・ピキッ!!!!!

 

エクス「ッ!?!?!?■■■■■■■■■■ッ!!!!!!!!!」

 

コルーリ「ッ!?え、エクス、どうしたんですか!?」

 

 僕の思考を読んでいたかの様に、レクスは僕の攻撃に合わせて裏拳のカウンターを僕の腹部に叩き込む。いや、決して威力が強い訳ではない……寧ろ、奴は手を掲げていただけで、そこに僕が突っ込んだだけの様にも感じる。しかし、奴の拳が僕の身体にぶつかった瞬間、僕の中の”何か”にヒビが入ったような、今までに味わった事のない痛みが走った。”物理的”な痛み……ではない。もっと……僕にとって”決定的な物”に対して傷をつけられたような感じがする。

 

レクス「痛いだろう……そりゃそうさ。お前が今味わったのは肉体的な痛みなんかじゃない。”存在”に亀裂が入った痛みだからな」

 

エクス「”存在”に……亀裂……?」

 

 痛みで少しだけ思考が纏まらない僕に……レクスが話しかけてくる。存在に亀裂って……どう言う意味だ?痛みが癒えないため、奴の言葉の意味が分からない。すると、僕の頭の中に種の声が響く。

 

シード(お兄ちゃん、タネをお兄ちゃんの中に戻して!)

 

エクス「ッ!!戻れ、シード!!!」

 

〈Be the one〉

 

ボンッ!

 

レクス「ッ!?消えたっ!?」

 

 種の声に従い、種を僕の中に戻す。戻ったことを知らせる音声がQaフォーンから響くのを確認し、僕はレクスに身体の正面を向ける。種が消えた事で一瞬の隙が出来たレクス……これで良いんだろ、種!

 

エクス「頼む、シード!!!」

 

〈Twins〉

 

シード「だりゃーーーーーっ!!!!!」

 

レクス「なっ!?」

 

スンッ!!!!!

 

 種の考えた作戦……僕の身体に一度戻る事で拘束から逃れ、今度は僕の身体から飛び出して攻撃するという奇襲がレクスの隙をつき、ついに攻撃を当てることに成功する。だが、奴は相当の反射神経がある様で……シードの拳は奴の身体ではなく、奴の被るフードに当たり、それを外すだけに留まってしまった。しかし、外れたフードの中……そこにあったレクスの素顔は、僕らの予想もしていない人物だった。

 

レクス「は……ははっ!そうだ!そうだった!種は俺の中に戻れたんだもんな……そんな戦い方も出来るよな」

 

シード「う、嘘……!?」

 

コルーリ「そ、その顔は!」

 

駆「僕と……同じ顔?」

 

レクス「改めて名乗ってやるよ……”僕”。俺はレクス。俺は2026年……お前にとって7年後の未来を生きる、未来のお前自身だ」

 

 黒いコートを纏い、今まで僕やコルーリに干渉してきた男の正体。それは……この時代を生きる”未来の僕”であると、レクスは……未来の僕は告げる。

 

エクス「ウソだ……嘘だっ!!!シード、エクシードを使うよ!!!」

 

シード「う、うん!」

 

エクス・シード『『プリキュアプリケーション!アップデート!!』』

 

”S”TRING・コネクター:〈CHAIN〉・・・・・・error!

 

駆「えっ!?そ、そんな!?」

 

種「変身が解けちゃった!?それに……どうしてエクシードになれないの!?」

 

レクス「なれる訳ないだろ……俺がいるんだから」

 

 エクシードになるためにQaウォッチにQaフォーンSのS・コネクターをスキャンするが、エラー音が流れると同時に僕らの変身も解けてしまう。それに動揺する僕らに……レクスは”自分がいるからエクシードにはなれない”と言うのだ。

 

レクス「2005年で聞いてなかったか?〈同じ時代に”同一個体”が存在する場合、接触した時点から存在が不安定になり、どちらかの存在が消えるまでその状態が続き、場合によっては”消滅”を引き起こす〉って言う世界のルールについて。エクシードはお前の魂と種の魂を繋ぎ合わさる事で生まれるが、今……〈時生 駆〉って言う同一個体が同じ時代に存在している状態だ。だから、お前と俺の存在は不安定になってるんだよ。ただでさえ別々の魂が嚙み合ってるのが奇跡なんだ……僅かなズレが生まれれば、それはもう致命的だ」

 

 奴の話している理屈は分かる。しかし、それじゃあ……!

