【完結】劇場版 ヴァールハイト・プリキュア もう一つの未来!?王〈レクス〉と青翼の花嫁〈コルーリ〉! 作:32期
1/7、1/20はキュアホイップこと”宇佐美いちか”ちゃん、キュアエールこと”野乃はな”ちゃんの誕生日でした!今回の物語でもはなちゃんの名前が結構出ておりますし、娘のはぐみちゃんもいるので……出来れば昨日投稿したかった!夜勤明けでさえなければ!!!くそ……まあ、仕方ない!二人共、誕生日おめでとう!
はるか「クロノ君って言うんだね~……でも、駆君に似てない?」
みなみ「どちらかと言うと……累さん似かしらね」
きらら「性格は……ゲーマー似?」
トワ「何故でしょう……駆と似ているところが殆どないような……」
パフ「でも、とってもカッコイイパフ!……パフ?お兄ちゃん、どうしたパフ?」
アロマ「コルーリさん……お労しやロマ」
めぐみ「あれ?あの女の子……さっき見なかったっけ?ねえ、ひめ?」
ひめ「そう言えば……確かにさっき見たわね~」
ゆうこ「でも、はなちゃん達の所にいる赤ん坊にも似てるような……」
いおな「はぐたんの事?そう言われれば……確かに」
リボン「似ているように……見えますわね」
ぐらさん「と言うか……ほとんど同じじゃねえか?」
ブルー「おっと……それ以上は考えない方が良いと思う。僕(神)が言うんだ……間違いないよ」
side:コルーリ
ガチャッ
レクス「お待たせ、コルーリ。ご飯を持ってきたよ……っと、あっ……ココア、飲んでくれたんだ」
レクスが部屋を出てから二時間程、再び部屋のドアが開く音がする。ご飯を作ると言っていたレクスは本当にご飯を作っていたらしく、私の前にあるテーブルに料理を並べていく。メインはしっかりと焼かれた牛肉のステーキに付け合わせの野菜を添えたもの、ご飯に野菜スープ、それからサラダ。食欲をそそる匂いに、私のお腹が……不本意だが、空腹を訴え始める。
レクス「大丈夫、毒とかは入ってないよ。さあ、冷めないうちにどうぞ」
私はベッドから下りてテーブルの前に移動し、敷かれたカーペットの上に座る。用意されたナイフとフォークを取り、ステーキをひと口大に切って……口に運ぶ。
コルーリ「……はむ。……美味しい」
レクス「良かった……俺の料理の腕、落ちてなかったみたいだ」
そう言いながら、レクスが私の対面に座る。そう言えば……彼が持ってきた料理は”私の分だけ”だ。彼は食べないのだろうか?
コルーリ「あの……あなたの分はないのですか?」
レクス「ん?ああ……俺の分は良いんだ。俺、今は”食欲と睡眠欲を捨ててる”から……食事と睡眠はいらないんだ。なくても大丈夫なように身体を書き換えてるからさ」
コルーリ「ッ!?ど、どうして……そんな事を?」
レクス「一年前くらいから始めたんだ。この時代で食糧不足が発生したからさ……寝るのも”怖い”だけだしね。なくても良いかなって思って」
コルーリ「食糧不足……じゃ、じゃあ……このお肉とかお野菜は何処から?」
私は彼の言葉から感じた疑問を彼に問う。食糧不足が起きた事、彼も言っていたが動物は殆ど絶滅したと言う話……なら、私が食べているこの”食べ物”は何処から手に入れたと言うのだろうか。
レクス「他のパラレルワールドに行って買ってきたものだよ。別に変な力を使って腐った肉や野菜を新しく作り直した訳じゃないから安心していい。ちゃんと国産のにしたから……あ、お金も払ったよ。この世界には、もう使われない各国の通貨が……文字通り、腐るほどあるからね」
レクスの悲しそうな表情から伝わる感情を……私は理解できないなりにも感じ始めた。彼の表情の一つ一つ、彼は戦闘の時とは打って変わって、私と話している時や世界の事を話す時は……ずっと辛そうにする。フードで見えなかった彼の表情は……ずっと悲しい表情だったのだろうか?
コルーリ「あ、あの……さっきの話ですけど、”君を救うためだけの存在”って……どう言う意味ですか?」
レクス「ああ、さっき話したね。俺がこれまでやってきたこと……それは全て”君を救うため”にやって来た事なんだ」
コルーリ「私に初めて接触した……2013年の時からですか?」
レクス「……そうか、君にとってはあの時が最初なんだよね。実は……ちょっと違う」
レクスと私が出会ったのは2013年、アンティークショップ”ソリティア”が初めてのはず。しかし、レクスはそれを少しだけ違うと言う……一体、何が違うのだろう?
レクス「君と直に接触したのは2013年だけど、俺が君を救うための計画を開始したのは……パラレルワールド〈2018〉が最初なんだよ」
レクスの口から話される……”私を救う計画”。それは私やカケル、タネが辿って来た私達の旅……カイザーンの目的の裏に隠されたもう一つの思惑……”レクスの目的”があった事を。
2043年 はぐくみ市 MUGENコーポレーションあざばぶ支社ビル
side:種
ブーーーーーン……キキッ!!!
ハリー「到着や!はぐみ、下りれるか?」
はぐみ「ありがとう、ハリー」
クロノ「ふぃ~……あっちの父さん、種おばさん、着いたよ」
種「おばさんじゃない!私は確かにこの時代じゃ形式上、君の”叔母”だけどね~!私はそんな年じゃない!!!」
クロノ「おばさん、おばさんは”叔母”じゃなくて”伯母”だよ。こっちの世界じゃ父さんの”姉”だからね。それでどうだった”ジュージューバーガー”の走り心地は?」
お兄ちゃんに似ても似つかない屁理屈を返してくるクロノ君の質問……それには理由がある。それは、このビルに来るまでの移動手段にある。クロノ君とハリーが乗って来たバイクは、ハリーとはぐみちゃんが乗っていて、クロノ君とタネ達は徒歩になるのかと思ったら……クロノ君が私達に移動手段として渡して来たのが……なんと”ガシャット”だったのだ。私は”ジュージューバーガー”を起動してローラーブレードで移動し、クロノ君は”シャカリキスポーツ”の自転車で移動してきたのだ。
種「……悪くなかった、車より速く走れたしね」
駆『あのさ、移動手段なら”爆走バイク”の方が良かったんじゃ……』
クロノ「爆走バイクは”こっちの父さん”が持ってるし、俺……バイクの免許、持ってないから」
はぐみ「クロノ君、おじさまに”免許を取るまではシャカリキスポーツで我慢しなさい”って言われちゃったんです」
クロノ「俺が作ったのに……(ボソッ)。まあいい、俺のオフィスに行くよ……父さん、おばさん、こっち」
あ~!また”おばさん”って言った!!!あの子め~!出れるようになったら一回……伯母として教育してやる!!!
