人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!!   作:なちょす

10 / 64
新年迎えて一発目、大遅刻組の作者です。
は〜つっかえ。挨拶は私事により簡略化させていただきますが、今年もよろしくお願い致しますね。
頑張るゾ〜!えいっ、えいっ、ヌッ!!!!(暴発)

あっ、そうだ!(唐突) 新年早々ガチャ自慢させて!
オペラオーが面白れー女だったから"欲しいな"⋯ってボヤいたの!

5人も来たのッ!!(正月:恒常=3:2)

限度があるだろがッ!あと2人出してみろお前、俺はハリボテの覇王七福神等身大パネル作ってアヤベさんに送りつけてやるからなぁ⋯⋯!!


第4R : #お兄ちゃんという面影

 自分が凄く浮き足立っているのを感じる。こんなに早く来て欲しいって願った一日は、凄く久しぶりかも。

 

 理由は単純⋯⋯お兄ちゃんからお出掛けの誘いが来たから。普段はカレンが連れ回しちゃってるから心の中ではごめんなさいって思ってたけど、お兄ちゃんから来たって事は嫌じゃなかったって事だよね。

 

『試合に勝ったし家で映画でも観るか?』

 

 何度も携帯を見ては、その度に心がポカポカする。チームの子達に対してもだけど、普段とは違うこういうフォローをしてくるのがお兄ちゃんのズルいとこ。皆思ってるのも多分知らないんだろうなぁ。

 

 

「顔、出てるわよ。」

「え?」

「随分と楽しそうね。」

 

 

 同室のアドマイヤベガ(アヤベ)さんが、そんな事を言った。う〜ん、やっぱりお兄ちゃん絡みだと、隠せないのかも。

 だって嬉しいものは嬉しいから。笑って誤魔化すと、アヤベさんは少しだけ笑って、視線を下げて足をパタパタさせた。

 

 モコモコで覆われたファーのスリッパ。アヤベさんのトレーナーさんが、この人の為に送った初めての贈り物⋯⋯って事になってるけど、カレンが少しだけアヤベさんのトレーナーさんにアドバイスした事を本人は知らない。きっと言ったら真っ赤になって怒っちゃうもん。

 

 初めて会った頃のアヤベさんは、氷の様だった。他者を近づけない、関わりを持とうとしない、けれども何かを求めて頑張ってるのにから回ってる。自分自身すら満足に身動き出来ないくらい、冷たい氷⋯⋯どうしてこの人がそんなに必死だったのか、直接は聞いてない。軽い気持ちで踏み込んじゃいけない───そう強く感じていたから。

 

 ただ1つだけ分かるのは、そんなアヤベさんにずっと寄り添っていたトレーナーさんを、この人が邪険にしているわけないよねって事。オペラオーさんが太陽のように氷を照らして、ドトウさんが少しずつ氷を砕いて、トレーナーさんがこの人を受け止めて、温め続けた。

 日本ダービーが終わって部屋に戻ってきたアヤベさんの、『肩の荷が降りた気がする』って言った時の顔を覚えている。その時ようやく、アドマイヤベガさんっていうウマ娘の人と出逢えた気がした。

 

 

「どうですか?」

「何が?」

「スリッパ。」

「⋯⋯別に、普通よ。」

「顔、出てますよ?」

 

 

 ほらっ、そっぽ向いちゃった。カワイイ。

 

 

「それより、遅れるわよ。出掛けるんでしょ。」

「あっ!じゃあカレンそろそろ行きますね!」

 

 

 う〜ん⋯でもあと少しだけ⋯⋯。

 

 

「アヤベさん。」

「何?」

「感想が知りたいらしいので、電話してあげたらどうですか??」

「感想って、なんの───っ、はっ、なん⋯!?い、良いから早く行きなさいってばッ!!」

「はーい♡」

 

 

 ようやくこっちを向いたアヤベさんは、真っ赤になりながら枕を投げようとしていた。ふふっ、満足♪あぁでも、後が怖いかも。いつかやり返されるかな?

