人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!!   作:なちょす

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文字数えらいこっちゃだったので分割しました。これは賢さS。
ホントに賢いなら、決めた文字数内に収めるんだよなぁ⋯⋯。

下ネタも勘違いネタも、身近な美少女との日常会話で使って♡使え(豹変)
2/2は出来てるので明日の朝6:00からお会いしましょう。これにて書き溜め分は終わりです♡(絶望)


1/2 : チェリーボーイ・ミーツ・ガールズ

「カレン⋯⋯あの⋯⋯。」

 

 

 三女神像の前で立ちすくんだままの本気(マジ)絞りモードカレンチャンは、その存在感を否応なしに振り撒いていた。諭すか、うまぴょいか───かつてここまでのDead or Aliveな人生選択があっただろうか。それも外で。せめて屋内でやれ。

 

 第一俺が何をしたって言うんだ⋯⋯そ、そんなにか?俺がカレンチャンの面倒をちゃんと見れてなくて、からかいにも上手く対応出来ず、果ては1人泣いていた⋯⋯それで社会的に死ぬ事が決まると言うのか⋯⋯?童貞が生き残るにはそれ(うまぴょい)以外無いとでも言うのか?

 

 んなわけ⋯⋯そんなわけあるかっ!こちとら後輩ちゃんにはパシリとして追い出され、霊障にも遭遇して、担当に不満ぶちまけられてんだぞ!?俺は絶対に勝つからなッ!お前の兄活の数々は今日で終わるんだッ!見てろよカレンッ!

 

 人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!!

 

 

「カレン⋯⋯俺は───。」

 

 

 その時だった。

 まるで糸が切れた人形のように、カレンは不自然なバランスで倒れ込ん───。

 

 

「ぬぉぉおおおおおおおおんッ!!!!」

 

 

 あっぶねぇッ!!お前マジで止めろって!頭とか打ったらシャレになんねぇよっ!お兄ちゃんがバカみたいな叫び声上げて、咄嗟の判断と機転を利かせなかったらマジでヤバかったんだからな!?

 テイエム歌劇団のクールビューティ担当、アドマイヤベガに教わった"Shall we danceの構え"⋯⋯死ぬほど嫌そうな顔されたけど、教えてくれたアヤべさんには感謝しかない。死ぬほど恥ずかしい。二度とやらん。

 

 とにかくカレンだ!急にぶっ倒れるとか何がどうなってんだよチクショー!オカルトは要らないって言っただろッ!?

 

 

「カレン!カレンッ!!」

「⋯すぅ⋯⋯。」

「寝っ⋯⋯ほ?」

 

 

 何寝てんだよ。お前名探偵だってもっと分かりやすい前フリあってから倒れるわ。その速度で寝るのは野比家の子だけなんだ分かってんのか。

 

 びっっっっっくりさせんなよもぉーッ!怪我なくて良かったなコノヤローッ!!今度やったらこっそり耳カバー外すからなお前!!

 

 いや、その場合はセクハラになるのか?

 いやいや、そもそも耳カバーというのは衣服の一部。それを外すというのは実質衣服を脱がすのと同義では?

 いやいやいや、うまぴょい1歩手前じゃないか。カレンに火が点いたらどうする。お兄ちゃんだって大炎上するわ。

 

 じゃあ特にお咎めはないけど金輪際勘弁してくれ!頼むから!そもそも何で急に寝だしたのかさっぱり分からん!取り敢えずこのままここにいれば寒いだろう。おぶるかプリンセス抱っこでもしてどこかへ運ばなければ⋯⋯。だがどこに?

 家⋯⋯は、駄目だ。距離がある。お兄ちゃんが先にくたばるわ。トレーナー室はソファーしか───あっ。

 

 

「あるじゃん。保健室(教会)。」

 

 

 完全防音というこちらに不利なフィールドだが、この際贅沢は言えん。腹を括ったばかりだろう。何を恐れる必要がある。

 ふと振り返れば、三女神像がこちらを見ていた。心做しか笑っているようにも見え⋯⋯なくもないが最初からあんな顔だった気がする。これ以上は本当に止めて頂きたい。落ち込んで"お友だち(霊障)"に遭遇して愛バの不満にへし折られて社会的に死ぬ覚悟を決めた直後に追い女神。ごっつぁんです。

 

 一体俺が何したってんだ!何もしてないぞ!して無さすぎてデジタルに呆れられてるんだ!ちょっとぐらいハッピーカムカムしろよ!フンギャロッ!

