人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!! 作:なちょす
2周年おめっとざいまーす!あーっす!
新シナリオをやってみました。
葵ちゃんと樫本さんが主人公でしたね。アプリトレ蚊帳の外過ぎんよ。しかもお前VRに入り浸った挙句、担当の都合が悪い日に疑似三女神+美女集団と懇親会はちょっと待てって。
ローレルさん貯金溜まりそう。実装はよ。
ニコニコと微笑みながら正座をしたカワカミ姫。その両隣りにはウチの可愛い新人ちゃん達。間にシャコガイを挟んで俺とマヤちゃん。何だこの構図はたまげたなぁ⋯⋯トレーナーちゃん、トレーナー業に就いてから初めての経験だよ。隣ではマヤちゃんもペタンと女の子座り。
あや〜〜〜すったげ*1めんけぇ*2ごどこのわらす*3〜〜〜!!
鎮まれユキっぺ*4。
一時休戦中とは言え、今日のマヤはその名の通り歴戦のエースパイロット。まるでこちらの動きを手に取るように把握し、確実に撃墜しに来るつもり満々なのだろう。夜間戦闘すら考えられる。油断をするな。
それに気を付けなければならないのはこの子だけでは無い⋯⋯未だ行動が読めないウチの妹が何処かで息を潜めているのだ。恐らくはお兄ちゃんが撃墜されたのを皮切りにハイエナの如く忍び寄り、ポニーちゃんを文字通りしゃぶり尽くすに違いない。
ヌッ。念の為合宿所内のトレーナー室は鍵を開けておこう。夜間戦闘に対する抵抗の意思表示である。お兄ちゃんは起きてるからあまり好きに出来ると思うなよ。でも合気道は許して下さい。
そんな事よりッ!今はこの状況の解決が先だろう。
日焼けしてニッコニコのダウナービートはまだ分かる。可愛い。
さっきからビニール袋の中を覗いては満足気なバイブスアップも分かる。可愛い──どんだけフジツボ取ってんだッ!!俺が集合体恐怖症じゃなくて良かったね!!
そして姫、君だよ君。俺とデジは一応キングから君を預かってる身なのよ。
『貴方達をその道の一流と見込んで、彼女を任せたいの。少し力加減が分かっていないところ以外は素直な子よ。く・れ・ぐ・れ・もッ!変な事を教えないように!』
と、温かく釘も刺されてしまったワケで。はい、既に任務失敗しつつあります。
ま、まぁ⋯⋯一流のプリンセスを目指していると聞いていたカワカミ姫。何かこう、その辺にあったものを持ってきたとかそういう感じだろう。じゃなきゃこのプリンセス、舞踏会を武闘会と勘違いするタイプの戦闘民族かグラップラーである。このスタイルの良さでそんな事あるわけないだろ!!
「カワカミ。これ───。」
「ぶちもいでやりました♡」
そんな事あったかもしれない。
キング、キング、キングヘイロー。電撃6ハロンを制した我等が王よ。既に手遅れでした。現場からは以上です。
えっ?これ現場監督者の責任?俺のせいになる案件?キングに『おばか!』とか『へっぽこ!』って言われるやつ?そんな事を言われてみろ、元気になってしまう。あの一生懸命考えた末に出てきたであろうキング的語彙力の罵声からしか取れない栄養素、"キングニウム"は実在する。
「カワカミ先輩凄かったの!なんかね!なんかね!フンッ!ってやってた!」
「そうか⋯⋯マヤ。」
「わかんない。」
「ゴメン。」
「トレーナー⋯⋯フジツボ、いっぱい⋯⋯飼いたい。」
「えぇ⋯⋯合宿の間だけ、ね?俺のとこで飼って良いから。」
「トレーナー、好き。フジツボぐらい。」
初めて言われたわ。死ぬほど複雑。
取り敢えずこのままと言うわけには行かないので、シャコガイは調理担当ボーノの元へ。フジツボ達は新人ちゃん2人が責任を持ってお世話をしてくれるだろう。
3人にそう話を付けて見送った後、再び俺はマヤと2人きり、パラソルの下でぼんやりする事になった。
「皆元気と言うか⋯⋯個性が強いなぁ。」
「そうだね。こんなに分かんないの、ここが初めてかな。トレーナーちゃんの事も⋯⋯ね。」
何だと⋯⋯?いっ!?