MUGENコーポレーションあざばぶ支社ビル 社長室〈クロノのオフィス〉
side:駆
クロノ「入って……取り合えず、ソファーにでもくつろいでなよ」
種「お邪魔しま~す……うわっ!?何これ!?」
駆『お……おお……おおおおおおおおおおっ!!!!!こ、これはっ!?!?!?」
クロノ「あっ、あっち父さんの人格が出て来たんだね。やっぱり……あっちの父さんも好きなんだね、”仮面ライダー”」
オフィスの中に入った僕達。そんな僕の目に飛び込んだのは……壁一面を埋め尽くす”仮面ライダー”の変身玩具の山だった。DX版、CSM、そのうえ最初期に発売された仮面ライダー一号の変身ベルト”タイフーン”まであるのだ!存在の痛みなど忘れるほどの興奮に……僕も主導権を奪って出てくるしかない!!!しかし、その中でも少しだけ変なものがあった。クロノ君のデスクに近い所にあるガラスケース……その中にある”アイテム”だけ、他の玩具とは違う雰囲気を放っている。いや待て……あのアイテム!間違いない!!!
駆「”ゲーマドライバー”!?い、1/1スケール!?」
クロノ「ああ、変身も出来るよ」
駆「本当!?」
クロノ「ああ、だって……俺が変身できるように作った”ゲーマドライバー”だからね」
クロノ君が作った!?これを!?
クロノ「こいつはちょっと別件でね……こっちの問題なんだ。父さん、まずは父さんたちの問題を解決する方が先決でしょ?取り合えず、ソファーに座って……ハリー、コーヒーでも淹れて来てくれ」
ハリー「へいへい、全く……他社の社員使いが荒いっちゅうねん」ボソッ
クロノ「アカルイアス社に紹介して、正社員にしてやったのはどこの誰だったかな……ハリハム・ハリー?」
ハリー「ひぃ~!?よ、喜んで淹れてまいります~!!!」
はぐみ「あっ!ハリー、私はココアがいい~!」
ハリー「了解や~~~!!!」
クロノ君に脅されてコーヒーを淹れに行ったハリーさんを見送り、僕はクロノ君に勧められるようにソファーへと座る。それに合わせて、クロノ君、その隣にはぐみちゃんが腰掛け……クロノ君はレクスについて話し始める。
クロノ「はぁ~……さて、それじゃあ話そうか。父さん達をここに送り込んだ……”レクス”って言うんだよね。その名前は知らなかったけど、俺達……俺とはぐみは、奴に会ったことがあるんだ。8年前……俺達が5歳の時の事だよ」
八年前……2035年
黒コートの男『こんにちは。君たち……夢幻 クロノ君と野乃 はぐみちゃんだよね?』
夏の暑い日に似つかわしくない”黒いコート”を着た男が話しかけてきた。フードで表情が見えないし、自分達の名前を知っている男を僕は警戒したけど、奴が気になる事を話し始めたんだ。
黒コートの男『君たちのお母さん……”夢幻 累”さんと”野乃 はな”さんが”過去”で危険なんだ。お願いだ……君たちに協力してほしい。彼女達を助けるために……ね』
”母さん達が危険”……そう聞かされた俺達は、疑いはしたけど男に協力した。そして、俺達が生まれるずっと前の”子供時代の母さん”達を助けるために、俺達は黒コートの男……レクスによって2018年の過去に連れていかれた。そこで俺達がレクスに任されたのは……”三つの行動”だった。
駆「三つの行動?」
クロノ「うん、一つ目は……レクスがあらかじめ盗んでおいた”イベントの参加券”を、”俺が”あっちの父さんに渡す事」
はぐみ「二つ目は、落ちてたクマのぬいぐるみを拾って、〈ぬいぐるみを返して〉って話しかけてきたお兄さんに”私が”ぬいぐるみを渡す事」
クロノ「三つ目が、当時、正規サービスされていた”プリカディア”のゲーム内で、レクスが用意したプレイヤーデータを使い、あっちの父さん……正確には種おばさんが〈お兄ちゃん助けて〉って映像が流れたら配られた”ミラクルゲーマーライト”を振れ……これがレクスに頼まれた三つの行動だ」
クロノ君達がレクスによって2018年連れて行かれた際に実行するように言われた"三つの行動"。それを聞いた僕には……思い当たる出来事があった。
駆「思い出したよ。クロノ君、はぐみちゃん……君たちはあの時、僕が出会った子供たちだよね?」
クロノ「うん……あの時、父さんにぶつかって参加券を落としたのが俺で……」
はぐみ「クマのぬいぐるみを渡したのが私でした」
三つ目については、恐らく僕がキュアクロスと一対一で戦っていた時の出来事だろうが……前述の二つは思った通りだった。レクス、奴は二人を利用し僕に干渉して……奴の考えた通りの行動を僕達に取らせたのだ。
種『でも、変じゃない?直接的に干渉してこないで、わざわざ二人を使ってこんな事させたんだろう?レクスなら、自力でどうにでもできたんじゃないかな?』
クロノ「それなら、レクスが僕らを元の時代に戻す時に言ってたよ。【付き合わせて悪かったね。でも、君たちじゃなきゃいけなかったんだよ。だって、”俺が”ぶつかった少年は”クロノ君”……君だったし、”俺に”モフルンを渡してくれたのは”はぐみちゃん”だった。だから、君たちに頼るほかなかったんだ。”俺が”経験したことの通りにことを進めるにはね】って」
駆「俺の経験した通りに……か。レクスは過去に自分が経験した通りに物事を進めるために二人を利用した……レクスの目的は結果を変える事じゃないのか?」
クロノ「他に言ってたのは、母さんとはなさん達の事くらいかな。確かどうして母さん達を助けたかったのかって話だったけど……【一つ目はクロノ君のママ……”累さん”のため。彼女を泣かせてしまったことが、”俺”の心残りでね。二つ目は、はぐみちゃんのママ……”はなさん”のため。彼女を”消してしまった”ことに対しての……俺の罪滅ぼしなのさ】とか言ってたと思う」
種『累ちゃんを泣かせた?それに、はなちゃんを消してしまったって……どう言う事?』
レクスが言ってる事は、僕が経験した事だ。僕は……あの時、累さんを連れていく事を拒んで泣かせてしまった。はなさんを消してしまったと言うのは分からないが……少なくともレクスは、僕と同じ経験をしている。あいつが経験した出来事を、僕が同じ経験をできるように奴は行動した。何か理由があるはずだ。そうしなくてはいけない何かが、奴の行動にある。そんな気がする。
クロノ「俺達が分かってるのはこれぐらいだ」
種『まだ分からない事があるけど、レクスって……こんなに前から私達に関わってたんだね』
駆「コルーリには2013年の時点で接触してた。そう聞いた時にも驚いたけど……まさか、パラレルワールドの時点で関与してたなんて」
レクス……未来の僕は何を考えて行動した?コルーリを攫うだけが目的じゃない……もっと大きな目的があるはずだ。ここまで周到に、綿密に、回りくどい方法をとる理由は何だ?
