テイルズオブアライズ トロフィー「絶望の荊」獲得RTA レナ人チャート 作:完走したい天邪鬼
発表は2ヶ月前で来週発売?......楽しみですね!
隠し港にいた操舵手マハバルの協力で無事に出航することができた。
初めは船を借りて俺たちだけで行くつもりだったが、俺たち全員、船の操縦なんてやった事がない。素人だけでは港を出る事も叶わないというマハバルの忠告を聞いたアルフェンの判断だ。
マハバル曰く、2日前に
風と波次第だが、大体1日程度で到着できるらしい。
海の上ともなればやることも限られるし、ぼんやりと見慣れない波を眺めてみる。
こんなにでっけえ水たまりがあったなんてなぁ。
シスロディアの雪やメナンシアの緑も凄かったけど、スケールが違えや。
シスロディアにも凍った湖があったけど、遥かに大きい。
......風のミハグサールなのに圧倒されるのが水の要素でいいのかわかんねぇけど。
そういえば、アルフェンについていくって決めてからこうしてぼんやりすることもなかったっけ。
レナ支配からの解放。そのために色々慌しかったからなぁ......別にそれが悪いってわけじゃねぇけど。
支配といえばメナンシアじゃ驚いたな。まさかダナとレナが共生出来るなんて本当に思ってもみなかった。
それが大将にとっては恥ずかしいことなんだとしても、救われたやつは絶対いるよな。いるからこそ、俺たちと一緒にケルザレクと戦うレナ人もいたんだし。
キサラもその1人か。ミキゥダが虚水になった時は取り乱してたけど、今じゃ母親みたいになってるし。
そういやリィヤーも大将と似てるタイプだったな。
ニズを最初に見た時は、メナンシア以上に驚いたな。まさかダナ人がダナ人のためにレナが管理してる資源を使えているなんてよ。武器や工芸品を溢れるほど作るなんてダナの力だけじゃ無理だ。
......メナンシアの時は疑いばかりで驚く暇が無かったってのが本当のところだけど。
"風で擦り切れた土地"ってアルフェンは言ってたが、その割に米とか麦みたいにある程度地力が必要な作物が育ってるんだよな。
案外、痩せてはいないんじゃないか?メナンシアには負けるだろうけど。カラグリアやシスロディアみたいに暑すぎたり寒すぎたりするわけじゃねえし。ちょっと......いや、かなり風が強いだけなんだからよ。
見た感じ星霊力集めるために無茶苦茶やってる感じは無かった。
「考え事か?」
「まあちょっとな。っと、そうだ。さっき一通り船の中を調べてみたけど、特に怪しい所はなかったぜ」
「そうか。助かる」
「......アルフェン、世界って広いな」
「そうだな。俺もカラグリアの壁を壊して、その向こうを見た時そう思った。だが」
「ああ。この海ってやつは、なんというか......桁が違うな。親父が見たらきっと驚いただろうな」
あのいかつい顔をマヌケに変えて言葉失うのが目に浮かぶぜ。
......いや、まぁマヌケ面になっていたのは俺の方なんだけど。リンウェルに笑われちまったし。
「親父が、死ぬ時なんであんなこと言ったのか、ずっと考えてんだ。癇癪で飛び出て
そうだったら、どれほど楽だったか。
「ロウ......」
「ああかもしれない、こうかもしれない。でもそれって俺の願望でしかないかもだろ?そう考えちまうと、今度はああしとけばよかった、こうしとけばよかった。そんなことばかり浮かんできてさ」
「......」
「リンウェルの事だってそうだ。思わずやっちまったけど、話をややこしくしただけな気がしてさ」
馬鹿な俺がなによりも疎ましい。
「俺は時々、ジルファならどうしただろうって思うことがある。リンウェルの事も、シオンの事も、ジルファなら止めないと思うか?」
......いや。
「親父は絶対に止めると思う」
そのはずだ。
親父が触れたら壊れそうな人を放っておける筈がない。
放っておけるような性格なら、俺は今アルフェン達と出会っていなかっただろうしな。
「そして、お前は同じことをした。ジルファはきっと誇りに思っている」
そうなのかな。
でも親父は......。
