人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!! 作:なちょす
温度差で風邪ひくなぁ、戸締りすとこ。今回、話の中でホラー映画の描写があるので心臓の弱い独身兄貴はご注意下さい。なおB級のクソパニコメディな模様。
transformingをデジたんに歌って貰うと貴重なマジ顔のギャップでとぶ。1日3回まで。用法用量を正しく守護りましょう。
えっ!ガチャ画面がファル子とカレンとデジたん!?ウチの長距離メンバーじゃないですかたまげたなぁ⋯⋯。
『古代の哲学者は言いました。唯一の善は知識であり、唯一の悪は無知である、と。』
アグネスデジタルがそう言っていたのは、カレンのレースが終わった次の日であった。
『ソクラテスがどうした。』
『カレンさんの話です。今のままでは、領域に入ったサクラバクシンオーさんと競うのはかなり厳しいかと。仕上がりがどれだけ完璧であっても、最後の決め手には欠けるかもしれません⋯⋯そこでトレーナーさんが今よりもっとカレンさんの事を知って、その長所を伸ばして差し上げるんですよ。』
『お前の手帳じゃダメなのか?』
『あれはアタシがカレンさんを見て感じた事、実際に話で聞いた事を纏めた物なので、トレーナーさんにとって参考にはなれども解答ではありません。トレーナーさんにだからこそ見せてくれるカレンさんの本質や純粋な気持ち⋯⋯知って欲しいのはそれなんです。』
普段の限界化したデジタルからは想像がつかない真面目な声音。それ程までに、領域に踏み込んだサクラバクシンオーを脅威と見ているのか⋯⋯或いは、チームの絶対的エースとしてカレンチャンの事を案じてくれているのか。
まぁ何にしても、だ。
『分かったけどいつまで変態望遠鏡覗いてんだ。』
『マヤノさんとブライアンさんの絡みを見ないなんて選択肢あります?』
『いや無いな。どれ俺にもマヤ×ブラを───話をしてるんだが?ん??』
『もぅ、せっかちさんですねぇ⋯⋯。』
『顔だらっしな⋯⋯その顔で哲学云々申していたのか?』
『まぁまぁ。全て本心ですからね!カレンさんの道が開けるかどうかはトレーナーさんの頑張り次第なのです。じゅる⋯⋯。』
『ヌゥ⋯⋯デートでもした方が良いのか⋯⋯。』
『えっ。』
『なんだその顔。お前撫で転がすぞオラッ!!』
そんなこんなで⋯⋯何とも言えない薄ら笑いを浮かべたアグネスデジタルをトレーナー室で追いかけ回したのが実に1週間前である。歳とると時間が経つのが早くてダメね⋯⋯。
今日は休日。多くの店が開店時間になるこの時間帯は、流石に駅前が人の波である。うっぷ、酔いそ。
田舎生まれ田舎育ちの俺に都会の環境は、10年居ようと慣れるものじゃない。これならクソド田舎な地元の山奥で猪とうりぴょいした方がマシである。死ぬかな?
だが今日俺が下手をすれば、死ぬかもしれんというのは変わらないのだ(社会的に)。
昨日カレンに送ったメッセージには、確かに俺発信で『試合に勝ったし家で映画でも観るか?』との一文。勘違いしないで欲しいしURAに報告なんてもってのほかだ。俺は紛れもなく磔刑か去勢である。
トレーナーを本気で目指していた時、まさか学園がトレーナー寮を所有しているなんて知らなかったから徒歩圏内にアパートを借りてしまったのだ。恥ずかしいね。
この事は我が半身しか知らない。まぁその半身からも"私物だけ隠しておいて下さい"とか言われたけど、アイツの私物なんかやよいちゃんの神棚とアホみたいに置かれているペンライトだけだろうに。隠す必要ある?
