人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!! 作:なちょす
そんなことを考えながらファミチキを頬張る2023年夏、始まります。
夏!?このPart書いた時まだ冬だったろ!?ままっ、ジョーダンとばんちゃむ可愛ええから許したるわ。
【発令】夏合宿にスイーピー参戦!【仲良し大作戦】
ふっ⋯⋯ふふっ⋯⋯そうかそうか、とうとうこの日が来てしまったのか。ロブロイが加入した今、残すはスイーピーとフラワーちゃんのみとなった、『平均身長142.5cm勇者御一行完全化計画』───いやそんなものは無い。血迷うな。平均身長ちっちゃっ!!!!外で
まぁいい。大した問題では無い。それよりもシンプルに嬉しいのだ。だって俺がチームにお誘いした子達が、今の所ちゃんと来てるんだぞ?新人ちゃん達にフェイスハガーマヤちゃん、それから
今後に関しても決して、決して優しさに漬け込んでいるわけではないが、フラワーちゃんは何とかなるんじゃないかと思ってるのよね。ウチには"カワイイダービー"で競ったカレンチャンや、お料理繋がりでボーノも居る。寧ろボーノが居る。つまりどういう事か⋯⋯スプリンターにしてお料理出来るボーノはまさに勇者御一行のスーパークリークなのだ。存在感デカすぎだろ⋯⋯。
言うなればママ。アケボノママぁーーーーッ!!
字面が力士なんよ。
それに三十路のおっさんがママはちとキツい。俺はノーマルだ。そもそもママ寄りというか、オカンと言う意味では我が相棒に勝る者は居ないんだよ。流石だなオタク。本当にオタクか?
ボーノは⋯⋯そう女神。ちゃんこを司る、俺にとっての3女神様の1人だ。皆にちゃんこを振る舞い、たまに食べ過ぎに泣かされ、然し愛を持って全てを肯定してくれる⋯⋯ふふっ。まさに───。
親方かな?ウチ関取育ててたっけ?
いかんいかん、ボーノの事を考えると思考が力士になってしまう。ごっつぁんです。
まぁどのくらい女神かと言われると、彼女が居なかったら俺は無人島で餓死していた位には女神だ。
まだデジタルしか担当していなかった当時、気分転換に行ってみた無人島ツアーでまさかの置き去り。しかし準備は万端だった。電池切れにならないようフル充電+モバイルバッテリー3台というパーフェクト仕様、己の完璧なスケジュールに恐れすら抱いていたが⋯⋯。
まさか電波が無いとはこの李白の目を持ってしても読めなかった。そも本当に完璧なら帰りの時間を忘れたりせぬわボケナスが。
結局2日間誰にも連絡出来ずだったせいで、帰って来たら半べそかいた相棒にド叱られ、たづなさんには笑顔で正座させられ、モルモットはブラックライトみたいに光ってたんだよな。ふふっ⋯⋯こわかった。
結局のところ、ボーノが居れば安泰と言う話。何たる頼もしさ。今こそヒシアケボノさんを讃える賛美歌を歌うべきだそうしよう。どうせスイーピーの教室まで1人だからな!わっはっは!!
「Baby ちゃんちゃんちゃんこボーノ ちゃんこボーノ───♪」
「マスターに気分、『高揚』を検出。」
「トレーナー君、そこ濡れてるから滑るわよ?」
「えっ?はぁん!!」
教え子の前で喘ぎながらすっ転ぶとかある?あるんだよ俺は。マブ姉とロボ姉にクッソ恥ずかしい所見られたんですがどうすれば良いですか師匠。この場合の対応を教えて貰ってませんよ師匠。ハゲればいいですか?
