人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!!   作:なちょす

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ラモラモ実装!ラモラモ実装!こいつはめでてぇ!独身兄貴たちも一緒に引こ♡天井見上げよ♡まさか石無いとか言わないよね?♡

私はありません。

何で今来るんだよ⋯ラモーヌ程の女は3周年かと思うだろ⋯逆に誰なんだよ3周年⋯⋯ッ!
ドゥラメンテか?ドゥラメンテなのか!?ジェンティルドンナ!?オルフェーヴル!?大穴ステゴサウルスかッ!?もう分かるわけないだろリバティアイランドおめでとう愛してる。



対決 : らもらも&てぃーぼー

「マヤノさん、こんなとこで油売ってて良いんですか?」

「いーの!今日は普通の練習お休みだし、トレーナーちゃん達も色々やる事があるって言ってたもん。午後まで後輩(ヒメ)ちゃんと居よっかなーって♪」

「そりゃどうも。」

「ぶー⋯⋯もっと嬉しそうにしてくれてもいいのにー。」

「ちゃんと喜んでますって。表情筋の奴が気性難でして。」

「ぶーぶー!」

「あんまりブー垂れてるとメスブタになりますよ。」

「メスブタってなに?豚さん?」

「是非トレーナーちゃんに聞いてみて下さい。なるべく人の多い所で元気良く。」

 

 

 何がそんなに楽しいんだか、膝の上でルンルンしちゃって。

 今日からようやくアタシらハーバーも夏合宿に合流した矢先のコレ。オフだから良いけども。

 この子もこの子でどうしてかアタシに懐いちゃって⋯⋯普通、こんなイカつい顔してバチバチにピアス開けた奴には近付かんでしょ。少なくともアタシが知ってる中じゃこの子とあのクソボケ大先生だけだし。

 

 

「そんなに不思議?」

「何がですか?」

「ヒメちゃんと仲良くしてるのが!そんなに心配しなくても、ヒメちゃんはトレーナーちゃん達からも大事にされてるのに。マヤだって一目見た時に、ビビビーッ!ってきたんだから。」

「へぇ⋯⋯因みにアタシまだ何にも言ってなかったんですけど。」

「お顔に書いてるもーん。」

 

 

 流石の理解力。よっ、古今無双のチョロかわ娘。

 喋らなくて良いのは楽だけど時と場合によっては超やりづらいヤツ。そもそも、その大事にしてくれてるトレーナーちゃん+他2名も変人ばっかりなんですけどね。

 

 財布出しながら"身体触らせて下さい"って頭下げに来る夢女姉さんとか。

 いよいよ他人様の飲み物に薬品ぶち込み出した頭カフェイン兄さんとか。

 子供だけ狙ってフィルタリングを透過してくるフィッシング詐欺師とか。

 

 字面だけ見たら間違い無く子供を預けられない3人衆。あっどーも、これが職場のトップ達です。知ってます?中央トレセン学園って言うアットホームな職場なんですけど。

 

 

「それにマヤ、ヒメちゃんをリスペクトしてるからね!この間ドラマで言ってたけど、ヒメちゃんみたいなタイプってこう言うんでしょ?えっと〜⋯⋯。」

「⋯⋯?」

 

 

「大人と子供を都合良く使うタイプ!」

 

 

 アタシ嫌われてんのかな。少なくとも褒め言葉じゃねぇし、職場にそんなん居たらブチ切れ案件だわ。マヤノさんドラマから言い回し覚える癖何とかなりませんかね。あーでもアクション映画見出すとたまに毒吐くんだった。

 

 

「あとねあとね!ヒメちゃんのギャップ萌えも、すっごくお手本にしたいって思ってるの!」

「はぁ、ギャップ萌え⋯⋯あります?」

「あるよ!だって普段そんなにクールなのに───。」

「⋯⋯?」

 

 

「トレーナーちゃんと話してる時は女の顔してるもん!」

 

 

 アタシ嫌われてんのかな。普通に毒吐いてきたわ。この子の目にどんな風に映ってんのマジで。えっ、大人と子供使い分けながらお気にの男の前でメス顔晒してる女って事?ヤバぁ⋯⋯。

 

 

「誰がお気にやねん。」

「どうしたの?」

「何も。午後からレースでしたっけ?」

「うん。キタちゃんがラモーヌさんと走って、マヤとロブロイちゃんはトウショウボーイさんと!」

 

 

 出た出た先輩(ロリコン)の謎コミュニティー。だから先輩もヨシエさんも、生徒さん達から近寄り難いってんのに。

 そもそもアンタが居なかったせいで学園に来たテンポイントさんの対応させられたんですけど。トレーナーの中じゃアタシが1番付き合い長いから、『じゃあ代わりに⋯⋯』とか意味分からん事を緑の人に言われましたよアンタの後輩ちゃんは。1時間あやとりしながらマンツーで時間潰したこっちの気持ち考えろっての。無駄にハロンタワー極めたわ。あのたわけ、毛糸で(シバ)いたろ。

 

 

