【完結】劇場版 ヴァールハイト・プリキュア もう一つの未来!?王〈レクス〉と青翼の花嫁〈コルーリ〉!   作:32期

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ごきげんよう、32期です!今回はアカシック王国で出会った小さなコルーリこと”子ルーリ”と新たな協力者を得て、行動を開始する駆と種をお送りします。今回の話はかなりシリアスです。お覚悟は、よろしくて?では、お楽しみください!

3月13日、ヴァールハイト・プリキュア初投稿の日に同じく誕生日だった、最新作”デリシャスパーティ♡プリキュア”の”キュアスパイシー”こと”芙羽 ここね”ちゃん!可愛いよね~……エナジー妖精を見てるシーンが可愛いのよ!コメコメのために人参買ってくれるし、下唇を噛んでるシーンもいいよね~!早く6話が見たい!では、ここねちゃん!お誕生日おめでとう!分け合うおいしさをたくさん焼きつけてね!

なぎさ「駆君達……大丈夫かな~?」

メップル「大丈夫メポ!なぎさよりしっかりした子だったメポ!何とかできるメポ!」

なぎさ「そうだよね~!って、私よりって何よ~~~?!」

ほのか「まあまあ、なぎさ。種さんもいるみたいだもの……二人なら大丈夫よ、私達みたいに……ね?」

ひかり「はい、”ふたり”なら・・…きっと大丈夫です」

ミップル「ミップルもそう思うミポッ!」

ポルン「ポルンもポポ!」

ルルン「ルルンもルル!」


チャプター6:キュアエクス、処刑!?アカシック城潜入作戦!

side:コルーリ

 

コルーリ「わ、私……こ、ここにいます!ちゃんと生きてます!!死んでるなんて……おかしいじゃないですかっ!!!」

 

レクス「俺が干渉したから、結果が変わったんだ」

 

 レクスが告げた……"私が死んだ"と言う結果。その結果を信じられない私は、自分がここにいる事、自分が……ちゃんと生きているを叫ぶ。しかし、レクスは落ち着いた口調を崩さずに言葉を続ける。

 

レクス「俺が干渉した事で、君が死ぬ未来が変わった。あの時……過去の俺がとった”決定的な変化”を皮切りにね」

 

コル―リ「決定的な……変化?」

 

レクス「”俺”と”過去の俺”を決定的に分かつ変化……俺が経験した事のない変化が生まれた瞬間があってね。それが……君を生かすことが出来る”歴史の分岐点”になった」

 

コル―リ「その変化って……何ですか?」

 

レクス「……”QaフォーンS”だよ」

 

 "QaフォーンS"……カケルをキュアエクスに変身できる様にした、HUGっと!プリキュアからハートキャッチプリキュアまでの過去のプリキュア達の力を借りて生まれた奇跡のアイテム。それが……私の生存に繋がる"歴史の分岐点"だとレクスは告げる。

 

レクス「時生 駆がキュアエクスに変身できる様になったフェイクのアカシック王国襲撃事件……あの時、俺は"男性用Qaフォーン"だけで変身したんだ。だから、俺と俺が干渉した"過去の俺"は……分岐したんだよ。過去の俺が"俺と種のQaフォーン"を……俺から受け取った時点でね」

 

コル―リ「ッ!?あの時……カケルがもう一台のQaフォーンを持ってたのって!」

 

レクス「そう……俺が渡した。アカシック女王に協力を依頼してね」

 

コル―リ「お母様も!?」

 

レクス「君たちが2010年にいる間に彼女に接触していたんだ。”このままだとコルーリが死ぬ未来になる”って伝えたら……二つ返事で了承してくれたよ」

 

 お母様まで利用していたなんて……!しかし、それはおかしい。アカシックレコードを管理しているお母様は過去・現在・未来の歴史を知っているはず……つまり、私が辿るべき”未来”だって理解していたはずです。でも、お母様がそんな事を私に話した事はない……隠していた可能性はあるが、それなら私に”普通の女の子として生きて欲しかった”なんて言う訳がない!

 

コル―リ「それは嘘です!アカシックレコードを管理するお母様が……!」

 

レクス「自分の辿る未来を理解していない訳がない……かい?」

 

コル―リ「ッ!?」

 

レクス「仕方ないよ……アカシック女王は、君が生まれてから一度だって”君の辿る未来を見たことがない”んだから。まあ……それも俺のせいだけど」

 

コル―リ「ど、どう言う事ですか!?」

 

 私の未来を知らない?アカシックレコードを管理するお母様が……なんで?