いかん!空気が変わってる!マヤが僅かに笑いながらこちらを見ているではないか!戦いはもう始まってると言うのか!?
休戦協定など、マヤちゃんだけにやはり"まやかし"!(激ウマヤ)
カワカミ姫達との時間の中で、恐らくは次の手その次の手まで考えついたのだろう。
クッ⋯⋯ッ!コチラの戦力は、精力モリモリマッチョマンのポニーちゃんただ1人。おデジ──あれはウマ娘ちゃん大好きウマ娘であるが故、俺とウマ娘ちゃんでは天秤にかけるまでも無くウマ娘ちゃんに味方する女よ。でもちゃんと隣には帰ってくる。なんて奴だ。そういうとこだぞ。
まっ、まぁ?例えポニーちゃん1人であっても、恐れる事は無い。
何故なら俺は大人だから。大人に憧れるマヤちゃんには特効持ちだとすら自負出来る。言ってしまえば一般人に対する元グリーンベレーのようなものだ。怖いか?ふふっ。
「聞いてくれれば答えるよ。」
「何でも?」
「勿論。」
「トレーナーちゃん誰かとお付き合いした事ある?」
ぎゃぁああお"ん"ん"ん"ッ!!言葉の暴力が心を乱暴に殴りつけて来たァーッ!!何でも答えるって言ったそばからこれかよ!大人の駆け引きも何も無いじゃない!こんなの身長縮んだ言葉のコマンドーよ!!だったら抱けばいいだろッ!!
落ち着けよポニーちゃん。お前は激しく錯乱しているんだ坊や。まさに
こっ、これは日頃の行いが余りにも酷過ぎて、『トレーナーちゃんってば女の子の相手した事ないでしょー!』からの『マヤは知ってるよ⋯⋯トレーナーちゃんの相手の仕方♪』となって最終的にはカレンチャンまでやって来るやつだ!去年の夏合宿でしこたまやられて、コミュ症発揮した上に大人の尊厳を踏み躙られた定石パターンだ⋯⋯ッ!!また1人で夜に枕を濡らすんだッ!!ヤダーッ!!
「⋯⋯無い、です。」
「そっか〜。でも───。」
その後の言葉は無く、マヤちゃんの方を向けば何故か動きを止めていた。
⋯⋯何だ?心ここに在らずというか⋯⋯微妙に目線が俺の方を向いていない気がする。それはそれで寂しい。
「マヤ?どうした?」
「トレーナーちゃん、あれって⋯⋯。」
マヤは俺の後ろを指差した。振り返るが、特に何の異常もおかしな点も見当たらない。精々カレンが毎年のように短距離勢のコーチをしているだけで──今日自由時間って言ったでしょあの妹はァ〜〜〜ッ!!
いやいや、カレンだぞ?お兄ちゃんとの約束を破るような子では無い。それだけは断言出来る。こちらの貞操を狙っているだけで約束を破った事など1度も無いのだ。どちらがマシかはノーコメント。
つまりこれはカレンの作戦である。
ふむ⋯⋯お兄ちゃんの天才的感性と本能的危機感からの推測によれば、自分のカリスマ性を最大限に発揮して手下を増やそうとしているのが妥当だろう。300万人も居りゃあ充分だろうに⋯⋯お前その軍勢率いて来んなよッ!?絶対止めろよッ!?お兄ちゃんお前1人でも無理なんだからな!?まさしく"
あっ、マーちゃんが手を振ってくれている。癒し。
「何かおかしな事でもあったか?」
「えっ!?いや、だから⋯⋯ううん、何でもない。」
そうは言うが、やはり気になるご様子⋯⋯何か推しの視線を奪われているみたいで悔しいな。クッソ〜〜〜ッ!!
あっ、そうだ。驚かすついでに顔を覗き込んで見ようか。マヤちゃんはテンパると可愛いが過ぎるのだ。元気になる。そうと決まれば⋯⋯ふふふっ。
「本当に大丈夫───。」
「わっ!?近い、近いッ!!」
ドンッ!と肩を突き飛ばされてしまった。ほら可愛い。
しかしやはりウマ娘のパワーは侮れないもので、俺はパラソルの下から2回転ばかし転がって放り出されてしまった。正直に言おう。
肩いってぇッ!!!!助けてデジたんッ!!!!パージしたい!!!!三十路が泣くッ!!!!