因みに一緒に来てサポートして♡って言ったら満面の笑みで、『は〜キレそ〜〜〜』って返された。何でだよ。
本当に困った時は連絡下さいね、とは言われたもの⋯⋯正直自信は無い。だって俺カレンの私服初めて見るし⋯⋯ウマ娘と出掛けるなんてデジタルと2人かボーノも入れて3人でしかないし⋯⋯いや、何故かブルボンが真後ろにいた事があったな。
えぇ⋯どうしよう⋯⋯変に緊張してきた⋯⋯。
「⋯⋯どうしたものか。」
「どうしたの?お兄ちゃん。」
*トレーナーは 心臓が1/3程 縮んだ。
*トレーナーは ヒト息子が1/3程 伸びた。
何たるスウィートボイス。横を見ずとも分かる距離感⋯⋯カレン、当たってる。出会ってコンマ、即腕組み。出会って即合体する企画物ビデオだって3~5秒は猶予あるんだぞ知らんのかお前。
お兄ちゃんの腕が『
そうだ、これを『曲線のソムリエ』と名付けよう!初めまして。『曲線のソムリエ』代表、魔法使いチェリー・ポピンズです。ぶっ飛ばされんじゃねぇかな。
阿呆な事考えつつもゆっくり振り返ると、そこには私服姿のカレンチャンが居た。
なんだその男を惑わす黒タイツは。破廉恥が過ぎる。おっ、赤いスカートは女の子らしくて良いじゃないか。実に良い。そういうのだよそういうの。シンプルなデザインの白ニット⋯⋯いやニットじゃないか?おじさんには名前が分からん。袖はシースルーなのか。ほほぅ、腕が透けて⋯⋯中等部だよな?ふーん⋯⋯。
「カレン、来てくれてありがとうな。ただちょっとだけ待っていてくれ。」
「はーい♡」
カレンを待たせて少し距離を取り、俺は真っ先に携帯を取り出した。
「デジタル助けてッ!」
『あの〜⋯⋯何で集合時間から1分で電話かけてくるんですか?草枯れてよもや牧草ですよ。』
「俺には刺激が強過ぎて⋯⋯直視出来ん⋯⋯ッ!!」
『かぁ〜!!ダメダメダメ!どうしてそこで日和っちゃうんですか!?今こそ大人の男性としてリードしてあげるところですよ!アタシが行かない分、しっっっかりカレンさんのカワイイ表情を押さえてシチュ記憶して原稿用紙にそのレビューを書いて明後日までに提出して下さい!!』
「おい。目的変わってんぞ。」
『トレーナーさんの今日の頑張り次第で!アタシは!!
「先生、落ち着いて下さい。」
『本当はアタシだってそこで壁になりつつカレンさんのカワイイ表情に尊みとしんどみを感じていたいのにぃっ!!』
「そうですか。お疲れ様です。それじゃ。」
切ったわ。1度ああなるとあてに出来ん。恐らく今頃は限界オタク化して大泣きしているだろう。そこにボーノとクリークがやってきてバブバブ甘やかされるまでが見える。
「ごめんな、カレン。待たせた。」
「電話はもう良いの?」
「あぁ、大丈夫。少し作家さんが限界を迎えただけだよ。」
「大丈夫じゃないと思うなぁ⋯⋯。あっ、でも待たせたって思ってくれたなら〜⋯⋯手、繋いでもいいかな?♡」
こっ、このウマ娘⋯⋯ッ!!フゥ⋯⋯落ち着け冷静アイムファイン。手の平に意識を集中させろ⋯⋯汗腺を塞げ⋯⋯。お兄ちゃんは手汗なんてかかないのだ。昭和のアイドルみてぇだな。
覚悟を決めた俺はカレンの手を握って、マンツーマンの戦いへと足を運ぶ事にした。
うひぇ〜ちっちゃ〜い。しゅべしゅべ〜。
キッショっ!!
