テイルズオブアライズ トロフィー「絶望の荊」獲得RTA レナ人チャート 作:完走したい天邪鬼
夜も明けてニズに向かう。
リィヤーはエストルヴァの森から大鳥のズーグルに乗って去っていった。
追うにしても足跡すらわからないんじゃ所在の予想もできない。
だから、一度バエフォンに話を聞くことにした。ロウがバエフォンに聞きたいことがあると言っていたしな。
「なぁ。なにか燃えていないか?」
「確かに煙のにおいがするな。風上は......ニズか!」
急いでニズに向かう。
確かに煙が数本立っていた。
黒い煙だ。たき火という感じではなさそうだ。
1日振りに見たニズは賑わっていた様子が嘘のように荒れ果てていた。
家屋は倒れ、あちこちで煙が上がっている。
怪我人も多い。死体が見えないのは誰も死んでいないからか、あるいは──。
数は少ないが装甲兵の姿が見える。ズーグルと一緒にがれきを撤去していた。
がれき撤去に動く人の中にバエフォンもいた。
「......何があったんだよ?」
「まさか反乱が起きたのか?」
「昨日までの様子を見るに、ここまでの事態に陥るとは思えないが......」
カラグリアのウルベゼクが装甲兵に襲われた時のようにいたるところに怪我人がいる。
医者と思われるダナ人とレナ人が手を合わせて治療しているが、手が足りていない様子だ。
──俺よりも先に子供たちを......。
──馬鹿を言うな。お前の方が重傷じゃないか。
──クソっ包帯が足りない......!
──ひとまず止血を優先しましょう。すぐに取ってくるわ。
──こっちにも治癒術を頼む!
──勿論だ、すぐに行く!
──っち......こうなるならリィヤー様から治癒術を学んでおけばよかったぜ。
──気持ちはわかるが、がれき撤去にも星霊術は必要だぜ?
「リィヤー様達はまだ戻られないのか?」
「どうやらな。せめて執政官だけでも戻って来たら......」
「バエフォン、何が」
「アルフェン!リィヤー様が今どこにいるかわかるか?」
(あったのか、聞きたいんだが......。街がこの様子じゃ仕方ないか)
「......ああその。じつは──」
エストルヴァの森で起きたことをバエフォンに話す。
勿論リンウェルとシオンに関することは伝えない。
「──そう、か」
「すまない。まさかニズがこんなことになっているなんて」
「横からすまない炎の剣。確認するが、リィヤー様は紙束を持ってメズメルド──大型の鳥ズーグルに乗ったんだな?」
「え?あ、ああ」
「そうか。おかげでリィヤー様の場所が分かった。ありがとう」
「やはり執政官様の予想通りになったな」
「まったくだ。さすが執政を任されているだけある。あと1日もすれば少なくとも執政官は戻るな」
俺は皆に伝えてくる。そう言うとバエフォンのそばにいた男がズーグルを伴って城の方に歩いていった。
連れていた狼型のズーグルを見る限り、エストルヴァの森に向かう途中で気にかけてくれた装甲兵かもしれない。
「......今のでわかるのか?」
「ああ。紙束──研究データを持って飛んでいったなら行き先はリィヤー様の城だ」
「城?ってことはニズにいるのか?」
「いや、ここから西の断崖の地下港にある大きな船だ。研究のためと言ってミハグサール中をフラフラするリィヤー様に怒ったレナ人達が主導で2年前に作ったものだ。リィヤー様の研究所になっている。もっとも、完成した日に出航したきり港で見たことはないが」
「広大な海に阻まれ近づけない
「城だなんて、誰が言い始めたかはわからないがな。まぁとにかく、既に執政官様もリィヤー様を探しに船に向かっている。時期に戻ってくるだろう」
──バエフォン、悪いが手を貸してくれ!
「そういえば、何か聞きたいことがあったんだろう?悪いが、明日でもいいか?」
俺たちが頷いたのを確認すると先に戻ったレナ人の元に歩いて行った。
バエフォンを待つにしても、他にやれることもなし、瓦礫撤去や怪我人の治療を手伝うことにした。
数刻後、唐突に破裂音が響いた。
「手の空いている治療班はこっちに来てくれ!早く!!」
焦燥に満ちた声が響く。
シオンと一緒に声の元に向かう。
「おいおい、何が起きたってんだよ!?」
「尋常じゃない音がしたぞ」
どうやらロウとステラの方が先に来ていたらしい。
「まだ爆薬が残っていたんだ!頼む、手を貸してくれ!」
「勿論だ!」
散らばった瓦礫を片付けながら治療していく。
怪我人の中にバエフォンもいた。
「なんで爆薬なんか......」
「デダイムだ......。執政官様が......街を、離れた......時に......」
「バエフォン、今は喋るな。傷に障る」
「......頼む、アルフェン......。リィヤー......様を......」
「おい!目ぇ開けろよ!おっさん!」
「ロウどきなさい!」
すぐさまシオンが治癒に入る。
一命は取り留めるだろうが、気絶したようだからすぐには目を覚さないかもしれない。
それに......