自業自得だと怒られそうだ。凹む。どこ行ったの相棒。もうそろそろ水着姿のウマ娘ちゃん達を拝んで4回は倒れてる頃だと言うのに。横に戻って来てくれ。
「
⋯⋯⋯⋯あっ、俺か。そう言えば
いかんいかん、どうにも最近名前で呼ばれる事が無いから本気で忘れていた。
モルや葵ちゃんは"勇者御一行のトレーナーさん"としか呼ばないし。
クソ女は"クソボケ"だの"童貞野郎"だの"ハゲ予備軍"だのとしか言わん。
後輩ちゃんですら俺を"先輩"以外で呼んだ事が無い。あの娘、後で姫野って呼んでやらァ。
皆して俺の名前知らないんじゃないかな⋯⋯んなわけねぇよな⋯⋯そこそこ有名チームなのに⋯⋯学園のホームページにはちゃんと名前付いてるのに⋯⋯凹む。
「あの。」
「すみません樫本さん。少々、アクティブな姿をお見せしました。ふふっ。」
「大丈夫ですか?」
「あっ、はい。」
大丈夫ですか?は寧ろこちらの台詞である。
何でこの人このクソ炎天下の海で黒スーツ着てんの?修行僧かな?
後輩ちゃん曰く、体力無さすぎて樫本さんが理子ちゃんになるぐらいにはヤベーっす、との事。最近前転が出来たらしい。そんな格好してたらぶっ倒れるって。
ヌッ!真夏の如き熱い視線!
よくよく見れば、樫本さんの両隣りに居るウマ娘達から強い感情をぶつけられているでは無いか!
ふふっ、そうか⋯⋯っべぇ、何の記憶もねぇ。おおお、俺、今度は何怒らせたんだ⋯⋯?助けてデジたん。本当に助けて。
「今日は、その⋯⋯どうされました⋯⋯?」
「実は⋯⋯誠に勝手な話なのですが、少々ココンとグラッセの2人と併走をして頂きたいと思いまして。」
良かった。原因は俺じゃなかった。アオハル杯準優勝のチーム"ファースト"から直々のお誘い⋯⋯という事であれば考えられるのは1人だろう。
「⋯⋯後輩ちゃんに唆されました?」
「発破を掛けられた、が正しいですね。」
「成程⋯⋯分かりました、少し日陰で待ってて下さい。マヤ、樫本さんと待っててくれな?」
「うん。いいよー。」
そうして俺は、樫本さんの側近であるリトルココン、ビターグラッセと共に、少しだけパラソルから距離をとる事にした。
だって凄い圧かかってるもの。おかしいもの。あの小娘、一体何吹き込みやがったチックショー⋯⋯!特にココンさんだよ!この子尋常じゃねぇの圧がッ!
いいか俺、ここで対応を間違えるのだけは絶対にしてはならない。この子らはアオハル杯の準優勝チーム⋯⋯あの豪華メンバーなチーム"ハーバー"相手にメンチ切った肝の座った2人なのだ。あろう事か負けず嫌いの代名詞、顔のイカつさだけなら学園トップの後輩ちゃんにも。
分かることはただ1つ。ポニーちゃんには勝ち目が無い。ヒヒン。
「⋯⋯もうちょっと、リラックスしても良いんだぞ?姫野に何言われたのかは分からないけどさ。」
「いやー、私は全然してるんだけどさ!ココンがねぇ。」
「───もし。」
ずっと怖い顔をしていたリトルココンが、ようやく口を開いてくれた。
「もし、アオハル杯に"勇者御一行"が出ていたら⋯⋯優勝は難しかったって聞いた。」
「そ、そうか⋯⋯。」
「アタシらに平均で5バ身も差をつけたチームのトレーナーが、そんな事を言ったんだ。気にもなる。」
「私はアグネスデジタルと走りたいな!噂のオールラウンダー、"戦場を選ばない勇者"と競ってみたいんだ!」
あんの小娘ぇ〜〜〜ッ!!何他所のチーム煽る真似してんだ!この2人ウチの子達を負かす気満々じゃねぇか!!どう収集付けんだよコレッ!