 

駆「お前は……僕だって言ってるようなものじゃないか!」

 

レクス「だから……さっきからそう言ってるだろ。そう言えば、目的は後で話してやるって言ってたな……よし、今話してやるよ。おまけに聞きたがってた事もセットでね」

 

 そう言うと、レクスは僕達が知りたがっていた事について……全てを話し始めた。

 

レクス「この時代をこんな風にしてしまったのは……俺だ。俺のせいで……お父さんも、お母さんも、旭さんも、和美さんも、詩文も……この世界に生きてきた、生きとし生ける生命の全てを奪ったのは……他でもない俺自身だよ。俺が世界を救ったせいで……全ての命を消し去ってしまった」

 

駆「あ、あり得ない!仮に……仮に僕がそんな事をしたとしても、彼女たちが……プリキュアさん達が動いてくれる!僕が間違った事をすれば、彼女たちが止めてくれるはずだ!!!」

 

レクス「そのプリキュアさんが……もういないんだよ」

 

駆「えっ?」

 

 プリキュアさんが……いない?

 

レクス「……話が逸れたな。それじゃあ、俺の目的を話そう。俺がお前たちをこの時代に引き込んだのは……別にお前を呼びたかった訳じゃない。”彼女”をここに呼び込むのに……お前と種が付いてきただけだ」

 

駆「彼女?」

 

種「それってつまり……」

 

コルーリ「・・・・・・”私”?」

 

レクス「そう……俺の目的は君だよ、コルーリ。俺の……”花嫁”」

 

シュンッ!

 

コルーリ「きゃあ!?」

 

 一瞬でコルーリの後ろに移動したレクスが彼女を押さえる。

 

駆「コルーリ!?ぐっ!くそっ……ダメージが!」

 

種「私が行くよ!コルーリを離せーーーっ!!!」

 

レクス「邪魔をするな、種」

 

パチンッ!

 

種「ふぇっ!?わあああああっ!!!」

 

駆「種っ!!!うわっ!?」

 

 僕の代わりにレクスに飛び掛かった種にレクスがデコピンを放つ。すると、種の身体は僕に向かって吹き飛ばされ、それを受け止めた僕の中に戻される。

 

種(ん~~~!ん~~~~~っ!!!お兄ちゃん、出れないよ!?タネ、実体化できない!?)

 

駆「なんだって!?」

 

レクス「安心しろ、Aqライトで種の魂を出れないように括り付けただけだ。さて、お前たちは用済みだし……そろそろ退場してもらうぞ」

 

シュンッ!!!!!

 

駆「うわっ!?ぐっ……くぅ!」

 

 僕の真下に現れた次元の穴……その中に落ちそうになるのを何とか穴の淵を掴んで耐える。そんな僕を見下ろすように……レクスはコルーリを抑え込みながら空中に浮かぶ。

 

レクス「それじゃあな、”僕”。俺の花嫁……コルーリは連れていく」

 

コルーリ「いやっ!離して!カケルッ!!!カケルーーーーーッ!!!!!」

 

駆「コルーリッ!!!コルーリーーーーーッ!!!!!」

 

・・・・・・グラッ!

