人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!! 作:なちょす
独身兄貴たち、僕が200連の爆裂魔法使うとこ見てて⋯⋯ドバーッ!と出すから⋯⋯。今日からチェリーポッターになるんだ。僕はね⋯⋯ロリにステッキ(意味深)を振る事で一夜限りの魔法を誰だアズカバンの囚人とか言った奴。
最近、温かいコメント欄にモチベを昂らせています。
何で感想の方がギャグセンス高いんだよ⋯⋯?教えはどうした教えは!?ギャグのテンポ気持ち良すぎだろ!(ミームに乗る作者の恥)
ストレートに有難いコメントくれる兄貴たちも、モロちん大好きです。
今後も気の向くままに投稿するので、気が向いた時にでもスっと読んでフッて笑ってスンッ⋯⋯ってなって貰えば幸いです。
「よくもやってくれたなハゲ⋯⋯ッ。私に仕事全部ぶん投げて
「ヨシエさん⋯⋯あの、他のお客さんがビックリしてます⋯⋯。」
「オマケに弟子も隠し持っちゃってさぁ⋯⋯?私の欲しいもん全部手に入れたこのゴール・D・ロジャーに、どうせ男同士でウマ娘達と仲良くするテクでも教えてたんでしょ⋯⋯?」
「それ俺の事言ってるんですか?や、それより落ち着いて⋯⋯。」
「私には心にち〇ぽでも生やしとけってしか言わなかったくせによッ!!!!」
「ヨシエさん!公共の場です!!」
『何?お前律儀に守ってた?バカじゃねぇの。』
「フーッ!フーッ!!」
「頼むから今は黙ってろ!マジでッ!!」
『いやお前らから電話してきたんだろうが。』
と、止まらねぇッ!パンドラから出てきた怪物が全ッ然止まらねぇッ!!俺の携帯がミチミチと音を立てて泣いてやがる!い、いかん、このままではウチの可愛い愛バ達と撮った数々のオフショットが葬られかねんッ!バックアップ取ってねぇんだ!それだけは避けねばならないッ!!
『しっかし、久しぶりだなぁおい。何でお前ら2人で⋯⋯さてはくっ付いたか?ヒュー。』
「あぁっ!?んなわけねぇだろハゲッ!!私に失礼だろうがッ!!」
「えっ、あっ、そーだそーだ!」
『んだよ面白くねぇな。似たもの同士くっ付いたかと思ったのによ。』
「ウチはルナちゃんがいるしこっちにはデジタルちゃんが居るんだからそんぐらい知っとけ!!」
「そーだそーだ!えっ、そうなんですか?」
「違うんですか?その気無いのにあの距離感とかロリコンですけど。豚箱行きます?」
オゴォッ!?ストレートの切れ味が半端じゃねぇっ!!何で矛先こっちに向くんだよッ!暴言のトリガーハッピーか!!
『デジタル⋯⋯?あぁ、そういやお前の担当そんな名前だったな。何かスゲー事やったみたいじゃねぇか。検索したら出てきたわ。お前チームも作ってんだ。へぇ。』
「興味ぐらい持ってろやハゲッ!ウチのデジタルとロリ達の可愛さ舐めんじゃねぇぞコラッ!!」
『急にキレるじゃん。え?ちょっと見ない間に弟子がクソ女とロリコンに変わってんだけど⋯⋯いやクソ女は元からクソだな。ははは!』
「うるっせぇよダボッ!!それより何許可無く私のシンザンちゃんとご結婚なんかしちゃってんの!?ふざけるのはそのスッカスカの頭だけにしてくんないっ!?」
『禿げてねぇよ。別にお前のじゃねぇし。』
「はぁっ!?私ヨシエだぞッ!?」
『だから何だよ。』
フゥ⋯⋯急に愛バを出されて熱くなってしまったが、俺までヒートアップしてはいよいよ止める人間が居なくなってしまう。落ち着け、童貞。お前は三十路だろう。いい歳だ。
でもどうしよう。ヨシエさんが三面怪人ダダの如き表情変化を見せるので、こちらも脳がこれ以上情報を受け付けたくないと駄々を捏ねていますよ、これは。本日の営業は終了しました。
「⋯⋯取り敢えず、何でめでたい式に俺達呼ばなかったのか説明してくれよ。」
『あぁ⋯⋯それで電話してきやがったのか。確かにお前らにはして無かったもんな。』