 無茶な動きをしたガタガタの身体に鞭打って、俺はカレンチャンをのっそり運ぶのだった。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 さて、と⋯⋯保健室に来たは良いものの、またしてもオカルト発生である。今俺の目の前にある布団。それが何故もっこりしているのか。明らかに不自然な膨らみ。不自然にもっこり膨らむのはポニーちゃんだけで充分である。やかましい。

 

 この部屋に入れる鍵を持っているのは、俺とデジタル、それからボーノ。しかしデジタルは無いだろう。先程俺に死刑宣告を下したと言うのに、ここに戻ってくる意味が無い。

 ボーノはフラワーちゃんと一緒にお料理動画を撮影中だからそもそも居ない。因みに今日は春野菜のサグラダ・ファミリアだそうな。サラダかと思って聞き直したけどサグラダ・ファミリア⋯⋯ウチのガウディが何を作りたいのかは分からないが、兎に角フラワーちゃんは泣きそうだった。

 

 違う、今はこの布団だ。

 

 何だか運命のいたずらに腹が立ってきたぞ。良いだろう。どんなオカルトだろうが怪現象だろうがかかってこい。カレンをおぶったお兄ちゃんは無敵だぞお前。なんたって背中でマシュマロ支えてんだ。

 ヌッ、滾るんじゃあない。

 鬼が出るか蛇が出るか。慎重に⋯⋯されど大胆に、俺は布団を捲りあげた。

 

 

「⋯⋯⋯⋯何してんだ。」

「ミホノブルボンです。」

「知ってるよ。」

 

 

 サイボーグだった。

 どこにI'll be backしてんだ。坂路に帰りなさいよ。何他所様の部屋で体育座りしながらベッドにコロンしてんだ。自分が美少女なのを自覚しろ、無垢な高等部め。

 

 

「暖めておきました。」

「それが通用するのは旦那の帰りを待つ新婚の奥さんと秀吉だけだ。」

 

 

 ムクリと起き上がったサイボーグはおぶられたカレンチャンを見るや、俺から引き剥がしてそっと布団に寝かせた。マシュマロは消え去り、ポニーちゃんは息を潜め、めでたしめでたしと相成ったのである。

 

 

「で⋯⋯なんでここに?」

「デジタルさんに開けて頂きました。ここにいればトレーナーさんに会えると。」

「要件は俺か。じゃあ布団にくるまってたのは?」

「待機行動を実行中、外気温の低下を確認。記憶媒体に保管していたデータと比較、明確な差異を感知。非常事態と判断し緊急シーケンスを発動しました。」

「つまり?」

「寒かったです。」

「おバカ。」

 

 

 トレーナー室から持ってきた椅子にブルボンを座らせ、俺が着ていたジャケットと保健室に常備していた毛布を掛けてやる。少しブルっとしてんだボン。そりゃ寒いでしょうよ。何月だと思ってるんだ。

 冷暖房完備なんだから使えば良かったのに⋯⋯あっ、そうだった。機械触らせると破壊するんだった。ヌゥ、難儀なサイボーグめ。

 

 な、なんだよ。なに人の顔とジャケ&毛布を交互に見てるんだ。まだ寒いと言うのか?暖房が機能果たすまで待ちなさい。そんなすぐには暖まらないんだぞ。

 

 

「何か手伝います。任務の指示を。」

「えっ。まだ寒いだろ。こっちは大丈夫だから暖まれ。」

「いえ⋯⋯活動に支障はありません。」

「そっ、そう?なら良いけど⋯⋯。」

 

 

 はっや。ウマ娘って代謝も良いの?初耳なんだが。いや、確かにデジタルやカレン、マヤノも比較的体温が高い。子供体温だと思っていたが元の代謝がヒト耳と違うのであれば、成程納得。

 まぁそうだな!そういう事にしておこう!ジャケットからステータス : 加齢臭を確認したので動いて気を紛らわしてますとかだったら今すぐ窓から飛び降りていた所だ。1階だけど。

 

 

「⋯⋯⋯ぅ⋯。」

「カレンさんに異変です。」

「熱くてしんどいのかもしれん。隣は厨房だから、コレ水で濡らしてきてくれるか?」

「はい⋯⋯厨房?」

「色々あるんだよ。ウチには。」

 

 

 毛布は椅子に置き、ジャケットだけ羽織ったまま厨房へ向かったブルボンはあっという間に帰って来た。仕事が早くて非常に助かる。流石後輩ちゃんが面倒を見ているだけあるな。

 

 ところで⋯⋯その持ってきたおしゃぶりについて説明してもらおうか、おい。

 

 

「置いてありました。消毒済みだそうです。」

 

 

 厨房へ確認しに行くと、確かにタッパーに入った大量のおしゃぶりが真っ先に目に付いた。用意したどっかのママもそうだが、それを平然と持ってくるサイボーグも大概である。試供品じゃないんだぞ。後輩ちゃん、どうなってんだハーバーは。

 

 おしゃぶりをじっと見つめていたブルボンは何を思ったのか、それをゆっくりカレンの口元に持っていった。は?