「ヒメちゃん。」

「はい?」

「今トレーナーちゃんの事考えてた。」

「いやヘルシェイク矢野の事考えてました。」

「またそんな事言っちゃって───あっ。そうだマヤ、やっぱりやる事あったんだ!だからそろそろ行くね!ばいばーい♪」

 

 

 クソ自由やんこの女児⋯⋯まいっか。

 

 ひとまず夏の成果、見せてもらいましょうかね。先輩。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞRXッ!わっしょい音頭はぁぁあぁぁッ!!!」

「にっ、日本の音頭だ!お祭りだ!あっそーれっ!」

 

『わっしょい!わっしょい!わっしょいしょーいッ!!』

 

「トレーナーさんッ!」

「どうしたブラック!」

「ラモーヌさんの目が辛いですッ!」

「お前さんの成長に感動してるのさッ!」

「ラモーヌさんの周りをぐるぐるする必要ありますかッ!?」

「あるともッ!さぁラモラモ、感想を述べよッ!」

「酷い祭り。」

 

『ひんっ。』

 

 

 ダメかー。キタちゃんの緊張解すのに良い案だと思ったけどな⋯⋯。

 お前とレースってだけでヤバいのに、観客までバカみたいに増えたんだからキタちゃんだって上がっちまうだろうよ。ルドルフみたいに威圧感を加減しなさい貴女。何の為にブルマ履いてるんだ。

 

 

「あのっ、や、やっぱり怒ってますよぉ⋯⋯。」

「落ち着いてくれキタちゃん。ラモーヌは───なんと怒らない!聞いてみな?」

「⋯⋯ラ───。」

「怒ってるけれど?」

「うわぁーーーんッ!ヨシエさぁーーーんッ!」

「君は純粋で素直だねぇ。悪い大人には気をつけ───んぁーッ!!」

 

 

 突如現れたフランス帰りのお姉さんが頭を鷲掴みしてきた。何で水着なの?何で薄手のパーカーだけで済ましてんの?またファスナー君悲鳴あげてんじゃん。はっ?デッカ、キレそう⋯⋯いやキレてんのコイツだな。帽子の下から覗いてる目がマジだ。俺を今殺そうとしてやがる痛い痛い痛いすっごい痛いッ!!握力ゴリラだなお前ッ!絶対学名"ヨシエ・ヨシエ"とかだろウホホイッ!

 ゴリラがそんなデカ乳ぶら下げてるわけねぇだろ反省しろ。

 

 

「これ以上ウチのルーキーに恥かかせるなら頭骨握り割るぞバカ野郎⋯⋯ッ!」

「いやーッ!ビクともしねぇッ!頭割れるーッ!お前何で居るんだよ!帰国日は今日じゃねぇだろ!?」

「はっ?何時帰ってこようが私の勝手だろ喋んな。お前の後はクソモルモットだ⋯⋯アイツ6000回ぶっ殺してやるッ!!!

「助けてテイオーッ!テイオーッ!テイ、テイ、オーッ!」

「⋯⋯ヨシエー。あっちでクロフネのトレーナーが呼んでたよ。」

「はーい!♡今行きまぁーーーす!♡⋯⋯命拾いしたなドブカスが。

 

 

 トレーナー歴が先輩なら他人にここまでの暴言吐き捨てていいの⋯⋯?俺一応年上⋯⋯うっ、こめかみの辺りが陥没してそうだ。

 

 

「何で痛い目見るって分かっててちょっかいかけるのさ。」

「いつか俺の方が上だと絶対に分からせる為だ。あたた⋯⋯。」

「望みは薄いねー。ほらっ、邪魔になるから戻るよ。」

 

 

 ふとキタちゃんの様子が気になり目を向けると、すっかりラモーヌに怒ってる・怒ってないと振り回されていた。あの魔性はああやって玩具が出来るとすぐ⋯⋯ヌッ、視線!なっ、なんだよお前事実だろ!?そうやって俺の事も⋯⋯クソゥ、おっ、大人をからかいやがって⋯⋯ッ!

 

 しかしまぁ───。

 

 

「テイオー。」

「何?」

「お前の後輩、バケるぞ(・・・・)。」

「うん。知ってるよ(・・・・・)。」

 

 

 ひぇっ。これだからポラリス(天才集団)は。

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 始まったレースの展開は分かりきっていた。

 

 なるべくハナを取りながらラモーヌさんから距離をとる。ヨシエさんに見出して貰ったあたしの走りは、比較的長い距離での"逃げ"。正直言って、今回みたいな2400mは少し厳しいらしい。

 ましてや相手が、トリプルティアラを達成した魔性の青鹿毛と呼ばれる人なら尚更。

 

 前を走っていても感じるプレッシャー。もっと逃げたいけれど、正直今のあたしに2400mの正しい走りが出来るとは思えない。これ以上はペースを乱されるだけ⋯⋯ジリ貧になったらそれこそ潰されると思う。

 

 

 半分を超えた辺り。プレッシャーと嫌な予感は、確信に変わった。

 

 

「ねぇ───このまま終わらないわよね?」

「っ⋯⋯!」

 

 