「取り敢えず理由だけは聞いてやるハゲ。さっさと答えろハゲ。」
『禿げてねぇよ。』
「いや、先輩禿げてますって。そよ風に吹かれて7割地肌見えたらそれはもう禿げてます。」
『俺の毛は繊細なんだよ。そよ風っていうには、強烈過ぎるんだ。』
「アンタの毛なんか子供の寝息でも散らかすでしょうがッ!!良いからさっさと答えろッ!!」
『わーった、わーった。いや俺も連絡はしようとしたんだよ。ただ若坊主はトレーナー業が板について忙しそうだったし、ヨシエに関しちゃ連絡先も知らねぇ。シンザンは"調べようか?"って言ったんだが⋯⋯まぁアイツらだし要らねぇだろってな!ハッハッハッハ!!』
ヨシエさんと顔を見合わせた。
要するに、めんどくさかったと。
俺らにゃ別に要らねぇだろうと。そういう事らしい。ははっ。
「先輩、今からこっち来ません?残りの毛根死滅させてやりますから。」
「グラスでモグラ叩きしてやる⋯⋯絶対に中ジョッキでやってやる⋯⋯。」
『何でお前らそんなに殺意高いの?ストレスか?トレーナー業大変だもんな。』
『オメーのせいだよボケッ!!!!』
「こっちがどんな思いで枕濡らしたと思ってんだハゲッ!あぁっ!?ちょっと生意気すぎたかな⋯⋯とか無駄に気にしてたんだぞオイッ!!」
「
ヨシエさんは言葉に詰まった。隣を見ると、下を向いた彼女の眼からは大粒の涙がぼろぼろとこぼれ落ちていた。
「⋯⋯俺は構わないですけど、この人にはちゃんと謝った方が良いですよ。ただでさえお酒で情緒不安定なんですから。」
『酒で情緒不安定?何言ってんだお前。ヨシエだぞ?情緒不安定に決まってんだろ。』
⋯⋯何だと?
『お前が知らねぇって事は⋯⋯ハハハッ、ヨシエ!さては普段猫被ってんだろ!』
「こっちだって立場があんだよッ!うぅぅうう⋯⋯!!」
『若坊主。知らねぇなら知っとけ。そいつはお前が思ってるような、ヤワな女じゃねぇ。なぁ⋯⋯ヨシエちゃんよ。何でトレセン入ったんだっけ?』
「⋯⋯シービーちゃんと毎日ちゅっちゅしてイチャつきたかったから。あわよくば結婚⋯⋯。」
『ルドルフになんて言って契約結んだ?』
「ウマ娘全員幸せにするから契約して⋯⋯結婚を前提に。あれ?ルナに結婚の事言ってない。」
『今の夢は?』
「ハーレム。全員扶養する。」
『良い夢だな。』
「えっ?そう?そうでしょ!えへへ〜⋯⋯。」
『頭ヨシエかよ。んなわけねぇだろバァカ。』
「フーッ!フーッ!!」
いや漫才。
ヨシエさんもヨシエさんで大分⋯⋯あ、携帯!携帯がッ!
これ、デジタルの亜種どころじゃ無いんじゃないか!?もしかして夢見る女性と言う奴では?ハーレムって要は顔の良い子達に囲まれてホストやりたいだけなんじゃ⋯⋯。
ヌッ!いかん、そうなると俺には扱いが分からない。限界オタク化したロリの相手ならまだしも、夢女と化した上司などどうしろと言うんだ。
『分かったか?顔は良いし、乳はデカいし、天才的に勘も冴えてりゃ人を自由に操るカリスマも有る。知らん奴から見たら超優良物件だ。だが蓋を開けりゃ悪態はつくし、嘘だけは絶対に通用しねぇ。オマケに自己肯定感は異次元レベル。万年発情期、進化を間違えたホモ・サピエンスだな。』
「頭部万年氷河期でシービーちゃんとマルゼンちゃん誑かした紀元前ハゲのクセに私の事そんな風に思ってたのか貴様。残りの髪もワイルドにアイスブレイクしてやろうか?おっ?」
「⋯⋯いや、まぁ。それでも色々助けて貰ってるしさ。何もヨシエさんの事そこまで言わなくても⋯⋯。」
「トレーナーさん⋯⋯もしかして優しくしてくれてるんですか?ふふっ、そこまで言うなら慕ってくれてもいいですよ?1日3万で。」
何だこの人。
『ふぅん⋯⋯?まっ、仲良くやってんなら良いさ。お前ら第一印象最悪だったからな。片や"いけ好かない態度で鼻に付く女"って悪態つくし、片や"才能も無いし顔も特段良くない羽虫とか興味無い"って切り捨てるし。』
ヌ"ッ!!矛先がぁッ!