 

レクス「アカシックレコードに記されているべきコルーリの歴史を……俺が”塗り潰した”からさ」

 

コル―リ「塗り……潰した?」

 

レクス「そう……アカシックレコードって、言うなれば”完成した本”だ。物語のプロローグからエピローグまで……全て出来上がっている。決まった歴史通りに進むだけ……それってさ、”絶対に死ぬ”って結末だったら、変えようがないって事なんだよ。そうなるしかないんだ……可能性も、奇跡すら入る余地がない。君を救うために一番最初にアカシックレコードを確認したんだ。アカシックレコードを見た俺が……どんな気持ちだったか分かるかい?」

 

コル―リ「……もしかして」

 

レクス「うん……君は”どんな選択をしても死んでしまう”。2019年5月1日に……俺を庇って死ぬ。君の歴史を何回も見た……何回も確認して……君を救う選択を何回も検証した。何百、何千、何万、何億、何兆通りもさ……でもダメだった。枝分かれした選択が……絶対に君の死という結果に収束する。だから……塗り潰した。まっさらになれば……思い通りの未来に変えられるかもしれない、収束する結果から外れるかもしれない……そう思った」

 

 彼が話しながら私に視線を向けたので……私は不意に彼の”目”を覗いてしまった。私のよく知る彼の黒い瞳にあったのは……底なしの”暗黒”、”深淵”、”闇”……なんと例えていいか分からない程の”絶望”だった。

 

レクス「信じてたんだ、はなさんが教えてくれた言葉を……"未来は無限大"なんだって。でも、世界は残酷で、無慈悲だ。だから、俺が手を加えるしかなかった」

 

コルーリ「……あの」

 

 レクス……ううん、未来のカケルは……ずっと苦しんでいたのだ。それを感じた私は……。

 

コルーリ「教えて……"駆"、貴方が歩んだ道のりを」

 

 彼をもっと理解したい……そう感じ始めた。

 

レクス「ッ!?……ああ、かなり長くなるから、ココアを飲みながら話そう。あっ、食器も片さないとな」

 

コルーリ「私も手伝います……それから、ココア……私が淹れても良いですか?」

 

レクス「……うん、お願いするよ。君のココアを飲むのは……7年ぶりだな」

 

 私は夕食の食器を持って部屋を出る彼の後ろについて行く。こう言うのは変だが……私は、未来のカケルの事を……”助けたい”と思い始めていたのです。

 

 

アカシック王国 アカシック城〈女王の間〉

 

side:???

 

バンッ!

 

???「失礼します、陛下」

 

アカシック女王「あら、何事ですか?今日はあの子の……”命日”だと言うのに」

 

 女王の間の扉が開くと、青の軍服を纏った青年が入ってくる。すると、自身の玉座に腰掛けたこの国の女王……"マウンティン・アカシック・ブルーバー"が、何事かと質問する。

 

???「居住区で謎の落下物が発見され……そこから二名の”人間”が出て来たそうなのですが……」

 

アカシック女王「そんな事ですか……そんな事を私に知らせる必要は【キュアエクスです】……何ですって?」

 

???「出て来た人物は……”キュアエクス”を名乗ったそうです」

 

アカシック女王「キュアエクス……あの”叛逆者”が?今日……あの子の……”コルーリの命日”に戻って来たと言うのですか?」ギリッ!

 

 青年の報告を止めようとしたアカシック女王だったが、青年は"ある者"の名を告げる。その名は"キュアエクス"……その名を聞いたアカシック女王は、怒りを押しころす様に歯を食いしばる。

 

???「はい、既に国民の中でも数名の被害者が出ているそうです。また、奴は”王家の聖域”に潜入した疑いがあります」

 

アカシック女王「ッ!?今……コルーリがクアライトと一緒にあの子のお墓参りに……!すぐに部隊を編成させなさい!キュアエクスは発見次第……拘束、不可能なら……兵器の使用は許可します!」

 

???「……直ちに」(キュアエクス……待ってろ!!!俺達から……俺からコルーリを奪ったお前を……必ずこの手で葬ってやるっ!!!!!)