いや、よく考えたらあの人の仕事って大概俺がやってたわクソが。貴様がハゲろ。頭散らかせ。
「あらあら⋯⋯エキサイティングにいったわね〜。大丈夫?」
「バッチグーだぜ姉ちゃん。なんて事は無い。心以外は。」
「マスター。心臓マッサージ、いきますか?」
「⋯⋯ワンプッシュしてくるんだろ?いいよ。」
「御意。BPMを170に設定。位置について⋯⋯よーい。」
「要らないって意味だよゴメンねッ!!ワンプッシュで心臓に『うまぴょい伝説』のビート刻もうとすなッ!死ぬわッ!魂うま
「そうですか⋯⋯159まで下げたらどうでしょう。」
「それ『本能スピード』だろ!?どうも何も生存本能が身体を駆け巡るからダメ!」
「では95。」
「『winning the soul』もOUT!三冠どころか一巻の終わりだよ!」
「98。」
「何でちょっと上げた!?人の散り際を『彩ファンタジア』で飾ろうとしてんのか!?ぐっとぎゅっと鼓動が苦しいわッ!ねぇッ!」
「ステータス、 『ニッコリ』。満足です。」
サイボーグお前コノヤロー、いつからそんな人を弄ぶレベルまで成長した?
誰だ!誰の差し金だ!言え!中身幼女なブルボンちゃんをこんな⋯⋯ふむ、しかしその自然発生しただろう『ニッコリ』スマイルは可愛いな。ここはもうカレンという事にしよう。大体いつもそうなんだ俺は詳しいんだ。それならお兄ちゃんは納得という名の敗北宣言をする。アレは今の俺が勝てる相手では無い。しかし必ずやお兄ちゃんの前で敗北宣言させてやる⋯⋯なんだポニーちゃん?今元気になる要素無かったろ?お前敗北カレンチャンの字面に反応したのか?それでOUTなら生涯勝てねぇわ。
「よくそんなにポンポン反応が返せるわね⋯⋯。」
「ふふっ、だって俺は中央のトレーナーだぜ?当たり前田の───。」
「クラッカー?」
『いぇ〜い♪』
「じゃ、先にトレーナー室行ってるわね〜!」
「失礼しマスター。」
「ん"っ⋯⋯!クソっ!こんなので!こんなのでぇッ!!」
子供は成長する。何故かそれをブルボンで実感してしまった。あー頭痛ぇ⋯⋯ふぇぇ〜バカになっちゃうよぉ⋯⋯キッショ!!
いかんいかん、先を急がねば。
「あっ、トレーナーさん。」
「おっすデジ。今日は真っ直ぐか?」
「えぇ、まぁ。トレーナーさんはどちらに行かれるので?」
「ふふふっ、聞いて驚け⋯⋯何と夏合宿にスイープトウショウが参加してくれるのだ!」
「あっ、その話でしたか。」
「お前さ?」
また知ってたパターンだわ。おぅ相棒、他に俺の知らない事が有るなら今の内に吐いとけよ。今なら右耳だけで勘弁してやらぁ。
「それより前を見て歩いた方が───あっ。」
「あはぁんっ!!」
今度は壁にぶつかった。これが壁ドンですか?喘ぎ声2連発である。控えめに言って死にたい。
何でもっと早く言わねぇんだこのオタクは。やれやれみたいな表情で笑いやがってしかし顔が良い⋯⋯やはり五大栄養素の1つ『デジタリウム』は実在した。その内万病にも効くだろう。残りの4種である『キングニウム』、『ウララン』、『ヒメノミン』、『カルシウム』も定期的に摂取してる俺に死角は無いという事よ。死角があったから壁にぶつかったのでは?Umm⋯⋯。足引っ張ってんのはカルシウムだな。やはり『カレン酸』を摂取するべきか。
しかしあれは過剰摂取すると頭がカワイイ1色になり、最終的には社会的に死に至る。悩みどころだな⋯⋯。
「では、お先に失礼します〜。」
「⋯⋯あいよ。」
前途多難ではあったが栄養素も補給出来たことだし、そもそもスイーピーの教室前まで来ていた。ならば後は俺の巧みな勧誘センスに物言わせて推し通るのみよ⋯⋯ふふっ。ちょっと興奮してきたな。いざ!!