ヨシエさんの手が俺の胸ぐらにッ!!!!ビクともしねぇッ!!絞まる絞まる絞まる!!デ、デジタル!デジタル助けて!!ボーノ!マヤ!カレンッ!
いやカレンはそのまま絞め落とされた所をパックンチョ♡されかねん。大人しく待っててくれ。
何でモルモットといいこのハゲ親父といい、要らん事ばかり本人の前で暴露しやがるんだクソがっ!!
「待て待て待て!んなわけねぇだろが!!俺そんな事言った記憶ねぇよ!会った事だって⋯⋯ッ!」
『真っ先にお前らを合わせてやったろうが。どっちもまともに顔見ねぇで悪態ばっかついてるからだっつの。』
「はぁっ!?んなわけ⋯⋯!ヨシエさんは覚えてますか!?」
「⋯⋯⋯⋯うん。思い出した⋯⋯。」
「⋯⋯そうですか⋯なんか、こっちもすみません⋯⋯。」
⋯⋯えっ、気まずっ。
『トレンディなら俺のいないところでやれよ。』
『だぁってろやハゲッ!!!!』
「さっきからちょいちょいワザとやってんだろ!?」
「顔面ぶん殴る⋯⋯絶対中ジョッキでぶん殴ってやる⋯⋯。」
『なぁ、そこの犯罪者予備軍どうにかなんねぇか?』
「アンタの愛の巣どこにあるか教えてよ。枕の中身カエルの卵でいっぱいにしておくから。生命の躍動感じながらその死んだ野池みたいな
『発想が気持ち悪ぃな⋯⋯まぁでも、安心したのは本当だ。お前らには色々と迷惑だけ残しちまったからな⋯⋯。』
「⋯⋯なんすか、急に。」
『年寄りの感傷さ。気にすんな。』
電話の向こうから聞こえるあの人の声には、茶化しのない安堵が入っていた。少なくとも⋯⋯現役の頃、俺はそんな優しい声音など一切聞いた事が無い。
別によく怒るとか、厳しいとか、そんなんじゃなくて⋯⋯なんと言うか、余裕が無かったのだ。それは多分シンザンの事。自分が居なくなってからのマルゼンスキーとミスターシービーの事。俺達の事。
ようやく落ち着いて、初めて生まれた言葉なのかもしれない。
「⋯⋯そう思うんだったらさ。聖蹄祭、遊びに来てよ。久しぶりに顔見たいし⋯⋯。」
『まぁそのつもりだよ。シンザンはちょいと忙しそうだし、俺1人かもしれんがな。』
「はっ?こちとらシンザンちゃんの顔見たいから誘ってんのにハゲ1人来たとこで誰に需要あんの?ウチ育毛製品とか扱ってないからNoサンキューなんだけど。リピーター志望なら別行ってくれる?」
『じゃあ説得しといてやるよ小娘。クソ女っぷりに磨きかかってきたじゃねぇか。取り敢えず仲良くやれよ。⋯⋯若坊主、お前にはまた掛け直す。じゃあな。』
そう言ってハゲとの電話は切れた。
俺⋯⋯特に何も言えなかったな⋯⋯ヒヒン⋯。
「⋯⋯飲み直し、ますか?」
「⋯⋯うん。」
嵐は止み、彼女と2人で静かにグラスを傾けた。
同じ師匠を持つというまさかの共通点に驚きはしたが⋯⋯何となく、仲良くやれそうだなと、俺はそう思った。
で、今に至るってワケ!!(2回目)
今がどんな状況か?