お前アレだぞ!あんまりウチを巻き込むような事言ったら、お前が水族館の魚に名前付けて愛着湧かすクソカワ娘だって秘密もバラしたるからな!テッポウオに"ケルヒャー"って名前付けて10分ぐらい釘付けになってた事もセットだ!寡黙でクールな女のイメージ壊してただの萌えキャラにしてやるから覚えとけッ!!
本人には絶対言えないけど。殺される。
「⋯⋯ただ。」
「ただ?」
「アタシは、ミホノブルボンに用がある。」
おっとまさかの逆指名。
「理由を聞いても?」
「アオハル杯の決勝で舐めた走りしたから。」
「心ここに在らずってやつだったぞ。」
「ふむ⋯⋯分かった。そういう事なら、取り敢えずココンにはブルボンと走って貰おうかな。今のブルボンは、顔見りゃどれだけ強いかすぐ分かるさ。ビターグラッセは、デジタルの都合が良い時に追って連絡するよ。今日は⋯⋯うん⋯⋯ね。」
「構わないさ。本当に強いんだよな?」
「5バ身で済むなんて思わない方がいいぞ。忠告までにな。」
ビターグラッセは一瞬驚いた表情をして見せたが、直ぐに笑みを浮かべた。ふふっ。
ゴメンよグラッセーッ!!俺今ちょっとだけムキになっちゃったね!?デジタルの事になるとすぐこうなるの本当に申し訳ない!!ウマ娘オタクのオタク失格である⋯⋯ヒヒン⋯⋯。
「それは楽しみだな!」
「⋯⋯ねぇ。ミホノブルボン、顔見れば分かるって言ったよね。」
「ん?あぁ。」
「あれの事言ってんの?ふざけてる?」
ヤダ、何でこの子ちょっと怒ってるの⋯⋯?
リトルココンが指差した方に顔を向ければ、先程までロブロイが引っ張っていたタイヤのすぐ横にブルボンが居た。
何でッ!斜めにッ!!刺さってんだお前ェッ!!!
それ何だよ!!ボケか!?素か!?どうやったら砂浜にそんな体勢でぶっ刺さんだマジで!!上半身しか出てねぇじゃねぇか!こっちは今慎重にココンさんの相手してたのにタイミング最悪だよもーッ!!
「スイープさぁん⋯⋯これ、絶対違いますよ⋯⋯。」
「本人が良いって言ってんだから良いのよ!手伝うの?手伝わないの?」
「手伝いますけどぉ〜⋯⋯!」
タイヤの影から小さなスコップを持ったスイーピーとキタちゃんが現れ、あろう事かブルボンの周りを砂で固め始めた。何してんのあの子ら。ロブロイはどうしたのよ。
「すまないココン、ちょっと⋯⋯ちょっとだけ待っててくれ。すぐ戻ってくる。」
まずは事態の把握。大丈夫、俺は出来ない大人ではあるが、腐ってもチームのトレーナーなのだ。今目の前で起きてる事くらいすぐに分かるわい。
そうして3人に声を掛けようと近付き───タイヤの影に居たロブロイに気付いてしまった。
陽の光が反射し、ギラついた眼鏡の奥でどんな表情をしているかは分からない。だがその両手にしっかりとシャベルを抱え、ロブロイは微動だにしていなかった。
トレーナーちゃん分かっちゃった。ウチのボスこの子だわ。
完全にマフィアの
「あの、ロブロイ⋯⋯?ちょっとブルボン借りたいんだけど⋯⋯。」
「⋯⋯⋯⋯。」
「ロブ───。」
「こらぁロブロイッ!何寝てんのよッ!!」
「ひぇあいっ!?お、おお起きてました!!はい!!」
激おこプンプン丸と化したスイーピーの一喝で、ロブロイは目を覚ました。えっ、ただお
今はスイーピーの使い魔だが、俺だって魔法使いの端くれチェリー・ポピンズ⋯⋯いや、それすら凌駕するチェリー・ポッター!いざと言う時には取っておきの魔法で相手になってやる。
一夜の魔法、"チェリーチェリー・シッポリア"!