クロノ「そうだ、確認したいんだけどさ……父さん達は、この後どうするの?」
そうだ……僕達はコルーリを助けないといけないのだ!レクスの情報が手に入ったのは嬉しいが、ここに長居している時間が惜しい!
駆「コルーリ……僕達の仲間がレクスに攫われたんだ。彼女を助けるためにレクスの元に戻らないといけない」
クロノ「そう……で、どうやってレクスの所に戻るの?戻る方法……あるの?」
種『そうだよ、お兄ちゃん!私達、どうやってコルーリの所に行けばいいの!?アカーシャ、ここにはないんだよ!?』
クロノ「一応、ドクタートラウムの開発したタイムマシン技術は確立してるけど……並行世界への移動は、現在の科学力では無理だ」
この時代では、タイムマシン技術は確立している。だけど、ここは"パラレルワールド"だ。時間を越えることは出来ても、並行世界の壁を越えることは出来ない!それでは、コルーリの場所に戻ることは出来ない!
クロノ「……まあ、ここで休んでいきなよ。ここに来るまでに言ってたじゃないか……ケガしてるんでしょ?それにおばさんの魂が括り付けられてるってさ。一先ずそれを何とかしようか」
駆「そんな事をしてる時間はないんだ!早く……コルーリを助けないと!」
クロノ「まあまあ……そうカッカしないで!」
カシャンッ!
駆「えっ?」
ソファーから立ち上がり強めの口調で抗議する僕に、クロノ君は立ち上がると背中から取り出したある物を僕の腰元に着ける。それは彼のデスク近くにあったガラスケースの中にあった物……”ゲーマドライバー”だった。
クロノ「さあ、いくよ……あっちの父さん」
ピコーン!〈マイティブラザーズXX〉!
クロノ「それ!ほいっ!!」
ダブルガシャット!ガッチャ―ン!
《ダブルアップ!マイティ!マイティ!ブラザーズ!(ヘイ!)XX!》
駆「うわっ!?!?!?」
種「きゃあ!?!?!?」
マイティブラザーズXXガシャットを起動したクロノ君は、それをスロットにセットしてすぐさまレバーを開く。すると、僕の身体から種が飛び出し……僕らはレクスに干渉される前の状態に戻った。
クロノ「父さんが置いて行ってくれて良かったよ。それに……やっぱり、あっちの父さんでもゲーマドライバーは一応起動するんだな。この分なら”バグスターウイルス”が感染すれば変身出来そうだね」
駆「こ、こんな方法で分離するとは……って、ちょっと待って?”バグスターウイルス”って言った?まさか……この世界にバグスターウイルスがあるの?」
クロノ「あるよ。俺がゲーマドライバー、ガシャットの開発と並行して……俺が作った」
僕は言葉を疑った。この子が……パラレルワールドの僕の息子が……あの”ゼロデイ”を引き起こす最低最悪のウイルスを生み出してしまったと言うのだ。しかし、それに対してクロノ君は普通に話し始めた。
クロノ「あっ!でも安心して!プログラミングで感染する人間は世界に”3人”しかいないし、他の人間には感染しないように調整してる。それに、父さんが考えてるバグスターウイルスと俺の作ったバグスターウイルスは名前が同じだけの”別物”だから」
駆「ど、どう言う事?」
ゲーマー『それについては俺が話すぜ!』
クロノ君の代わりに話し出すゲーマー。やはり、クロノ君の"首元にある機械"から声が聞こえる。そう言えば、あの機械はなんなのだろう?
クロノ「あ、気になる?これはね、MUGENコーポレーションが開発したウェアラブルコンピュータ"キュアリンカー"。首元に装着する事で、脳からの電気信号を読み取り、ARを視界に展開出来たり、VRマシンとしてゲームも出来る……まあ簡単に言うと、"人間をコンピュータにする"って感じ」
種「……ごめん。タネ、よく分からない」
駆「もしかして、それって"キュアモーフ"を参考にしてる?」
クロノ「そう。VRマシンの機能だけだったキュアモーフを改修、小型化と機能拡張を施したのが"キュアリンカー"だ」
ゲーマー『おい、クロノ!俺の話を遮るなよ!』
ゲーマーはクロノ君の説明を中断させ、自分の話したい内容……"バグスターウイルス"について話し出す。
ゲーマー『駆、実はな……"俺が"バグスターウイルスなんだよ!』
種「ゲーマーが……バグスターウイルスなの?」
駆「えっと……クロノ君、どう言う事?」
クロノ「ああ、それはね……」
ゲーマー『ちょっと黙ってろよ、クロノ!俺だって話したいんだ!簡単に言うとな、俺ってAIだろ?所謂、"データ"だ!そんな俺をAI兼"コンピュータウイルス"にしたんだよ!クロノがな!』
ゲーマーをコンピュータウイルスにした……うん、なんとなく分かる。しかし、まだ分からない部分がある。なら、"どうやってコンピュータウイルスが人に感染するのか?"と言う謎だ。
ゲーマー『ふっふっふ……分かるぜ、駆。俺がどうやって人間に感染するんだって考えてんだろう!その答えは、さっきクロノが言ったぜ』
駆「クロノ君が?……ッ!!そうか、"キュアリンカー"か!」
ゲーマー『正解だ!コンピュータウイルスの俺がキュアリンカーを介して人間に感染するんだ!"キュアリンカーを着けてる人間はコンピュータになる"。コンピュータウイルスが感染したっておかしくないだろ?』
種「う〜ん……でも、さっき世界で"3人"にしか感染できないって言ってなかった?」
ゲーマー『おう!クロノが感染することが出来る人間の"遺伝子配列"をプログラミングしたんだよ!』
人間の遺伝子配列をプログラミングって……確かに、それなら感染者を限定できる。けど、一体"誰"の遺伝子配列をプログラミングしたんだろう?