ヨシエさん出来ちゃった⋯⋯スッゴイ勢いで『いつものー!』って、飲むわ飲むわ止まらねぇのよ。果ては顔見知りだろう店員さんに絡んで『腹パンすんぞ』と言われる始末。あの店員さんもスゲェな⋯⋯。
今はハリケーンも落ち着いたのか、彼女は俺のネクタイをプラプラさせながらカウンターに突っ伏している。
「でさぁ⋯⋯URAの偉い人だかなんだか知らないけど、毎日ハゲの相手してるんですー⋯⋯。」
「⋯⋯はい。」
「こんな事ありますかぁ?毎日毎日ハゲ、ハゲ、ハゲ!外は晴れでも部屋はハゲッ!!あーキレそう⋯⋯。」
要約すると⋯⋯昇進的なものである。お偉方は彼女の功績と手腕に目を付けて、是非ともウチに来ないかと連日お誘いの言葉を掛けに来ているとの事。確かに酒が入るとアレな部分が出てしまうが、伊達にトレーナー達のトップを張っていないのも事実なわけで。
「で、でも凄いじゃないですか。相手方もヨシエさんに期待してるって事ですよね。」
「あのクソハゲ共、そんな事考えてないですよ。」
「クソハゲ⋯⋯。」
「私に嘘なんかついても無駄なのに⋯⋯舌先三寸、まだ分かってないんです。立場、自由、福利厚生、お金⋯⋯聞こえの良い言葉だけつらつら並べ立てて、本当のところは首輪付けて飼い慣らしたいだけなんですよ。しかもウマ娘の未来の為とか簡単に言っちゃって。あの子達の"未来"はあの子達で作るんです。私達がやるのは、"今"を後悔させない事、土台を支えて作り上げる事じゃないですか。」
「それは⋯⋯まぁ。」
「1回噛み付かれたから野放しにしたくないって魂胆を隠そうともしない。自己保身に走ってマスコミに媚び売るような連中が、成績残したら今度はこっちのご機嫌伺いとか気に入らないんです。何もかも。ああいうのは他人を切り捨てるのも早いんですよ。」
「⋯⋯噛み付いたんですか?本部に。」
「昔1度だけ。流石に師匠にゲンコツ落とされましたね。『何やってんだバカヤロウ!』って。あっ、思い出したらムカついてきた⋯⋯まぁ、あんな安い首輪なんて付けられたところで千切ってやりますけど。」
深く溜息をついた彼女はカウンターに突っ伏した。
どうも立場が上になると、トレーナーと言えども色々と対応しなければならない事があるようだ。年齢など関係は無いんだろうけど、素直にこの年下さんは凄いと思う。
ふと、目が合った。
若干眠いのか、どこかトロンとした目付きのまま彼女はこちらへと手を伸ばす。人差し指と中指を足に見立てた手が、ゆっくりと歩いてきた。
「もし飼い慣らされるなら⋯⋯私の言う事に文句を言わないで⋯私と同じような事考えれる人で⋯素直で、何度も騙されてくれるような人かなぁ⋯⋯あれ?あれれ?もしかして⋯⋯もう居たり?」
そうして彼女はいじらしく笑った。
ワイシャツの襟元を開き、鎖骨まで見えるように首を傾げて言う。
「トレーナーさん───私に首輪でも付けて飼ってみません?今なら優しく噛みついてあげますけど。」
「お酒、だいぶ回ってますね。」
「え〜?回ってないですよぉ。」
「いやいや、めちゃくちゃ飲んでたじゃないですか。それ、ジントニックですよね。水じゃないかって勢いでしたよ。」
「だってこれ、ライム入れただけの炭酸水ですし。『いつもの』がお酒だなんて一言でも言いましたかね?」
⋯⋯何⋯だと?
「な、何でそんな事⋯⋯。」
「私、嘘って大好きなんですよ。人間っぽくないですか?あーでも、強いて言うなら⋯⋯勇者御一行が気になったから。」
ヨシエさんは何も言わず、ただニコニコと笑っていた。いや、ほぼ素面であのぶっ飛び方出来るならそれはそれでヤベェだろ。
違う、待て。じゃあ何だ?この人は最初のジョッキと瓶ビール1口しか酒を飲んでないのか?