 

 キュアエクスに向けられる大きな敵意と怒り……その感情を内に隠し、青年は女王の間を後にした。

 

 

アカシック王国 王家の聖域

 

side:駆

 

種「ど、どう言う事!?そ、それじゃあ……コルーリが……」

 

駆「分からないよ!でも……書いてあることの通りなら……」

 

そこの二人、殿下から離れなさい!

 

駆「しまった!?……えっ?」

 

 石板に書かれたコルーリの名前に混乱する僕らの後ろから、僕らを威嚇するように叫ぶ声が響く。遂に兵士に追いつかれたと思った僕はすぐに声のする方へ振り向いて構えると……そこにはきっちりと軍服を纏い、機関銃を構えた黒い髪の女性が立っていた。しかし、僕は彼女に警戒心よりも先に……懐かしさを感じたのだ。どこかで会ったことがあるような感覚……それは彼女も感じているようで、彼女僕を見て驚いた表情をした後、僕よりも先に彼女の方が話しかけてきた。

 

黒髪の女性「あなた……”キュアエクス”カー?」

 

駆「君……”クローネ”?」

 

 ”カー”と言う語尾をアカシック王国の兵士で、僕の事を知っている妖精……覚えがある。”クローネ・カーラウス”……僕がアカシック王国に滞在している時にお世話になった警備兵で、コルーリの後輩あたる妖精の少女。一度だけ人間態になったことがあったが……あの時の面影が残っていたから、見覚えがあったんだ。

 

コル―リ?「クーちゃん、おにいしゃんに鉄砲を向けちゃダメチュン!」

 

クローネ「も、申し訳ありません、殿下!しかし……何故、キュアエクスがここに?」

 

何事かね、クローネ親衛隊長?……コルーリは無事ク……ア……き、君たちは!?

 

コル―リ?「あっ!おとうしゃま~!見てチュン!!人間しゃんがいたチュン!!!」ボスッ!

 

種「あ~~~!!!く、クアライト博士~~~~~!!!」

 

 クローネの後から来たのは……見覚えのあるフクロウの妖精。僕達の良き理解者であり、アカシックのプリキュアを生み出した人物……クアライト博士だった。それと……あの小さなコルーリ似の女の子……やっぱりクアライト博士の娘なんだな。と、言う事は……コルーリの妹で、アカシック女王の娘……つまり、アカシック王国の王女……”殿下”って訳か。

 

コルーリ?「おとうしゃま、おにいしゃん達とお知り合いチュン?」

 

クアライト「どうして……君たちがいるクア!?いや……何故、タネがいるクア!?」

 

種「なによ、その言い方!お兄ちゃんがいるなら、タネがいるのは当たり前でしょ!」

 

クアライト「それにカケル……どうしてあの時から"歳をとっていない"クア!?やはり、Aqライトの完全覚醒による影響クアか?」

 

駆「・・・・・・!」(Aqライトの完全覚醒って……まさか!)

 

 クアライト博士の発言には気になる物がある。”何故、タネがいる?”、”歳をとっていない”、”Aqライトの完全覚醒による影響”……最初の種については不明だが、後半の二つには引っかかる事がある。僕は自分の考えが正しいかを確かめるために、クアライト博士に質問をする。

 

駆「クアライト博士、今日はアカシック暦で何年か教えてくれませんか?」

 

クアライト「……何クア、急に?……今は”新アカシック暦17年”、君が最後に来てから……いや、”君がカイザーンを倒してから”……もう”7年”が経ったクア。あの子がこの世を去って……今日で丁度”7年”クア。忘れたとは……言うまいね?」

 

駆(7年……やはり、そう言う事か)「……クアライト博士、申し訳ないんですけど……僕らはあなた達が知っている”時生 駆”じゃありません」

 

クローネ「私達が知る”キュアエクス”じゃない?」

 

クアライト「どういう事クア?詳しく説明してくれたまえ」

 

 僕は頭の中に出来上がった一つの仮説を……彼らに話し始める。

 

駆「クアライト博士、僕は歳をとってないんじゃないんです。僕は2019年のネツゾーン城での”

カイザーンとの戦闘を終えた直後の時生 駆”なんです……つまり、あなた達にとって”過去の存在”と言う事です」

 

クアライト「まさかっ!?いや……確かにそれなら、外見が変わっていないのは分かるクア」

 

