人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!! 作:なちょす
お花のロリが来ました。勇者御一行確定です。作者は蝶々になるんですよ。お花にそっと寄り添うんですね。蛾ではありませんよ。ポケモンで言ったらドクケイルとかウルガモスです。
「お兄ちゃん♪」
『お誕生日おめでとうーッ!』
トレーナー室にクラッカーの音が響き渡った。テーブルの上には、彩豊かな食事に『三十路』と書かれたケーキ。そして何よりも目を引く春野菜のサグラダ・ファミリアが鎮座している。完成してたんだな⋯⋯デッカ⋯⋯。
高松宮記念は大盛況と困惑の内に幕を閉じた。
カレンがレース後直ぐに意識を失ったり、それを運んで来てくれたバクシンオーが『次は天皇賞・春でお会いしましょう!ハッハッハッハー!!』と高笑いしながら気絶したりと、最後まで慌ただしかったが⋯⋯まぁ良い思い出だろう。因みにバクシンオーは倒れ込んだカレンを支える際に脚を軽くグネったようで、トレーナーからは追加の
さて。そんなスプリンター達の祭典が終わった翌日、カレンチャンのお疲れ様会を予定していた筈だが⋯⋯実はそれこそがカレン考案のドッキリだったらしい。本当は皆で俺の誕生日会をしてくれる手筈だったとかなんとか。ふふっ、この歳になってきゃぴきゃぴ(死語)した教え子達に祝って貰えるとは⋯⋯会場準備の8割を自分でやったんだけどな。
三十路を迎えたお兄ちゃんは、2人の新人ちゃんが持ってきてくれたドレスコードで完全パーティー仕様お兄ちゃんである。お馴染み三角帽子と『アンタが主役』タスキ、それから紐を引くと瞼が閉じるすごく面白い眼鏡。
これいる?トレーナーさんバカ浮かれてるおじさんみたいな構図じゃない??
僅かに戸惑っていると、パシャリとカメラの音がした。
「ん⋯⋯カレンか?」
「そうだよ。お兄ちゃんのお誕生日だもん、フォロワーの皆もお祝いしてくれるかなって♪」
えっ、バカみたいなおじさん300万人に晒されるの?
カレンがそう言ってからものの10秒だろうか。
ポケットの中で携帯のバイブがエラい事になっている。ウっ、ウマスタの通知が止まらん。俺の携帯という事は⋯⋯DM⋯?まじ?
元々SNSはあまりやっていなかったのだが、折角カレンのトレーナーにもなったという事でウマスタを入れたのが随分と前の事である。今ではカレンのおかげもあり、フォロワー60万人程のお兄ちゃん。トレセンに在籍しているトレーナーの中で1番フォロワーが多いと自負できるわ。投稿したのはカレンのレースだったり練習風景だったり⋯⋯後はおやつに食べてた芋けんぴ。
すごく面白い眼鏡を外して携帯を見てみると、沢山のお兄ちゃんおめでとうコメントに混じって謎のワードも幾つかあった。その際たるコメントが、"うp乙"である。お兄ちゃん若者言葉とかネットスラングに弱いんだ。今デジタルに教えて貰ってる最中⋯⋯何だ"うp乙"って。何をどう略したらそうなるんだよ。
こっそり相棒に聞いてもいいが、今は新人ちゃん達と盛り上がっている最中。マヤはボーノと話しているし、いつの間にか隣に座ってるカレンは何の笑顔が分からんがニッコニコ。俺の知識欲を満たす為だけに彼女達のカワイイ空間をぶち壊してはならない。つまり自分の頭で考えるしかないのだ。流行の最先端を行くウマスタグラマー⋯⋯更にその先陣を突き進むカワイイCurren。そんな彼女のトレーナーが、若者言葉1つ理解出来ない時代遅れ行き遅れの情弱クソザコナメクジおじさんであってはならない。お兄ちゃんの矜恃がそれを許さん。
考えろ⋯⋯恐らくは、"うp"と"乙"の付く何かだ。昔デジタルに教わった事がある。"乙"と言う一言だけでお疲れ様の意味を兼ねているんですよ、と。普通に考えたらそちらの意味合いが強いのだろうが、ここはカレンチャン。閃光乙女の異名を持つウマ娘ならば、"乙女"の略もあるのではないか?そして問題の"うp"⋯⋯なんだよコレ。マジで分からねぇ。誰だこんな言葉作った奴は。うぱ、うぴ、うぷ、うぺ、うぽ⋯⋯うぴ?