冷や汗が止まらない。心臓は止まりそう。あっ、どうしよう。帰りたい。泣きたい。俺変な事言ってないよな?変な事言ってたのこの人だもんな?
「トレーナーさんは素直ですねー。担当達に⋯⋯あっ、違うか。アグネスデジタルちゃん
「⋯⋯どういう意味です?」
ヨシエさんは。この人には一体。
「いつ、壊れますかね?」
背筋がゾッとした。
何が見えている。何が壊れるのを知っている。
何でそれを、楽しみと言える?
一方的な信頼⋯⋯まさか。俺とデジタルは⋯⋯いや、俺はアイツのやりたい事を知ってるか?アイツはレースに勝った時、必ず上を見上げている。その理由を聞いた事は?
待て、待て待て⋯⋯だって、それは関係無い⋯⋯筈。壊れるって言うのは何の話だ。関係⋯⋯?或いはデジ───いや、それだけはさせん。
何だか気まずくなり、彼女から目を逸らした。
「そんな思い詰めた顔をしないで下さいよ。もしかして⋯⋯
ヨシエさんはそんな言葉を囁いた。
何も返せない。そんな俺とは対照的に、彼女は笑っていた。
『そろそろ帰りましょうか。』と、ただ一言だけ残して。
店の外に出るや、ヨシエさんはくるりとこちらへ向き直り相変わらず楽しそうに笑っている。最近まで鬼のような目力でこちらを睨み付けていた人と同一人物とは思えん⋯⋯あっ、でもさっき店の中でち〇ぽとは叫んでたな。何?本当に同一人物か?
「ここまでで良いですよ。家まではそんなに遠くないですし⋯⋯今日は楽しかったです。ふふっ、さっきの事気にしてますか?」
「えっと⋯⋯はい⋯。」
「そうですよね。目の前でこんな美女が誘って来たら気になりますよね。」
「あ、そこじゃないです。」
「本当は首輪付けてあんな事やこんな事したくなるのも分かります。」
「全く思ってないです。」
「隠れて欲情してましたもんね。」
「微塵もしてないですから。」
「何でしてねぇんですか?こちとらヨシエですよ?」
「あっ、む、胸ぐらはやめ⋯⋯!ぎゃ、逆にして欲しかったんですか!?」
「え?童貞風情がおこがましすぎません?まぁ童貞じゃなかったら頭かち割ってましたけど。」
本当に酔ってないんだよなこの人!?
じゃあ尚更ヤベェじゃねぇか!俺の中でヨシエさんが怖い人から近寄り難い人にグレードアップしたわッ!少なくとも公共の場を一緒に歩ける自信は無ぇッ!!
「じゃ、じゃあ帰りましょ!ね!?ほら、ルドルフでも呼んで───。」
「あ?」
ヌ"ゥゥゥゥンッ!!!!とうとう両手で胸ぐらがぁ!!
何で!?何でちょっと過激になった!?俺どの地雷踏んだんだよぉッ!!キレるとこ多過ぎて最早マジックカットじゃねぇかッ!!
「なぁんでルナの連絡先持ってるんですかねぇ⋯⋯?そういうのって担当の特権じゃないですかぁ。私の欲しいもん全部持ってるクセに私の特権にまで手出すとか、そんな所まであのハゲに似なくて良いんですよお弟子さぁん。」
「やっ、ちが、連絡先の話じゃなくて───。」
「じゃあ私がデジタルちゃんの連絡先持っててあれこれしてたらどうするんですか。」
「えっ?⋯⋯⋯⋯いや、別に良いんじゃないですかね?」
「
「ヒヒィンッ!!!!」
あ、俺この人ダメだッ!!やっぱり無理無理無理ッ!!おっかねぇよ!見た事無いキレ方してんだって!!後輩ちゃんだって一発キレたら終わりみたいなとこあるのに、この人マウント取ってボコボコにするまで止めそうにねぇもん!!
おい、お前さんの担当だろ!今だったら両手塞がってるんだから、頬ツンでも何でもやって止めてくれよ!そんな所でカッコよく『やれやれ⋯⋯』みたいに笑ってないで、早く助けてくれって!!
