テイルズオブアライズ トロフィー「絶望の荊」獲得RTA レナ人チャート   作:完走したい天邪鬼

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テイルズの小説パートが難しすぎたので初投稿です。

導入話と言えど、あまりにも難しかったのでこれから更新ペースが落ちると思います。何卒


四方の風集う谷
第11話 ニズ


「ここがミハグサールの首府、ニズか」

「ここが......」

「ヴィスキントみたいな雰囲気だよな」

「ああ。皆表情が晴れやかだ」

「装甲兵が1人もいないのは気になるがな」

「それにズーグルが街を徘徊してるよ」

 

ディアラ山を抜けてようやく着いたニズは活気に溢れていた。

人々は様々な服装をして思い思いに笑顔を浮かべている。

レナ人の姿が見えないだけで、その様はメナンシアを彷彿とさせた。

 

「本当だ。結構なズーグルがいるな」

「ズーグルの割りには随分大人しいみたいだけど」

「よく懐いているようだ。珍しいな」

 

強化生物(ズーグル)は文字通り強力な存在だ。元が戦闘用だった事もあり凶暴だ。凶暴さには個体差があるとはいえ、決してペットにできるような存在じゃない。

しかし、ニズの人々はまるで犬猫に接するような気軽さでズーグルに接している。

 

「懐いてるったって、凶暴なのは変わらないだろ?」

「そのはずだが」

「......」

「見た感じ、暴れる様子はないな」

 

額に傷のあるダナの壮年男性が近づいてきた。

見たところ武装はしていない。

 

「ようあんたら。ズーグルが見慣れないか?」

「あんたは?」

「俺はバエフォン。あんたらみたいな他領から来た奴の案内をやってる」

「あのズーグル達は?」

「襲ってくることはないさ。気構えちまうのはわかるがな。他にもいろいろ教えよう。着いてきてくれ」

 

バエフォンについて建物に入る。ちょっとした喫食店と言ったところか。

 

 

「ここは宿屋も兼ねていてな、もし必要ならそこの受付に行ってくれ。さて、それで何から聞きたい?」

「レナの装甲兵を見かけないが、追い出したのか?」

「レナ人ならいるさ、装甲を着てないだけでな。街中じゃ装甲を着てるレナ人を見る方が珍しい」

「そんなことがあり得るの?メナンシアでさえ装甲を着ていたのに」

「ここの領将(スルド)の方針でな。俺たちダナ人にストレスをかけないためだそうだ。他にもあるかもしれないが、詳しくは分からない」

「ここの領将(スルド)は途中で見えた城かね?」

「どうかな。あの方はあまり姿を見せなくてな。気になるなら行ってみると良い」

「誰でも入って良いのか?」

「入るだけならな。会えるかは別だ」

「そうか。ありがとう」

 

とりあえず城に行こう。会えないにしてもわかることがあるだろう。

 

「今更だが、あんたらの名前は?」

「アルフェンだ」

「アルフェン......。炎の剣のアルフェンか?」

 

バエフォンは酷く驚いて......いや、恐れているように見える。

会話が聞こえたのか、周りの人々も会話をやめて注目している。

瞬く間に賑わっていた店内が静かになる。ひそひそと話す声がなければ時が止まったように思えただろう。

 

──炎の剣ってあの?

──たぶんな。リィヤー様を倒しにきたのかも。

 

──リィヤー様に伝えた方が良くないか?

──どうやってだよ。レナ人でさえ居場所が掴めないお方だぞ。

──とりあえず執政官に伝えてくる。

 

「そうだが......剣を見せようか?」

「いや、それには及ばない。ただ......頼むから騒ぎを起こさんでくれよ。俺たちは今に満足しているんだ」

 

 

 

 

 

 

 

「バエフォンの言ってた事、どう言う意味だろうな」

「さあな。案外ヴィスキントと同じ理由かもな」

「すでに共存出来ているから......か。あり得るな。ニズでは搾取はされていないみたいだ」

「まずは城に行こう。ここで考えていてもわかることは少ないぞ」

「そうだな」

 

