テイルズオブアライズ トロフィー「絶望の荊」獲得RTA レナ人チャート   作:完走したい天邪鬼

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クオリティが目に見えて低くなった気がするけど、更新しないといつまでも納得できない気がするので、更新。
今話は過去一納得できていないので、後日修正が入る可能性が高いです


第23話 覚悟

執政官を倒し、解除装置を操作する。

おそらく、これで三層の先に進めるはずだ。

振り返るとシオンが気絶した執政官を治療していた。

相手に求められるでもなく目的に必要な訳でもないのに、自分から治療するなどと。生き急ぐようなシオンにしては珍しい。

彼女になにか思うところでもあったのだろうか。

 

「シオン、何かあったのかね?」

「......いえ。今行くわ」

 

その瞳は妙に憂いを帯びていた。

 

 

 

昇降機で三層に降りる。うむ、隔壁は解除されているな。

おそらくこの先は甲板、探し漏れがなければ、ここがこの船にある最後の扉だろう。

 

「行くぞ。皆」

 

アルフェンの声かけと同時に扉を開けると案の定、甲板に出る。

リィヤーは甲板の真ん中で1人、風を浴びていた。

実験でもしているのかと思っていたが、こんなに何もないところでただ待っているとは予想が外れたな。

 

「結局来たのか。エストルヴァの森から2日、そろそろガナスハロスに向かったのかと思っていたが、待っていて正解だったようだ。それで、何をご所望かな?あの時の続きか......あるいは、魔法使い達の元に連れて行ってほしいのかな?であれば──」

「違う!お前はなぜそうやって他人の心を悪戯に傷つける!」

「──傷つけているつもりはないのだが......まあ良い。連れて行って欲しい訳でもなく、剣も抜かないとなれば、一体何をご所望なのかな?」

 

自然体で悠然と腕を広げ、微笑みを浮かべるリィヤー。

武器らしいものは見えないにも関わらず、放つプレッシャーは凄まじい。

まるで目の前で銃口を向けられ、引き金に指をかけられているよう。

そう感じるのはリィヤーの星霊術を一度身を以て受けたからか、あるいはただの錯覚か。

ただ一つわかるのは、武器を取れば間違いなく戦いになること。

私たちはリィヤーと戦いに来た訳ではない。戦いになることはどうにか避けねばな。

 

「......ふむ。黙りか。英雄などと呼ばれても問われ答える度量はないらしい。本当に何を望んでここに来た?」

「これ以上、我が友人達を愚弄するのはそのくらいにしていただこう」

「愚弄......愚弄か。テュオハリム卿、私は事実を述べているに過ぎない。責められる謂れはないと思うが?」

「本気で言ってるのかよコイツ」

「ましてや、領将(スルド)たる君がミハグサール(ここ)にいるなどと。不干渉は建前にすぎないとはいえ、随分と余裕があるようだ。だからこその好奇心かな?」

 

エストルヴァの森でのやりとりで察するものがあったが、リィヤーはかなりの皮肉屋だな。

まるでガナベルトやレネギスの老将達を相手しているようだ。

真っ直ぐに敵意をぶつけてくるリンウェルの方がよっぽど好ましい。

それでも、怯むわけにはいかない。

リィヤーの研究内容によっては、逡巡している暇すら惜しい。

 

「好奇心ついでに、君の研究レポートを読ませてもらった」

「ふむ?」

 

話が研究に関してになったからか、リィヤーから放たれるプレッシャーが薄れていく。

 

「一つ聞かせてもらおう。卿の研究の果てについてだ。誰もが強大な"力"を扱えるようにして、何をしたい?ましてや詠唱省略という星霊術制御の補助を外す技術まで確立して、何を求めている?」

 

本人がロウに語ったように、シオンが懐古しながら教えてくれたように、レナの階級社会を撤廃することに留まるのならば良い。

問題はその力を無作為にばら撒いて統制を取る術があるかどうかだ。

もしそれが無いのであれば、レナもダナも全ての民が今以上の地獄に見舞われる。

制御の効かない力ほど、恐ろしいものはない。300年前にレネギスに襲った未曾有の大災害、その再現となる可能性すらあるのだ。

故に、リィヤーの答えによっては──。

 