「こんちはー。スイープトウショウは居るかな?」
「何よ。」
「おぉスイーピー!夏合宿参加してくれるんだって!?どうもありがとな───。」
「それ以上近付かないで。」
お父さん、お母さん。貴方達の息子はもうダメかもしれません。オマケに愚息もダメです。しょんぼりポニーちゃんです。
この世には童貞を殺す言葉がわんさか有るが、『近づくな』と『臭い』と『お兄ちゃん♡』はその代表格とも言えるだろう。特に3つ目が破格の強さとセンシティブさを誇る。
開幕これ?トレーナーさん辛いわ⋯⋯助けてデジたん。俺に助言をくれ。
「そこ、魔法陣があるから。魔力の無い一般人が入ったら魔法がおかしくなっちゃうの。だから駄目。」
「あっ、そういう事⋯⋯。」
良かったなポニーちゃん。スイーピーは丁寧に教えてくれたらしいぞ。好感度マイナススタートというわけでは無かったらしい。喜べ。ヒヒィーーーーンッ!!!!
「それで?何しに来たのよ。」
「いやなに、さっきも言ったが夏合宿に参加してくれるって話じゃないか。だから一先ず挨拶とお礼をな。」
「ふ〜ん。殊勝な心掛けじゃない。」
「後、迎えに来いって言われたから来た。」
「はっ?言ってないわよそんな事。」
「えっ。だってマヤノが⋯⋯。」
「言ってない。」
「でも⋯⋯。」
「言ってない。」
「⋯⋯言って。」
「ない。」
あのクソカワ天才キッズめ〜〜〜〜〜!!!!
そんな駆け引きまで変幻自在にならなくていいんだよ!!トレーナーちゃん1人で浮かれて先走っちゃったでしょ!?無駄にすっ転んで壁にぶつかって喘いで喘いで踏んだり蹴ったりだわッ!!
クッ、今頃トレーナー室でカレン達と共に『今日のくそざこトレーナーちゃんからかい反省会』の1つや2つ開いているに違いない⋯⋯ッ!どうやらマヤノに対する評価を改めねばならないようだ。
やはりここは大人としての余裕と尊厳を見せねば。そのセンシティブぽんぽんに誓って必ず分からせたるからな!!
ところでこの魔女っ子。言ってないとは言いつつも本気で不要だと話しているわけでは無さそうだ。とどのつまりツンデレである。
はっ?貴様スイーピーのどこにツン要素があるんだ。寧ろどう考えてもデレの極地だろうがコレは。やはり守護らねば。ここは1つ話題を振って出方を伺ってみよう。
「⋯⋯懐かしいな。俺も昔は、好きでよく魔法の呪文を唱えたりしていたよ。」
「アンタ魔法を使えるの?」
「えっ、あっ⋯⋯使えるっていうか⋯⋯うん。」
「そう⋯⋯魔法使いってわけ⋯⋯へ、へぇ〜⋯⋯。」
はいっ!魔法使いなりたてホヤホヤです!ホヤ遊ばせ!潮も吹くぞ!ストレートに最低だよ。
何かこの歳の子に魔法使い呼びされると良くない感情がふつふつと沸き起こる気がしたが気の所為だったかもしれん。なっ?ポニーちゃん。うんっ!喋るなって。
因みにねスイーピー?ウチの学園の男性トレーナー、大概魔法使いだよ?ここホグワーツみたいなもんだから。
「⋯⋯どんな魔法?」
「何が?」
「だから⋯⋯どんな魔法使えるのかって聞いてるの!」
「あぁ、成程。それは───。」
なんっっっにも考えてませんでした。そう来るとは思ったけど準備時間無さすぎんよ⋯⋯。
いやいやいや、俺なら出来るさ大丈夫さ。折角ここで彼女から食いついて貰ったチャンスを逃すわけにはいかん。先ずは過去の記憶を総動員しろ。覚えているのは⋯⋯う〜ん───。
『リリカル☆トカレフ☆キルゼムオール』
お前この子の年齢考えろよバカ野郎が。炎魔法で手当たり次第に火をつけ回ったらどうすんだ。しかもあれは魔法少女と言うには邪道が過ぎる。スイーピーに関節技でも決められてみろお前⋯⋯滾る。滾るなよ。
じゃああれだ、あの───。
『テクマクマヤコン☆テクマクマヤコン』
ヌッ、これでは俺がマヤちゃんのテクニックに為す術もなく負かされるくそざこロリコン野郎では無いか。そも俺は何度も繰り返すがロリコン野郎では無い。たまたま可愛いくて集めたチームメンバーが比率的に小さくなっちゃっただけだ。そういう事もあるだろう、人生だもの。
えぇい、もっと手頃なのがあったろ⋯⋯あの⋯⋯カードをキャプターする感じの女の子が主役の⋯⋯クソっ!喉まで出かかってるのに出てこねぇ!!代表的なのがあった筈なんだ!頑張れ俺!考えろ考えろ⋯⋯ほらあの、ウ、ウ、ウ⋯⋯!!