ゲーマー『ベースにした遺伝子は”時生 駆”……こっちのお前の遺伝子だ。だから、感染することが出来るのは、遺伝子のベースである”駆”、同じ親から生まれた”種”、駆の遺伝子を半分ではあるが受け継いでる”クロノ”……この三人だけだ』
駆「だから、僕がバグスターウイルスに感染できたらって言ったのか」
クロノ「そう言う事。でも、キュアリンカーを所持してるのが現状で”俺”と”父さん”の二人だけだから……実質”二人”だけだけどね。ゲーマドライバー、バグヴァイザーⅡも認証に父さんの遺伝子を採用してるから、人間で装着できるのも3人……と、同質の存在である”あっちの父さん達”くらい」
ゲーマー『で、俺が感染することで”ゲーマドライバー”と”バグルドライバーⅡ”の変身機能がアクティブになり、仮面ライダーに変身できるって訳!それに感染は一回ずつし直すようにしてるし、感染するのもキュアリンカーのプロテクトを解除しないとダメだからな。キュアリンカーに触れてプロテクト解除をするんだ。クロノも変身前にキュアリンカーに触ってたろ?』
ここまで聞くと、確かに僕の知っているバグスターウイルスとは別物だ。しかし、そこまでエグゼイド原作の設定にこだわって変身システムを開発したりするのは……どうなのだろう?それよりも、無断でエグゼイドの変身アイテムを製作、実際に変身できるようにしてよいものなのか?
ゲーマー『それにな、俺がこうやってキュアリンカーに待機してる時は、キュアリンカーを中心にした半径2メートルまでの空間でガシャットを起動できて、起動したガシャットのゲーマの代わりに代用の乗り物とかがな~……』
駆「ちょ、ちょっと聞いても良いかな?」
ゲーマー『なんだ?』
駆「その……確認なんだけど、ゲーマドライバーとかガシャットってさ……”財団B”が権利を持ってるんじゃないの?勝手にデザインを使うのは……」
著作権とかの疑問を問うと、思いもよらない返答が返ってきた。
ゲーマー『あ~!安心しな、駆!”こっちの駆”は財団Bの筆頭株主だからな!財団B全体株式の”半分”をもってんだ!”支配株主”ってヤツだ!』
クロノ「俺もポケットマネーで株式の”1割”を持ってる」
駆「……頭が痛くなってきた」
種「ねえねえ、こっちのお兄ちゃんてさ、お仕事は何してるの?」
クロノ・はぐみ・ゲーマー「「『プロゲーマー』」」
あ~……なるほど。ニコちゃんが幻夢コーポレーションの大株主で、バンバンタンクを作らせたみたいな……つまり、そう言う事か。
駆「ああ、その……もういいや。大体わかった」
クロノ「おお!流石は父さん!ディケイドネタだね!」
駆「うん……もうそれでいいよ」
種「でもさ~……クロノ君、どうしてゲーマドライバーを開発したの?はぐみちゃんがいれば、別にオシマイダーと戦う理由ないよね?」
クロノ「……それは事情が」
バンッ!!!
クロノ君がゲーマドライバーを開発し、仮面ライダーとしてはぐみちゃんと一緒に戦う理由……それを話そうとした瞬間、社長室のドアが勢いよく開かれる。そして、そこに入って来た人物は……。
ルールー「クロノ、見つかりましたか!?」
僕らが知るHUGっと!プリキュアのメンバーで、未来からきたアンドロイド……"ルールー・アムール"その人だった。少し大人びているようだが……何でだろう?
駆・種「「ルールーさん(ちゃん)!?」」
ルールー「はい?……顔のパーツより、駆さんと種さんである事を確認。しかし、お二人共ずいぶん若返っているようですが……それに駆さん、今はアメリカの大会に参加しているはずですよね?」
はぐみ「ルールー、こんにちは!」
ルールー「はぐみ、こんにちは。あの……こちらの駆さん達は……」
クロノ「ルールー、ドアは静かに開けろ……それとノックもしてくれ。えっと……父さんたちの事は気にしなくていいから。あ、あと……すまない、まだ見つかってなくてだな……」
ピリリリリリッ!ピリリリリリッ!
突如あらわれたルールーさんに驚く僕達、挨拶を交わすはぐみちゃん、そして誰かを探しているのだろうか……それをまだ見つかっていないと話すクロノ君。そんなクロノ君の言葉を遮るように、デスクにあるパソコンから呼び出し音の様なアラームが鳴り始める。クロノ君はすぐにデスクへと向かい、呼び出しを受ける。
クロノ「はいはい、お待た……」
少女の声『クロノさ~~~~~んっ!!!!!』
クロノ「うるさっ!?……コホンッ!な、なんだい”さやちゃん”?何か用事かな?」
さや?『クロノさん、宿題で分からないところがあって……教えてほしいんです///』
クロノ「さやちゃん、俺は今仕事中で……大事なお客さんもいて……」
さや?『だめ……ですか?』(猫撫で声)
パソコンのスピーカーから聞こえる少女の声。クロノ君曰く”さやちゃん”と言う子の声のようだが……小さい女の子の様な可愛らしい声をしている。クロノ君はさやちゃんのお願いを断ろうとしたが、それに対してさやちゃんは可愛らしい声で”だめですか?”と確認してくる。それを聞いて、悶えながらも考えるクロノ君は……考えがまとまったのか、小さく深呼吸して返答を返す。
クロノ「ごめんね。忙しいから、代わりにゲーマーをそっちに向かわせるよ。そうだね……仕事の終わった夜なら行けると思うから、間違いのチェックを俺がしてあげるよ」
さや?『ッ///!わ、分かりました!私、頑張ります///!』
プツッ!