谷を跨ぐ大きな風車に被さる城に向かう。

入り口に向かう途中装甲兵を見かけることはなかった。

ズーグルも荷物を運んでいたり子供と戯れていたりと非常に友好的だった。

ここには壊す壁はないのかもしれない。

 

「炎の剣だな」

「誰だ」

 

城の前の広間に着くとフードを被った男がすれ違い様に話しかけてきた。

 

領将(スルド)について話がある。街を出る時、奥の民家に来い」

 

 

 

 

城は部屋というものがなかった。外観が整っているだけでその実、大きな広間しかない。

城というより闘技場だった。屋根がない点を除けばヴィスキントの闘技場によく似ている。

中は多くの人で賑わっている。多くの露天が構えられ、ちょっとしたお祭り騒ぎだ。

 

「武器を売っているのか?」

「武器だけじゃないよ。陶器も装飾品も、食べ物もある」

「レナのものではないな。おそらくはダナ人によるものだろう」

「俺の狼もあるぜ。色は違うけど」

「これは......市場か?」

 

──店主、良い皿だな。

──だろう?今回のは良い出来だ。リィヤー様に腰を治してもらったからな!

 

──そこの兄ちゃん!このペンダントなんてどうだい?

──良い色だな。見せてくれ

 

──この服......

──お、見る目あるねあんた!リィヤー様に頼んでメズメルドの抜け羽を貰ったんだ。織り込んであるから頑丈だよ?

──そんなの、恐れ多くて着れないわよ!

──だよねぇ......。ま、私の自慢用だからね!

 

圧倒されていると1人の女性が近づいてきた。

 

「貴方がアルフェン殿ですか?」

「ああ」

「私は領将(スルド)リィヤー様から執政官を任されている者です。リィヤー様は不在なため、代わりに私が対応します」

 

 

 

「ここの領将(スルド)領将王争(スルドブリガ)を放棄したのか?」

「お戯れを。リィヤー様は放棄していませんよ」

「その割にダナ人に苦役を強いていないようにみえるが?」

「搾取するだけが領将王争(スルドブリガ)の勝ち方ではありません。そうですね、詳しく説明しましょう」

 

ミハグサールではダナ人は奴隷のまま変わっていない。むしろ労働の見返りがない分、他領よりも厳しい待遇だ。

労働時間は一人当たり5時間、生活品等は自給自足。

そのかわり、レナ側からダナ人に干渉することはない。武器を作っても体を鍛えても構わない。

星霊力をより多く抽出し人口を増やせど減らさないようにストレスの原因を排除。

1日5時間の労働+霊石(コア)による星霊力の回収。それだけでは当然、回収できる星霊力は微々たるもの。

しかし、ミハグサールの主な星霊力源は地形の影響で吹き荒れる自然風であり、ダナ人の労働はあくまでも自然風に方向性を持たせ、抽出効率を高めることにある。

これによってダナ人を虐げることなく他領と同等以上の星霊力を回収している。

 

「つまり、支配ではなく効率を求めたと?」

「その通りです」

「なら、わざわざダナ人に労働させる理由はなんだ?聞いてる感じだと無くても変わらないように聞こえたが」

「あくまで上下の関係でいるためです。自然風で効率よく星霊力を抽出できるとは言え、いきなりダナ人を解放すれば何が起こると思いますか?」

「......反乱ね」

「ダナ人には領将王争(スルドブリガ)によって長年溜め込んだ憎しみが、レナ人には領将王争(スルドブリガ)を放棄したことによる不満が。それぞれ反旗を翻す理由はありますからね。ダナ人レナ人両方からの反乱の芽を摘むにはこの形が最適なのです」

「ケルザレクのように......か」

「ズーグルが徘徊しているのは何故なんだ?」

「?ズーグルは元々人手不足を解消するために開発されています。きちんと躾ければこの上ない労働力になります」

 

ズーグルは本来、戦闘用ではなかったのか?

だが今まで見たズーグルは皆襲ってきた。ここのズーグルが特殊だと思った方がいいか。

 

「そんなことはどうでも良いの。領将(スルド)はどこにいるの?」

「今は城にいませんし、おそらくはエストルヴァの森にいらっしゃるかと。行くなら止めませんが、くれぐれもいきなり斬りかかったりしないようにお願いしますね」

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