ハッ!!
『x²+y=うp×うp+乙=
俺の愛バがッ!!!!
そういう事か!?皆おめでとうって言いながら、実はただうまぴょいを見たがってるだけなのか!?60万のド変態共が⋯⋯ッ!ダメに決まってんだろッ!!
「お兄ちゃん?すごい汗だけど⋯⋯どうしたの?」
「いや⋯⋯その⋯⋯。」
「あっ、そう言えば⋯⋯お兄ちゃんのうまぴょいが見たいって感想、結構来てたんだよね。」
「そっ、そうなのか⋯⋯?」
先越された!知ってるよ、だっていっぱい来てるもんなッ!!でも別に全部に答える必要は無いってお兄ちゃん思うぞ!?確かにお前さんは伝説級のインフルエンサーだが、この峠越えたら伝説級の裏垢配信者になるんだからちょっと冷静になれって!!
少しだけカレンが寄ってきた。
指と指が触れ合うか触れ合わないかのギリギリを攻めた童貞を殺す動きである。これをされると童貞には最早為す術が無い。触れたら最後、『お兄ちゃんどうしたの?ぴょいする?♡』となるし、触れなければ『お兄ちゃんどうしたの?ぴょいしよ?♡』となるのは目に見えている。正しい対処法を随時募集中です。知恵袋、頼む。
そんなカレンは、周りに聞こえないように耳元で小さく囁いた。
「今⋯⋯やっちゃおっか♡」
ヌッ!!今ヤるの!?お兄ちゃん別にそのプレゼントは求めてねぇって!!脂汗で察してくれよ!『春だから卒業式も♡』って安直な事しなくて良いんだぞ!?
「し、しかしな⋯⋯あっ、ほら!結構音もするだろうし!」
ストレートに最低である。反省。
「隣の保健室が防音なの、カレン知ってるよ?」
おごォッ!!逃げられねぇ!!ちょっと小突いたらボディーブローで返してくるのやめろ!今軽く反省しようとしてただろうが!!大体何で防音だって知ってんだ!!
カレンの距離感が完全にうまぴょい1歩手前のそれである。お兄ちゃん担当の事なら何だって知ってるんだ詳しいんだ。デ、デジタル⋯⋯マヤ⋯ボーノ⋯⋯誰かこのハートに火が点いたインフルエンサーを止めてくれッ⋯⋯。
「ファンの人達に知ってもらうなら⋯⋯動画かなー?」
「ど、動画で。」
「やっぱり生が良いよね。」
「生ッ!?」
「あっ、段取りとかは任せてね。撮影は毎日やってるから心配しなくていいよ♪」
「撮影を毎日ッ!?!?」
とんだドスケベサキュバスじゃねぇかッ!!怖いもんなしかお前は!?俺どえらいもんと一緒に過ごしてたんだな!?本気絞りモードになった途端どうした!?
か、怪物⋯⋯これが芦毛の怪物ッ!!毎日生で動画プレイって童貞には想像つかねぇよ⋯レベルが異次元すぎんだろ⋯⋯お兄ちゃん何されるんだ⋯⋯?お前は朝から晩まですっぴんわっしょいぐらいの感覚かもしれんがなぁ⋯⋯ッ、こっちは1ぴょいだって無いんだよ!ワールドワイドにお兄ちゃんの醜態を晒そうとすな!!