クロノ「はあ……ゲーマー、悪いけど2P 分身してさやちゃんの端末に行ってくれ。……いや3P……やっぱり4Pまで分身してくれ」
ボンッ!
2Pゲーマー『しゃあねえな~!そんじゃあ、ちょっと行ってくるぜ!』
クロノ「頼むよ。よし、話の続きを……」
ピリリリリリッ!ピリリリリリッ!
一難去ってまた一難……とでも言うべきか、さやちゃんへの対応が終わったクロノ君に、更なる困難を告げるアラームが響く。クロノ君はため息を吐くと、再び呼び出しを受ける。
クロノ「はあ~……はい、こちら社長室」
テル『クロ兄、”テル”だよ!ちょっとお願いがあるの!!!』
クロノ「……なんだい、テルちゃん?今、練習中じゃないの?」
テル『うん!それでね、新しいジャンプを覚えたから、ちゃんと跳べてるかチェックしてほしいの!』
クロノ「……今すこし忙しくてね。直接は行けないけど……ゲーマーをテルちゃんのスマホに送るから、見せてやってくれ。ゲーマーが撮った映像をみて俺もチェックするよ。時間が出来たらお部屋に行くから、そしたら一緒に……新しいプログラムの内容を考えよう」
テル『うん!分かった!ゲーマーの事、待ってる!!』
プツッ!
疲れた表情で一息入れたクロノ君は、ゲーマーに指示を出す。
クロノ「3Pゲーマー、テルちゃんのスマホの中に行って練習をみてやってくれ」
3Pゲーマー『オーライ!んじゃ、行ってくるぜ!』
クロノ「はあ……子供の相手は疲れるよ」
種「あのさあ、クロノ君……いま話してた女の子達って誰なの?」
種が質問した事を聞いたクロノ君は、疲れた表情を真剣な表情に変える。
クロノ「……ここに来る前に、あっちの父さん達に言ったと思うけど、レクスについて俺達が話すだけじゃなくて、俺達も父さん達に協力してほしい事があるんだ。悪いけど、レクスの所に行けるようにするって言うのは、その後ね」
駆「確かに言っていたけど……何を協力すれば良いの?」
クロノ「なんて事はない……俺達も"情報"が欲しいだけさ。その情報が俺達の世界で起こっている"危機"の原因を知る事に繋がる筈なんだ。なあ、はぐみ……はぐみ?」
ルールー「はぐみ?寝ているのですか?」
クロノ君の呼びかけに反応しないはぐみちゃん。さっきまで普通にしていたが、今はまるで寝ているようにソファーに座り込んでいる。それを心配したのか、近くに立っていたルールーさんがはぐみちゃんの肩に手を置くと……。
ボフッ!
はぐみちゃんの身体は……ソファーに倒れてしまった。
ルールー「はぐみっ!?」
クロノ「はぐみっ!!!」
ハリー「すまんすまん……コーヒーはあったんやけど、ココアが無くて遅く……は、はぐみ!?」
ジッ……ジジッ……!
倒れたはぐみちゃんの元に集まるクロノ君達。心配なのは僕も同じだけど……彼女の身体から発するあの”ノイズ”の様なものは何だ?
クロノ「この発作は……チッ!」
ピリリリリリッ!ピリリリリリッ!
クロノ「クソッ!!なんだ、今取り込んでるっ!!!」
『社長っ!保護しているゲストの二名が倒れました!野乃はぐみ様に以前出た”発作”と同じものです!』
クロノ「ッ!!……分かった、医務室に医療スタッフとベッドを用意しろ。ベッドは三台だ……はぐみも同じ発作が出ている」
『かしこまりました!』
クロノ君が誰かと話した内容から、他にも同じ発作が出ているのだろう。少なくとも、クロノ君はこの発作について何か知っているようだ。話を終えたクロノ君は冷静になったのか、落ち着いて状況への対処を始める。
クロノ「ハリー、はぐみを医務室へ運べ。準備はさせてあるから速やかに移動しろ」
ハリー「お、おう!はぐみ、待っとれよ!」
タッ!タッ!タッ!
クロノ「ルールー、ドクタートラウムに連絡を入れてほしい。彼の協力が必要だ。一階のエントランスで彼を待って、到着次第すぐに医務室に連れて来てくれ」
ルールー「分かりました!」
クロノ君の指示でそれぞれの行動をとる二人が部屋から出ていくと、クロノ君は僕達に視線を向ける。
クロノ「……父さん、おばさんは、俺に付いてきてくれ。医務室に案内する。そこでの現状を確認して……今この世界で起きている事を話すから」
種「この世界で……」
駆「……起きている事?」
この世界にも……何かが起きている。僕達が案内された医務室で……僕らは、”僕らの世界”が”彼らの世界”に与えた影響を……知る事になる。
MUGENコーポレーションビルあざばぶ支社ビル 医務室
ルールー「お父さん、こっちです!」
トラウム「待たせたね、クロノ君」
クロノ「御足労頂きありがとうございます、ドクタートラウム。やはり……例の症状です」
トラウム「そうか……ルールー、すまないが手を貸してくれないかな?」
ルールー「分かりました、お父さん」
医務室に着いてすぐにルールーさんが連れてきた男性。ルールーさんが”お父さん”と言うのを見るに……父親なのだろうか?いや……それよりも。
青い髪の少女「うっ……!」
黄色い髪の少女「はっ……くぅっ!」
はぐみ「はぁっ……はぁっ……!」
種「この子達……はぐみちゃんと同じふうになってるの?」
駆「恐らくね。クロノ君……この子達は?」
クロノ「……”さやちゃん”と”テルちゃん”、さっき俺が話してた子達だよ」
この子達が……さっきクロノ君と話していた子達なのか。それにしても……この症状は一体なんだ?
