テイルズオブアライズ トロフィー「絶望の荊」獲得RTA レナ人チャート   作:完走したい天邪鬼

12 / 24
特に小説パートは、投稿後に細部を修正したりしなかったりしてます
キャラ再現を上手くできない私を許して
(○○はこんなんじゃない!と言う部分があれば指摘していただけると嬉しい)


第12話 漆黒の翼

フード男が言っていたのは、たしか奥の民家だったな。

 

「んじゃあ早速、エストルヴァの森に向かうのか?」

「いや、その前にあの民家に行ってみよう」

「そういえば、呼ばれてたね」

 

家の中には数人のダナ人がいた。

一番奥には何かの紋章が、黄色布に黒で描かれた旗が飾られている。

その旗の前にいる眼帯の男がここの長だろうか。

 

「やっときたな。待ちくたびれたぜ炎の剣」

「あんたは?」

「俺は漆黒の翼のデダイムだ。炎の剣、お前は領将(スルド)を倒しにきたんだろう?女や子どもはともかく、光り目まで一緒とは思わなかったが......」

 

デダイムはじとり......とシオンとテュオハリムを見る。

その目には憎悪とも怨嗟とも呼べないナニカが渦巻いているように感じた。まるでシオンとテュオハリムを通して別の誰かを見ているようだ。

 

「まぁいい。今必要なのは炎の剣、お前だ。この街から光り目どもを追い出すために俺に従ってもらう」

「お前......!何言って」

「ガキがでしゃばるな、すっこんでろ。なぁにお前たちが戦う理由なんざいくらでもあるさこの国にはな」

 

これを見ろとデダイムが取り出したのは一つの果実だった。

ヘルガイの果実だ。

 

「その様子だと知ってるみたいだな。こいつはここの領将(スルド)が薬として患者に食わせてるもんだ。そうやって星霊力を集めているのさ」

「薬だと?いったい」

「光り目と口を聞く気はねえ!......なぁ炎の剣、不思議だと思わないか?なんで地形だけで他の光り目共が納得できるだけの星霊力を集められる?なんで俺たちダナが何の苦役もなく自由に生きていられる?答えは一つ。奴隷を星霊力に変えちまうからさ」

「なっ......あの子がそんなこと」

「そんなことは許せねえよなぁ?炎の剣。ニズを見れば俺たちは奴隷から解放されたように見えても光り目共が上にいるなら実態は変わらねえ。だから奴隷の解放は俺たちダナ人がやるべきだ。そう思わないか?」

「仮にそれが本当だとしてもバエフォン達はどうなる。今に満足している人もいるんだ」

 

デダイムの目が変わる。ビエゾの目に似ている。支配欲が全面に押し出された目だ。

 

「どのみちこのままじゃあ果実を食わされる連中は増えるばかりだ!いいか、今がチャンスなんだよ!俺たちも武器を手に入れた!炎の剣もある!領将(スルド)はニズにいない!街中じゃあ満足に戦えないだろう?......それともそこの2人が心配か?なら安心しろ。お前のお気に入りのそこの2人は見逃してやる」

「お前ッ」

「デダイム!」

 

入り口を見るとバエフォンがいた。

痛ましそうにデダイムを見ている。

 

「声が表に漏れていたぞ。まだ続けていたのか。前にも言ったな?もうこんなことはやめよう。いいか、いくらリィヤー様が寛容でも犯罪者は許されない。叛逆なんて以てのほかだ」

「たかだか数年、仮初の自由で満足した軟弱者に用はねえ!今のまま行けば次の領将王争(スルドブリガ)が始まれば元の木阿弥だ!!」

「そうしないためにリィヤー様が研究しているんだろう」

「何のためになる、レナはレナだ!光り目に支配されるのは変わらないだろうが!いいか、ダナ人はダナ人が統治するべきなんだよ!」

「だとしてもお前である必要はないだろう」

「他に誰かいるか?他に統治できる奴が。炎の剣に頼むのか?ああ良いさ、ずっとこの街にいるならな。だが無理だろう。ガナスハロスもあるし事が終わればカラグリアに帰るだろうさ。だからこの国は俺が統治し俺が導く!この漆黒の翼のデダイムがな!」

「それはお前が上に立ちたいだけだろう!」

「落ち着け。2人とも熱くなりすぎだ」

 

見ていられず間に入る。デダイムは舌打ち一つ、バエフォンはため息で会話を終わらせた。

もう話すことないと言わんばかりにバエフォンは外に出て行く。

 

「......とりあえず話はわかった。これから領将(スルド)に会いに行く。話してから決めても遅くないはずだ」

「フン好きにしろ」

 

 

 

外に出るとバエフォンが待っていた。

こちらに気づくとバツが悪そうに声をかけてきた。

 

「あんたら、さっきは悪かったな」

「あんたが謝る必要はないだろ?」

「あいつとは腐れ縁でな。それに俺も叫んでしまった。......あいつも昔からああだったわけじゃないんだが......レジスタンスとして活動する間にな。わかるだろ?」

「そりゃあ.......。でもよ」

 

ロウが渋顔で答える。思うところはあるが納得できないという感じか。

 

「あんたらの言いたいこともわかる。今の領将(スルド)に代わってからずっとああなんだ。どうにか宥めているんだがな」

「同情するよ」

「ありがとう。まあ俺たちのことはいい。エストルヴァの森に向かうんだろう?だったら忠告をと思ってな。リィヤー様に会うなら、研究の邪魔だけはしない方がいい」

「研究?」

「ああ......っとそうか。リィヤー様は研究者でな。普段は寛容なんだが、研究の邪魔をされることを一番嫌う。だから声をかけられるのを待って話した方が後腐れがないぞ」

「そうか。わかった」

「だが、くれぐれも」

「わかってる。いきなり斬りかかったりはしないさ。執政官にも言われた」

「ならいいが。必要なものがあれば言ってくれ。用意する」

「ありがとう」

 

食料や装備を見直す。

ニズは他領と比べて質のいいものが揃っていた。

これも領将(スルド)リィヤーの施策の効果なのだろうか。

奴隷(ダナ人)に干渉しない。たったそれだけでダナ人はここまで成果を上げる事ができる。

 

それにしても領将(スルド)リィヤーは何故こんな施策を実施したんだろうか。

かつてのテュオハリムのように悲鳴を遠ざけたいのであれば、強制労働そのものを廃止すれば良い。

領将王争(スルドブリガ)に勝ちたいなら他領のように苦役を強いればいい。

わざわざ5時間に限定している目的があるはずだ。効率以外の目的が。

エストルヴァの森でそこを聞けると良いんだが。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。