 

 コルーリの叫びを聞き、なんとか手に力を込めて這い上がろうとするが……次の瞬間、僕の手は掴んでいた淵から滑り落ち、僕は何処に繋がっているかも分からない次元の穴に落下していく。

 

駆「待ってて、コルーリ!絶対に……絶対に君の所へ行くから!!絶対に……君を取り戻す!!!覚えてろよ、レクス!!!!コルーリに何かしてみろ……僕はお前を絶対に許さないっ!!!!!」

 

レクス「ああ、待ってるよ……”僕”。精々、この穴の先にある世界を楽しんで来い!!!」

 

駆・種「「うわああああああああああっ!!!!!」」

 

 底の見えない次元の穴に……僕達は落ちていく。地獄に落ちる亡者の様に……無力に、無様に、僕は光を掴もうと徐々に遠くなっていく光に手を伸ばす。しかし、僕の手の中には何もなく、ただ……空だけを掴んでいた。

 

 

side:レクス

 

レクス「・・・・・・」

 

 レクスは考えていた。過去の自分がこれからどうするのか……穴の先に用意した”真実”を、過去の自分はどう受け止めるのかを。

 

レクス「お前には知る権利がある。お前に待つ未来の一つをな……ん?」

 

 レクスはそんな事を考えていると、自分の腕の中で暴れるコルーリに目を向ける。過去の自分が次元の穴に落ちたことで、かなり取り乱している。

 

コルーリ「カケルッ!!!タネッ!!!嫌ああああああっ!!!!!」

 

レクス「仕方ない……ごめんよ、コルーリ」

 

トンッ!

 

コルーリ「ッ!?……」コクンッ

 

 レクスはコルーリの首元に人差し指をあてると、彼女が意識を失う。恐らくAqライトで彼女の意識を奪ったのだろう。レクスはぐったりと脱力したコルーリを抱きかかえる。

 

レクス「妖精の姿になれば抜け出すことも出来たろうに……相変わらず、動揺すると詰めが甘いんだから。コルーリ、君は……変わらないな」

 

 レクスは穏やかで落ち着いた笑顔を浮かべ、意識のないコルーリに語り掛ける。その表情は……まるで”恋人”にでも語り掛けているようだ。

 

レクス「……帰ろうか、コルーリ。今度は……君の命を諦めたりしないから」

 

 レクスはコルーリを抱きかかえる腕に力を込める。そして……レクスはコルーリを見つめて呟く。

 

レクス「愛してるよ、コルーリ」

 

レクスが過去でコルーリに会う度に呟いていた言葉。”愛しているよ”……その言葉を呟いたレクスは、どこかに向かって飛び去った。

 

 

To the Next chapter……




いかがだったでしょうか?今回は重い話になったような気がします。これはプリキュアの映画では出来ないな~……まあ、オリジナルだし良いか!次回は、レクスによって落とされた次元の穴……その先にあったのは、更なる未来”2043年”!そこで出会う”明日”のプリキュアと……仮面ライダー!?彼らの出会いがレクスとどう繋がるのか!乞うご期待ください!


ラビリン「地球さんが……あんなになっちゃったラビ」

ペギタン「僕達がいたら……守れたかもしれないペエ」

ニャトラン「でも、レクスってヤツはかなりヤバイぜ~」

ラテ「ワフ~……」

ひなた「ね、ねえ……ちゆちー……あれって本当に駆っちなの?」

ちゆ「そう言ってるんだから……そうなんじゃないかしら。……のどか、どうしたの?」

のどか「レクス……あの、未来の駆君……泣いてるみたいだったの。私には……そう見えた」

アスミ「泣いている?私にはそうは見えませんでしたが……」

のぞみ「私も……そう見えたよ、のどかちゃん」

のどか「……のぞみちゃん」

のどか「すっごい我慢して、顔には出してないけど……フードで顔を隠してる時とか、コルーリを見てる時とか……泣いてるみたいだった」

ココ「彼がどうしてあのような姿になったのか……それが関係しているんじゃないかな?」

りん「それだけ、心の中で頑張ってるんでしょうね」

うらら「助けてあげられないなんて……私、悲しいです」

こまち「そうね……でも、私達には何もできない。ここで、しっかりと見届けましょう」

ナッツ「こまちの言う通りだ。俺達はこの物語の読み手でしかない。だが……だからこそ、知れることもあるはずだ」

かれん「ええ、それが私達の役目だものね」

くるみ「次が始まるまで……少し休憩しましょう。売店に行ってくるわ!」
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