 余りにも呆気ない抜かれ方。

 接戦なんか起きもしないで、ただ一方的に潰されていくんだ。

 

 昨日、あんなに勇者御一行の皆さんが声を掛けてくれたのに。

 スイープさんが魔法を掛けてくれたのに。

 

 こうして走って改めて思い知らされた⋯⋯やっぱり強い人だ。今のあたしじゃとても相手にならない。

 それと同時に、今ならこの人に言われた言葉が身体で理解出来る。メジロラモーヌさんはどうしようもなくアスリートで、レースに真摯で、"自由な世界"と言っていたこの場所を愛してる。そう⋯⋯伝わる。

 

 だから物足りないあたしじゃ、実力不足だってのも痛い程分かっちゃうんだ。

 

 ⋯⋯私は?私には何がある?この人のそういう感情にぶつけられる何が?

 まだ分からない。何も思いつかない。テイオーさんだったらどうしてるんだろう。

 余計な事を考えないように⋯⋯それが出来たらどれだけ楽なのかな。

 皆、どうしてあんな簡単に出来るんだろう。あたしには後、何が足りてないのかな。どうして勝てないのかな。どうして届かないのかな。

 

 ⋯⋯⋯⋯あぁ。

 

 そうか。

 

 

 あたし、やっぱりダメだ。

 

 

 あんなにも胸躍らせていた筈の場所が怖い。

 ラモーヌさんの愛してるこのターフが怖い。

 覚悟の違いを見せつけられるのが怖い。

 勝ちたい気持ちを比べられるのが怖い。

 

 そして、どうしようもなく惨めな自分が許せない。

 

 あたしは。

 

 あたしは、ただの臆病者だったんだ。

 

 

 

で?どうするよ、意気地無し。

 

 

 

「えっ⋯⋯?」

 

 

 

 

 それは、聞いた事の無い誰かの声。

 辺りを見回しても、そんな声の主はどこにも居ない。

 

 その代わり───。

 

 

 

「キタちゃん。」

 

 

 

 一瞬。

 

 最後の直線に差し掛かった、ほんの一瞬に。

 あたしを呼んでくれた声がした。

 あたしと眼を合わせてくれた人が居た。

 目深に被ったキャップの下から笑みが見えた。

 

 今度は知っている顔だ。知っている眼だ。

 今まで何度も横で見てきた、無邪気な笑みだ。

 

 何かを確信した時にだけ見せる───『皇帝の杖』の慧眼。

 

 無敗の三冠ウマ娘が、"絶対"的実力を歴史へ刻み付けた時に。

 無敵の最強ウマ娘が、"絶対"な自分を証明して奇跡を起こした時に。

 病弱だったウマ娘が、"絶対"の覚悟でダービーを勝ち取った時に。

 不撓不屈のウマ娘が、"絶対"と言われていた絶望を跳ね除けた時に。

 

 ⋯⋯臆病で、良いんですか?

 勝てなくて良いんですか?

 こんなあたしで、本当にポラリスに居て良いんですか⋯⋯?

 

 

 

「⋯⋯そう。貴女───。」

 

 

 

 音が、遠くなる。

 

 景色が白んでいく。

 

 胸の鼓動と血の巡りだけが加速していく。

 

 自分の走る道と、ラモーヌさんの行く道だけが青々としていて。

 聴こえるのは、あたしの息遣い、ラモーヌさんの嬉々とした声。

 大地を踏み締める蹄鉄と土の弾ける音。

 それから───大きく息を吸った、あたしの、トレーナーの。

 

 なら。

 

 ならっ!

 

 それならッ!!あたしはッ!!

 

 

 

「キタサンブラック!ぶちかませッ!!」

 

「っ⋯⋯あぁあ"あ"あ"あ"ッ!!!!」

 

 

 

 あたしに出来る事なんて最初っから一つだろ!

 

 あたしは!ただ我武者羅になるしかない!

 

 あたしはッ!足が動かなくなるまで突っ走るだけ!

 

 みっともなくても!何も分かってなくても!やらない理由になるもんかッ!

 

 あたしのトレーナーの前でッ!諦めていいワケ⋯⋯あるもんかぁッ!!

 

 もっとだ!

 もっとッ!

 もっと、もっと、もっと!!

 

 先へッ!前へッ!走れ歯を食いしばれ死ぬ気で踏ん張れ止まるな諦めるな、諦めるな、諦めるなッ!あの背中を絶対に逃がしてたまるかッ!!

 

 だってそれが⋯⋯それが、キタサンブラックのッ!