駆「そして、僕はあなた達が知っている歴史とは違う結果を辿った存在でもあります。僕はまだ完全にAqライトに覚醒していません。ですが、カイザーン以外にAqライトに完全覚醒した人物を知っています。2026年……”7年後”の未来にいる”時生 駆”……自分を【レクス】と名乗る男です」

 

クアライト「ッ!?……そうか、君は……”分岐した存在”なのか。それでカイザーンに消滅されたタネも存在し、君も私が知る【レクス】……叛逆者”キュアエクス”ではないと言う事か」

 

駆「クアライト博士、お願いします!僕達に……あなたが知っている事を教えていただけませんか?」

 

クアライト「……分かった、協力しよう」

 

 レクスの名を出した途端に驚愕するクアライト博士。そして、何かに気が付いたのだろう……僕や種について自分なりの結論を出し、僕が申し出た”情報提供”にも協力してくれることになった。しかし、それを聞いたクローネは反対の意思を示す。

 

クローネ「クアライト博士!?それは……女王陛下への明確な反逆行為ですよ!?それにキュアエクスは……あの人の遺体だけを置いて、私達を見捨てた!仮にその時の彼じゃないとしても、私は反対です!!それでも協力すると言うなら、国家反逆罪で貴方を……っ!!!」

 

コルーリ?「クーちゃんっ!」

 

クローネ「ッ!?で、殿下……?」

 

コル―リ?「えっと……これ!これあげるチュン!」

 

 小さなコルーリは肩に掛けていた小さなカバンを漁ると、目的の物を見つけたのだろうか……それをクローネの前に出す。それは小さなコルーリの手より少しだけ大きい”小さな小瓶”で、その中に宝石みたいにキラキラ光る何かが入っている。僕は目を凝らして小瓶に張られたラベルを確認すると、”とっても美味しい!キラキラ綺麗なアカシックグミ”と書かれている……”グミ”って事は、お菓子なのだろう。

 

クローネ「これは……殿下のお気に入りのお菓子じゃありませんか!?」

 

コル―リ?「クーちゃん、コルの大事なグミで……半分個に出来る大きいグミ全部あげるチュン!だから……おとうしゃまの事、怒らないでチュン!おにいしゃん達の事も……助けてあげてチュン!」

 

クローネ「いけません、そんな事!?このお菓子は殿下が大事に一個ずつ召し上がっているものではないですか!?そ、それに……殿下、このキュアエクスは……アカシック王国を救ったとされる”プリキュア達”を犠牲にして……コルーリ先輩、あなたの姉君を救わなかった……アカシック王国の”希望”を全て消し去り、絶望の淵に立たされた私達すら見捨てた”叛逆者”なのです!」

 

パンッ!

 

 クローネが声を張り上げて小さなコルーリを説得しようとするのを遮るように、種がクローネと小さなコルーリの前に割って入り……クローネの頬を叩く。

 

クローネ「ッ!?な、何をするんですか!?」

 

種「タネ、あんたの事知らないけどさ……引っ叩かせてもらったよ。ねえ、あんた途中から頭に血が上って、この子の事を考えてなかったでしょ?見てみなよ……この子の顔」

 

クローネ「えっ?……ッ!!」

 

コル―リ?「うぐっ……!……グスッ!」

 

種「この子……クアライト博士が怒られないように、私達を助けられるように、何より……あんたに怒って欲しくなかったからあんなこと言ったんだよ。”クーちゃん”って呼ぶくらいあんたに懐いてるんだから。そんなに大好きな人がさ……怖い顔で怒ったら嫌に決まってるじゃん。自分の大好きなお菓子の……一番楽しみにしてる大きなグミを全部あげるって言うくらい……どうにかしたかったんだよ」

 

クローネ「……殿下」

 

 必死に涙をこらえる小さなコルーリの頭を撫でながら、種は真剣な表情で小さなコルーリの心を代弁し、クローネへと伝える。こういう時の種は……いつも鋭い。種は絶対音感なのもあるが、それ以上に……”耳”が良い。”小さな声の振るえ”、”緊張により早まる心拍音”、”声量に込められた感情”など……普通なら聞こえるはずがないものを種は聞いて、感じている。特に子供の様な感情の起伏が激しいとすぐにわかるのだ。

 