◇◆◇◆◇
勝てねぇよ⋯⋯。
結局ここに来るまでの道中でカレンに好き放題弄ばれてしまった。今だって無臭をつらぬいていた筈の俺の部屋が彩フレグランスで満たされてしまっているのだ。精神衛生上良くない。いや匂いは良い匂いです。万歳。
映画も2、3本見るつもりで互いにレンタルしたのだが、カレンが何を借りたのかは全く知らない。教えてくれないんだもん⋯⋯。こいつがホラー好きなのは、勇者手帳で予習済みだ。だから少し前にオススメの映画聞いてこっそり観てたんだが、ホラー色と言うよりはパニック色が強かった。そっち系は別に苦手でも何でも無い。
まぁ優しい所から教えてくれたかもしれないから一概には言えないが、その映画に濃厚過ぎる濡れ場があった事は鮮明に記憶している。カレンの原点を知った気がして恐怖に慄いた事も。
『あっ、俺喰われるな』って⋯⋯寧ろその考えが強過ぎて何にも話が入ってこなかった。お前よくオススメ出来たな。
「楽しみだね、お兄ちゃん。ドキドキしてきたかも。」
「あぁ、そうだな。」
こっちだってドキドキしすぎて吐きそうだわ。何出てくるか知らないんだぞ。どこまでも俺を狂わせるウマ娘め⋯⋯今に見てろよ?お兄ちゃんだってホラー耐性上がってんだって事教えてやんよ。
あっそうだ(唐突)。それはそれとして、レース前って事でちゃんとしたオフを与えられていなかった事はマジで申し訳ないと思っているぞ、カレン。
「カレンはレースに向けて詰めてたから、今日1日楽しんでくれるなら嬉しいよ。練習、ちゃんと見れなくて悪かったな。」
「気にしてるの?」
「そりゃ勿論。だってカレン、まだ夢の途中だろう?"宇宙一カワイイ私"っていう夢の。」
「えっ───。」
『いやぁぁあああああ!!マイケルゥッ!!』
ヌァッ!!!!バカヤロウッ!!開幕悲鳴で始まるホラー映画があるかッ!!心臓が1個止まったわクソマイコーがッ!!ふざっけんなよ!?
思わずカレンの手をガッチリロックしてしまった。おおお落ち着けよ俺⋯⋯情けない姿を見せるのはまだ良い。失神も大丈夫だろう。いくらカレンでもこちらの意識がない時にうまぴょいの算段を立てるほど鬼では無いはずだ。
ここが誰も助けに来ない我が家だとしても。
ここが助けの無い我が家だとしても!
ガチ泣きだけは避けなければならない。30手前のおっさんがガチ泣きしてる姿って需要ある?いや、無い。あー泣きそ。
怖いものは幾つになったって怖いものだ。例えフィクションだと分かっていても、現実で解明されていない事が多々ある以上妙にリアリティある映画はタチが悪い。普段ならぬいぐるみやデジタルにしがみつけば何とか意識を保てるが、隣に居るのはカレンチャンだ。1度でもしがみついてみろ。誘い受けのプロがあれよあれよと俺を手玉に取り事案発生、トレセン学園からうまぴょい警察が派遣されてもれなく御用改めである。
『本当だよ!4本足でとてつもなく速い芦毛のモンスターだ⋯⋯俺は見たんだよ。舌を出しながらこっちへ向かってきて⋯ッ、うわぁぁぁああ!!』
『きゃあ!?マイケルがモンスターにシャツを破られたわッ!!』
『俺に任せろ!手懐けてみる!』
『そんな、無茶よジャスタウェイ!!』
テンションおかしくない?いや、タイトルで誤魔化されてたけどこれB級映画では?カレン⋯⋯お前、お兄ちゃんがホラーダメなの知っててこんなマイルドなチョイスに路線変更を考えてくれたのか?ふふっ、優しいじゃないか⋯⋯他にあっただろ。
ヌッ。ぴょいの波動を感じる。カレンがえらくしっとり身体を寄せてくるぞ。いやいや場面が合わんって。
何でくっつきだしたー?どこの世界にB級映画観ながら良い雰囲気だね⋯⋯ぴょいしよ?♡って近づいてくる乙女が居るんだー?
ここに居たわ。
今ジャスタウェイが芦毛のモンスターと曲芸してんだよ。お兄ちゃん玉乗りは出来ないし芦毛でもないぞ。精々ベッドの上で股間のモンスターを優しく足蹴にされながら玉転がしコースである。
は?されんが???
しかしここは大人の余裕を見せつける場面なのかもしれない。デジタルも大人の男性としてリードしてあげるべきだと言っていたじゃないか。
呼んだのは俺だがここは1つカレンの心臓も縮小させてやろう。俺は確かにケツイを固めたんだ。大人の怖さを思い知れよ!!