 

 

 

「あたしだけの───"絶対"なんだからぁぁああああッ!!」

 

 

 

 足が沈んだ。

 

 地面がぬかるんだようにも感じたそれは、自分の足が迎えた限界。

 

 ゴール板は、ほんの数メートル先で。

 

 前には、ラモーヌさんの背中があって。

 

 真っ直ぐなんか到底走れなかった。

 フラフラで、やっぱりみっともなくて。転ばないように何とかゴールしたその先で力尽きようとしたけれど。

 

 

「そんな顔出来たのね。まるっきり怪物みたい。」

ラ⋯⋯モーヌ、さ⋯⋯。

 

 

 受け止めてくれたのはラモーヌさんだった。

 パチパチ視界に火花が走る。寄りかかる形になっちゃったからすぐにでも退けたかったのに、足は歩くどころか立つ事さえ許してくれない。

 

 

「先ずはゆっくり息を整える事。途中から呼吸のペースがおかしかったもの。明らかに酸素不足ね。」

「ゲホッ、ゲホッ⋯⋯!す、ずみま、ゴホッ⋯⋯。」

「話す前に自分を落ちつけなさい。」

 

 

 ラモーヌさんは全然息切れなんか起こしてなかった。あれだけ必死に走ったのに⋯⋯追いつこうとしたのに⋯⋯まるで届かなかった。

 

 あぁ⋯⋯もう⋯⋯悔しいなぁ⋯⋯。

 

 息が出来ない苦しさか、それ以外の何かか。

 あたしに出来ることはターフを力いっぱい握る事だけ。

 拳に落ちた雫に気付いて、これ以上みっともない顔を見せないように歯を食いしばるだけ。

 

 落ちるな⋯⋯お願いだから、もう、落ちないでよ⋯⋯。

 

 

「───よろしくてよ。‎」

 

 

 ふと、そんな声が聞こえた。

 上げた目線の先で、ラモーヌさんは微笑んでいた。頬に添えられた右手が、あたしの目から零れるみっともない想いを撫でている。

 

 

「怪物は怪物でも、意地っ張りな怪物さん。そうね⋯⋯その走りをもっと普通に出せるようになったら、かしら。」

「えっ⋯⋯?あ、あの、でも⋯⋯あたし⋯⋯ぷぇっ!」

「2度は言わないの、私。」

 

 

 ギュッと掴まれた頬。変な声出しちゃったし、なんか凄く真剣で⋯⋯あっ。お、怒らせちゃったかな⋯⋯。

 ラモーヌさんはそれだけ言うと立ち上がって、背中を向けた。

 

 

「ねぇ、貴女。自分が今どんな顔をしているか分かって?」

「⋯⋯きっと、ぐちゃぐちゃ⋯⋯です。ヘンテコです⋯⋯ズッ⋯⋯みっともなくて、カッコ悪くて───。」

 

 

 

「"ここで生きてる"って顔をしてるわ。」

 

 

 

 ピシャリと遮られた。

 けれど、どこか温かさの籠った声音は、自分が何を言おうとしてたのか、それすらも忘れるくらいに心地よかったんだ。

 

 そんな時、遠くから大きな声でこっちに呼び掛けてくれる人達が居た。

 

 

「やったぜキタちゃーーーんッ!!課題合格!いい走り見せてもらったお礼に、私もスッゲーレース見せてやんよ!」

「そのままテイオーちゃんも追い越しちゃえ〜〜〜!」

「カッコよかったぞキタちゃんブラックッ!いよっ、バクシン教の1番弟子!頭バクシンオー!!」

はぁーっはっはっは!お呼びでしょうかーーーッ!?」

「あっ、呼んでな──どこ行くねーんッ!

 

⋯⋯あははっ。

 

 

 嬉しそうな声。喜んで貰えたのかな?凄い⋯⋯バズーカみたいなクラッカー鳴らしてるけど⋯⋯賑やかだなぁ⋯⋯。

 

 そんな皆さんを一瞥して歩き出したラモーヌさんと入れ違いになるように現れたのは、あたしの⋯⋯ポラリスのトレーナーさん。最後の最後まで信じてくれたその人は、立ち止まったラモーヌさんの横で耳打ちしていた。

 

 

「どーよ、ウチの子は。」

「シンボリルドルフに話があるのだけれど。繋いでくれるわよね?」

「合宿所に居るんだから、ご自分でどうぞ?」

「生憎と気分じゃないの。じゃあ、よろしく。」

 

 

 わざとらしく肩を竦めたヨシエさんは、少しだけキャップを上げて座り込んだあたしを見下ろした。

 

 

「久しぶりだね。良い顔してるじゃん。青鹿毛ちゃんはどうだった?」

「⋯⋯あたし、全然ダメでした。ごめんなさい、やっぱり⋯⋯!」

「やっぱり?」

 

 

⋯⋯こんなの、ポラリスに相応しくない⋯⋯ですよね⋯⋯あははっ。

 

 

 しまった、って思った。

 言いたかった事はそうじゃないのに。本当は⋯⋯本当はっ。

 

 勝ちたかったって。

 頑張ったって⋯⋯っ。

 次は負けませんって!!