「がーーーーーぶッ!!!!」
「ウインディーーーーーーーッ!!!!」
あっ、これが
大体にしてお前ウインディって名前だけで
本日は所により薫風、凱風、いやっ
腕が痛い。凹む。
「⋯⋯何だ⋯デジタルの⋯⋯トレーナーだったのだ。」
「自分から噛んどいてそんなガチめのショック受ける事ある?」
「デジタルのトレーナーに用は無いから帰るのだ。じゃ。」
「やりたい放題かよ。」
本当に何しに来たんだあの初代フェブラリーS優勝者は。
「⋯⋯アンタ、本当に魔法使い?」
「えっ。も、勿論さぁッ!俺にかかれば魔法の1つや2つ───。」
「じゃあ使ってみてよ。アタシの前で。」
アーッ!困りますお客様!弊社の魔法は夜限定1回限りとなっておりますのでそんな急にどストレートで大胆なアプローチをされてはこちらとしてもニワ
「言っておくけど、それで魔法が使えないんだったら夏合宿には参加しないわよ!嘘ついた奴と練習なんて出来ないもの!」
それだけは本当に困りますお客様ーッ!!い、いかん!巫山戯ている場合では無い!スイーピーの走りは、恐らく多分今後もしかしたらきっと相棒の力になる筈なのだ!絶対にこの縁は切ってやらねぇ!!
⋯⋯かくなる上は⋯⋯やるしか無いのだろう。もしもの時の為に覚えておいた、ある種禁断の魔法を。
「分かった。なら、外に行こう。ここだと被害が出てしまうからね。」
「な、何するのよ⋯⋯?」
「──召喚魔法さ。」
と、言うわけで。中庭にやって来たワケなんですけどもね、えぇ。
召喚魔法と言っても特段用意する物は無い。運と、1つの要素と、己の祈りだけだ。
先ずは要素。奴はこの時間、この辺りをテリトリーとして巡回しているはずだ。プロレス娘が言っていたから間違いない。
そして運というのは、奴が俺の顔を覚えているかどうかがさっぱり分からんという事。プロレス娘は『賢いので大丈夫デース!』とか言っていたが、俺は敵意の目を向けられていた気がしてしょうがない。
そして祈り⋯⋯これが1番大事だ。
「さぁ見せてみなさい!アンタの魔法を!!」
ひぇーッ!可愛いーッ!顔が良すぎるーッ!期待の眼差しご馳走様ですッ!なんて純真無垢ッ!やはりこのウマ娘是非ともウチにッ!
これら全ての欲と煩悩を乗せ、俺は今あの大空に願いを託すのだ。右手を水平にし、自身が止まり木である事を示す。呼吸を整えて集中しろ⋯⋯生涯治る事の無いと理解した厨二心を思い出せ。
万感の想いを込めて───いざっ!!
「エル・プサイ・コンドルゥ!!来いッ!『マンボ』ーーーッ!!」
スイーピーの耳が僅かに動いた。
聴覚の優れたウマ娘の耳には、風切り音が聴こえたのだろう。ふふふっ⋯⋯俺の勝ち、だな。うぉっ、右手重───。
「ケェエエエエエエエッ!!!!」
デッケェーーーーーッ!?何だこいつ超デケェーーーーッ!?初めてこんな近くで見たァッ!!!!翼広げて威嚇してるぅッ!!怖ッ!!猛禽類怖いッ!!無理デカい怖いゴメンなさいッ!!気軽に呼んでゴメンなさいッ!!お前マンボってかジャンボじゃねぇかチクショーッ!何が『小さくて可愛いんデスよ♡』だあのプロレス娘ッ!凄ぇガン飛ばされてんだよこっちは!!