「デダイムが爆薬を仕掛けた犯人......なのだろうか?」
「バエフォンの言葉を信じるのであれば、だがな」
「あの野郎......!!なんでこんなことしやがったんだ」
「今はとにかく怪我人の治療が優先だ」
治療後、宿屋に狼ズーグルのレナ兵が訪ねてきた。
「街の皆は?」
「ひとまずは大丈夫だ。これもお前達のおかげだな。ありがとう」
「それで、リィヤーは戻ってきたのか?」
「......まだ戻られてない、執政官も同じだ。バエフォンの様子はどうだ?」
「ひとまず命は無事だ。今は部屋で眠ってる」
「そうか、良かった」
バエフォンの無事を伝えると心の底から安堵したように笑みを浮かべた。
レナ人がダナ人の安否を気にするとは思わず呆気に取られていると、慌てた様子で表情を引き締めていた。
「......炎の剣、恥を承知で頼みがある。リィヤー様を助けに行ってくれないか?」
「"助けに"とは、穏やかではないな。どういうことかね?」
「デダイム......この騒動の下手人がリィヤー様を狙っています。卿達が街に戻られる少し前にニズを発っていました」
デダイムはニズを爆薬で破壊した後、西に向かったらしい。
「この様子では我々は暫くニズから離れられません。まだ怪我人もいるし爆薬も眠っている可能性がある。だが、バエフォンがやられた今、ダナを纏めて俺達と話が出来る人がいない。情けない話ですが、リィヤー様か、せめて執政官様がいないとレナとダナで連携が取れないのです」
「執政官の代理はいないのか?先日すこし話した程度だが、備えを怠らない性格だと感じたぞ」
キサラの言う通りだ。特定の個人がいないと回らない状況を嫌っているように見えた。
リィヤーもそうだ。執政官に
「残念ながらいない。ミハグサールの運営はもとより、レナとダナ両方をまとめられる人がいなくてな。それは君たちが今まで見てきた他の領と変わらない。そのせいで代理が立てられないんだ」
「むしろあの2人が特別、か」
「そうだ。どちらがいないだけでも今のミハグサールは無かっただろう」
「そう、か......」
「それにしたって装甲兵が少なくねえか?前来た時はもう少しいた気がするぜ」
「執政官と
「治療や瓦礫撤去の人手が足りていなかったのはそれが理由か......」
「さらに言えば、今回の襲撃のせいで一部のレナ人がダナ人を危険視し始めている。"奴隷として星霊力を回収するための道具にした方がリィヤー様の身の安全が確保できる"ってのが言い分だ。しかもそいつらはダナを治療する必要はないとも言っている」
厳しい顔で呻く。
どうやら彼はダナを奴隷にしたい側ではないらしい。
「メナンシア以上にレナとダナ、双方の調和が進んでいたこの国で、か......」
「火種はまだ残っているってことだ。知っての通り、ダナとレナの溝は深い。今はなんとか宥めているが、暴発するのは時間の問題だろうな」
「そうなる前にリィヤーをニズに連れ戻せば良いってことか」
「そうしてくれると助かる。星霊術士にはまだ当てはあるんだが、今の状況じゃ火に油を注ぐようなものだ」
親衛隊がいないことで、戦力が減っているのも宥めることができている要因か。
確かに、今はニズにいない他のレナ人がさらに集まれば監視もしづらいだろう。
そうして監視から逃れた一部が暴走してダナに危害を加えれば、もう抑えは効かない。ミハグサールのダナ人もカラグリアと同じか、それ以上に酷い状況まで追い込まれるだろう。
カラグリアと違って、
「わかった。俺たちでリィヤーを連れてこよう。ついでにデダイムも止める。ここから西だったか?」
「悪いな、
「沖というと......海か。船が必要だな」
「ここから西の断崖にガナスハロスとの交易のために作った港があります。デダイムが破壊していなければ、まだ使えるはずです」
「西だな。それでは諸君、行くとしようか」
海?
「「......海ってなんだ?」」
「......ロウ」「......アルフェン」
シオンとリンウェルの目が痛い......。
「しょうがないだろ!わかんねぇんだからよ!」
「道すがら教えよう。今は時間が惜しい」
1年以上かけた上に繋ぎ回でごめんね?
久しぶり過ぎて説得力皆無ですが、せめてRTAで描写した分は更新するから安心してね