おかしい⋯⋯デジタルから預かった勇者手帳にはそんなハレンチャンな真実は書いて無かった筈。アイツなんだかんだ常識人だもんな。匂いとか足音でウマ娘判別出来るぐらいには変態だけど、その辺はしっかりしてる。
「じゃあデジタルちゃんも呼んでくるね。」
「エッ?」
「3人の方が見栄え良いでしょ?それに⋯⋯カレンが個人的に見たいだけっていうのもあるから♪」
3人がノーマルと言いたいのかお前は!?アブノーマルだよ!した事ないけど多分普通じゃないよそれ!よりによって常識的な変態を呼ぶんじゃない!何だ個人的に見たいって!い、嫌だ⋯⋯長年連れ添った相棒に情けないとこ見られたくない⋯デジタルだけは待ってくれよ⋯⋯いや、もう情けないところクソほど見られてたわ。
そしてお前だよポニーちゃん。何さっきからちょっと元気になろうとしてるんだ。お前にそんな根性とスタミナがあるわけないだろう。張り切るんじゃない。寝ろ。
「と言うわけで〜⋯⋯行こ?♡」
「⋯⋯⋯⋯はい。」
「あっ。」
何やらカレンが立ち止まった。何だと言うんだ⋯⋯まだ何かあるのか。お兄ちゃんバカみたいなパーティーグッズつけてこれからうまぴょいする覚悟決めなくちゃならないんだぞ⋯⋯。すごく面白い眼鏡でもつけなければ気が動転してしまいそうだ。う〜ん⋯眠くなってきちゃった⋯⋯。
「随分楽しそうな眼鏡を付けていらっしゃいますね。」
キュッと心臓が縮まった。ついでにポニーちゃんも萎縮した。
ヤバい、冷や汗が背中と脇を湿らせていく。
僅かに高い、落ち着いた女性の声。これは後輩ちゃんでは無い。ある意味トレセン学園内で最も目を付けられてはならない、俺達トレーナーのトップの声だ。
恐る恐るメガネを外すと、目の前に居たのは小柄なボブカットの女性。キッチリとスーツに身を包み、後輩ちゃんとは対称的な穏やかな目元⋯⋯の割に2歳下の彼女から発せられるオーラは最早ベテランですらない威圧感を孕んでいる。
「⋯⋯お疲れ様です、ヨシエさん。」
「はい、お疲れ様です。誕生日会ですか。」
「はい⋯⋯。」
彼女の名はヨシエさん。
皇帝シンボリルドルフのトレーナーであり、同時にトウカイテイオーとキタサンブラック(仮入部)の面倒も見ている素性が分からない女性だ。トレーナー室を持たず、基本的には生徒会室で作業をし、ウチの子達が"しん⋯⋯"となる位には恐ろしい人である。
いや度々ウマ娘達や他のトレーナーと笑顔で会話しているのは目撃しているから悪い人とかただの怖い人では無いと思う⋯⋯のだが、俺には1度も笑いかけてくれたことは無い。俺が何をしたって言うんだ⋯⋯。
「ルドルフから言伝です。今回の高松宮記念で面白いレースを見せて貰ったお礼に、要望があれば出来る範囲で取り合うと。」
じゃあ今すぐこのカワイイ妹のうまぴょいを止めて頂きたい。
「ルドルフ会長も見てくれたんですか?」
「えぇ。"ハーバー"、"お友だち"、"勇者御一行"⋯⋯この3つのチームは、今やトレセン学園の中核を担うチームです。生徒会だけでなく、生徒達や世間も注目していますからね。皆さん積極的にメンバー募集をかけてはいないようですが、公の場で募集をかければ希望する生徒は多くいると思いますよ。」
「恐縮ですよ。ルドルフ達生徒会にもヨシエさんにもお世話になっているのに。」
「彼女は好きでやっているところもありますからね。自らの道⋯⋯突き進むと決めた
「ありがとうございます、ヨシエお姉さん♪」
ヨシエさん相手にお姉さん呼び。カレン、お前さん無敵か?