コルーリ?「クーちゃん……怒らないでチュン……グミ、全部あげるチュン!だからぁ〜……!」

 

クローネ「涙を拭いて下さい、殿下」

 

コルーリ?「クーちゃん……!」

 

クローネ「私は……殿下の専属の部下です。殿下がそう望むのでしたら……私は従います」

 

コルーリ?「……チュン♪それじゃあ……はい、半分個!」

 

クローネ「はい、半分個……カー」

 

 小瓶を開け、その中から大きめのグミを取り出してクローネに差し出す小さいコルーリ。それをクローネと小さいコルーリは半分個にする。王女と部下ではなく、まるで……仲の良い"姉妹"の様に。

 

クローネ「……キュアエクス、あなたを信用したわけではありません。協力するのは……殿下のためです」

 

駆「それでいいよ。種……ありがとう」

 

種「……泣いてる子を放っておけないもん」

 

クアライト「……みんな、すぐにここを離れるクア。マウティもカケルがここにいる事に勘づく頃クア……コルーリ、私が抱っこを……」

 

コル―リ?「コル、おにいしゃんの肩に乗るチュン」ボンッ!

 

 色々落ち着いたところで、クアライト博士が移動を提案してくる。そんな中で小さいコルーリを抱き抱えてあげようと申し出たら、小さいコルーリはこれを拒否すると、妖精の姿になって僕の肩に止まる。

 

種「あ~!?も~……仕方ないな~。”子ルーリ”、今だけはそこでじっとしてるんだよ」

 

駆「……?”子ルーリ”?」

 

種「うん!コルーリと同じ名前で紛らわしいから!」

 

子ルーリ「おにいしゃん、何のお話チュン?」

 

駆「ううん、なんでもないよ。僕の肩の上で良い子にじっとしていて」

 

子ルーリ「チチュン!コル、良い子に出来るチュン!」

 

クアライト「……では、移動を始めよう。聞きたい事は移動しながら話すクア」

 

 クアライト博士を先頭にして、僕らは移動を開始する。目的地は……アカシック王国の中心、”プリカバリー計画”全てのデータがあり、僕を狙うアカシック軍の本拠地……”アカシック城”だ。そこに……僕の知らない”もう一つの未来”の結果がある!

 

 

アカシック城 城外

 

クアライト「そろそろ、城の近くクア……話せるのはここまでクアね」

 

 アカシック城の城外に着くまでの間、僕と種はクアライト博士に……彼が知る"レクス"についての情報を聞いた。

 

1.レクスは2019年5月1日にカイザーンを倒した。

2.種は2019年4月31日に行われた”奇襲作戦”の際に、カイザーンにより魂を消滅された。

3.コルーリはレクスに同行し、ネツゾーン城でレクスを庇ってカイザーンにより命を奪われた。

4.レクスはAqライトに覚醒するもカイザーンに敵わず、差を埋めるためにプリキュアの存在を糧にした。

5.それにより、プリキュアの存在は完全に世界から消滅。

6.レクスは最後にコルーリの遺体をアカシック王国に届けて以降、消息は不明だった。

 

 大まかな説明で語られたのはここまでだ。しかし、この中に僕の知らない”奇襲作戦”や”プリキュアの存在を糧にした”と言う行動、そして……僕がなし得ていない"カイザーンを倒した"と言う事情があった。レクスが干渉した影響で僕がカイザーンと戦う時に変わった出来事……なのだろうか?

 

クアライト「カケル、タネ、すまないが……ここからは別行動クア。私は兵士たちに接触して、君達が行動しやすいように誘導してみよう。その間に君達は私の研究室へ向かって、そこにある”プリカバリー計画”のレポートを手に入れたまえ。Qaフォーンの有線ケーブルを使えば情報を引き出すことが出来るだろう。その後は、なんとか”アカシック・ポートステーション”……君が2009年へ向かう際にいた場所へ行くクア。そこに……プリキュアカーシャがある。それを使ってレクスの元へ向かえば……目的は達成クア」

 

種「でも、正面から行ったらすぐに見つかっちゃうよ?」

 

クアライト「それについては考えがあるクア。今、君達が立っている場所の芝をよく調べてみたまえ」

 

種「足元の芝を?う〜ん……普通に芝だよ?」

 

駆「待って、何かある。これ……"金具"だ。んっ!……持ち上がりそうだな。ん〜〜〜っ!!!」

 