そっと肩に⋯手を、こう⋯⋯触れるか触れないかのギリギリで⋯⋯あっ、ち、近⋯やめたい⋯⋯吐きそう⋯⋯もう自首して───何っ!?カ、カレン!?お前からこっちの手を掴むのは無しだろうッ!?
『好きよ、マイケル⋯⋯。』
『僕もだよ⋯⋯。』
濡れ場だわ。エッッッグ⋯⋯テンション上がるなぁ。
テメェいい加減にしろよクソマイコーッ!こっちはぴょいの波動ビンビンだって言ってんだろうがッ!!
い、いや⋯⋯これはまさか⋯カレン、お前知ってたな?このタイミングで濡れ場があるの分かっててこっちの動きを封じたんだな!?B級映画見せて俺がお前に安心しきった所を畳み掛けるつもりだったんだろうッ!?
なんてウマ娘だ⋯⋯!エンディングはまだか!?さっさと終われよ!!いつまでベロチューしてんだコイツら!!
『ゴールデン・ホース⋯⋯fin. 』
「終わったね。」
「終わったな⋯⋯。」
「お兄ちゃん、もしかしてちょっと怖かった?」
「まさか。寧ろ普通に楽しんでたよ。」
な、何だよ⋯⋯ジト目やめろよ⋯ちょっと強がったって良いじゃないか!
⋯⋯というか、何で映画見たんだっけ?あっ、カレンの長所伸ばすんだった。目標未達成!終わり!終われねぇ⋯⋯デジタルにぶっ飛ばされる⋯⋯。
長所⋯長所⋯⋯えっ?カレンがぴょいしようとしてた事しか分かりませんけど。嘘、俺のトレーナー適正ザコ過ぎ⋯⋯。
いや、違う⋯⋯疲れているんだ。よくよく考えたら俺も休みを取るのは久しぶり。だからこんな風に、カレンの一挙手一投足に振り回されるのだろう。
カレンチャンだってきっとからかっているのでは無く、純粋に俺と
「カレン的にはどうだったんだ?」
「ん〜⋯⋯やっぱり後半が良かったかな?」
濡れ場じゃねぇかよッ!あぁぁもぉやだぁああッ!!
「クライマックスって感じで盛り上がったかも♡」
そこまで聞いてねぇんだよ!!こっちは最初っからクライマックスなんだわ!何お兄ちゃんとうまぴょい伝説作ろうとして1人で盛り上がってんだ!!
これがカレンチャン⋯⋯これが誘い受けのプロ⋯つ、強ぇ⋯⋯。今この瞬間が1番ホラーだったわ。て、手は出さんからなっ!?お前これ以上俺を誘惑してみろ!台所からフランスパン持ってきて蹄鉄嵌めてここで履くぞ!?(ハッピーミーク並感)
フゥ⋯⋯深呼吸。次だ次。カレンが実力行使に出る前に、絶対乗り切ってやる。
「あっ、お兄ちゃん。続編もあるけどどうする??」
いい加減にしろよお前ぇッ!!!!
なんかロリコン編書く度に文字数増えてんだよなぁ⋯⋯?
まま、ええわ。2章以降の決まってる部分の予告だけ。
2章.UNLIMITED IMPACT : 変態と変人が、トレセン学園に居るウマ娘ちゃん達とか後輩ちゃんとか桐生院さんと漫才したりしなかったりします。基本コメディー。ロリコン目線オンリーだけどデジタル編の前編。なんとホヤも出るぞッ!!
3章.Special Record!: こちらもマイルドな微下ネタコメディー。分かりすぎて逆に分かってないマヤちゃんと、最初っから分かってないのに何故か掛かってるロリコンが永遠にアンジャッシュ。そうかそうか、君はそういうやつだったんだな。この李白の目を持ってしても(ry。誰か止めろ。
魔女っ子は他のヒロインが実装されたタイミングで前後調整します。
総数1306件のご意見、本当にありがとナス!!こんな来るとは思わなんだ。