しかし⋯⋯要望。いざ『何か欲しい物は』と求められると、咄嗟に出てこないのが人間である。メンバーの募集と言っても取り敢えずは返答待ちの3人娘がいるし⋯⋯あの子ら忘れてんじゃねぇかな⋯⋯。
あっ、そうだ。
「ヨシエさん。それは特別移籍でも可能ということでしょうか?」
「私達に出来る範囲なら可能です。無論、本人の意思が最大限尊重されますが⋯⋯。」
「構いません。勇者御一行、集合ー!」
そう言ってデジタルの方を向けば、小さく頷いて俺の机にパタパタと走っていった。引き出しから取り出したのは、俺の我儘⋯⋯もう俺達か。2人の意思が書かれた1枚の用紙だ。
「少しだけ待ってて下さい。すぐに済みます。」
一通りメンバーの顔を見渡し、デジタルが持ってきた紙をテーブルの真ん中に置く。
「これはデジタルとチームを作った時に、いつか叶えたいと思った願いなんだ。今特別移籍という形で要望を聞き入れて貰えるチャンスなら、この機会を活かしたいっていうのが正直な気持ちでな。けれど、もうこのチームは俺達2人のものじゃない。こうして6人になって、取り敢えずは何事も無く成績も残せてるチームだ。だから皆の意見を聞きたい。特に───カレン。」
「え?」
「今回はカレンの頑張りが大きかったからな。この機会はお前さんがくれたものだ。俺としては、カレンの気持ちを尊重してやりたいと思う。」
そういうとこしっかりするからな俺は。うむ、出来るお兄ちゃんだ。でもお兄ちゃんの貞操が欲しいとかはNGだぞ。それはヨシエさん達の管轄外だから自分で勝ち取ってくれ。
いや与えねーよ。いかん、頭の中でうまぴょい伝説がイントロを奏で始めている。お黙り。
「⋯⋯お兄ちゃん。カレン、ずっと思ってたんだ。」
優しい笑みを浮かべながら、カレンは俺の机からボールペンを持ってきた。
「お兄ちゃんもデジタルちゃんも、凄くカレン達のことを考えて色々助けてくれる。でも2人の悩みとか考えは、いつも2人だけで解決しちゃうでしょ?だから⋯⋯もっと頼って欲しいなって感じてた。それは皆同じなの。」
カレンの言葉に釣られて周りを見渡せば、ボーノが、マヤが、新人ちゃん達が⋯⋯笑って頷いている。同じ気持ちと言うのは本当らしい。確かにあまり頼りはしなかった気もするけど⋯⋯いや頼ってねぇな。うん。
「だから、今度はカレンが⋯⋯ううん、カレン達が2人のお願いを聞く番。この紙にこうしちゃいまーす♪」
「あっ!じゃあマヤもいっぱい書いちゃお!!」
「ボーノなお願い聞いてもらいたいね〜。」
「私も書く⋯⋯。」
「はいはーい!あたしもー!」
俺とデジタルが目をぱちくりさせている間に、どうしたものか特別移籍願が寄せ書きになってしまった。2人で顔を合わせれば、笑いしか出てこない。いつの間にかこんな頼もしいメンバーになってたんだな。
「⋯⋯俺らも書くか。改めて。」
「ですね。改めて。」
寄せ書きの一番下に、でかでかと最後の言葉を書いたそれをヨシエさんに渡した。うん、ビックリしてる。これ寄せ書きにしちゃったから効果無くなるとかないですよね?