 

 ⋯⋯信じてくれて、ありがとうって。

 

 そう言いたかったのに⋯⋯やっぱりダメだなぁ、あたし。

 

 

 

 

それ(・・)を決めるのは私だよ、ルーキー。」

 

 

 

 

 しゃがんだヨシエさんが、キャップの下から目線を送ってくる。何もかも見透かしたような、怖いぐらい鋭い目。怒ってるわけじゃ、なさそうだけど⋯⋯耐えられなくて、目を逸らしてしまった。

 

 

「君に問おうか。どうして私が君に声を掛けたのか⋯⋯1度でも考えた事ある?」

「⋯⋯すみません。」

「あるのか、無いのか。」

「なっ、無かったです⋯⋯!」

「よろしい。君がテイオーに憧れてる事も、自分の走りにコンプレックスを抱いていた事も知ってるよ。でもね?私が君に声を掛けたのは───それでも諦めていなかった(・・・・・・・・)から。」

 

 

 その言葉に自然と顔が上がる。ヨシエさんの目は、優しいお姉さんみたいな目になっていた。

 

 

「骨折から1年明けに復活した奇跡の天才ウマ娘。

 残りのクラシック期間を犠牲に栄光を掴んだダービーウマ娘。

 屈腱炎なんて絶望にだって立ち向かい続けた不撓不屈のウマ娘。

 3人の共通点はね⋯⋯いつだって諦めなかった事だよ。ただテイオーみたいになりたいってんなら、私とルドルフは君をチームに入れてないし声も掛けなかった。けれど足りない自覚があって尚、君は"足りない"を補う為に我武者羅になり続けた。違う?」

「それは⋯⋯あたしには、それしか出来なくて⋯⋯。」

「自分に嘘をつかないで、いつだって弱さを認めてきた。それは誰にでも出来る事じゃないし、走ってる時だってそうだったでしょ?なら、次にやる事なんて⋯⋯っ、ゴメンちょっと⋯⋯。」

「ヨシエさん⋯⋯?」

 

 

 珍しく言葉に詰まったこの人は帽子で顔を隠した。どうしたんだろうって思ったけれど、答えはすぐ分かって。

 

 俯いた顔を───涙が幾つも通っていた。

 

 

 

⋯⋯いやぁー悔しいよねぇ⋯⋯そりゃそうだよ。次は絶対勝とうね。私も頑張るから。君の気持ちを、君だけに背負わせないから。気付いてあげられなくて、迎えが遅くなって、本当にゴメンねキタちゃん。

 

 

 

 言葉より先に、あたしはヨシエさんを抱きしめていた。

 普段の姿からは考えられない程小さくて、弱々しくて、消えてしまいそうで⋯⋯震えていた。

 

 私の心に言葉で言い表せない何かが⋯⋯ううん、本当は分かってる。分からないフリ(・・・・・・・)はお終いにしなきゃ。

 

 

 あたしは、もう誰にも負けたくない。

 

 

 そう思ってギュッと握った手の平に違和感がある。いつから握っていたのか、それはペットボトルキャップ位の灰色で透明な石の欠片だった。

 

 遠く。

 

 ヨシエさんの背中の向こう、ずっと遠くの日陰に誰かが立っている。

 

 それは見た事もないウマ娘。けれど、知っている(・・・・・)

 

 腰まである黒髪に橙色のメッシュが入った、まるで⋯⋯日蝕(・・)の様な髪色のその人は、聴こえない声であたしに語りかけた。

 

 

 

それやるよ。またな、キタサンブラック(意気地無し)

 

 

 

 姿が消える直前の木漏れ日に照らされた顔は、子供のような笑顔だった。

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「ヨシエちゃん大丈夫かな⋯⋯。」

「大丈夫だよ。ありゃ鬼のように強い女だ。」

「そうかなぁ⋯⋯マヤ、ヨシエちゃんはすっごく繊細だと思うけど⋯⋯。」

「わははっ。」

「む〜〜〜。」

 

 

 スタート地点に着いてすぐそう言ったマヤの言葉に、トレーナーちゃんは笑ってた。今そんなにおかしい事言ったかな?

 

 

「そう頬っぺを膨らまさないの⋯⋯どの道俺らに出来るのは、ああやって遠くから声を掛ける事だけだよ。本当に気持ちを共感してやるのも、悔しさを分かち合うのも、結局は一緒にやって来た奴にしか分からん。同じ"頑張ったな"って言葉でも、俺らとアイツじゃ全然意味が違うのさ。キタちゃんは死ぬ程悔しいと思う。ウチに預けるって選択肢を取るしか出来無かったヨシエもそう。だから───マヤノ?」

「⋯⋯今ヨシエちゃんの事呼び捨てにした。」

「ん〜〜〜お話聞いてたかな〜?トレーナーちゃん、珍しく良い事言った自信あるよ〜?」

「日頃の。」

「行い。」

 

『あははははっ!』

 

 

 トレーナーちゃん横になっちゃった。

 

 

「おーい。準備は良いかーい?」

まーだだよ⋯⋯。

「しろよ。何寝てんだオラッ、この!」

「あだっ!?足出すな足っ!」

「うっせー!寝技の1つでも掛けてやろうかお前っ!わははっ!」

「仲良いね。」

「で、ですね⋯⋯。」

 

 

 ロブロイちゃん、緊張してる。実際マヤもそうだし、するなって言う方が難しいと思うんだ。だってこんなに和気藹々な空気だけど、目の前のこの人は紛れも無く教科書に載ってる人で⋯⋯実はまだ夢なんじゃないかって思ってるんだよね。