 

 そんな事を考えながら軽い足取りで駅へと向かった。

 

 

 流石に人が沢山いる。休日の午前中だから仕方ないと言えば仕方ないよね。5分前には着くはずだったけれど、途中でウマスタのフォロワーさんとばったり会ってお話しちゃったから⋯⋯あちゃー、10時ピッタリ。待ち合わせの場所に向かうと、顎に手を当てて何かを悩んでるスーツ姿の人が、人混みの中にポツンと1人。

 お兄ちゃん、休日もスーツなんだ。う〜ん、ちょっと残念。私服のお兄ちゃんも見れると思ったんだけどなぁ。

 

 まだこっちに気づいてないみたいだし、腕組みしちゃおーっと♡。

 

 

「⋯⋯どうしたものか。」

「どうしたの?お兄ちゃん。」

 

 

 カレンにビックリする事無くお兄ちゃんはこっちを見下ろして笑っていた。ぶー⋯⋯ちょっと複雑⋯⋯。

 

 

「カレン、来てくれてありがとうな。ただちょっとだけ待っていてくれ。」

「はーい♪」

 

 

 少し離れたお兄ちゃんは、携帯で誰かに電話を掛けていた。詮索はしないけれど⋯なんだろう⋯⋯ちょっと気になる。普段あまり見ない、どこか焦ったような表情。最初の方はお兄ちゃんの声が小さくて良く聞こえなかったけれど、最後ら辺は聞き取れた。

 

 

「先生、落ち着いて下さい───そうですか。お疲れ様です。それじゃ。」

 

 

 先生⋯⋯学園の人かな?

 

 

「ごめんな、カレン。待たせた。」

「電話はもう良いの?」

「あぁ、大丈夫。少し作家さんが限界を迎えただけだよ。」

「大丈夫じゃないと思うなぁ⋯⋯。あっ、でも待たせたって思ってくれたなら〜⋯⋯手、繋いでもいいかな?」

 

 

 作家さんって言うのが凄く気になるけれど、お兄ちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫⋯⋯なのかな?

 カレンの手を取ったお兄ちゃんは、そのまま家へと案内してくれた。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 映画をレンタルしてお兄ちゃんに案内されたのは、新しめなアパートの一室だった。てっきりトレーナー寮かと思ってたから、平気なフリをしてるけどかなりビックリしてる。

 やっぱりデジタルちゃんと一緒に沢山成績を残してきたし、実力トレーナーとしても別なのかな?開かずの部屋も特別に作って貰ったって聞いてるし。

 

 部屋の中は凄くシンプルで、特段家具が多いとかお洒落なインテリアがあるとかって言うわけじゃなかった。秋川理事長のスタンドが飾られた神棚はちょっと分からなかったけど⋯⋯崇拝?なんか周りに凄い数のペンライトが刺さってる。

 

 座っていいぞって言われるがまま、取り敢えずソファーに座る事にした。

 

 

「楽しみだね、お兄ちゃん。ドキドキしてきたかも。」

「あぁ、そうだな。」

 

 

 たまに見せるお兄ちゃんの表情。優しさに溢れてるけれど、どこか悩んでいるような憂いの空気が滲み出ている。

 カレンやデジタルちゃんだけじゃなくて、1つのチームを纏めあげている大黒柱みたいな存在だから、今もこうして他の子の事を考えているのかもしれない。

 カレンのことをお兄ちゃんは沢山知っているのに、お兄ちゃんのことは分からない。それが少しだけモヤッとする。何か少しでも手伝える事があれば⋯⋯そう思ったのは、1回や2回じゃないのに。

 

 お兄ちゃんは、こっちを向いて言った。

 

 

「カレンはレースに向けて詰めてたから、今日1日楽しんでくれるなら嬉しいよ。練習をちゃんと見れなくて悪かったな。」

「気にしてるの?」

「そりゃ勿論。」

 

 

 悩んでいたのはカレンのことだって。

 