クロノ「父さん、聞きたい事がある。父さんの世界で……”プリキュア”が消えなかったか?」
駆「ッ!?ど、どうしてその事を!?」
クロノ「やっぱり……そう言う事か。ドクタートラウムと考えていた通りだったみたいだな」
種「クロノ君、さっき言ってたこの世界に起きてる事って……もしかして、私達の世界でプリキュアが消えちゃったことが関係してるの!?」
クロノ「それは……父さん達の話を聞いてから話す。父さん達の世界で起こった事……教えてくれ」
クロノ君の真剣な表情を信じ、僕達はカイザーンが起こした”プリキュアの記憶の忘却”……それによって、全てのプリキュアが世界から忘れられ、存在しない事にされてしまった事を話す。それを聞いたクロノ君は、”やはりそうだったか”とでも考えているような表情で……僕達の話を聞いていた。
クロノ「世界からの忘却か……考えてた通りだ」
種「クロノ君、今度こそ話して!一体……何が起こってるの?」
クロノ「……今、ある人物たちがこの世界から消えしまっている」
駆「ある……人物たち?」
クロノ「プリキュアだよ……HUGっと!プリキュアだけじゃない。この世界に存在していた全てのプリキュアが……この世界でも消えたんだ」
クロノ君の口から語られる……この世界で起きている事。それは……僕達の世界と同じ”プリキュアの消失”であった。
クロノ「一週間前、突如として行方不明者が発生した。一部財閥の令嬢、教師、医者、演奏家、漫画家に絵本作家、社長、アスリート、パティシエ、果ては主婦から元総理大臣まで……その全てに共通するのが”プリキュア”であったと言う事。勿論、その行方不明者に”はなさん”、さやちゃんとテルちゃんの母親である”さあやさん”と”ほまれさん”、ルールーの保護者でもある”えみるさん”も含まれている。監視カメラが設置されていた一部施設で行方不明になった者は……まるで霞にでもなったかのように消える映像だけが残ってただけだ。さやちゃんとテルちゃんは……さあやさん達がいなくなってしまったから、俺がこのあざばぶ支社で保護してたんだよ」
駆「それが、僕たちの世界の影響だと言うのかい?」
クロノ「母さんが2018年に残したデータに、あっちの父さん達の事とこの世界の事が記載されてた。この世界は、あっちの父さん達の世界をベースにした……パラレルワールドなんだって。父さん達の世界に出た影響は、この世界にも影響を与える」
種「それじゃあ、はぐみちゃん達に影響が出てるのはどうして?」
クロノ「二人は、”グランドファーザー・パラドックス”って知ってる?」
グランドファーザー・パラドックス……またの名を”おやごろしのパラドックス”。〈過去に遡った人が、そこで自分の祖父・祖母のどちらかを二人が出会う前に消す事で、生まれるはずの自分の父・母が生まれない事になるため、自分の存在は生まれなくなるのか?また、自分が消えた事によって自分が消した祖父・祖母は消えなかったことになるのではないか?〉というタイムトラベルの論理的パラドックスの事だ。ん……待てよ。消えたプリキュア……影響が出ているのは”プリキュアの子供”……まさか!?
駆「はなさん達が消えたから、はぐみちゃん達に影響が出ているのかい!?」
クロノ「ああ、それが……俺とドクタートラウムの出した結論だ」
種「ど、どう言う事!?」
クロノ「プリキュアの消失に合わせて……他にも影響があったんだ。一日経過するごとに……行方不明者に関する関係者の記憶、所持品、データなどが経過に合わせて消えていくんだ。親密な関係……親族や配偶者、親友などの深い関係がある人の場合……それと俺や父さんみたいな”特異点”は、記憶の消失に多少の遅れがあるみたいだがな。だが、これはプリキュアの存在が明確に”消滅”していってる事を表している。さっき言ったグランドファーザー・パラドックス……またの名を”おやごろしのパラドックス”をベースに考えると、〈親であるプリキュアが消えたら、その子供はどうなる?〉」
種「ッ!?……"生まれなかったことになる"!」
漸く種も僕と同じ結論に辿り着いた。そうだ……親の存在が消えれば、その子供は生まれて来ない。プリキュアの消失によって”親(プリキュア)”が消えた事で……”子供(はぐみちゃん達)の存在が消え始めているのだ。2010年でキュアフラワー……薫子さんがゲンサークに消されてたままだったら同じことが起きていただろう。
クロノ「プリキュアの存在が不安定になったせいで……はぐみが消えかかってるんだ!くそっ!!!!!」
ドンッ!!!!!