 何となくロブロイちゃんは課題の意味を理解したらしいけど、うーん⋯⋯この人が素直にやらせてくれるとは思えないし。トレーナーちゃんに言われた、"トウショウボーイをよく見てろ"って意味の方がざっくりし過ぎててイマイチ⋯⋯。

 

 

「うしっ、やろうか。」

「もう良いの?」

「逆にまだ自分のトレーナーを痛めつけて欲しかったの⋯⋯?まぁ、満々満足ティーボーさんって事だから⋯⋯並びな。」

 

『っ!』

 

「おいで、2人共。技術と蹄跡を。意地と感情を。そして天の誇りと責務を持って、トウショウボーイが君達を見届けよう。願わくば───今日この日を、生涯忘れる事の無いように。」

 

 

 

 

後輩ちゃん助けて⋯⋯身も心もボロボロ⋯⋯まぢむり。

「あっ、目線オナシャース。出来ればこの醜態を生涯忘れる事が無いように。」

「はっ倒すぞ。」

 

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

 

 2400mの芝コース。アップダウンの差はあるけれど、右回りな事も含めて大体は日本ダービーと同じ条件。

 レースが始まってすぐ、ロブロイちゃんはマヤの後ろにピッタリ付いてきていた。

 やられて始めて分かったんだよね。ティーボーさんやトレーナーちゃんが言ってたロブロイちゃんの課題。

 

 スリップストリーム───確かにこれなら、マヤよりも少しだけ小さいロブロイちゃんは楽に走れると思う。

 

 中〜長距離を走れるマヤと中距離メインなロブロイちゃんはスタミナの絶対量が違うから、ロブロイちゃんがやらなくちゃいけないのはどれだけスタミナの消費を抑えながら前に出やすい位置をキープし続けるか。

 

 けれどこの子の事ばかり気にしてもいられない。マヤだって競ってるのは同じ。ティーボーさんに逃げの一手は多分通用しない⋯⋯けど力でぶつかったら確実に押し負けるから、前をキープして走らなきゃ。

 何より怖いのは───やっぱりこの人のメンタル。

 

 

「ふーん⋯⋯良い位置だね。ロブ之助も役目を良く分かってる。その調子で頑張れ〜。」

 

 

 全然余裕そうなんだよね。

 マヤ達現役なのに、何か一方的にプレッシャーに振り回されちゃってるんだ。

 ロブロイちゃんもロブロイちゃんで、今日は何かいつもと違うって言うか⋯⋯あれ?これマヤだけプレッシャー2重で掛けられてない??理不尽っ!

 

 

 暫く展開に変化は無くて、そのまま1000mを超えた辺り。いよいよ後ろからあの人が近づいて───。

 

 

「じゃっ、お先。」

 

『えっ。』

 

 

 ⋯⋯今躱された?距離を詰めるとかじゃなく?にしてもあっさり過ぎない⋯⋯?

 うそっ、だってさっきまで全然距離開いてたのに⋯⋯スパート、掛ける?

 ううん、あの人全然余裕そう。ここで仕掛けても結局最後はジリ貧になるよね⋯⋯かと言って最後の直線まで引っ張ったところで、あの人のスパートに間に合うとは思わない。そもそもあの人がどこでスパート掛けるタイプなのか分かんない。

 

 あっ⋯⋯これ、やっちゃった?もしかして攻めの機会無くなっちゃった感じかな?そっか〜⋯⋯。

 

 

 

 どどどどどーすんの、どーすんの?♪

 

 

 

って言ってる場合かーーーいッ!!トレセン音頭が流れて来たよもーっ!考えるのはこっちじゃなくてレースの方だってば!でもこれ、マヤ一人が何しても多分───あっ。

 

 ロブロイちゃん⋯⋯右にズレた?

 

 

「マヤノさんっ。」

 

 

 斜め後ろから飛んで来た眼光は、いつものオドオドしたロブロイちゃんのじゃなかった。

 

 自分はやれるって顔。

 前に行かせて欲しいって顔。

 あの伝説と戦いたいって顔だ。

 

 なら⋯⋯いける、かも。

 

 

「ロブロイちゃんっ!」

「はいっ!天駆けるウマ娘は⋯⋯私が地上に引き摺り下ろしますッ!」

 

 

 過激ッ!!ロブロイちゃんこんな感じだったっけ!?もしかしてティーボーさんに当てられてる!?

 う〜〜〜〜〜〜ん⋯⋯っ!!もう難しい事は無しッ!!ロブロイちゃんがそんなに意地を見せるなら、ステイヤーの意地(マヤのドキドキ)だって見せなきゃね!!

 

 その為には───。

 

 

「おーおー、ようやくかよ英雄ッ!!アタシはここだぞッ!前走ってやるから、その意地()奮って見せろやッ!!」

「言われずともッ!!」

 

 

 そう、行って、ロブロイちゃん。その位置ならティーボーさんは内側に潰される。どれだけスパートで速度を稼げるって言っても、ロブロイちゃんと競ってる中じゃスタートだって出しにくいはずだもん。その子だってダービー2着の実力者なんだし!