「シンザンのトレーナーに『迎えに言って欲しい』と言われた時は何事かと思ったけれど───今日は随分と楽しんだようだね。ヨシエさん。」
ようやくやって来たシンボリルドルフは、ヨシエさんの頬にフレンチなキスをした。ワオ。
「⋯⋯あれ?ルドルフ⋯⋯?え、待って今⋯⋯!!」
「ん?そちらのトレーナー君が執拗に頬を指さしていたから、こういう事かと思っていたんだが⋯⋯違ったかな?」
クッソ顔が良い。なんだそのハニカミ。そりゃ夢女も増えるわ。違わない。パーフェクト。ブンブンと首を振って皇帝に肯定する。
店の僅かな灯りでも分かるほどに紅潮したヨシエさんは、俺の胸ぐらに手を掛けたまま寄りかかってきた。
「⋯⋯トレーナーさん⋯⋯私、今なら⋯⋯産卵できます。」
「哺乳類の自覚があるならしないで下さい。」
「あ、首輪付けます?今日の事生涯忘れません。悦んで飼い慣らされます。」
「色々重いので止めて下さい。担当の前でしょう。」
「じゃあ靴舐めましょうか?年の離れた弟をベロッベロに舐めまわしてたので自信あるんですよ。」
「ルドルフ。」
「さっ、帰ろうかヨシエさん。」
担当に支えられながらヨシエさんはようやく引き剥がされた。よほど満足だったのか、ウッキウキでこちらに背を向けて歩いていく。
これ⋯⋯疲労感半端じゃねぇわ。今まで飲みに行くと1番疲れるのは後輩ちゃんだったけど、もれなくトップ更新。
何なら人の首に歯型付けてくる後輩ちゃんがまだ可愛く思えるよ。おねむの副反応だから引き剥がすのに労力を使うだけで、ルドルフが居ないと手に負えないこの人とは疲れの方向性が違う。
ふと、ルドルフが俺に言った。
「時にトレーナー君。君に会いたいと言う子が居るんだ。お酒の入った体に無茶をさせるようですまないが、行ってあげてはくれないだろうか。」
「俺に⋯⋯?ん、分かった。」
「助かるよ。」
「トレーナーさぁん!」
ヒェッ!!
い、いかん、身体が完全にトラウマを植え付けられている⋯⋯ッ!笑うなルドルフッ!お前の担当なんだぞ!
「来週の朝イチ、生徒会室に来てくださいねー!2人でグッズの事お話しましょうー!」
「えっ。な、何故朝イチなんですかぁ⋯⋯?」
「だってトレーナーさん、
「⋯⋯はい?あ、あれ?えっ!?嘘ォっ!?」
言われて初めて自分の胸元を見た。
無い。仕事終わりに来たから、本来付いて無ければならない筈のトレーナーバッジが⋯⋯どこにも付いていない。
怒られるどころの話じゃねぇだろコレッ!?ど、どこに落とした!?カウンターか!?いや、そもそもいつまで付いてた!?ヤベェよ、何も覚えてねぇ⋯⋯ッ!!
「アハハっ、だから取りに来て下さいねー!」
⋯⋯⋯⋯なぁんであの人、胸にバッジ2つ付けてんだ?いつ⋯⋯あー⋯師匠に似てるって言われた時かなぁ⋯⋯多分そうだよなぁ⋯⋯。
手癖悪すぎんだろうがッ!!
「なぁ、ルドルフ。」
「ふふっ⋯⋯皆まで言わずとも分かっているよ。気に入られたのならそういう運命だったんだ。私も、君も。」
「⋯⋯はぁ⋯。」
「ルーナー!帰ろー!あっ、休憩してく!?ホ別5万ならすぐ出せるから!!」
「ホべ⋯⋯?」
「良い、ルドルフ!気にするな!大丈夫だから、なっ!?」
全てのウマ娘が幸福である為に───。
結局、俺にはヨシエさんと言う人が何を見ているのか⋯⋯最後まで分からなかった。
───いつ、壊れますかね?
その言葉を反芻しながら、待ち人の元へと向かうのだった。
次回、『大人のぷりてぃジャーキー(3/3) : ─約束─』
ようやく登場するのにヨシエさんが強過ぎて薄めの激マブ。最後はしんみり系かもしれないし違うかもしれないけどスイーピーが可愛いという世界の真理は変わりません。
あっ、ルドルフ出ちゃったけど紹介文はまた後で。謝意☆