「別になにも」

「......なんだと?」

「何もない、といったのさ。そもそも、この研究は星霊力の制御方法を確立することが目的で、制御できるようになった力には興味が無い。故に、研究の果てに望むものなど今はないよ」

 

それは。

 

「レナの序列制度を撤廃させるって言ってたのは嘘だったのかよ」

「結果としてそうなると言うだけの話だ。なにせ皆が平等に力を持つのだから。序列も何もあるまい?」

「まさか、確立した制御方法を無秩序に与えるつもりか!?そんなことをすれば、今ある全ての秩序が破壊される!扱いきれない力が齎すのは破滅だけだろう!」

「......私は技術を確立し道具を作る。他ならない私の目的のためにね。そしてできた道具は共有するだけだ。それを他者がどのように扱いどうなろうと、ただ1人を除いて感知しない。利用も規制もやりたい者が勝手にやればいい」

 

リィヤー・ウィルフィリスは、きっと優しいのだろう。ニズでの慕われ方を見ても察せられる。

純真で博愛的で、人の悪意を勘定に入れていない。

 

デダイムのこともそうだ。あれほどまで苛烈なレナへの憎悪を募らせ、武器を確保していても尚、拘束も監視もなくニズで暮らせていたことが何よりの証左。

 

だが、だからこそ危険だ。

常人であれば美徳だが、リィヤーに限って言えばそうではない。

人の悪意を勘定に入れていないということは、己の功績がどれほど世界に影響を及ぼすか把握できないということ。

 

「とはいえ、その後を生きる上で社会基盤は必要か......。......だがまぁ、それは、その時に考えるとしよう」

 

止めるべきだ。取り返しのつかないことになる前に。

レナとダナの別なく、今あるすべての秩序を壊すことになるその研究だけは。

誰よりも力を追い求め、けれども力に価値を見出さないまま研究を終えれば、この300年間に勝るとも劣らない血が流れることになる。

 

「しかし!」

「それに、君も同じであろう?()()()たる炎の剣に味方し、今ある秩序(レナによる支配)を破壊して回る君に、私の研究に苦言を呈するのは謂れはないと思うが?」

 

「テュオハリムはお前なんかとは違うよ」

 

「リンウェル......?」

「人を溶かしても献身だと言い切るお前なんかと同じなもんか!」

「......ではどうする?私を止めるか?」

 

リィヤーがやや腕を広げる。リィヤーの方から風が吹いてることもあり、まるで待ち構えているかのようだ。

 

「止めるわ」

「シオン」

「あなたの目的は〈荊〉の治療。つまり私のためでしょう?これ以上、私のために誰かを犠牲にしているのを無視はできないわ」

「ふむ。それは困るな。私の望む世界に君は不可欠だ。そのために〈荊〉が邪魔だ。故に邪魔をするのならば容赦はしない」

 

銃声。

 

「言ったでしょう?止めるわ。何をしてでも」

「そうか。ならば君を救おう。喩え君を殺してでも」

 

リィヤーが戦意を滲ませると、怪鳥が降りてきた。メズメルドだ

巨大な翼でリィヤーを隠しつつ、我々を威嚇している。随分と怒り心頭な様子だ。

道中でも怪鳥類のズーグルとは戦ってきたが、これほど大きいのは初めてだ。

いつぞやアルフェンが言っていた、ギガント種というやつだろうか。

 

「無論。私たちも君を止めるさ」

「お前の責任をシオンに押し付けているんじゃねえよ」

「......ふむ。邪魔をするなら容赦はしないといったつもりだが?」

「仲間を殺すといわれて黙ってみているほど、薄情なつもりもないのでな」

「ならば、何に変えてでも守ってみせろ」

 

 




アンケート凄い競ってて笑っちゃった

閑話はいつ欲しい?*読みたくないという意見は無へ還りました

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