 

 今回は大外1人で回るマヤの方がスタートは早いもんねー!これで⋯⋯っ。

 

 

「先に逃げ切っちゃうからッ!!」

「あっはっはっは!!いいねいいね!熱くなるねぇ!こんなに燃えたのは久しぶり、内側に追い詰められたのもダービーぶり───ダー、ビー⋯⋯?」

 

 

 一転、ティーボーさんの顔つきが変わった。

 ダービー───まるでその言葉でスイッチが入ったみたいに、すんごく悪い目付きっていうか⋯⋯笑ってるのに笑ってないよ。あっ、何かダメかもコレ。

 

 それと同時に叫び声がした。マヤとロブロイちゃんを呼ぶトレーナーちゃんの、珍しく慌てふためいたそんな声が。

 

 

「2人共ゴールまで全力疾走ッ!そいつキレてるぞッ!!」

 

 

『えっ。』

 

 

「⋯⋯誰から聞いたんだよ、この攻め方。走りにくいったらありゃしない。そうだ、そうだった⋯⋯ダービーでもやられたんだよコレ。もどかしくてさぁ⋯⋯めっちゃ悔しかったんだって。マジに。」

 

『えっ。』

 

「あー、何か色々⋯⋯負けて、初めて泣いたんだ、うん。ダチ公の前でさ、ダッセェとこ見せて⋯⋯なぁロブ之助ぇ⋯⋯アイツだろ?」

「えっ!?あっ、いえっ、あのっ⋯⋯!」

「マヤノー⋯⋯やっぱり、アイツだよなぁ。」

「しっ、知らない知らない知らないっ!たまたまだからっ!」

 

 

 うぅ〜〜〜ッ!!何か痛いっ!横からのプレッシャーが凄く痛いっ!何これ!?ブライアンさんもローレルさんもマベちんもこんな事にならなかったのにっ!!この人ヤダ!怖い!

 

 

「うわぁーーーん!スパーーーーーートッ!!」

「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

「いさみんの教え子まで使って⋯⋯ふざけるなよクライムカイザーッ!!

 

『誰ーーーーーッ!?』

 

 

 内側に追い詰められたティーボーさんが見せた初めての本気顔。今迄の比じゃないプレッシャー。

 普段が自由人過ぎてたまに忘れるんだけど、この人だって伝説級なんだよね!そうだよね!

 

 TTGは一緒に競い合った3人かもしれない。でもライバルがそれだけとは言ってなかった。多分そのクライムカイザー?って言う人も、この人にとっては凄いライバルで⋯⋯でもっ⋯⋯!!

 

 

「それを今ぶつけないでよっ!もぉーーーーっ!!」

「どこ見てんだマヤノトップガンッ!私を見てろッ!!」

「っ⋯⋯!」

 

 

 低くなった姿勢に、1歩1歩確実に抉れていく地面。

 それは見間違いなんかじゃなかった。トウショウボーイさんの背中に生えた───。

 

 

───綺麗な、翼。

「ぶっ飛ばして行くからなぁッ!!」

 

 

 勝てると思ってた。

 この策ならギリギリ通用すると思ってたし、現役のマヤ達なら逃げ切れるって思ってたんだ。

 けれど、天駆けるウマ娘には⋯⋯そんな小手先の事なんて些細な問題で、到底捕まえられるものじゃなくて。

 

 凄いなぁ⋯⋯やっぱりこの人の走り方、何回見ても───あれ?

 

 

 マヤ、どこで見たんだっけ(・・・・・・・・・)

 

 

 ⋯⋯そうだった。何で忘れてたんだろ。

 気になる事があったんだ。

 聞きたい事があったんだ。

 ついて行ったら⋯⋯分かるかな。

 勝ったら教えて貰えるのかな。

 

 ねぇ、天さん。

 

 

 

 それを真似したら(・・・・・・・・)、マヤにも見える?

 

 

 

⋯⋯マジかこのチビ⋯⋯ならやろうぜ。力尽きるその瞬間まで。」

「"Rock ON"───しちゃったからね?」

「ロブロイッ!こっから気張れよーッ!!」

「っ⋯⋯はいッ!!」

 

 

 後もう少しで届きそう。

 でもこの走りは違う⋯⋯これはあたしのじゃない(・・・・・・・・・・・)

 どうすれば追いつけるかな。どうすれば自分(あたし)(もの)になるのかな。

 

 それが欲しい。そうなりたい。そこに行きたい。行きたいの。

 

 そのキラキラした場所に───あたしはッ!!

 

 

 

 

 

 

「とか言って、とっくにゴール過ぎてるんだけどね。わははっ。はい私の勝ち〜。」

 

 

『えーーーーーーッ!?』

 

 

「熱くなるのは良い事だけど振り回され過ぎだぜGirls。策に出るのがちっと遅かったね。2000mしか無いんだから、もう少し早くあの思考になってれば───どしたの?」

「⋯⋯2000m。」

「ですか⋯⋯。」

 

 

 マヤ分かっちゃった。流石のロブロイちゃんも眼鏡が光ってる。

 

 だって聞いてた話と違うもん。

 

 400mも短いもん。

 

 

トレーナーちゃん2400mって言ってたもんっ!!