し、しかし⋯⋯。
「⋯⋯アンタ、本当に魔法⋯⋯。」
期待の眼差しーッ!キラッキラおめめが可愛いねコンチクショーッ!
みっともない所を見せるな俺。こちとら勇者デジタルの半身にして中央トレセンのトレーナーだぞ。たかが猛禽類の1羽や2羽が何だってんだ。ビビる必要は無い。普段通りクールに、冷静にだ。
「紹介しようスイーピー。コイツは"マンボ"。理由あって今は俺と───。」
「ケェエエエエエエエッ!!!!」
怖ぇーーーーーーッ!!猛禽類超怖ぇーーーーーッ!!んだよ餌なんか無ぇわ!!こっちは瀬戸際だったんだからしょうが無いだろ!?後でプロレス娘にでも貰ってくれよッ!!
あっやべ、2階の窓にプロレス娘居たわ。目合っちった。こっちは今立て込んどるパサー。ゼファファファファファッ!!
「マンボ、ありがとう。もう良いよ。じゃ、そういう事だからさっさと帰ってもろて───。」
「ケェエエエッ!!!!ケエエエエエッ!!!!」
「痛ってぇッ!!お前顔面蹴りやがったなこの鳥類がッ!人が下手に出てりゃ好き放題やりやがって───あっ、ご、ゴメン!ゴメンなさい!蹴らないで!控えめに言って爪が痛い!俺が悪かったですすみませんでした!!」
ようやく落ち着いた猛禽類は人を見下した表情で飛び去って行った。あの猛禽野郎⋯⋯飛び立つ寸前でダメ押しの蹴り入れてきやがった。エル、そのアイマスクを差し出すがよい。女子テニス部にしてやる。
「⋯⋯ねぇ。」
「ん?」
「何でアタシなの?」
「⋯⋯と、言うと?」
「トレーナーなら⋯⋯アタシの事、聞いてるでしょ。色々。」
えぇモロちん。あっ、勿論。フジキセキ寮長様から聞いていますとも。だから何をそんなに浮かない顔を───最後に情けないところ見せたせいか?
あ、あのダメ押しの蹴りをかまされた男の姿を見て、何か色々残念な奴だと思われてしまった系!?
そ、そうか⋯⋯つまりこの段階で彼女の俺に対するイメージは、鳥にすら蹴られナメられるクソザコナメクジ以下の魔法使い(意味深)になってしまったという事だ。そんな奴に面倒を見られるなど、自由意志の強い彼女からすればどんな理由をつけてでも断りたいのだろう。俺なら断る。
「⋯⋯アタシ、はっきり言うわよ。やりたくない事とか、つまんない事とか言ったら⋯⋯アンタの言う事だって聞いてやらないんだから。」
「うん。どうぞ。」
「何でよッ!」
えぇ⋯⋯ここ怒られるところ⋯⋯?た、助けてデジたん⋯⋯お前俺とスイーピーの相性バッチリとか言ってたよな⋯⋯?あっ、違うわ。バッチリだったのに俺がマイナスにしたんだこれ。凹む。
いやいや、めげるな俺。寧ろ好感度マイナススタートならば恐れるものは何も無いじゃないか。素直にお気持ちを伝えた所でこれ以上好感度が下がる事は無いのだから安心しろ。
「俺はさ、スイーピー。君の走り⋯⋯実は1回しか見たことないんだ。」
「アンタよくそれで勧誘しようと思ったわね。」
「本当にな。けれど、1回でよかった。その1回で俺は君の走りに、君の生き方に釘付けだったんだよ。それこそ⋯⋯まるで魔法にかけられたみたいに。」
【警報】三十路限界アラート発令中。恥ずかしい台詞が止まりません。転げ回りたいが、やる事やってからデジタルに何とかしてもらえ。
「2回目は⋯⋯いや、それ以上の走りを見るなら、俺は絶対に自分の手で君を導いてやりたい───と、思ってたんだけどな。」
「⋯⋯何よ。違うの?」
「
君には君のやりたい事があって、それを君自身が客観視して判断出来ている。そんなの大人だって中々出来る事じゃ無い。それを我儘だと一蹴するのも居るかもしれないが、俺からしてみれば知ったこっちゃないね。」
大体にして彼女はまだ子供。見ろよ、ちまっこいこの背丈を。可愛いーッ!!