 言ってくれれば良かったのに⋯⋯あっ、でもお兄ちゃんはそういう事言わないよね。カレンはストイックだなってよく言われるけれど、カレンからすれば見えないとこでそんな風にずっと考えてるお兄ちゃんも相当ストイックで諦めが悪いよ?(勿論良い意味でね。)

 

 

「だってカレン、まだ夢の途中だろう?"宇宙一カワイイ私"っていう夢の。」

「えっ───。」

 

 

 懐かしい記憶。ずっと昔⋯⋯子供だったカレンの夢を肯定してくれた人。周りの人達は子供らしくて可愛いねって言っていたけれど、それは認めてくれていたわけじゃなかった。

 皆を幸せにしたいから、カワイイカレンであり続けたい。それは今も変わってないし、それがもしかしたら自己満足でしかないかもしれないって言うのは少しだけ思う事もあった。それなのに、お兄ちゃんは今もこうしてカレンの夢を話してくれている。

 

 覚えてるの?カレンのこと。

 

 その一言でいいのに、言葉が続かない。ギュッと、手が握られた。尻尾を整えてもらった時と同じ感じ⋯⋯どこか懐かしくて、温かい⋯⋯そんな───。

 

 

『カレンは、自慢の───。』

 

 

 ⋯⋯あっ。そっ、か。私は知ってたんだ。この懐かしさも、温かさも⋯⋯辛さも。

 もう1人だけ、そんな子供らしい夢を信じてくれた人がいた。応援してくれた人がいた。その面影がお兄ちゃんと被ってるから、こんな気持ちなんだ。

 

 ねぇ⋯⋯兄さん(・・・)

 私は、ちゃんと夢を追いかけられているかな。

 もし兄さんが今もいたら、こんな風に過ごせたりもしたのかな。

 

 私はお兄ちゃんに寄りかかっていた。何かを感じてくれたのか、お兄ちゃんが肩に置こうとした手も自分で掴んでしまった。この人は兄さんじゃない。頭で分かっていても離したくなかった。どこかへ行ってしまうのが、怖いから。

 

 気づいたら、映画は終わっていた。うん⋯⋯おセンチなカレンはおしまいっ。いつも通りに戻らなくちゃ。

 

 

「終わったね〜。」

「終わったな⋯⋯。」

「お兄ちゃん、もしかしてちょっと怖かった?」

「まさか。寧ろ普通に楽しんでたよ。カレン的にはどうだったんだ?」

 

 

 ⋯⋯どうしよう。お兄ちゃんの事で結構いっぱいだったからあんまり覚えてない。

 

 

「ん〜⋯⋯やっぱり後半が良かったかな?」

 

 

 当たり障りな〜く、それっぽい事で誤魔化しちゃう。ごめんなさい、お兄ちゃん。カレンちょっぴり悪い子になっちゃいます♪

 

 

「クライマックスって感じで盛り上がったかも。あっ、続編もあるけどどうする??」

 

 

 きょとんとしてる。

 もしかしてあんまり覚えてなかった?じゃあまだ時間はあるから、今日1日楽しもうね。お兄ちゃん♡




アドマイヤベガ(アヤベさん) : カレンチャンの同室であり、トレセン学園が生み出したテイエム歌劇団(3人)の一角。サイゲは'99世代からNTRの実装頑張って。イヤイヤ言ってるけど何だかんだお願いを聞いてくれる優しいお姉ちゃん気質なダービーウマ娘。ツンデレ通り越して、もはや愛。重い過去を背負ったウマ娘ステークス出走予定。カレンチャンと同室にしたサイゲスタッフ君さぁ⋯⋯取り敢えずドンペリで良い?(スタオベ)。

あっ、今日の23時59分でアンケートを締め切ります。沢山の兄貴たち、本当にありがとナス!!ホヤ遊ばせって何だ⋯⋯?(困惑)
ロリコン編は出来てるけど金曜か土曜に投稿しますゾ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。