「お互い、ジルファに胸を張れるよう頑張ろう。俺達にできるのはそれだけだ」
「......そう、だな。ありがとう。アルフェン」
......ビエゾがテュオハリムやリィヤーみたいなやつだったら、俺も親父と笑えたのかな。
──良かった。
「わかんねぇよ......親父」
理解できるほど、あんたと話せていないんだから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リィヤー・ウィルフィリス。
その名が示す人物は二人いる。
一人は、現在のミハグサールの
もう一人は、現在から300年前に存在したとされる"天災"。
奇しくも両者ともに研究者であり、偶然名前が一致したにしては奇妙なことが多い。
例えば、ウィルフィリス家の存在。
星霊術の素養は血筋に因る部分が大きい。したがって、
当然、我がイルルケルス家も上流階級に分類される。だが、ウィルフィリス家はそうではない。よくて中流階級の家系だった。しかも、記録によれば子息に恵まれず、250年前に断絶している。
今となっては、王や
過去の栄光を連綿と語り継いでいると仮定しても、
例えば、ヘルガイの果実。
ニズの民から話を聞けば、四肢の欠損すら完治するという。そのようなものが正式にレナ本国から配布されていればアルフェン達の旅はカラグリアで終わっていただろう。
当然、私もこうして現体制に反旗を翻すこともなく。暗澹と現実から目を背け、本質を見ることもなくいつの間にか王に担ぎ上げられていただろう。多くのダナの命を犠牲にしたことを知ることもなく。
例えば、シオンとの関係。
エストルヴァの森でのやり取りを見るに、浅からぬ仲と見えた。
聞けば、シオンは幼少の頃より研究施設で過ごしていたらしい。そんな彼女にとって、人と関係を構築する時間がなかったことは想像に難くない。
リィヤーも研究施設にいたのであれば辻褄は合うが......その場合、リィヤーはいつ、どこから研究施設に入った?
レネギスに研究施設と呼べる場所は多々あれど、シオンの言う人体実験を行う場所は私の知る限りどこにもない。唯一王のみが入れる禁領と呼ばれる区画やレナ本国であれば可能性はあるが、
禁領にあるのだとすれば、シオンはもとよりリィヤーは王の身内ということになるが、歴代の
極めつけは、"天災"リィヤー・ウィルフィリスの享年。
300年前に確かに存在していた人物であることは論文等の記録から確定とみていいだろう。
星霊力の特性に始まり、発動した星霊術の恒久的な運用方法や人が一度に扱える星霊力の許容量など。
そんな偉人たる彼に関する記録は何一つ残っていない。残っているのは各研究を記した論文と、名前のみ。
容姿はともかく、各論文を発表した際の年齢、享年その他、"生きていた"という痕跡が残っていない。
まるで、何者かが意図的に情報を封鎖しているような──。
「いちいち絵になるな。あんたは」
アルフェンか。さしずめ船上で手持無沙汰といったところか。
そういえば、アルフェンも
まるで怯えを察されないように強がっているように見えた。
まさかアルフェンの失われた記憶にもリィヤーが関わっているのだろうか。
アルフェンの顔に残る鉄仮面。
記憶を封じ、
痛覚がないのも仮面の影響だろうか。
ニズに到着する寸前、アルフェンを中心に瞬間的に可視化するほどの星霊力が乱れたあの星霊術。あれも〈ヘルガイの果実〉同様リィヤーの研究の一環なのだろうか。
鉄仮面に彼、あるいは彼女が関わっているのであれば、あり得る話だ。
「テュオハリム?俺の顔に何かついているか?」
「いや、失敬。思索に耽ってしまった。見る側の主観までは責任を負えんのでな」
どちらにせよ、
リンウェルとシオンがどのような結論を出すにせよ、問答の時間はあるはずだ。
閑話はいつ欲しい?*読みたくないという意見は無へ還りました
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完結後にまとめて
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時系列順で都度