違う違う、そうじゃない。我儘の1つや2つ、なんなら20から30程度はなんて事は無い。俺はチームのパパなのだ。寧ろ遠慮される方が気を使うというもの。反抗期?上等。
「率直に言えばスイープトウショウ。君を"偉大な魔女"と呼んであげるにはまだまだ経験も実力も足りないよ。けどな───今の君は。今の段階で既に、誰よりも"気高い魔女"だと俺は思っている。もしもそんな魔女に仕える事が出来たなら⋯⋯こんなに誇らしく、幸せな事は無いだろうさ。」
「⋯⋯。」
あかん、俯いちゃった。そのおっきな帽子寄せて貰っていい?お顔が見えなくてポニーちゃんビクビクしてるの。
こ、これでダメなら3日ほど待って下さい!原稿用紙にちゃんと勧誘文句纏めてから出直して来ますッ!すみませんッ!1回しか走ってるの見た事ないクソザコナメクジ以下の童貞が偉そうな口きいてすみませんッ!ナメクジらしく部屋の隅でヌルヌルのぐっちょぐちょに大人しくしてますッ!!塩対応されたら縮むけど。
「⋯⋯そこまで言うなら⋯⋯夏合宿ぐらいは⋯⋯参加してあげても良いけど。」
「っ!⋯⋯そ、そうか。じゃあ改めて、『勇者御一行』へようこそ。歓迎するよ、スイーピー。」
「じゃあさっさとミーティング行くわよ!」
「あぁ、分かった。」
っしゃあオラァッ!!!!第1関門突破キタコレッ!!ラリホーラリホー!!よくやったぞ俺!やはり勧誘スキルだけの男と言っても過言では無いぞ俺!魔女っ子属性まで来たらいよいよウチのチーム無敵だなぁおいッ!ゼファファファファファッ!!
でも好感度はマイナスなんですよね?うわっ、考えたら辛くなってきた。夏合宿耐えられないかもしれない。
しかし心做しか嬉しそうな顔をした彼女を見てふと思う。きっとこの気高さも強さいつか必ず魔法となって多くの人々を魅了するだろうと。
それはきっと観客達だけでなく、誰もがまだ見ぬ偉業を目指す、あの小さな女王候補にも必ず───。
「何勝手にマンボ呼んでるんデスかーーーッ!!」
「げっ、プロレス娘!急げスイーピー!走るぞ!」
「そこ穴。」
「あぁはぁんッ!!!!♡」
何でまだ好感度下がる事態になるんだよクソが。1日に喘ぎ声3回はシャレにならねぇわ。覚えてろよウインディ⋯⋯ッ!お前、絶対にデジタルをあてがってやるから覚悟してやがれチクショーッ!!
「アーーーッハッハッハ!バチが当たったんデス──ケェーーーッ!?」
「お前も落ちるんかい。」
「なーーーっはっはっは!ウインディちゃん特製スペシャル落とし穴なの──どわぁッ!?」
「お前も落ち──お前は落ちるなよッ!!」
ウィンディちゃん(深考ウィンディ) : 言わずと知れたイタズラ大好きっ子。デジタルには何しても喜ばれるし、そのトレーナーには何しても薄いリアクションしか返ってこないので出来れば関わりたくない。でもイタズラはしたい。この世は難儀なものなのだ。
エルコンドルパサー(女子テニス部) : 黄金世代の中ではキングの次にロリコンと仲良し。マンボがロリコンの昼飯を奪ったが為に生まれた奇妙な縁。クソ強いのに何回見てもテニスコートに居そうな素顔。エル、寝技をしなさい。ブエノ!ブエノー!マットの上で汗だく全開ドンタコス!!
マンボ(鳥) : 猛禽類。
ヤマニン海賊団 :