ルールー「クロノ……!」
トラウム「クロノ君、まだ彼女たちの存在が消えてしまった訳ではないんだ……そうだろう?」
感情をむき出しにして悔しがるクロノ君が壁を全力で殴りつける。それを見たルールーさんとドクターがクロノ君を励ますように近づいたり、声を掛ける。それで少し落ち着いたのか、クロノ君は深呼吸をする。
クロノ「すぅ……はぁ~……。落ち着いたよ……ありがとう、ルールー……ドクタートラウム」
種「でも待って!ルールーちゃんは!?ルールーちゃんはどうして消えてないの!?」
確かに……ルールーさんが消えていない。しかし、それについては何となく察しがつく。
駆「恐らく……僕らが知ってるルールーさんとは"別のアンドロイド"だからじゃないかな?」
クロノ「ああ、あっちの父さん達が知ってるルールーは"RUR-9500"タイプの方だからな」
トラウム「このルールーは"心も体も成長するアンドロイド"なんだ。形は同じだが”別物”と言う事だ……恐らくそれがルールーをこの世界に留めている理由だろう」
僕の知っているルールーさんより……少しだけ大人びているように見えたから変だと思っていたが、そう言う事だったか。
種「お兄ちゃん、私達に出来る事〈いいよ、おばさん〉……クロノ君?」
クロノ「……この世界の事は”俺達”の問題だ。あっちの父さんやおばさんが手を出す必要はない。それに父さん達がやるべき事をやってくれれば……結果的に俺達の世界に還元される。だから、父さん達は父さん達がするべき事をやってくれればいい」
駆「クロノ君……分かった。必ずプリキュアを取り戻す……”約束”だ」
クロノ「ふっ!……約束か。破るなよ……父さん。さあ、父さん達をコルーリさんの所に戻す前に……見せたい物があるんだ。社長室に戻ろう……ドクタートラウム、はぐみの事をお願いします。ハリー、何かあったらすぐに連絡しろ」
ハリー「ああ、了解や……社長」
クロノ君が社長室に戻るのに付いて行く僕達。医務室から出ていく時、苦しむはぐみちゃんを見つめる彼の表情は……落ち着いているようではあったが、彼の瞳の奥で”悔しさ”と”怒り”が渦巻いているように見えた。
MUGENコーポレーションあざばぶ支社ビル 社長室〈クロノのオフィス〉
駆「クロノ君……君、最初から僕らをコルーリの所に連れていく手段を知ってたんだね?」
クロノ「嘘をついていた事は謝る。でも、コルーリさんの所に行けるかは分からない……それに黙っておいた方が父さん達から聞きたい事が聞けると思ったからさ」
種「クロノ君、性格悪いよ」
クロノ「……知ってる。でも……これが”俺”だ。さあ、見せたい物は二つあるけど……先ずはこれだ」
駆「これって……!」
駆・種「「プリハート!?」」
クロノ君がデスクから取り出したのは……HUGっと!プリキュアさん達が使うアイテム”プリハート”だった。しかし、未完成のような感じに見える。
クロノ「このプリハートは俺が作ってる残りの三台だ。完成した一台は……はぐみが持ってる」
種「プリハートも作ったの!?」
駆「どうして、プリハートを?」
クロノ「俺が作ったガシャットも、ゲーマドライバーも、バグヴァイザーⅡも……本当はただのお遊び用の発明だった。本当に変身出来て、カッコよく遊べるだけのオモチャ……それを戦闘用に改造してオシマイダーと戦う”兵器”にしたのは……一か月前に見た”夢”が理由だ」
駆・種「「”夢”?」」
クロノ君はゲーマドライバーの入ったガラスケースを撫でながら、話を始める。
クロノ「一か月前、俺はある夢を見たんだ。”マザー”と言う女神の夢で……俺に”世界を救ってほしい”って言ったんだ。その後、はぐみに話したら同じ夢を見ていて……あいつは白い”ミライクリスタル”を持ってたんだ。マザーに渡されたんだってさ。はなさん達に話して、相談もした……そして、世界に危険が迫っている可能性を考えた俺は、ミライクリスタルの能力を最大限に引き出せるアイテム……プリハートの制作を考えた」
種「それで作ったんだ。それとゲーマドライバーとかも」
クロノ「いや、ドライバーとかは元々”遊ぶ用”だ。物理ダメージが発生する様に調整するだけで済んだよ。問題はプリハートだ。アスパワワのエネルギー理論なんて分からないからな……でも、あっちの父さん達のおかげでそれは解決したんだ」
駆「僕らの?」
クロノ「正確には……”Qaフォーン”のおかげだ。母さんが2018年の時に手に入れたQaフォーンのデータを解析した。過去では解析できなくても、科学は日々進化する……不明な点があったのは変わらないけど、未知のエネルギー”Qaライト”のエネルギー運用システムを解析できた。そこでQaライトをアスパワワに変更したら、エネルギー運用は問題なしで転換可能だった。後は、はなさん達の証言を聞いて……未来では四台のプリハートがあった事を知ったから、辻褄合わせで”四台”作る事にした」
変身アイテムまで自作してしまうとは……僕の息子ながら才能が恐ろしい。”檀 黎斗”が身内に生まれてきたみたいだ。
クロノ「オシマイダー……奴らが発生しだしたのはプリキュアが消えてすぐの事だ。こんなにも早い段階で出てくるとは思ってなくて、結局、プリハートを一台しか完成できなかったし、他に変身できる当ても見つからなかった……だから、俺が戦うようにしたんだ。オモチャを……兵器にしてさ」
駆「……クロノ」
クロノ「俺がはぐみを守る。俺の全てを賭けて守る!世界?そんなもん……そのついでで十分だ!」
ギュウッ!!!
クロノ「うえっ!?お、おばざん……ぐるじいっ!?」
種「男前じゃん、クロノ君!流石は……私の甥っ子!!性格は悪いけど、はぐみちゃんに一途なのは好感持てるよ!!!」
クロノ「ッ///!?……当たり前だよ。はぐみは……俺の全てだから。世界と天秤にかけたって……俺ははぐみを選ぶ。はぐみが”世界を救って”って言ったら……ついでで救う……それだけ」
駆「クロノ……見せたい物が二つあるって言ってたよね。まだあるの?」
クロノ「ッ!!……ああ、このビルの屋上にね。それが……父さん達をここから旅立たせる手段だ」
クロノはデスクからパッド型の端末と”光る宝石”を取り出すと、僕らをビルの屋上へと案内するべく……僕らはデスクを後にした。
MUGENコーポレーションあざばぶ支社ビル 屋上
クロノ「着いたよ。父さん、おばさん……あれがここから旅立たせることが出来る”タイムマシン”だ」
クロノは屋上に到着した僕らに目的の物を見せる。大きさは人が"一人"入れるくらいの球状の機械で、クロノは……それが”タイムマシン”であると、そして”僕らが旅立たせることが出来る物”だと言う。
クロノ「ドクタートラウムとアカルイアス社、MUGENコーポレーションが共同で開発した世界最初のタイムマシン。しかし、こいつは今だに時間旅行をしたことはない」
種「何で?世界最初のタイムマシンなのに……」
クロノ「こいつは極秘に開発したものでね……世界最初の機体なんだけど、正式発表したわけじゃないから。それに……こいつを使える人間が”この世界にいなかった"んだよ」
駆「この世界に……使える人がいなかった?」
クロノ「そう……このタイムマシンは、ドクタートラウムの時間移動理論を再現するために……父さん達が乗っていた船”プリキュアカーシャ”をコンセプトにしたんだ。時空を超える可能性がある物質”Qaライト”を使用して時間移動をする……が、Qaライトを使える人間は現れなかったし、Qaライトの理論の参考資料が”Qaフォーン”のデータだけだった。Qaフォーンの解析、Qaライトの理論がまとまらず……完成まで十年を要して形には出来たけど、こうして使われなかったんだ」
プリキュアカーシャをコンセプトに置いたタイムマシン……つまり!