 

 

「おいっ、何しれっとカレンにおしゃぶり咥えさせてんだ!怖いもの無しかお前は!?」

「人は行き詰まったり、苦しくなった時に本能で母性を求めるものだとクリークさんに教わりました。ミホノネットワークに保管してある63通りのデータ内では、これが最善かと。」

「ん⋯ぅ⋯⋯⋯⋯⋯う"ッ⋯。」

「聞いた事無い呻き声出したぞ。」

「おかしいですね⋯⋯こうするとデジタルさんは大人しく眠ってくれると仰っていたのですが⋯⋯。」

「ミホノネットワークから変態とアグネスデジタルを削除しなさい。当てにならないから。」

「了解。情報更新───63件中、63件の削除を確認。」

「⋯⋯何かゴメンな?ウチのに言っておくから。」

 

 

 カレンの口から半ば引っこ抜く形でおしゃぶりをもぎ取る。相変わらず苦しそうではあるが、あるよりはマシだ。おでこに濡れタオルを乗せてみるが状況は変わらない。まぁ熱があるわけでもないし当然といえば当然なんだが⋯⋯じゃあ何で魘されているのかという話である。

 

 

「どうしたもんか⋯⋯。」

「悪い"ユメ"でも見ているのでしょうか。」

「あぁ⋯⋯悪夢見ると凄い魘されるみたいだもんな。自分じゃ気づけないけど。」

「悪夢ではありません。悪い"ユメ"、です。簡単には振り解けない、運命。過去。或いは───。」

 

 

 ブルボンの表情は変わらない。だがカレンを見下ろすその眼は、勇者御一行に挑戦を叩きつけた強者のものでは無かった。

 恐れか悲しみか。どちらにせよ始めてみる表情だ。俺には悪夢と悪い"ユメ"の違いは分からん。デジタルなら分かるだろうか⋯⋯あっ、死刑宣告して帰ったんだった。

 

 

「⋯⋯に⋯⋯さ⋯。兄、さん⋯⋯。」

 

 

 久しぶりにカレンの口から出た『兄さん』という単語。僅かに目尻には涙が浮かんでいる。

 お兄ちゃん分かっちゃった!!

 つまりどういうことか?答えは1つしかない。

 

 カレンチャン、ホームシック問題である。

 

 間違いない。俺は勇者御一行のトレーナーだぞ?確かにデジタルには少し不満を持たれてしまって失敗しているが、いつだって良バ場ハッピー☆カワイイだらけのチームなのだ。勇者の半身であり、カレンのお兄ちゃんであり、マヤの管制塔であり、ボーノのちゃんこ⋯⋯それが俺だ。分からないはずが無いだろうッ!

 

 しかしどうだ。ここで兄さん⋯⋯うむ、カレンはウチのチームで共に夢を追いかけるエーススプリンター。年頃の少女なのに普段は全くと言っていいほど弱みを見せない為、溜まりに溜まった兄さんへの寂しさがとうとう限界を迎えたのだろうな。

 顔も名前も知らないカレンの兄よ⋯⋯どんな愛し方してたんだ。

 

 たまごっちの様に愛情たっぷり育てた妹さんが担当を本気でぴょいしようとしてるんだぞ。少しぐらい様子を見に来てくれても良いじゃないか。このままじゃ、うまだっちしたお兄ちゃんのたまごっちは好きだっちされてしまうんだ。女々っち(ぃ)、みみっち(ぃ)、トドメにくちぱっちならぬくち封じ。#お兄ちゃんのポニーちゃんは小物っち。クソが。

 

 このままでは300万人のカレンフォロワーにどんな目に合わされるか分かったものでは無い。ボタン1つで水に流せるたまごっちと違って、こっちはボタン1つで通報と炎上のハリケーンである。水にも流せない事案。待て、これでは俺がフン以下じゃないか。(フン)ギャロッ!!

 

 ⋯⋯⋯⋯何か腹が立ってきたぞ。

 今カレンの夢を共に追いかけているのは誰か?そう、お兄ちゃんです。

 日々カレンの面倒を見たり、逆に色々と助けて貰ったりしてるのは誰か?そう、お兄ちゃんです。

 肝心な時に兄さん呼びになるのは、何だか分からんが妙に落ち着かない。頼られている感じがしないのだ。今はウチのカワイイカレンチャンなんだぞ。兄さんがどうした。悪い"ユメ"がどうした。

 

 そんなもんは⋯⋯俺にかかればティッシュに纏めてポイじゃオラッ!!

 魘されているカレンの耳に顔を近づけて、俺は宣言した。

 

 

「どけ!俺はお兄ちゃんだぞッ!!」

 

 

 ピクリと反応したカレン。あれだけ魘されていた筈の寝顔は穏やかになり、静かな寝息を立て始めた。

 よーし、満足。これがお兄ちゃんパワーだ。わっはっはっは!!

 

 ブルボン居たの忘れてたわ。

 

 目の前でクッソ恥ずかしい宣言したぞ⋯⋯。チラリと横に目をやれば、ブルボンは僅かに目を見開きながらポカンとしていた。や、やめろその顔⋯⋯違うんだって⋯あの⋯⋯⋯違うって⋯⋯。

 

 

「⋯⋯何故。」

「な、何が⋯⋯?」

「いえ⋯⋯こちらの話です。ところで要件ですが───ずっと、聞きたい事がありました。」

 

 

 ミホノブルボンは少しの沈黙の後、口を開いた。

 

 

クラシック三冠(私と父の夢)を初めて肯定した貴方は───何故、私を選ばなかったのでしょうか。」

 

 

 こちらを見つめるその眼は⋯⋯まるで親の機嫌を伺う子供のように、揺れ動いていた。




ネタまとめてるアプリに下ネタがわっさわっさ。
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