「本当に良いんですか?彼女は⋯⋯。」
「知ってます。だからこそ、今なんです。」
「私とルドルフでも届かなかった怪物に、首輪を付けられると⋯⋯?」
「怪物⋯⋯確かにそうですね。でも俺の知っている彼女は、いつだって楽しそうでした。だから世間からも、
ヨシエさんは僅かな逡巡の後、踵を返した。心做しか肩の荷がおりたようにふっと息を吐くと、続けて言う。
「ルドルフなら⋯⋯きっと笑ってくれるでしょう。特別移籍願、"マルゼンスキー"。確かに承りました。」
そう言って部屋を後にする。
ほぇ〜⋯⋯やたらと緊張した。だがこれで準備は全て整えたんだ。ウチのチームの結束力も再確認出来たし、万々歳である。これからどうなるかは分からない。だが、俺たちはやれる事をやるだけ───。
「じゃあ、隣行こっか♡」
台無しだよッ!!
今終わったろ!?お兄ちゃん頭の中でエンディング迎えようとしてただろうがッ!!どんだけうまぴょいに掛けてんだお前は!!
い、いかん、とうとうデジタルもカレンに手を引かれてしまった。逃げ場などどこにも存在しない、春のこの頃。親父、母さん⋯⋯貴方達のポニーちゃんは、今宵満開の栗の花を咲かせてみせましょう。
やってきた
デッ、デジタル⋯どう思う⋯⋯今なら逃げられると思うか?
あっ、目を逸らされた。なんで?
さっきまで普通だったじゃん⋯⋯なんなら今だって、別に不満とかはないですけど〜、みたいな雰囲気出してるじゃん⋯⋯いや不満無いのもマズイな。ん?不満があった方が良いのか?それはそれでおかしな事にならないか?あっダメだ動揺し過ぎてワケわからん事になってきた。
取り敢えずデジタル⋯⋯尻尾を足に巻きつけるのどうにかしないか?
「あっ、ごめんなさい!カレン、ちょっと隣に忘れ物してきちゃったから取ってきま〜す♪」
「おぅ。」
なんならそのままゆっくりしてきて良いぞ。切実に。
『⋯⋯⋯⋯。』
⋯⋯⋯⋯何、この空気。えっ、デジタルさん?やたらと大人しいけどどうしたのよ。お前普段はこう⋯なんかあるだろ?尻尾巻き付けるとかじゃなくて、オタク同士のわかりみが深い的な⋯⋯そう、
これじゃあいざカレンから逃走する時に逃げられ⋯⋯はっ!?お前、もしかしてカレンに攻略されてるのか!?カレンが忘れ物を取りに行ったこの間に俺が逃げないように2人で話を合わせて⋯⋯いやいや、流石に考えすぎだろう。なんたって俺のデジタル、言わば半身だ。余計な心配はするまいて。
「あの⋯⋯トレーナーさん。」
「どうした?」
「トレーナーさんに⋯⋯そう言えば、まだプレゼント渡して無かったなぁと思うんです。アタシ。」
「お、おぅ⋯⋯いや、別に気にしなくても───。」
すごく面白い眼鏡の紐がグッと引っ張られる。数値化するならパワー1200位から繰り出される圧倒的ロリパワーに首を持っていかれ───。
近付いたアグネスデジタルの
足に巻きついてた尻尾が離れていく。
眼鏡を投げ捨てて愛バを見やれば、手の甲で口元を隠しながら目を泳がせていた。
「カッ⋯!かかかカレンさんが、ですね⋯⋯?その、プ、プレゼントならこれが一番だと⋯仰いまして⋯⋯その!!おっ、推しの案件なら?聞くのが??ウマ娘ちゃん好きのオタクとしては!?やるべき対応と言いますか!!あっ、あの⋯その⋯⋯ちょ、ちょっとだけ、失礼します⋯⋯。」
最後の最後にようやく目を合わせたデジタルは、そのままそそくさと部屋を後にした。
ははぁん⋯⋯⋯⋯さては萌え殺す気か?