 クアライト博士に促され、足元を探す僕達。よく見たらそこには金具が付いており、持ち上がる事を確認した僕はそれを思いきり持ち上げる。すると、そこには人間が一人通れるくらいの"通路"が隠されていた。

 

駆「これって……"隠し通路"ですか?」

 

クアライト「うむ、緊急時の避難通路クア。歴代アカシック女王が人間態でも通れる様に設計されているから、君達でも通れるクア」

 

種「……この中で待ち伏せされてたりしない?」

 

クアライト「この避難通路は"アカシック女王の避難"が目的の為、アカシック女王本人、アカシック軍上層部しか知らない。カケルを探すために兵も大半が城外に出払っているはずクアから……今が好機クア」

 

 避難通路なら確実に城内に繋がっているし、通路の事を知っている者が少ないなら、気付かれる確率は低い。でも、なんだろう……嫌な予感がする。

 

子ルーリ「チュン!それじゃあ、早速……チチュンッ!?おとうしゃま、は〜な〜し〜て〜チュン!コルもおにいしゃん達と一緒に行くチュン!!!」

 

クアライト「コルーリ、良い子だから私と一緒に戻るクア。マウティ……お母様が心配するクアよ」

 

子ルーリ「ッ!?……チュン、分かったチュン。おかあしゃまを……心配させたくないチュン」

 

クアライト「良い子クア。クローネ親衛隊長、君にはカケル達の護衛を頼みたい……構わないかね?」

 

クローネ「殿下のお願いもありますから……勿論です」

 

駆「それでは、行ってきます。種、一旦僕の中に戻ってくれる?」

 

タネ『オッケー!それじゃあ、しゅっぱ〜つ!!!』

 

 種を僕の中に戻し、僕達とクローネは通路の中へと侵入する。目的地へと近づいているはずなのに、それでも"嫌な予感"は……大きくなり続けた。

 

 

アカシック城 避難通路内

 

クローネ「……あの……キュアエクス、聞いてもいい?」

 

駆「……何?」

 

クローネ「キュアエクス、なんで……コルーリ先輩を、私達を見捨てたんですか?」

 

 避難通路を進む途中、クローネが僕に尋ねてきた。それは……何故、コルーリや自分達を見捨てたのかと言うものだった。しかし、僕はその質問に答える事は出来ない。だって……その理由を知るのは、レクスだけなのだから

 

クローネ「カイザーンを倒すことが出来たなら、コルーリ先輩の事を助けることが出来たはずカー。生き返すことだって出来たはずカー。でも、あなたはそれをしなかった……それだけじゃない。コルーリ先輩を失った私達アカシック王国の国民の前でコルーリ先輩のご遺体を渡した後、絶望の淵に立たされた私達を救うことなく……どこかへ消えてしまった。守るべきプリキュアすら犠牲にして……なんでそんな事をしたんですか?」

 

駆「……ごめん、それは”時生 駆”だけど……ここにいる”僕”じゃないんだ。僕も……どうしてそんな選択をしたのか分からない。だから知りたいんだ……”俺”が経験した旅を、コルーリを攫う理由を……プリキュアを犠牲にした意味を……ね」

 

種『……お兄ちゃん』

 

 薄暗い通路の様に先が見えない”レクスの経験した未来”……その真実が知りたいと考えている事をクローネに伝えながらも、自分に言い聞かせるように話す……すると。

 

そこまでだ・・・・・・”タイプK”

 

 僕らの目に立ちはだかるように、人間の姿をした一人の青年が現れる。初めて見る青年だが、僕には分かる……彼の気配が出会った事のある妖精のものと同じだからだ。

 

駆「その気配は……”ペック”?」

 

ペック「あの時以来だな、タイプK。ずっと会いたかったぜ……お前に復讐する機会がやっと来たみたいだ。はっ……お前、歳をとってないのか?やっぱりお前は……あのカイザーンと同じ”化物”だな!」

 

クローネ「ペック”最上級軍士官”!?どうしてあなたがここに!?」

 

ペック「クローネ親衛隊長か。ふっ!こう見えてもアカシック軍では上から3番目の役職に就いてるんだぞ?女王陛下が使用する避難通路の存在くらい知ってるさ。それと……君こそ、叛逆者”キュアエクス”の隣で何をしているんだ?明確な”国家反逆罪”だぞ……いや、キュアエクスのAqライトによって認識改変を受けているんだな。なら……タイプK、お前を始末すれば解決だ」

 

カチャッ!