 

 

「ったく、レース中に暴れ散らかしやがって⋯⋯。」

「演技に決まってんでしょ?今更クライムカイザーの1人や2人⋯⋯フーッ!フーッ!

「ダメじゃん。2人共お疲れ様。取り敢えず身体休めて反省会───。」

「動かないからッ!」

「エッ。」

「疲れたッ!だからマヤ動かないもんッ!トレーナーちゃんおんぶしてッ!ロブロイちゃんと一緒に運んでッ!」

「⋯⋯つ、追加400m分の疲れが⋯⋯すみません、結構辛いです⋯⋯。」

「追加400m⋯⋯?何の話?いさみん───。」

「⋯⋯ふむ、そっ、成程⋯⋯ヌン。」

「⋯⋯お前やったな?」

 

 

 引き攣った顔のティーボーさんの前で、トレーナーちゃんは静かに笑った。

 

 

「⋯⋯誰か、俺に耳鼻科を紹介して下さい⋯⋯へへっ。」

「ジョーダンちゃーんッ!ローレルさぁーーーんッ!!」

「それ耳鼻科じゃ───ひんっ。」

ぜーんぶ見てましたよ?

「へー。"耳鼻科"ってこう書くんだ⋯⋯あっ、やってるとこねーわ。」

『真面目か。』

 

 

 ある意味で忘れられないレースになった今日。

 本気のロブロイちゃんを見れた事。

 マヤの知らないドキドキとピリピリがあった事。

 ターフで見た綺麗な翼の事。

 

 色んな知らない事、やってみたい事が出来た。それに⋯⋯マヤがマヤじゃなくなったみたいな、あの最後の感覚。

 

 

 ⋯⋯ねぇ。あたし(貴女)はだぁれ?

 

 

「さっ、マヤちゃん。戻ろっか。2人は私とジョーダンちゃんが運んであげるから。」

「ローレルさんありがと〜!」

「ロブローイ?だいじょぶかー?」

すみません⋯⋯本当に、無理っぽい⋯⋯です⋯⋯。

「私も戻るわ〜。あの男には死ぬ程反省して貰わなきゃね。ラモーヌ見張りにしてきたから帰ろ帰ろ。正直言ってあの2人が揃った空間にこれ以上留まるとろくな事になりゃしない。」

 

 

 主犯、トレーナーちゃんはティーボーさんが"よしっ"て言うまで、ずっと四つん這いのまま反省させられてた。多分このままこってり絞られると思うけど、流石に今回は反省してもらうからねっ!

 

 

 何でラモーヌさんが背中に座ってるのか分かんないけど。見張りってそういう事?ううん、考えるのやーめた!もう今日はお終い!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、ラモーヌ。」

「あら?反省中は口を利いても良いのかしら。」

「ちょっとだけさ。お前⋯⋯"エクリプス"と繋がってるだろ。デジタルやルドルフと同じ様に。」

「さぁ⋯⋯どうだか。人参はいかが?」

「こりゃどーも⋯⋯生かよ。」

「兎に角やる事は変わらないわ。ただ⋯⋯貴方達には手札が無い。最低でもカードはもう1枚必要よ。人参はいかが?」

まだ食ってんだろ(まらふっへんやろ)ッ!もごぉ。」

「遠慮なさらないで?ほら。そのもう1枚のカード⋯⋯そうね。"取っておきの切り札"をどう使うかは、貴方次第。惨い選択かもしれないけれど、まぁ頑張ってね。」

「⋯⋯もご。」




メジロラモーヌ(ラモラモ) : 言動キツい御局様かと思ったら子供に優しくて語彙力皆無な直感型の麗しレディー。当作品内では貴重な常識人枠と見せ掛けておもしれー奴大好き未亡人。距離置かれるとキレるか拗ねる。ツンツンしてるけど若手にゲロ甘。憧れも嫉妬も無縁な一般オタクが差し切ったお陰で勇者御一行はお気に入り。ロリコンとタッグを組ませたらタチが悪い。

日蝕色の髪の人 : 暇人。暇過ぎて出て来た。真っ黒サイモンちゃんの対極。三女神に最も近かった"漂流者"。性格はお察し。

クライムカイザー : ダービーウマ娘。当作品では名前のみ。ウイポでボコボコにされました。ふざけるなよ⋯⋯ところ天の助ッ!


次回───『さよならブルボンさん』


時間は飛んで再びレース、ほぼブルンボルンとココンさんです。おデジは勝つもん。(壮絶なネタバレ)

アオハル杯の続きを⋯⋯やり残した未練を果たす為に。
燃えよミホノブルボン。燃えよ後輩ちゃん。
───夏の浜辺にアオハル来たる。


あっ、ロリコンは拉致されるので冒頭のみです。後輩ちゃんが頑張るコメディーをお楽しみ下さい。
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