駆「Qaライトを使えれば……このタイムマシンは使えるんだね」
クロノ「ああ。あとは俺が解析できたQaライトのエネルギー理論をソフトウェアに適用……これで行けるはずだ」
クロノは持ってきたパッド型デバイスを使って、タイムマシンのソフトウェアを書き換える。そして、僕達を旅立たせる箱舟の準備が出来た。だけど、まだ問題が残っている。
駆「でも、これはタイムマシンであって時空を移動できる代物じゃないだろ。つまり……パラレルワールドは越えられない。さっき、君も言っていたはずだよね?」
種「あっ!そうだった!」
クロノ「その点は……これを見てくれ」
クロノが僕らにパット型デバイスの画面を見せる。そこには”一本の筒”の様な画像が映っている……しかし、何か変だ。画像に映っている筒は真っ直ぐな棒状ではなく……なんと言うか……一か所が歪んでいるのだ。
種「これは……何の画像?」
クロノ「これは時間航行に使われる時間の流れ……簡単に言うと”過去と未来を行き来する為の道”ってところかな」
駆「時間の流れ……か。これがどうしたの?」
クロノ「時間を行き来する道は……本来、”真っ直ぐ”なんだ。不確定な未来ならまだしも、既に決まってる過去は”一本道”だからね。この画像みて……変だと思わない?一本道になるはずの道が歪んでしまっているんだ。これね……途中で時間の流れが歪められてるって事なんだ」
駆「時間の流れが歪められている?」
それがどう意味なのか……クロノは話し始める。
クロノ「父さん達がこの世界に来た直後に発生した”次元の歪み”……それのせいで本来は真っ直ぐなはずの道が歪んだ。この歪んだ先は……”過去”じゃない”何処か”に繋がってると考えている。この歪みが発生したせいで各国に時間移動禁止令を出す羽目になったから……はぐみの援護に遅れたんだ。まあ、原因である”次元の歪み”の発生地を調べてたのもあるけどさ」
種「そうだったんだ」
クロノ「次元を歪めることが出来るなんて荒業を出来る奴は……恐らく」
駆「レクス……か」
クロノ「歪めたのがレクスだと考えれば、歪めた先に父さん達を導こうとしてるのかもしれない。そこが目的地の保証は……残念ながらないけど」
勘……だけど、僕はレクスがこれをしたと言う確信がある。そう感じる……あいつは僕を導こうとしてる。なら……!
駆「……種、いこう」
種「おっけー!」
クロノ「……父さん、これ」
クロノは僕に近付くと右手を差し出す。すると、手の平には先ほどデスクから取り出していた”光る宝石”があった。
駆「これは……?」
クロノ「父さん、ちょっと”ミラクルライト”を貸してくれない?ほら、そのケースについてるヤツ」
駆「えっ?あ、ああ……これ?」
クロノ「そうそう……これ」
パラレルワールド〈2018〉を出発する時に、はぐたんが投げてきたミラクルライト。ケースに着けたままにしていたそれをクロノに渡すと、彼はミラクルライトの電球部分を器用に外し……持っていた宝石を電球部分に付け替える。
クロノ「はい、出来た。ほいっ!」
駆「うわっ!?こ、これは?」
クロノ「お守り……持って行って」
駆「……ありがとう、クロノ」
種「もう……行くね」
クロノ「あっ!忘れる所だった……もう一個だけ言いたい事があった」
クロノは言い忘れた事を思い出したのか、僕達に最後の言葉を伝える。
クロノ「父さん、Qaフォーンの解析で分かった事なんだけど、Qaフォーンには……Qaライトが限界値を越えないようにするための”セーフティ”が設定してあるみたいなんだ」
駆「セーフティ?Qaフォーンの本体に?」
クロノ「俺が調べた限りでは……ね。エネルギー運用システムの中にどうしても解析できない箇所があった。その箇所が起動すると、余剰したエネルギーを一律に保つようになってる……恐らくセーフティだろう。もしそのセーフティを外せることが出来れば……限界を超えたQaライトを使えるかもしれない。まあ……予想だけどね」
駆「分かった」
僕らはタイムマシンに近付き、乗り込む準備を整える。
クロノ「それじゃあ、行ってらっしゃい……あっちの父さん、種おばさん。約束……忘れるなよ」
駆「ああ、必ず守るよ……約束だ!」
種「約束ね!」
クロノ「ああ、こっちの世界は……何とかしとくよ」
クロノと最後の握手を終え、種を僕の中に戻した僕はタイムマシンに乗り込み……操縦桿と思わしき箇所を握る。
Qaライト:確認 タイムマシン”QAー2040”……〈起動〉
駆「動いた!」
種『やったね、お兄ちゃん!』
エンジン始動、Qaライトエネルギー充填:開始〈発進まで……残り10秒〉
発進まで5……4……3……2……1……発進します。
駆「ぐっ!?くぅ……!飛べええええええええええっ!!!!!」
機体が浮き上がるのを感じた瞬間、機体が一気に加速する。身体中に掛かるGに耐え……僕らはレクスが用意する次の場所へと旅立った。
To the Next chapter……
いかがだったでしょうか?クロノたちの世界の続きは、この後の”チャプターアザー”で補完しようと思います。お楽しみに!次回は、クロノたちの協力で次の世界へと渡ることが出来た駆と種。そこで待っていたのは……”アカシック王国”
!?向けられる銃口、向けられる敵意……そして、その先に待つ”彼女”と同じ名を持つ小鳥との出会いが……。乞うご期待ください!
マナ「う~ん!クロノ君のはぐみちゃんへの愛!キュンキュンだね!」
六花「なんか……もうほとんどあの子のおかげで何とかなってる感じがしたけど……」
ありす「素晴らしい社長さんですね!是非、一緒にお仕事……してみたいですわ」
真琴「私、彼が何を言ってるかが殆ど分からなかったわ!」
亜久里「私は……も、勿論わかりましたわ!」
レジーナ「私、つまんないから聞いてなかった」
みゆき「クロノ君達……ウルトラハッピーになれるよね!」
あかね「あったり前やろ!……お~い、やよい?どないしたん?」
やよい「エグゼイド……もっかい確認しようかな~……」ブツブツ
なお「や、やよいちゃん……なんか怖いよ?」
れいか「ものすごい集中力です……これは侮れませんね」