 

 ペックは懐から拳銃を取り出すと……僕に銃口を向ける。

 

クローネ「ッ!?ま、待って……!?」

 

駆「いいよ、クローネ……バレたらしょうがないな」

 

クローネ「キュ、キュアエクス?」

 

ペック「やはりそう言う事か。はあ~……一応、言っておこうか。おとなしく投降しろ……まあ建前みたいなもんだが、お前がおとなしく従う【投降する】……そうそう、従う訳……キー?」

 

駆「聞こえなかったかい?”投降する”って言ったんだ……抵抗はしない。この場でクローネへの認識改変も解くし、君達が僕に科しているであろう罪状も……受け入れるよ」

 

 僕は抵抗することなく、ペックの”投降しろ”と言う要求に従う。彼の口ぶりからするに僕が従わないと思っていたみたいだが、僕は彼らと争う気はない。”キュアエクス”が彼らと争えば……きっと取り返しのつかない事になる……気がする。それに……もう計画が狂ってしまった以上、無理に通すリスクは負いたくない。クローネが国家反逆罪になる危険も”僕のせい”と言う事に出来たのなら……寧ろ得かもしれない。

 

駆「確認したいんだけど……一応、裁判くらいはしてもらえるのかな?」

 

ペック「そんな訳ないだろう。お前は拘束後、速やかに”アカシック女王”により罪状を告げられて……処刑される。それで……終わりだ」

 

駆「そっか……それを聞けて良かった」

 

 それに……彼に”キュアエクスを捕まえろ”と指示を出したであろう”彼女”に確実に会える方法だと思ったからだ。彼女を説得できれば……活路が開けるはずだ!

 

ペック「……クローネ親衛隊長、キュアエクスを連行する。速やかに拘束しろ」

 

クローネ「キュアエクス……!」

 

駆「大丈夫……やってくれ」ボソッ

 

クローネ「ッ!!……叛逆者”キュアエクス”を拘束します」

 

ガチャッ!

 

 僕の言葉を聞いたクローネは洗脳が解けたフリをしてくれたようで、彼女が持っていた見た事ない装置を取り出して僕の手首に当てると、装置が起動して僕の手首に”手錠”が掛けられる。

 

ペック「よし、このままアカシック女王陛下の元へ向かう。タイプK、抵抗しないと言ったが……俺は信用してないぞ。何かしようものなら……こいつをお前の眉間にお見舞いしてやる。アカシック王国が対Aqライト覚醒者用に開発した”特殊弾”はAqライトを反転させることで無効化することが出来るんだ。お前の命は俺が握っている事を忘れるな……!」

 

駆「大丈夫だ……絶対に抵抗しない」

 

種(お兄ちゃん、こいつ油断してるよ!今なら私が出て……!)

 

駆(種、まだ出てきちゃダメだぞ。ペックは種がいるって知らないんだ……だから、どれだけ僕が危険でも出てきちゃダメだ!分かったね?)

 

種(……分かった。信じるよ、お兄ちゃん!)

 

駆(任せて……僕は、種のお兄ちゃんだぞ!)

 

 いまだ見えないレクスの”真実”に辿り着くために……背後から向けられる銃口を感じつつも心の中に何とかするための策を練りながら、僕はアカシック女王の元へと連行される。

 

 

アカシック王国 城下町〈アカシックキングダム・セントラルストリート〉【中央広場】

 

ペック「叛逆者”キュアエクス……前へ!!!!!」

 

駆「・・・・・・」

 

”キュアエクス”ペエッ!

 

”魔王”だミャー!!

 

プリキュアを消した”魔王”だポーッ!!!

 

カイザーンと同じ”化物”ゴー!!!!

 

俺達の王女殿下を……!今すぐそいつを処刑しろガーーーーーッ!!!!!

 

そうだムー!

 

そうだそうだピ!!

 

処刑ッ!!!

 

処刑ッ!!!!

 

処刑ッ!!!!! 

 

処刑ッッッッッ!!!!!!!!!!