ダメだ、アバダケダブラを連発される未来しか見えねぇ。這い寄る擦りザリン、秘密の部屋で突如始まるクィディッチ、気付いた時には賢者の意志。終わりだ⋯⋯何だとポニーちゃん?カレンとハッスルパフに行きたい?お前明日にはBANからの囚人行きだぞ。エクスペクト・パトロー
「使い魔!アンタもぼさっとしてないで手伝いなさい!」
「えぁっ、あっ、はい⋯⋯じゃないわ。少しブルボンを借りても良いかな⋯⋯?」
「何でよ。」
「ちょっと併走をお願いされてさ⋯⋯ほら、あそこの子に。」
「ふーん⋯⋯⋯⋯誰?」
それ絶対本人に言っちゃダメだぞ魔女っ子。戦争が始まる。
「まぁまぁスイープさん、ここはトレーナーさんにお任せしましょう?」
「ダメよキタサン!偉大な魔女は途中で仕事を投げ出したりしないの!使い魔も使い魔で、ご主人様の言う事なんだから聞きなさいよ!」
「⋯⋯すまないスイーピー。実は俺、闇の魔法を掛けられているんだ。」
「闇の⋯⋯魔法⋯⋯?だ、誰がそんな事⋯⋯!」
「ヨシエさん。」
「魔女だったの!?」
「あぁ、物凄く強いしタチの悪い魔女だ。」
魔女は魔女でも魔性の女だけど。これがバレたら顔にドロップキックが飛んでくるに違いないが、そこは上手くやるさ。
しかし⋯⋯ふふふっ、食い付いたな。こちとら魔法少女仲良し大作戦の為に、君の気に入りそうな文言は予め予習済みさ。全てはデジたんのおかげ。あかん、もう相棒無しじゃ生きられない身体にされてる。
「だから君の言う事に従いたいのに、身体が言う事を聞かないのさ。それは恐らくこれからも不定期に続くだろう⋯⋯クッ!!」
「ちょ、ちょっと!じゃあどうするのよ!?」
「えっ?あー⋯⋯アレよりも偉大な魔女が強力な呪文⋯⋯えーっと⋯──レ、"レースの魔法"⋯⋯とかを使えば解けるはずなんだが⋯⋯。」
「ッ!レースの魔法⋯⋯!」
ゴメンよスイーピー。そんな魔法はでっち上げだ。どんな効果があるんだそれ、聞いた事ねぇよ。相変わらず突発的な対応はクソざこポニーちゃんなのだ。お前ホントにそういうとこだからな。
足りない頭で一生懸命考えた末に出た言葉がこれである。悲しいかな。
まぁ要するに"ゲスト参加じゃなくてウチに来て一緒に
ほら見てみろ、ロブロイが何かニコニコしてるじゃねぇか⋯⋯何で?今君が喜ぶような事あった?怖すぎん?
キタちゃんだって何かオロオロしてるし⋯⋯何で?闇の魔法信じたの?いい子すぎん?いや、ヨシエさんの担当だし頭の心配をされてるのかも。辛辣すぎん?
「分かったわ!行くわよキタサン、ロブロイ!魔法の練習よ!」
『はい!』
「⋯⋯行ったか。じゃあブルボン───ヒェッ。」
時すでに遅し。
リトルココンは斜めにぶっ刺さったブルボンの前に立ち、思っクソメンチ切っていた。対するミホノブルボン⋯⋯思っクソ口が半開きである。どこ見てんだお前。
「⋯⋯元気そうじゃん。」
「はい。」
『⋯⋯⋯⋯。』
えっ、会話終わり?嘘でしょ?誰かウララちゃん呼んできてーッ!
あっ、ウララちゃんは学園で黄金世代と一緒だった。万事休す。俺がウララちゃんになるしかねぇ。(?)
「何のお話ー?」
「併走の話は纏まりましたか?」
「あっ、えっと、あの⋯⋯月末に改めてレースと言うのはどうでしょう!?途中の成果を見つめ合える良い機会にもなりますし!!」
「成程⋯⋯確かに今日は些か急な申し出でしたからね。そちらが良ければお願いします。」
覚えておきなさいマヤちゃん。これが君の憧れる大人の女の1つの答えだよ。君は後輩ちゃんの事めっちゃリスペクトしてるらしいけど、あれはどこまで行ってもギャップ萌えが過ぎる。君ギャップ萌えなんて手にしてご覧?無敵だよ?