ビックリしたわぁ⋯⋯何よ、急に可愛くなるじゃん。いやウチの愛バ元から可愛いわ。変態なのにああいうとこ
教え子に頬チューしたら完全に事案やろがぃ。
いかん、冷静になれ。幾らこちらがキュン死しそうになったからと言って、大人の一線を踏み越えてはならない。俺は出来る大人だろう。そうだ、別にやましい事は───なんで扉ちょっと空いてんの?なぁ⋯⋯カレン?
「あはっ♡」
「⋯⋯ははっ。」
「プレゼント、貰えた?」
「お、おぅ⋯⋯貰えたよ?」
「そっかぁ⋯⋯じゃ、撮影終了〜♪」
はっ?
部屋に入るなり、カレンは置きっぱなしだった携帯のカメラを切った。撮影だと?撮影⋯⋯撮影っ!?!?
おあぁぁあああああああッ!!全部撮られてたッ!見られてたッ!弱味握られたァッ!!
おまっ、お前、まさか⋯⋯全部分かっててこの段取り仕組んだのか!?天才か!?デジタルが言ってたカレン案件ってこういう事かよ!!ハナっから撮る気満々だったんだなッ!!なんでデジタルもそっち側なんだよ!!
うまぴょいの為にお兄ちゃんの弱味握るのはやりすぎだろ!?言っちゃなんだけど、あと一押しくらいされたらお兄ちゃん完全に分からされてたんだから正攻法で来いよ!
やはり⋯⋯童貞がカレンチャンを相手にするのは間違っていた⋯早すぎたんだ⋯⋯。いや、童貞かどうかなど最早関係無い。カレンチャンというウマ娘が予想以上だったのだ。頭の回転の速さ、一挙手一投足、距離感、彩フレグランス⋯⋯全てにおいてが、まさに小悪魔ガール。何年経っても勝てる未来が見えねぇ⋯⋯。
「じゃ、隣戻ろっか♪」
「え?う、うまぴょいは⋯⋯?」
「⋯⋯したいの?♡」
墓穴ッ!!もう何やっても自滅すんだから喋るな俺ッ!!
しかし可愛いカレンチャン、相変わらずの色気である。ヌッ、本当に中等部か?
「いや、忘れてくれ⋯⋯そう言えば、結局カレンのお願いって何だったんだ?」
「ん〜⋯⋯なんだと思う?」
こちらを振り向いたカレンは、どこか切なそうな表情を浮かべ、俺の口元に人差し指を当てた。
「お兄ちゃんに知って欲しいから、やっぱり⋯⋯なーいしょ♪」
ポニーちゃんがギブアップ宣言を告げた瞬間であった⋯⋯後でお前のオフショットに#Look at Curren付けてやるからな。
●ロリコンVSカレンチャン〇
いやー今回は僅差の戦いでしたね!
↓以下、新人ちゃん達の申し訳程度の設定
バイブスアップ(ロリ) : 名前に反してテンションsageぽよの141cm。模擬レースで後ろから2番目。悔しくて芝をブチブチ抜いてた所をロリコンに見つかった子。現在スプリンターとしてカレンの元で成長中。フジツボが好き。
ダウナービート(ロリ) : 名前に反してテンションageぽよの144cm。模擬レースで最下位。悔しくて芝に顔つけてギャン泣きしてた所をロリコンに見つかった子。現在ステイヤーとしてマヤちんの元で成長中。カメノテが好き。
カレンチャン(完全体) : お兄ちゃんとデジタルちゃんの可愛い姿を見たいが為に生まれた究極可愛い生命体。一歩間違えたら走るFA〇NZA。ちっちゃなお願いは私服のお兄ちゃんとデートしたいだけなのだが、お兄ちゃんから誘ってくれるのを待ってる一途な子。ウマソウルが若干インストール気味の為、お兄ちゃんとデジタルちゃんを泣かせる人は耳を絞ったカレンとお話だぞ♡
ヨシエさん : 当作品最初で最後の名前付きオリキャラ。検閲事項の為閲覧不可。
次回、ボーナスRという名の繋ぎのスレ。明日の朝お会いしましょう。