 

 気分が悪くなる程の”敵意”と”怒り”が……僕へと向けられている。この世界の妖精たちを知っているからこそ……僕は、僕に向けられる”敵意”と”怒り”がどれだけ大きいかを感じていた。一度来て、僅かな時間を過ごした僕でも分かるくらい……彼らは優しく、温かい心を持っていた。でも、今はそんなものは微塵も感じられない。善意を全て塗り潰す”悪意”……それだけがここに溢れている。

 

ペック「この中に入れ」

 

 目の前にあるのは、全体が透明なガラスのような物質で出来た直径1m、高さ2m程の筒状のケース。ペックは僕にそこに入れと言ったため、僕はそれに従い中に入る。

 

ガチャンッ!!!

 

駆「・・・・・・ッ!」

 

久しぶりですね、叛逆者……”キュアエクス”

 

ペック「国民たちよ、頭を垂れよ!アカシック女王陛下の御前であるっ!!!」

 

駆「アカシック……女王!」

 

 外から鍵を掛けられ、完全に閉じ込められた僕の前に聞き覚えのある女性の声が聞こえる。僕の前にある壇上のような場所の上に現れたのは……コルーリの母であり、アカシック王国の最高権力者である”アカシック女王”その人だった。姿は初めて会ったあの時と変わらない……だけど、彼女の表情や言葉からも”敵意”が感じられる。

 

アカシック女王「あなたが戻って来るとは思いませんでしたよ。あの戦いから7年……あの子が死んでから7年も経ちました。覚えていますか、キュアエクス……コルーリの事ですよ?あなたを庇って命を散らしていった私の娘です。それだけではありません……あなたが消した”プリキュア”もでしたね。見なさい……ここにいる国民たちを。コルーリを奪われ、私達を救って下さったプリキュアを奪われ……皆が絶望したのです。皆が苦しんだのです。あなたが……私達を無責任にも見捨て、”プリキュア”であるはずのあなたが”プリキュアを消してしまった”からです」

 

駆「・・・・・・」

 

アカシック女王「しかし、私たちが心に抱く怒りが……今日、一つ消えるのです。あの子が死んだこの日に……!これも、きっとあの子の……コルーリの意思なのです。あの子は……あなたを消してと私達に伝えているのです!国民たちよ、皆もそう感じていますか?」

 

そうだそうだビー!

 

キュアエクスに死を!!

 

処刑だ処刑だポー――!!!

 

処刑ッ!!!!

 

処刑ッ!!!!! 

 

処刑ッッッッッ!!!!!!!!!!

 

アカシック女王「……分かりましたか、キュアエクス?これが……私達の、この王国の意志です」

 

 アカシック女王の言葉で、国民たちの”怒り”が……”悪意”が際限なく増大させていく。まるで感染症のパンデミックの様に……他人から他人へと広がっていく。そして、国民たちの意志を聞いたアカシック女王は……。

 

アカシック女王「世界の叛逆者《キュアエクス》!プリキュアと……コルーリの命を犠牲にした貴方を……処刑します!」

 

 僕に……処刑を宣告した。

 

 

To the Next chapter……




いかがだったでしょうか?今回はアカシック王国の総意が”自分への怒り”であると突きつけられることになりました。”悪意”って怖いですよね……恐ろしい程簡単に広がっていくので、私は悪意って”感染”するものってイメージがかなり強いです。主に”ゼロワン”のせいでね。次回は、処刑宣告を受ける駆。空浮かぶ大量の戦艦!その砲門が駆へと向けられる!そこで逆転の”プリキュア”参上!駆は”悪意”を越えることが出来るのか!?乞うご期待ください!

ゆい「ポップコーンに、ドーナツに、チュロスにホットドックにコーラもOK!あ~む!ん~~~♪デリシャスマイル~♡」

拓海「ゆい、食うのか観るのかどっちかにしろって」

ゆい「え~!?どっちもやるよ~!ねっ!コメコメ!」

コメコメ「コメッ!」

ローズマリー「も~う、ゆいったら~……でも、そうよね!どっちも楽しんでこそよね!」

ここね「ゆい、私も……貰って良い?」

らん「らんらんも欲し~い!」

パムパム「パムパムも欲しいパム!」

メンメン「メンメンも欲しいメン!」

ゆい「うん!みんなで食べよ~!」

デパプリ「「「「「せ~の、いただきま~す!」」」」」

拓海「はあ~……続き、まだかな」
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