ほらほら、そういう事だからこのピリついた空気もおしまーい!今日は皆でシャコガイBBQといこうじゃないか!勿論タイキも呼んでだ!ねっ!だからそろそろガン飛ばし合うのは本当に勘弁して下さいお願いします。
「⋯⋯マスターが。」
『⋯⋯?』
突然のブルボンの発言に、ココンと2人首を傾げた。おっ?何か嫌な予感がするぞ?
「大抵の事は、物真似の1つでも出来れば景気づけ出来ると言っていました。」
「⋯⋯だから?何、急に。」
「本気のレースをご所望の様なので、景気づけをしてみようかと。」
「ふざけてんの?」
「いえ。ですがここは1つ。」
「何なのマジで⋯⋯やりなよ。」
そう言って砂浜から這いずり出てきたブルボンはココンの前に立ち、僅かに見下ろした。慈愛に満ちた笑みで、どこかで見た事ある雰囲気を
「ココンさん。ドリンク⋯⋯ふふっ⋯⋯飲む?」
ギュッと耳を絞ったココンが、ゆっくりと俺の方へ顔を向けた。あっ、処される。
待て待て待て待て!俺お前らのそのやり取り知らねぇんだよッ!!何の物真似してんの!?そもそも景気づけになるってそのサイボーグに教えたのは俺じゃなくてイカつい小娘なの!無垢なウマ娘達に闘争心植え付けるのは神がかってんだよアイツ!俺は無関係だから巻き込むんじゃねぇッ!!
「あれさ⋯⋯ココンがライスシャワーに6バ身離されて負けた時に言われたんだ。練習中にライスシャワーがココンのドリンクぶちまけてさ⋯⋯いや、今なら悪気は無かったって少しは分かるんだが⋯⋯途中に笑ってる辺り再現度高いな。」
「
「いや終わりじゃないか?この場面は。先に言っておくけど、樫本トレーナーを巻き込まないでくれ。」
「なんて日だ。」
姫野⋯⋯お前がといだお米ちゃん、刃研ぎそうな位覚醒してんよ。覚えてやがれ、再来週合宿に来た時3倍返しにしてやるからな⋯⋯あっ、その前にライスだけ先行してお手伝いに来るんだった。
マジ?火に油注いで米入れたらそれはもう炒飯だよ。パラパラどころかバラバラにされるんじゃねぇかな俺⋯⋯うっ、胃が痛くなってきた。チームの空気も若干重い状況だと言うのに何なんだチクショー⋯⋯。
こうして夏合宿の目標───チーム"ファースト"とのレースが、思いもよらぬ形で決まってしまった。
助けてデジたん。そろそろ定位置に帰ってきて。
勇トレーナー(主人公): ここに来てまさかの名前発覚。苗字です。名前がついたところでロリコンはロリコンなので扱いはトレーナーさんから変わりません。ロリウマ娘に声を掛けて一緒にトゥインクル・シリーズに出る事はおかしくないと公式トップロードさんが教えてくれたのでロリコンは正常でした。あーちゃん、ちょっと9冠取ろっか。名前の意味は"勇み足で自滅する者"。うんうん、これもまた勇者だね!
リトルココン(元ぼっち):実力者にしてメンタルつよつよライス最初の被害者。元ぼっちな後輩ちゃん曰く、シンパシーしか感じない。ぶきっちょにブルボンの様子を見に来ただけなのに物真似を見せられるとは思いもしなかった。皮肉にも練習に火がついた模様。これがアオハル爆発ですか?
ビターグラッセ(グラッチェ):何でも肯定してくれる第2の女神にしてトレセンの蕎麦屋。いつかあの一コマネタが消化されて欲しい。でもグラウンド使用禁止ペナルティはやりすぎだからなお前な。もしかしたらブルボンと友達になれていたかもしれない可能性を僕は捨てきれずにいます。
次回、『幕間 : 初日を終えて』
やりたい放題のサクラ色。縁を結ばれたビリギャル。そしてロリ嫁達に迫る謎のマーちゃん着ぐるみ。
結ばれた新たな絆と、ピッチ走法を(無駄に)極めた男も加わって駆け引きは次の戦いへ───そのインターバルをお楽しみに。
あっ、夏合宿は2ヶ月だけど騒動は1ヶ月も無いです。